At short notice / On short notice
2020/01/03
直前に、急に
“at short notice” と “on short notice” は同じ意味。
時間を示す前置詞は “at” でも “on” でもよい。
どちらも<3語ワンセット>で、「副詞」の役割を担う。
つまり、副詞句。
類義語は多数あり、主要なものは、
- suddenly
- immediately
- at once
-
“short” は、名詞・形容詞・副詞・他動詞・自動詞がある。
ここでは、形容詞「短い」。
空間的な長短ではなく、時間的に短いことを指す。
「短時間」で、余裕がないので「急に」。 -
“notice” は、名詞・他動詞・自動詞がある。
ここでは、可算名詞「通知」「予告」。
名詞なのだが、”at short” または “on short” で修飾すると、
<3語ワンセット>で「副詞」用法(副詞句)になる。
“short notice” の直訳は「短時間の予告」だから、
“at” または “on” をつけて「急に」「直前に」と
副詞化できる。
- “He went there on short notice.”
(彼は急きょそこに向かった。)
– - “I canceled the trip on short notice.”
(旅行を直前にキャンセルした。)
–
- “They were fired at short notice.”
(彼らはすぐに解雇された。)
◆ “at” または “on” をつける “short notice” は、
「副詞」として使用するイディオムなので、冠詞はつかない。
参考書で時々見かけるが、
これらは間違い
【誤】 “at a short notice”
【誤】 “on a short notice”
「副詞」用法なら、
冠詞なしの<3語ワンセット>
◆ “at” または “on” をつけずに、
通知そのものを指す
場合は、冠詞がつく。
なぜなら、純粋に「名詞」だからである。
【正】 “I am sorry for such a short notice.”
(こんな直前の連絡をして申し訳ございません。)
→ 直前になってしまった電話やメールなどの通知
について謝罪している。
連絡そのもの(=可算名詞)を話題にしているため、
冠詞が必要。
◆ 類似表現として、
- “I am sorry for the last-minute notice.“
(直前の通知で申し訳ございません。)
この “notice” は、同じく通知そのものなので名詞。
形容詞(late)の最上級の位置づけにある “last”
(最後の)ゆえ、”the” がつくのが基本。––
–
–
確かに、冠詞の有無が分かりにくい。
< ポイント >
“short notice” の使い方が、
「名詞」か「副詞」か。
-
「名詞」
通知そのもの
“at” “on” なし -
「副詞」
直前に・急に・すぐに
時の前置詞 “at” “on” あり
いずれの用法でも、和訳は同然になることが多い
ため、日本人には把握しづらく間違いやすい。
- 「直前の通知で」(名詞)
- 「直前に」(副詞)
この2つは、日常的には同義と解釈されるだろう。
これぞ、混乱の根源。
–
◆ 和訳が同然になるために、区別することが困難で、
日本人学習者が混迷脱落する英単語は、極めて多い。
なぜ混乱するのか、理由が納得できれば、そう難しくない。
例えば、次の2つをご確認いただければと願う。
【例】 “aware” “vocal” ← 動詞と混乱しがちな形容詞
–
和訳を介さずに検討すると分かりやすいかもしれない。
■ 電話やメールの「連絡・通知そのもの」
を指しているのか(名詞)
–
それとも、
–
■時の前置詞 “at” “on” をつけて、
「直前に」「急に」なのか(副詞)
上記ポイントを押さえると、冠詞への理解が一気に深まる。
和訳が同様のため、冠詞で混乱しやすい例:
- “on condition of anonymity”
https://mickeyweb.info/archives/10946
(匿名を条件として)