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Whatnot

      2018/08/20

など、その他いろいろ、その他もろもろ

頻出に至らないが、予め知らないと
まず聞き取れない。
ワッナ」などと聞こえる。

例示によく使う名詞。この用法では
不可算名詞である。
語源は “what not” で、”what may I not say”
の省略表現。
https://www.etymonline.com/search?q=whatnot

たとえ理解できなくても、支障はないのが普通。
しかし、これからご案内するように、”whatnot”
に込められるニュアンスは押さえておく方がよい。

相手が言外に匂わせる感情の機微をとらえる
ことができる
から。
ニュアンスを学んでおけば、その使い手が、
なぜ “whatnot” と表現したか、考察する
きっかけができる。

特にビジネス場面にて、大切となる考え方である。
利害関係のうごめく相手からは、額面通りに
受け取ってはならない状況は少なくない。

複眼的にニュアンスがつかめると、
有利になる機会は確かにある。
それに気づくか気づかないかが、
商談の成否を分けたりする。

◆ 例示として事物をいくつか並べた後に、
and whatnot” と置くパターンが最多。
この <2語ワンセット>で覚えるとよい。

and whatnot” =
spoken
an expression used at the end of a list of 
things when you do not want to give the 
names of everything.
(ロングマン、LDOCE6) ※ 下線は引用者

上掲LDOCE6の説明(青字)通り、口語中心の表現である。

文面に落とす際は、直前のコンマがあったりなかったり
する。その適否は、文法書により論が分かれる。
メディア報道を含む日常使用を調べると、両方ありな感じ。

“and whatnot” は「すべての名を挙げたくない」(下線部)
場面で使う表現とある。

◆ 注意すべきは、なぜ「すべての名を挙げたくない」
かという点。
つまり、背後にひそむ動機が案外大切になる。

面倒くさい>から。<それ以外は知らない>から。
また、得体の知れない対象の<総称として>。

このような動機が、最も一般的な使われ方だと考える。
用途別の統計はなかなか見つからないが、
この中立的な意味合いこそ、原則的な用法であるはず。
英英辞典の語釈の中心をなすので、外れてはいないだろう。

◆ 厄介なのは、<言及する価値を認めない>から。
すなわち「軽蔑を表す用法」としての “whatnot”

今回調べた6点の英英辞典(オンライン版含む)のうち、
この「軽蔑用法」に触れているのが、コリンズ。

また、5点(LDOCE6以外)には “informal” 表示がある。
“whatnot” がくだけた表現であることは間違いない。

whatnot” =
noun, informal
1. Also called: what-d’you-call-it informal
a person or thing the name of which is unknown,
temporarily forgotten, or deliberately overlooked.
Collins English Dictionary

【発音】wɑːt.nɑːt

「わざと見落とされた」が青字部分。
忘れたわけでなく、ちゃんと意識に上がったが、
あえて言わなかった様子。

ちなみに、”whatsit”(あの何とかいうもの、例のあれ)
の語釈も酷似する。”What’s its name” の略である。

辞書によっては、2語とも「代名詞」扱いしている。

whatsit” =
noun, informal
a thing the name of which is unknown,
temporarily forgotten,
or deliberately overlooked.
Collins English Dictionary

【発音】wɑːt.sɪt

どちらも「軽蔑」とは明記されていない。
わざと見落とされた」(青字)のみ。
果たして、大目に見たのか、それとも軽くみたのか。

他動詞 “overlook” は、どちらとも解釈できる。
基本は「大目に見る」。
-「大目に見る」(condone、forgive、pardon)
-「見下す」(ignore、neglect、skip)

実使用における “deliberately” の印象はあまりよくない。
「わざと」「故意に」が定訳で、ニュアンスも重なる。

“deliberately overlooked”(わざと見落とす) は、
「わざと見逃した」とも「わざと無視した」とも解釈できる。

後者が「軽蔑用法」に該当する。
映画・ドラマのシーンには、この用法の “whatnot”
が目立つ。
それは、役者の表情やストーリーから明らかである。

◆ “whatnot” には、さらに次の動機もある。
不都合だから、相手に隠したい
個人的に不快だから、口にしたくない
例示件数を最少にして、追及を免れたい

「軽蔑用法」ほど露骨なネガティブ要素はないものの、
これらの “whatnot” も中立的とは言えない。
不都合を回避する婉曲用法に準じる。

不定称の代名詞 “so-and-so” とかなり共通する用法である。

◆ これまでの説明で気づくことは、日本語の助詞
「など」と”whatnot” の機能が非常に似ている点。

言語(英日)と品詞(名詞と助詞)の違いがあるため、
文法上の役割に違いはあるものの、基本的機能はすべて
該当すると考えられる。

広辞苑で比較してみよう。
青字が “whatnot” との共通部分。

など【等・抔】
[助詞](副助詞)
1. ある語に添えて、それに類する物事が
他にもある
ことを示す。
2. それだけに限定せずやわらげている
3.(引用句を受けて)「大体そんなことを
の意を表す。
4. その価値を低めていう。相手の言ったことを
しりぞける心持で、特にとり立てて示す。
否定的・反語的表現を伴うことが多い。
(広辞苑 第七版)

2は「婉曲用法」。
また、4は「軽蔑用法」だが、「など」そのものよりは、
例示される事物に対する軽蔑が主となる。
この点で、主に言及しない事物を低める意図の
“whatnot” とは異なる。

だが、文法的な厳密さが求められない
日常使用においては、同様と考えられる。
両者とも、話題の価値を低める趣旨で起用する語
である点は同じだから。

ほぼ同機能と考えると、「など」からも「婉曲用法」
と「軽蔑用法」を検討できる。

例文を見ていこう。

  • 「我々が改善すべきは、コミュニケーション
    や教育訓練などです。」
    → 婉曲用法:全部を断言しないで、やわらげる
  • 「コミュニケーションなど知るか。」
    → 軽蔑用法:価値を低める

「など」のありふれた使い道で、何ら難しくない。
各発言に伴う感情も推察しやすい。
“whatnot” を用いて、この2文を英訳すると、

  • “We need to improve communication,
    training and whatnot.”
  • “Who cares about communication
    and whatnot.

言語は違うといえど、上記の感情面は変わらない。
繰り返すが、言語と品詞の違いにもかかわらず、
基本的機能は同然。

したがって、ここまでの説明と「など」の用途が分かれば、
“whatnot” の基礎はクリアしている。

◆ 以上より、”whatnot” はニュアンスが大切であることが、
ご理解いただけたと思う。
その場の当事者であれば、おおよそは把握できるだろう。

中立的な意味合いの”whatnot” が普通であり、
「婉曲」「軽蔑」ばかりでないことは
再度強調しておきたい。

以下の和訳は、あくまでも一例。
状況次第で、意味するところが違ってくる場合もある。

“They serve sushi and whatnot.”
(あの店はお寿司などいろんな料理があります。)

“There is no relationship and whatnot.”
(男女関係などないです。)

“We need to prepare pens, pencils and whatnot.”
(ペンや鉛筆、その他もろもろを用意しなければならない。)

“Those people are full of cheaters and whatnot.”
(この人たちは、浮気者などだらけ。)

“My son wants a dog, a cat, a rabbit and whatnot.”
(息子は犬、猫、うさぎ、その他いろいろ欲しがっている。)

◆ 冒頭で、”whatnot” は不可算名詞とした。
マイナー用法の可算名詞として、「飾り棚」「置き棚
を意味する。

不可算名詞 “whatnot” に比べると、重要度と頻出度が
低いため、本稿では割愛した。

 

<類似表現>

軽蔑用法を含む不定称

  • so-and-so(誰それ、誰々、何とか)

中立的 = 他意のない「など」

  • etc. / et cetera  ※ ラテン語「その他」
    → “et (and)  cetera (the others)”
  • and more
  • and others
  • and so on
  • and so forth

同類の人・物を指す「など」

 

 

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