Uncanny
2024/06/10
異様な、 不可解な、 超人的な
良くも悪くも、 説明しかねる異様さ を表す形容詞。
3大学習英英辞典 ( EFL辞典 ) の語釈は似たり寄ったり。
–
” Uncanny “
■ very strange and difficult to explain.
( ロングマン、LDOCE6 )
■ strange and difficult to explain.
( OALD9、オックスフォード )
■ strange or mysterious;
difficult or impossible to explain.
( CALD4、ケンブリッジ )
【発音】 ʌnkǽni
【音節】 un-can-ny (3音節)
※ 下線は引用者
–
名状しがたく、 文字にも起こしにくい。
筆舌が難しいということ。
自ら詳らかにできない欲求不満もあり、
後ずさりしたくなるような不安感が増す。
どんな風かと問われても、 返答に困る。
日常からかけ離れており、 論理的に解き明かせない。
そもそも、 その正体を自分でも把握しきれていない。
好奇心と怖いもの見たさも入り混じっていたりする。
–
◇ この世のものと思えない
◇ ぞっとする気味悪さ
◇ 異次元のレベルで超自然的
–
「 不思議 」 に収まらない感じで、
もうなんだかよく分からない。
とにかく不気味。
できれば関与せず、 そっと離れたいわ。
あまりの薄気味悪さに、 鳥肌が立つ感じ。
–
不気味
このような状態は、 そう珍しくない。
その際、 状況説明に便利な単語が ” uncanny “。
「 表現に困るヤバさ 」 を目の当たりにした時、起用される
形容詞ととらえても、 あらかた間違っていないと考える。
–
◆ ” uncanny ” の品詞は、 形容詞 ( adjective ) のみ。
不気味な 「 状態 」を表す語 だから、 形容詞。
【発音】 ʌnkǽni
【音節】 un-can-ny (3音節)
副詞 ( adverb ) を作る接尾辞 ” ly ” を加えると、
副詞 ” uncannily “。
【発音】 ə̀nkǽnəli
【音節】 un-can-ni-ly (4音節)
- 接頭辞 ” un ” ( ~ でない )
- 形容詞 ” canny ” ( 賢明な )
で、「 賢明でない 」。
「 賢明でない 」 から 「 理解できない 」。
これが ” uncanny ” の成り立ち。
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- 異様な
- 不可解な
- 可思議な
一般人の理解を越えた、優れた能力を示しているため、
時に、
- 超人的な
- 神秘的な
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下記 「 大辞典 」 によれば、 初出は 1596年。
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『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』
小学館、1993年刊 ( 物書堂 アプリ版 )
… ” luncanny ” の語釈より
◆ < 褒め言葉 > になる使い方も、 多々ある。
しかし、 ” uncanny ” の性質上、 どうしても、
得体の知れない不気味さ
を帯びる。
褒め言葉で用いるには、どこか微妙な気もするが、
人間離れした才能
に対して、最大級の称賛 として扱われている。
” uncanny ” の基本は、 語源通り 「 理解できない 」。
常人の理解を超越している 「 超人 」 としての賛嘆と同時に、
「 異様な 」「 不可解な 」 といった 「 不気味さ 」 が見え隠れする。
–
◆ 非日常的な対象を目にした時、 それを第三者に
理解してもらうことは容易ではない。
文字で適切に表現するには、 相応の観察力、分析力、
そして文章力を要する。
その上で、 読み手の想像力に委ねる必要がある。
書き手側と受け手側の双方に、 ある程度の条件が
そろっていないと、 十分な情報伝達は困難となる。
この点、 映像であれば、 条件は緩和される。
その場面をうまくカメラに収めてしまえば、
あとは受け手に任せられる。
動画の場合、観察力・分析力・文章力 の 要件 は、
文字表現に比べれば、おそらく下がる。
” uncanny ” な内容であれば、 きっと映像の方が説得力が出る。
「 動画の時代 」と言われる所以であろう。
–
◆ 和訳時は工夫し、 悪意が表れないよう配慮するのが一般的。
蛇足ながら、 へそ曲がりの私が推察した、書き手の「 本音 」を
矢印で添えてみる。
- ” She has an uncanny resemblance to her mother.”
( 彼女はありえないほど母親そっくりだった。)
–
→ 母親の生き写しで、 ぞっとするほどキモいわ。
ー - ” It was an uncanny coincidence.”
( それは不可思議な偶然だった。)
–
→ 偶然ではなく、 なんか裏があるはず。
ー - ” There was an uncanny silence in the class.”
( 教室は不気味なほど静まり返っていた。)
–
→ 学生らは、 また悪さをたくらんでいるな。
ー - ” He has shown an uncanny ability to predict results.”
( 結果を予想する彼の能力は人間離れしていた。)
–
→ こいつずるしたな、 ペテン師め。
– - ” She has an uncanny talent for writing documents.”
( 彼女の文書作成の能力は人並外れていた。)
–
→ どこから コピペ したのよ。
– - ” She has an uncanny sense of direction.”
( 彼女は不気味なほどの方向感覚を持っていた。)
–
→ けもの同然ね。
ー
【類似表現】
■ ” eerie ” ※ 形容詞のみ
( 不気味な、 薄気味悪い )
【発音】 íəri
【音節】 ee-rie (2音節)
語源は、 古英語 「 臆病な 」( earg )。