Don't make personal remarks.
2017/09/26
他人の個人的なことを、とやかく言うな。
“Don’t make a personal remark.” (単数)とも言う。
人をたしなめる常套句。
比較的近しい人に対する注意。
私も何度か指摘されてきた。
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◆ ポイントは、”remarks”。
“remark” には、自動詞・他動詞・名詞がある。
自他動詞とも、「所見を述べる」が基本的意味。
名詞 “remarks” は「挨拶」を意味するが、
ここでは単純に名詞 “remark” の複数形。
最初から “s” がつく「挨拶」を意味しない。
表題では、名詞「意見」「感想」の意で、
類義語は “comment”。
“remark”、”comment” ともに、
好意・悪意を問わず幅広く使える。
意見はいくつも出す場合が多いため、
どちらも複数形を多用する。
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◆ 形容詞 “personal”(個人的な)を加えて、
“a personal remark“(個人的な意見)にすると、
一般的に<意地悪な意見>を表す。
なぜ「個人的な意見」が意地悪か。
“personal” も “remark” も、<意地悪>要素は含まないはず。
◆ このフレーズの “personal” は、実は発言者側でなく、
批評対象者の「個人的な」こと。
だから正確には、相手の「個人的な事柄に対する意見」。
結果的に、”a personal remark” は<意地悪な意見>
を示唆するのである。
“a personal remark” =
a remark about someone’s
appearance or behavior, especially an offensive one.
(ロングマン、LDOCE6) “offensive” = 無礼な
※ 下線は引用者
具体的には、他者(赤の他人を含む)に関する、
– なかなか変えられないこと(身体的特徴や欠点など)
– 先天的なこと(出自や障がいなど)
– 私事(家庭事情やトラブルなど)
どれも他人に触れられたくないだろう。
特に、外観(ルックス)について使われることが多い。
それが “personal remark(s)” である。
ここでの “make” は、他動詞で「行う」。
文脈を考慮すると「言う」。
“don’t”(do not)をつけて「言うな」。
よって、直訳は「個人的な事柄に対する意見を言うな」。
要は「よく知らないくせに、生意気言うな」。
他人様のことを偉そうにあれこれ言って、
「お前、何様なの」という感じ。
それを上品にとがめる表現こそ、
“Don’t make personal remarks.”
“What goes around comes around.”
の人生で、いずれ自分も同様の立場に置かれる
可能性は十分にある。
だから、「余計なこと言いなさんな」。
“His eyes are so small.”
“Don’t make a personal remark.”
(彼の目は小さすぎ。)
(余計なこと言わないの。)
“She is so slow and stupid.”
“Don’t make personal remarks.”
(彼女って、すごくのろまでばかなのよね。)
(そんなこと言わない方がいいよ。)
“You’re too fat.”
“Don’t make a personal remark.”
(君って、超デブ。)
(余計なお世話。)
【類似表現】※ いずれも印象はよくない
“a casual remark”
(何気ない意見)(出まかせの言葉)
“a racist remark”
(人種差別的な意見)
“a sexist remark”
(性差別的な発言)
“an inexcusable remark”
(許しがたい一言)