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Box office

      2024/11/18

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 4 minutes

( 映画・演劇の )  興行収入

英語の ラジオニュース を聞いていると、
” box office ”  がしょっちゅう出てくる。

年がら年中である。

【発音】  ˈbɑksˌɑfɪs

題名に加え、 監督・俳優名や劇中音声が流れたりするので、
映画について話していることは察することができる。

だが、 肝心の ” box office ”  が意味不明では、
理解はおぼつかないだろう。

後述の通り、アメリカのニュースには欠かせない。

ぜひ覚えておきたい。

◆ 名詞 ” box office ” の主な意味は2つ。

青字がポイント。

 


box office

  1.   [C] the place in a theatre,
    cinema etc where tickets are sold.
  2.   [singular] used to describe how successful
    a film, play, or actor is, by the number of
    people who pay to see them.

( LDOCE6、 ロングマン )

【発音】  ˈbɑksˌɑfɪs


< 参考和訳 >

  1. ( 可算名詞 )
    映画館・劇場などの チケット売り場
  2. 単数名詞
    チケットを購入した観客数 で、
    映画・劇・俳優の成果を示すもの

※  「 単数名詞 」( singular noun )とは、
単数扱いされるのが一般的な名詞
英英辞書では  “ S ”  または  “ sing ”  と略記
されたりする。

 

◆  今の  ” box office ”  は、 日常会話でもニュースでも、
「 2 」 がほぼすべて。

チケットの売り上げ を指し、「 興行収入 」 と換言できる。

ただし、 厳密にはイコールではない。


こうぎょうしゅうにゅう 【興行収入】

映画産業で入場料の売り上げのこと。
また、 ある映画作品におけるその総額。
興収。 ボックス-オフィス

大辞林  第四版 )

  こうしゅう 【興収】

《 「 興行収入 」の略 》
入場料に有料入場者数をかけた金額。
特に映画界で使う。 ボックスオフィス

( デジタル大辞泉 )


それぞれ語釈全文。

” box office ” の定訳が、「 興行収入 ( 興収 )」である。

動員観客数 」「 興行成績 」「 興行収益
もよく使われる。

「 1 」は、語源でもある。

初出は1786年。

今では、「 チケット売り場 」は、 ” ticket office ” や
ticket booth ” の方が主流。

 

【 語源 】

チケット売り場の多くが箱型だったため、

” box  office ” と呼ばれていた。


この ” box office “( チケット売り場 ) が、
「 2 」 の興行収入・興行成績 に派生。

現在は 「 1 」 よりも、はるかに頻出用法。

「 興行収入 」の場合、 定冠詞 ” the ”  を
つけるのが通例。

◇  形容詞 として用いる場合、

ハイフンを入れて ” box office ” と記す

複合形容詞  compound adjective )。

実際には、 ハイフンなしも見かける。

意味は名詞に重なる。

1. チケット売り場
2. 興行収入


” box office ” の定訳は、「 興行収入 ( 興収 )」。

加えて、
大当たり 」「 大人気 」「 ドル箱
といった意味まで記載するのが、 次の英和辞典。

近頃は 「 大ヒット 」 が一般的かもしれない。

  • “The 1980 movie was slammed by critics,
    but was a box office hit.”
    (その1980年公開の映画は、批評家からは酷評されたが、
    大ヒットした。)


◆  ニュースには欠かせないが、” box office “。

業界関係者でもない限り、 自ら使う機会は多くないはず。

通常の英語学習者であれば、 この英語を
見聞きした際に、意味が把握できればOK。

ニュースで使われる  ” box office ” には、
パターンがある。


◆  名詞と形容詞の代表的用法は、 次の通り。

さっと目を通していただければと思う。
※ ハイフンは入れていない

  •  a box office success
  •  a box office hit
    ( 大ヒット作 )
  •  a box office disaster
  •  a box office flop
  •  a box office bomb
    ( 大失敗作 )
  •  a box office draw
  •  a box office attraction
  •  a box office star
    ( 人気者 )
  •  the top box office
    ( 興行成績1位 )
  •  the box office gross 
    ( 興行総収入 )
    ーー
  • ” set a new box office record
  • ” broke box office records “
  • ” beat box office records ”
    ( 興行成績の記録を塗り替えた )
    ーー
  • ” X became success at the box office.”
  • ” X was a big hit at the box office.”
    ( XXは興行面でヒットした。)
    ーー
  • ” X was number one at the box office
    for five weeks in a row.”
    ( XXは5週連続で興行成績第1位であった )
  • “The film made $100 million at the box office.”
    (その映画は1億ドルの興行収益を上げた。)
    ーー
  • “X failed at the box office”
  • “X did not perform well at the box office.”
    ( XXは興行面で失敗した。)
  • “X bombed at the box office.”
  • “X flopped at the box office.”
    ( XXは興行面で大失敗した。)
    ※  自動詞  ” bomb “、” flop” =  大失敗に終わる、大コケする

 

【 興行収益ランキングの有名サイト 】    ※  英文

 

◆  米国のニュースを視聴していると、
映画の興行収入についての報道は、
「 時事扱い 」 されていることに気づく。

政治・経済や事故・事件と並び、
ごく普通に報道されている印象。

一方、 日本では「 芸能扱い 」。

社会現象になるほど、大ヒットしない限り、
一般ニュース枠には入ってこない。

報道するキャスター・アナウンサーの
顔ぶれも異なる場合が多い。

ワイドショーなどで取り上げられるのが、 関の山か。

両国間には、 映画市場規模の違いに加えて、
社会的な位置づけ、人々の認識にも大差がある。

「 映画や演劇なんか、 娯楽に過ぎない 」

日本の世間一般における認識は、 こんな風か。

そうであれば、制作費の 資金調達 に辛酸をなめる
クリエイターらが目立つのも、 不思議でない。

黒澤明 ( 1910-1998 )は、 ご自宅を担保に入れて映画を
撮り、 それでも資金に行き詰まって自殺未遂 ( 1971年 )。

ヴェネツィア国際映画祭やベルリン国際映画祭など数々で受賞し、
世にも輝かしい名声を得た後ですら、 これほど深刻な資金難に
苦しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

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