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Uncanny

      2024/02/13

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 3 minutes

異様な不可解な、 超人的な

良くも悪くも、 説明しかねる異様さ  を表す形容詞。

3大学習英英辞典 ( EFL辞典 ) の語釈は似たり寄ったり。

” Uncanny “

■  very strange and difficult to explain.
( ロングマン、LDOCE6 )

■  strange and difficult to explain.
( OALD9、オックスフォード )

■  strange or mysterious;
difficult or impossible to explain.
( CALD4、ケンブリッジ )

【発音】  ʌnkǽni
【音節】  un-can-ny  (3音節)

※  下線は引用者


名状しがたく、 文字にも起こしにくい。

筆舌が難しいということ。

自ら詳らかにできない欲求不満もあり、
後ずさりしたくなるような不安感が増す。

どんな風かと問われても、 返答に困る。

日常からかけ離れており、 論理的に解き明かせない。

そもそも、 その正体を自分でも把握しきれていない。

好奇心と怖いもの見たさも入り混じっていたりする。

◇  この世のものと思えない
◇  ぞっとする気味悪さ

◇  異次元のレベルで超自然的


「 不思議 」 に収まらない感じで、

もうなんだかよく分からない。

とにかく不気味。

できれば関与せず、 そっと離れたいわ。

あまりの薄気味悪さに、 鳥肌が立つ感じ。

 

不気味

 

このような状態は、 そう珍しくない。

その際、 状況説明に便利な単語が  ” uncanny “。

「 表現に困るヤバさ 」 を目の当たりにした時、起用される
形容詞ととらえても、 あらかた間違っていないと考える。

◆  ” uncanny ”  の品詞は、 形容詞 ( adjective ) のみ。

不気味な 「 状態 」を表す語 だから、 形容詞

【発音】 ʌnkǽni
【音節】 un-can-ny  (3音節)

副詞 ( adverb ) を作る接尾辞  ” ly ”  を加えると、

副詞  ” uncannily “。

【発音】 ə̀nkǽnəli
【音節】 un-can-ni-ly  (4音節)

  •  接頭辞  ” un ” ( ~ でない )
  •  形容詞  ” canny ” ( 賢明な )
    で、「 賢明でない 」。

「 賢明でない 」 から 理解できない

これが  ” uncanny ”  の成り立ち。

  •  異様な
  •  不可解な
  •  議な

一般人の理解を越えた、優れた能力を示しているため、

時に、

  •  超人的な
  •  神秘的な


下記 「 大辞典 」 によれば、 初出は 1596年。



『 ランダムハウス英和大辞典  第2版 』
小学館、1993年刊 ( 物書堂  アプリ版 )
  …  ” luncanny ”  の語釈より

 

◆  < 褒め言葉 > になる使い方も、 多々ある。

しかし、 ” uncanny ”  の性質上、 どうしても、

得体の知れない不気味さ

を帯びる。

褒め言葉で用いるには、どこか微妙な気もするが、

人間離れした才能

に対して、最大級の称賛 として扱われている。

” uncanny ” の基本は、 語源通り 理解できない

常人の理解を超越している 「 超人 」 としての賛嘆と同時に、

「 異様な 」「 不可解な 」 といった 「 不気味さ 」 が見え隠れする。

◆  非日常的な対象を目にした時、 それを第三者に
理解してもらうことは容易ではない。

文字で適切に表現するには、 相応の観察力、分析力、
そして文章力を要する。

その上で、 読み手の想像力に委ねる必要がある。

書き手側と受け手側の双方に、 ある程度の条件が
そろっていないと、 十分な情報伝達は困難となる。

この点、 映像であれば、 条件は緩和される。

その場面をうまくカメラに収めてしまえば、
あとは受け手に任せられる。

動画の場合、観察力・分析力・文章力 の 要件 は、
文字表現に比べれば、おそらく下がる。

” uncanny ” な内容であれば、 きっと映像の方が説得力が出る。

「 動画の時代 」と言われる所以であろう。

◆  和訳時は工夫し、 悪意が表れないよう配慮するのが一般的。

蛇足ながら、 へそ曲がりの私が推察した、書き手の「 本音 」を
矢印で添えてみる。

  • ” She has an uncanny resemblance to her mother.”
    ( 彼女はありえないほど母親そっくりだった。)

    →   母親の生き写しで、 ぞっとするほどキモいわ。
  • ” It was an uncanny coincidence.”
    ( それは不可思議な偶然だった。)

    →   偶然なんかでなく、 なんか裏があるはず。
  • ” There was an uncanny silence in the class.”
    ( 教室は不気味なほど静まり返っていた。)

    →   学生らは、また悪さをたくらんでいるな。
  • ” He has shown an uncanny ability to predict results.”
    ( 結果を予想する彼の能力は人間離れしていた。)

    →   こいつ、ずるしたな、ペテン師め。
  • ” She has an uncanny talent for writing documents.”
    ( 彼女の文書作成の能力は人並外れていた。)

    →   どこからコピペしたのよ。
  • ” She has an uncanny sense of direction.”
    ( 彼女は不気味なほどの方向感覚を持っていた。)

    →   けもの同然ね。

 

【類似表現】

■  ” eerie ”     ※  形容詞のみ

( 不気味な、 薄気味悪い )

【発音】  íəri
【音節】  ee-rie  (2音節)

語源は、 古英語 「 臆病な 」( earg )。

 

 

 

 

 

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