A while back
2022/06/21
先日、このあいだ
日常的にかなり見聞きするのに、日本で
学ぶ機会が少ないフレーズの代表例。
“a while ago” ともいう。
いずれも<3語ワンセット>で副詞的用法(副詞句)。
「先日」と言えば、和英辞典では次の2つが鉄板。
■ recently
(近頃、このあいだ)副詞ー
–
■ the other day
(先日、このあいだ)副詞句
一方、”a while back” と “a while ago” については、
英和辞書を引いても、ほぼ出てこない。
英英辞典も同様。
–
◆ 独立項目としては、両方とも以下14点に記載なし。
※ 2017年11月13日 初稿時点
< 英和辞典など >
< 3大学習英英辞典(EFL辞典)>
< オンライン英英辞典 >
- ロングマン(LDOCE)
http://www.ldoceonline.com/ - オックスフォード(OALD)
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/ - ケンブリッジ(CALD)
http://dictionary.cambridge.org/ - コウビルド(COBUILD)/ Collins
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english - マクミラン(MEDAL)
http://www.macmillandictionary.com/ - メリアム ウェブスター
http://www.learnersdictionary.com/
◆ 辛うじて見つけたのが、次のオンライン辞典。
※ 2017年11月13日 アクセス
<3語ワンセット>としては辞書に現れないが、
“a while” であれば、普通に出てくる。
“a while”
a period of time, especially a short one.
(ロングマン、LDOCE6)
和訳:時間、特に短い時間
“a while back” は、この2語に副詞 “back” を加えたもの。
※ 形容詞 “back” 説もある
ー
せんじつ【先日】
近い過去の或る日。このあいだ。過日。
—
せんぱん【先般】
さきごろ。せんだって。
(広辞苑 第六版)
“while” は不可算名詞なので、英文法の基本に従えば、
不定冠詞 “a” はつかないはず。
–
ところが、”while” は単数名詞であるため、
“a” をつけることができる。
「単数名詞」(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞。
英英辞書では “S” または “sing” と略記されたりする。
さらに、「短い時間」を示す場合、<2語ワンセット>
の “a while” が通例。
※ “the while” なら、「その時」「その間中」
“while” には、名詞・接続詞・前置詞・他動詞・副詞
がある。
ー
語源は、古英語「時間」(hwīl)。
語源に沿った「時間」の意味合いが、すべての品詞を貫く。
◆ 主要な熟語は次の通り。
-
all the while
(その間中) -
at whiles
(時々) -
between whiles
(合間に) -
once in a while
(時々) ※ 頻出 -
worth while
(時間をかけるだけの価値がある) ※ 頻出
ところで、1語の副詞 “awhile“(ちょっと、しばらく)
は、「1つ」の「while」を語源とする。
しばらく【暫く・須臾】
1. 少しのあいだ。しばし。暫時。
(広辞苑 第六版)
意味は、名詞用法の “a while” に重なる(後述)。
英英辞典の定義は、軒並みこの通り。
“awhile”
for a short time.
(LDOCE6、OALD9、CALD4 ほか)
“awhile” は副詞なので、前置詞の有無などに違いが出る。
○ “Let’s stay awhile.”
○ “Let’s stay for a while.”
(しばらく残ろう。)
ところが、両者が混同されて使用されることが
しばしばあり、文法的には不適切なはずの
用法も定着している。
△ “Let’s stay for awhile.”
△ “Let’s stay a while.”
英文法に従えば、この2文は間違いのはず。
だが、既に一般化しているため、△扱いとなる。
–
–
◆ 時間の感覚は人それぞれ。
ー
「先日」の解釈は、人によって相当異なる。
–
<数日前>と考える人もいれば、<数ヶ月前>と
解釈する人もいる。
とりわけ重要事項であれば、日時を明確
にしておくことがトラブル防止につながる。
相手が、文化・習慣・価値観の異なる外国人なら、
なおさら大切である。
ー
この点は、弊サイトにて何度も取り上げてきた。
例えば、以下で説明している。
- ”from time to time“ (時々)
- ”to the extent possible“ (可能な限り、できる限り)
- “Take a moment to – ” (〜する時間をとる)
- “foreseeable future” (近い将来)
“We talked on the phone a while back.”
(先日、我々は電話で話しました。)
“I saw him a while back.”
(このあいだ、彼を見かけた。)
“We ate out at a restaurant a while back.”
(このあいだ、私たちは飲食店で一緒に食べた。)
“A while back, I sent a gift with my RSVP.”
(先日、招待の返事とギフトを送付した。)