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Slam

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激しく非難する

ニュース見出しでよく目にする動詞のひとつ。

エンタメ系など、さほど堅くない記事中心に起用される。

【発音】  slǽm  1音節)

◆ 「 非難する 」を意味する動詞は少なくない。

私見を述べると、

◇  動詞 「 非難する 」 実用トップ 8  ( 私見 )

  1.  criticize  ( 自動詞・他動詞 )
  2.  blame  ( 他動詞・名詞 )  ※  弱い非難
  3.  attack  ( 自動詞・他動詞 )   ←  「 非難 」は他動詞のみ
  4.  accuse  ( 自動詞・他動詞 )
  5.  condemn  ( 他動詞のみ )
  6.  denounce  ( 他動詞のみ )
  7.  chastise  ( 他動詞のみ )
  8.  censure  ( 他動詞のみ )


◆  上記7つに比べると、”slam” の重要度は低め。

その割には、よく見かける。

「 非難 」の意味としては、次のすべての英和辞典で、
【 話し言葉 】 または「 口語 」と明示されている。

自ら使えなくても、一目で意味が分かれば
間に合うレベルの単語である。

その程度にもかかわらず、本稿でご案内する理由は、
< 見出し > にやたらと多用される からである。

 

◆  見出しは記事内容の 要約 であり、中身を読むべきか
どうかの 判断基準 を示す。

したがって、見出しのキーワードを読み取れない
ことの
潜在的な機会損失は少なくない と考える。

そのため、見出しに出がちの表現を 優先させる 方針を、
弊サイトでは採用している。

メディア側も、販促などマーケティングのため、
一目瞭然の平明な表現に努める。

見出し作りに叡智を集めているのだから、
英語学習には非常に役立つ。

【参照】  「Gmail」作る単語帳

 

◆  ” slam ” の語源は、擬声語( ぎせいご )。

【発音】  slǽm  1音節)

擬声語 」とは、実際の音を真似た言葉。

擬音語 ( オノマトペ、 onomatopoeia )  とも言う。

【参照】  “ tingling sensation (ASMR) ”、  “ ring a bell


日本語の擬声語で似通うのは、

bump ”  にもやや重なる。

 

◆  イメージは、 バスケの 「  ダンク  」 ( slam dunk )。



ドカン 」 とリングに 叩きつけ ( slam )、
沈める( dunk )のが、ダンク ショット



「 ドアを バタン と閉めないでください 」

または 「 ドアを  バタン  と閉める 」 ( slam the door )。


One door gets slammed in my face

and I search for another.

( 門前払いを食らったら、 次の道を探します。)

Brooke Shields ( 1965- )


→  ” no need ”  参照

◆  “slam”  には、 他動詞・自動詞・名詞がある。

基本的意味は、

–  他動詞  「 バタンと閉める 」 「 ドシンと置く 」 「 強打する 」
–  自動詞  「 バタンと閉まる 」 「 ドシンとぶつかる 」
–  名詞  「 バタン( との音)」 「 強打 」

【活用形】    slams  –  slammed  –  slammed  –  slamming

 

◆  「 グランドスラム ( Grand Slam )」 とは、
スポーツなどにおける主要大会の優勝を独占すること。

野球なら 「 満塁ホームラン 」 の俗称。

「 総なめ 」 することだが、トランプのブリッジでは、早くも
1892年の初出 が確認されている。

「 大勝 」を意味する名詞  ” slam ” の語源には、諸説ある。

バタン 」 「 ドカン 」 「 ドシン 」といった、
猛烈な語感の流れを引く点については、異論はない模様。

 

◆  地味な落ち着きと静けさに欠けるものの、” slam ”
の基本的な意味合いは、あくまでも中立的である。

なお、「 スラム街 」は、” slum “で別単語。

スペルも発音も異なる。

【発音】  slʌ́m   (1音節)

いずれも 「 1音節( one syllable )」 なのが共通点。

ゲロする勢いで、「 ス」と一気に吐き出す。

「音節」( syllable、シラブル )とは、発音の最小単位。

日本語の場合、 原則として「 仮名一字が1音節 」。

そのため、 音節を意識する機会は乏しい。

音節の日英比較は、 ” integrity ” で事細かにご説明した。

 

◆  こちらの基本から派生したのが、「 激しく非難する

さらには 「 酷評する 」の意。

こうして乱暴に叩きつける様子から、
他者を責めとがめる「 非難 」の意味が生じた。

中立的な基本的用法から、一線を画した使い方で、
用法としては【 話し言葉 】または【 俗語 】
とされている。

■  インパクトがあるため、集客が見込める表現
■  その反面、堅めのメディアからは
敬遠の印象

以下にも、同じ傾向が見られる。

 

◆  今年2017年のニュース見出しを見ていこう。

出るわ、 出るわ。

3分間の 「 タイトル検索 」 で、 これだけ採集できた。

有名人の発言や言い合いには、 話題性があり、
なにかと注目されやすい。

既に触れた通り、見栄えがするので、重宝される。

 

◆  2018年以降のニュース報道からも、追加でご紹介。

< タイトル検索 >

  • 単一キーワード  intitle:
  • 複数キーワード  allintitle:


◇  現在形  ” slams ” で「 タイトル検索 」した理由

「 見出し 」の場合、

1) 現在形は、過去の出来事にも用いられる
2) 現在形は、現在・過去の両方を表す

とはいえ、「 あいまい検索 」 風に出てくることも
多いので、そう神経質にならなくてもよい感触。


◇  「 見出し 」英語の解説は、ここが秀逸  ↓
英語ニュースの読み方( 見出し編 )RNN時事英語

 

【類似表現】

” lambaste ”
https://mickeyweb.info/archives/14647
( 酷評する、 非難する )

” point the finge r”
https://mickeyweb.info/archives/22974
( 公然と非難する、 責める、 名指しする )

” lash out ”
https://mickeyweb.info/archives/25403
( 食ってかかる、 激しく非難する )

 

◆  なお、自動運転の要となる「 SLAM 技術 」は、

頭字語( acronym )。

「 自己位置推定 と 環境地図作製 」くらいの意。

デバイス自身の居場所( 現在地 )を推定するSLAM技術は、
自律飛行する 「 ドローン 」 にも搭載されている。

読み方は一緒だが、本稿の  ” slam ” とは、 もとより無関係。

 

 

 

 

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