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Check against –

      2021/02/04

~ と照合する

「照らし合わせる」「突き合わせる」を意味する句動詞。

他動詞の句動詞なので、句他動詞。

複数の資料を照らし合わせて確認をとる作業は、
仕事に欠かせない。

対象は自作資料ばかりでない。

信用の置けるデータを、別角度から検証するため、
出所の異なる情報と突き合わせたりもする。

「突き合わせる」から「突合(とつごう)」と音読み。

この読みは『広辞苑 第七版』にも『精選版 日本国語大辞典』にも
載っていなかった。

それぞれ【突合せ】【突合】と書き、「つきあわせ」と読む。

訓読み「つきあわせ」が正式な日本語かと思ったが、
『大辞林 第三版』には音読みも記載されていた。

  とつごう【突合】

突き合わせて調べること。
(大辞林 第三版)

この辞書の「つきあわせ」は【突き合(わ)せ】。

送り仮名は、国語辞書間で相当のばらつきがみられる。

名だたる辞書間でも、こんな感じなので、日本語は難しい。
無論いずれも正しく、「 内閣告示 」を順守している。

英語の場合、イギリス英語とアメリカ英語などのスペルの
違いが、辞書間でちぐはぐになることは考えにくい。

◆  一方、「照合」は統一されていた。

  しょうごう【照合】

  • 照らし合わせて調べること。
    (大辞林 第三版)
  • 帳簿、書類などを照らし合わせること。
    (精選版 日本国語大辞典)
  • 照らしあわせ確かめること。
    (広辞苑 第七版)

以上、長々と国語辞典を引用したのは、表題 “check against”
の意味が「突合」「照合」と重なるからである。

つまり、”check against” の意味は、上掲2枠の中身そのもの。

本稿これでお終い、といってもよいくらいぴったりの語釈なのである。

◆  使用場面も一緒。

「○○と突合」「○○と照合」は、”check against ○○ ”
と置き換えることができる。

例えば、

  • “I have to check my list against yours.”
    私のリストをあなたのものと突合しなければならない。)

検証対象の手元資料(下線部)を間に入れるのが基本。

この例では “my list”(私の一覧、私のリスト)。
自作リストを指すことが多い。

実務担当者であれば、日常的に行う「突合」「照合」。

裏付けを取るのに不可欠な作業。


◆  したがって、それなりに使うフレーズであるのは想像できるはず。

ところが、英英辞典にはほとんど載っていないのである。
今回調べた7点の英英で、唯一記載していたのは、マクミランのみ。

“check against”

PHRASAL VERB  [TRANSITIVE]

[check something against something]
to find out whether information is accurate or
useful by comparing it with other information.

Macmillan Dictionary(マクミラン)
https://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/check-against

PHRASAL VERB  [TRANSITIVE]  とは、

他動詞の句動詞なので、「句他動詞」
transitive  phrasal verb)。


句動詞として、他の辞書に見当たらないということは、
「句動詞」扱いするに及ばないと
判断されているのであろうか。

これはどういうことか。

◆  まず、句動詞の定義を思い出そう。

「句動詞」の基本的定義は、
「前置詞または副詞一緒に用いるこで、
元々の動詞異なる意味となる複数の単語」である。

【参考】   句自動詞と句他動詞の区別

“check against” の場合、「元々の動詞」つまり
他動詞 “check” の意味をそのまま引き継ぐ。

すなわち、「調べる」 「調査する」 である。

“check” については、”just checking in
で詳述している。

【発音】   tʃék
【音節】   check  (2音節)

◆  比較の前置詞 “against” (~と対照して)を受けると、
「~と対照して調べる」 「~と対照して調査する」。

【発音】   əgénst
【音節】   a-gainst  (2音節)

こうして、国語辞典の「突合」「照合」に結びつく。

他動詞 “check” と 前置詞 “against” の基本的意味通りで、
ひねった点は一切ない。

先の定義の「句動詞」には、該当しないという解釈である。

普通の「動詞+前置詞」に過ぎず、広義の句動詞 ではあっても、
独立項目を設けるレベルに及ばないとの結論に行き着くのだろう。
-ー

◆  基本的なビジネス用例を6つ挙げる。

突き合わせる

 

“They will check your name against the blacklist.”
(彼らはあなたの名前をブラックリストと照合するだろう。)

“Make sure to check it against the original.”
(それを必ず原本と突合してください。)

“The police are checking his records against their database.”
(警察は彼の記録と警察のデータベースを照合している。)

“Why don’t you check your answers against mine ? ”
(あなたの回答を私のと照合したらどうでしょう。)

“We have to check his schedule against this plan.”
(彼のスケジュールをこの計画と照らし合わさないと。)

Check her education background against the requirements.”
(彼女の学歴と資格要件を照合せよ。)

 

 

【類義表現】

  • reconcile

【発音】   rékənsàil
【音節】   rec-on-cile  (3音節)

普段使いは、
– 「和解させる」(他動詞)
– 「仲直りする」(自動詞)

マイナー用法で、
– 「 照合する 」(他動詞)

主として、会計分野 で用いる。

  • “reconcile data”
    (データを照合する)

専門用語なので、一部の中型英和辞典には
記載されていない語義。

 

 

 

 

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