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Name-calling

      2020/02/28

悪口、罵倒  

子ども同士の喧嘩からビジネスマンによる罵詈雑言
まで、「悪口」全般をカバーする不可算名詞。

使用場面は、幼稚園からニュースまで幅広い。

一見簡単な単語だが、予め意味を知らないと
誤解しやすい 。

動詞で言い換えると、
call one’s names“。

この用途では複数形が通例(後述)

額面通りに受け取ると「名前を呼んでいる」。
何ら毒気のない言葉に感じられる。

とんでもない。
悪意満載だ。

小学校の先生が親を呼び出す原因として、
どこの国にも常住するのが “name-calling”。

“name-calling”

  • the act of using rude or insulting words
    about somebody.
    (オックスフォード、OALD9)
  • the act of using offensive names to
    insult someone.

    メリアム ウェブスター
  • abusive or insulting language referring to
    a person or group, a verbal abuse.
    Wikipedia

“name-calling” の特色は、既述の通り、
「悪口」であれば、子どもから大人まで
網羅する点。

日本語の場合、大人は「中傷」「罵倒」など、
状況に応じて置き換えるのが一般的だが、
“name-calling” は年齢・地位を問わない。

ニュースに使われるくらいだから、
ネガティブ言葉にありがちな下品さはなく、
邪推を受けにくい。

だから、名詞「悪口」= “name-calling”
と覚えておけば間に合う。

所有格 “my” ではなく、目的格 “me”(後述)

 

◆ “name-calling” は、名詞2語をハイフンで
つないだ「複合名詞」(compound noun)。

“name” には、名詞・他動詞・形容詞がある。

語源は、古英語の「名前」(nama)。

基本的意味は、語源に沿う。

– 名詞「名前」「呼称」「評判」(可算・不可算)
– 他動詞「命名する」「指名する」「述べる」
– 形容詞「有名な」「名にちなんだ」

“name-calling” の “name” は、可算名詞。
実は、これは基本的意味から外れる用法。

名詞「名前」には違いないのだが、複数形 “names
となる。

複数形 “namesには、「名前」の複数形に加えて、

悪口」「蔑称

という独自の意味がある。

この用途の場合、複数形が常

よって、本来なら “names-calling” となるはずだが、
“name-calling” で定着した。

既記の “call one’s names“(~の悪口を言う)
の “one’s” には、人称代名詞の目的格を入れる。

同じく目的格を用いて換言して、”call names at XX”。

◆ 最も多用される単数の目的格を入れると、こうなる。

  • “call him names
  • “call her names” ※ 所有格の “her” ではない
  • “call names at him
  • “call names at her
    (~の悪口を言う)

文法通りなら、目的格に合わせて、
“name” も単数になるはず。
ところが、この用途の “name” は複数。
ここがポイント。

◆ 複数「彼らの悪口を言う」でも目的格となる。

  • “call them names” ※ 所有格 “their” ではない
  • “call names at them

「名前を呼ぶ」所有格  

  • call my name
    (私の名前を呼ぶ)
  • call his name
    (彼の名前を呼ぶ)
  • call her name 
    ※ “her” は、所有格・目的格が同形
  • call their names
    (彼らの名前を呼ぶ)

「悪口を言う」目的格  

  • call me names
    (私の悪口を言う)
  • call him names
    (彼の悪口を言う)
  • call her names
    (彼女の悪口を言う)
  • call them names
    (彼らの悪口を言う)

よって、複数形 “names” 以外でも判別可能。

日常的に見聞きするケースは、
単数 “his” または “her” が大半。

 

“calling” は、名詞のみの単語。

可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

語源は、「神の召命」。

主な意味は次の3つ。

  •  呼ぶこと
  •  天職
  •  衝動

ここでは「呼ぶこと」で、不可算名詞。

 

◆ 以上より、表題 “name-calling” は、
可算名詞 “name” と 不可算名詞 “calling”
をハイフンで結んだ不可算名詞の複合名詞となる。

ハイフンなしの “name calling” や “namecalling”(1語)
の表記もあるが、意味は同じ。

  • “No more name-calling.”
    (悪口はもうやめよう。)
  • I don’t care, but it’s just name-calling.”
    (構わないよ。単なる悪口だから。)
  • “Name-calling won’t make you happy.”
    (悪口があなたを幸せにすることはない。)
  • “Don’t resort to name-calling.”
    (悪口に頼るな。)
    ※ “resort” = 自動詞「手段に訴える」
  • “My friends used to call me names.”
    (私はかつて友達に悪口に言われていた。)
  • “School bullying always includes name-calling.”
    (学校のいじめは常に悪口を含む。)
  • “Bullies called all sort of names at her.”
    (いじめっ子たちは、彼女にあらゆる悪口を浴びせた。)

 

<「中傷する」類語5選 >   ”dis“(ディスる、ディする)

  1. insult (他動詞・自動詞・名詞)
  2. bad-mouth (他動詞・名詞)    ※ 口頭中心
  3. slander (他動詞・自動詞・名詞)
  4. defame (他動詞)
  5. libel (他動詞・自動詞・名詞)   ※ 主に法律用語

ディスる」「ディする」の “dis“(”diss” と表記することもある)
は、他動詞 “disrespect より。

俗語だが、卑語ではない。

【発音】   dís
【活用形】   dis – dissed – dissed – dissing

 

 

 

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