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I don't think so.

      2020/01/05

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 2 minutes

そう思いません。

単なる否定ではなく、やんわりとした
<非難>や<反発>が含まれることが
多い慣用句。

非難・反発の度合いは、言い方と状況に
大きく左右される。

◆ その程度が強ければ、”I” を特に強調する。
そうは思わない、私はね
ガツンと言い放つ感じ。

 

◆ ソフトに述べると、
そうかな…そう?
疑問・反語や皮肉を帯びる。

 

◆ 棒読みの一本調子であれば、
そうは思わないけど。
自分の意見を率直に言う感じ。

発言者にもよるが、一般的にはこんなパターン。

たった4語だが、表情はバラエティに富む。

老若男女を問わず使う言い回しで、
耳にする機会は多い。

自ら使う機会も少なくないだろう。
頻出表現として理解するとよい。

 

◆ 表題のポイントは、”so”。

“so” には、副詞・接続詞・間投詞がある。
語源は、古英語「そのように」(swā)。
副詞が語源なので、”so” の基本は副詞用法。

– 副詞「そのように」「同じように」「とても」
– 接続詞「~するように」
– 間投詞「それで」「ほら」

ここでも副詞「そのように」。

したがって、”I don’t think so” の直訳は、
「私はそのように思わない」。

◆ この副詞 “so”(そのように) が、曲者である。

“so” の示す内容が不明確で、すんなり把握しがたい。
「そのように」が何を指すのか。
文字面からも読み取りにくい。

<否定形の疑問文>(質問)への回答によく使われ、
私たち日本人学習者の鬼門となる。

質問:

Don’t you trust me ? 
(私のこと、信用してないの?)

回答:

I don’t think so.

この “I don’t think so.”(そう思わない。)は、
信用しているのか、してないのか。

日本語から考えると、
否定形の質問 “Don’t you ~ ? ” を
否定する回答 “I don’t think so.” は、肯定である。

しかし、これは正しくない。

【誤】信用している

この間違いは、日本人に多い。

相手の否定形を考慮して、回答すると間違える。

否定の否定は肯定」の論理。
日本語間のやり取りでは適切。

 

◆ 着眼点を変えれば、このミスは比較的容易に防げる。

質問の否定形を考慮しないこと。
そして、自分の回答内容の否定・肯定で判断する。

つまり、相手の質問から、自分の回答を切り離して考える。

信用していないのであれば、それは否定的な内容。
よって、回答は否定形を用いる

【正】信用していない

相手の質問の否定形は無視

「自分の意見」の内容が、
否定的か肯定的かで判断

Don’t you trust me ? ”
(私のこと、信用してないの?)

もし信用していなければ、回答は否定的。

だから、否定形 “I don’t think so.”
(信用してない。)

信用してるの?   信用してないの?  どっちなの?

 

信用しているなら、
“Yes, I trust you.”

肯定的な内容だから、”Yes”。

誤解の余地なく、はっきり否定するには、
副詞 “so” は使わずに、
No, I don’t trust you.” などと述べる。

否定的な内容だから、”no”。

回答としての “Yes” と “No” も、
内容の肯否で判断する。

信用してないなら、自分の意見は否定的
で、“No”。

もっとも、Yes / No 抜きでも通じる。

質問:

Don’t you trust me ? 
(私のこと、信用してないの?)

回答:「信用している」

Yes, I trust you.

I trust you.

回答:「信用していない」

I don’t think so.

I don’t.

No.

No, I don’t.

No, I don’t think so.

No, I don’t trust you.

I don’t trust you.

回答は例示にすぎず、その他にも想定できる。

<否定形の疑問文>への回答は、
赤枠の基本を押さえれば、さほど難しくない。

慣れれば、なんてことない。

「否定の否定は肯定」は本来正しい。
英語でも<二重否定>はこの論理を適用する。

とすれば、”I don’t think so.” は、
否定形の質問に対する論理的な回答に
なっていないとも考えられる。

そのためか、誤解を招きそうな様子であれば、
英語ネイティブも “so” など避ける。

誤解されたら、いろいろ厄介である。

◆ 以上の流れから考察すれば、あえて副詞 “so”
を用いる人の気持ちが推察できる。

どこか端折った感がある点は、日本語の「そう」
にも共通するだろう。

この返答をもたらした心持の例示が、上掲の黄枠内である。

既述の通り、”I don’t think so.” は、様々なニュアンスが
詰まった表現であり、必ずしもネガティブ感情とは限らない。

だが、否定的な動機(非難・反発・皮肉など)を基本
とするのは、以下の微妙な会話からも自明だろう。

“Don’t you love me anymore ? ”
“I don’t think so.”
(私のこと、もう愛してないの?)
(愛してないね。)

“You should have told me that.”
“I don’t think so.”
(そのことを教えてくれればよかったのに。)
(そんなことないね。)

“Your heart is so cold.”
“I don’t think so.”
(あなたって、とても冷たい人。)
(それは違うね。)

 

 

 

 

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