プロ翻訳者の単語帳

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Chances are -

      2020/11/10

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 2 minutes

おそらく ~ だろう 

おそらく~だろう
多分~だろう

と言いたい時に多用される<2語ワンセット>
の決まり文句。

口頭が目立つが、文面でも問題ない。

ポジティブな響きを帯びる “chances” に
be動詞 “are” をつけたシンプル構造。

◆  摩擦音の “ch” から始まるため、言葉に勢いが出て、
言い出しには打ってつけ。

語勢が強いと、他者の注意を引く効果が高まる。

1990年代、「ちゃんと、ちゃんとの味の素
のCMが話題となった。

当時のコーポレートスローガンをそのまま
織り込んだ、印象的なキャッチコピー。

日本語の「ちゃ」は 破擦音 だが、 “ch” の特長
は共通しており、それを活かした例と考えられる。

「破擦音(はさつおん)」とは、破裂音と摩擦音
の両方を持ち合わせ、破裂音の直後に摩擦音が来る。

◆  “chances” は、名詞 “chance” の複数形。

“chance” には、名詞・形容詞・自動詞・他動詞がある。

【発音】   tʃǽns (1音節)

平板で、均一なリズムの日本語では、
3音節の「 チャ – 」。

ところが、英語では「1音節(one syllable)」。

腹の底から ゲロする 迫力で、一息に発声する。

チヤ

「チャ」よりは「チヤ」と聞こえたりする。

音節」(syllable、シラブル)とは、発音の最小単位。

→  音節の差異が顕著な日英比較は、”integrity” 参照

単複で音節数が変わらない英単語もあるが、
複数形 “chances” では、2音節に増える。

チヤン セス


◆  語源は、ラテン語「出来事」(cadentia)。

「チャンス」とは、「機会」「好機」(広辞苑 第七版)。
英語でも、この2つが基本。

同義語は “opportunity“。

肯定文の場合、”chance” の方が偶然性が強い。
つまり、「偶然または運よく起こる」様子。

–  名詞「機会」「好機」「偶然」「可能性」
–  形容詞「偶然の」
–  自動詞「偶然~が起こる」
–  他動詞「思い切ってやってみる」

◆  このうち、圧倒的に使われるのは名詞。

可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

◇  名詞 “chance” は、頻出かつ最重要 の英単語

全3項目すべて最高ランク。

  • 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
  • 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
  • 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>

(ロングマン、LDOCE6 の表記より)

表題でも名詞で、「可能性」の意味合い。

直訳は「可能性は~である」。

「~という可能性である」と換言でき、
転じて、「おそらく~だろう」。

「可能性」の名詞 “chance” は、可算・不可算兼用。
“Chances are – ” では、可算名詞の複数形。

  •  “A chance is – ” 
    (ある可能性は~である)
  •  “The chance is – “
    (その可能性は~である)

では、意味合いが違ってくる。

このフレーズは、複数が通例となる。

複数形に定冠詞をつけた “The chances are – ” も同義扱い。

こちらは<3語ワンセット>。

次の通り、CALDでは カッコ入りの “the”
を加えて項目立てしている。

(the) chances are

informal
it is likely.
(ケンブリッジ、CALD4)

“Chances are”

it is likely that.
(ロングマン、LDOCE6)

※ 下線は引用者

“likely” には、形容詞と副詞があるが、
ここでは形容詞「ありそうな」「起こりそうな」。

「絶対確実とはいえないが、起こりうる」レベル。

蓋然性(がいぜんせい)を示す一般語が “likely”、
すなわち “chances are” である。

「蓋然」
おそらくそうであろうと思われるさま。
(広辞苑 第七版)

したがって、”it is likely that – ” は、
「~はありそうである」「~は起こりそうである」。

まとめると、

chances are

  •  おそらく~だろう
  •  多分~だろう
  •  ~はありそうである
  •  ~は起こりそうである

“are” 以降に続く内容に合わせて、和訳を当てはめる。

◆  文法上は、be動詞 “are” の直後に従属接続詞 “that”(that節)
を置くのが原則となる。

だが、実際の使用では、“that” を省略することが多い。

以下の例文では、カッコに入れて示したが、いずれも
削って問題ない。

 

  • Chances are (that) she will be late again.”
    (おそらく彼女はまた遅刻するだろう。)

  • “Chances are (that) he has heard the news already.”
    (おそらく彼は既にその知らせを聞いているだろう。)
  • Chances are (that) he has left there by now.”
    (おそらく彼は既にそこを去っているだろう。)

  • “Chances are (that) she will leave me soon.”
    (おそらく彼女は僕を振るだろう。)

◆ “chances” が「好機」「機会」なら、こんな感じ。

  • “Chances are increasing.”
    (機会が増えている。)
    (好機が増えている。)
    (可能性が増えている。)
  • “Chances are slim.”
    (機会は少ない。)
    (好機は少ない。)
    (可能性は低い。)

 

【関連表現】

“when you get a chance”
https://mickeyweb.info/archives/132
(ご都合の良い時に)

“Take a chance.”
https://mickeyweb.info/archives/3329
(一か八かやってみなさい。)

“have a fat chance”
“have no chance”
(可能性なし)(見込みなし)

 

 

 

 

 

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