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Grope

      2019/10/01

身体をいじる、まさぐる

セクハラ事件でよく出てくる単語。
男女間に限らず、同性間のトラブルにも使う。

【発音】 gróup

ニュースに多用される “grope” も、
やはりセクハラ事件が目立つ。

後述の通り、ごく普通の使い道もある

しかし、
“grope” と聞くと、悪事を想起する
のが、今時の反応だろう。

 

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◆ “grope” には、自動詞・他動詞・名詞がある。

語源は、古英語「つかみ取る」(grāpien)。
全品詞を貫く意味合いである。

“grope” 

  • 自動詞「暗中模索する」「身体をまさぐる」
  • 他動詞「手探りする」「身体をまさぐる」性的用法の中心
  • 名詞「手探りすること」「身体をまさぐること」

【発音】 gróup ウプ

【語形変化】 gropes – groped – groped – groping

意味はほぼ共通し、多義でない。

このことが、かえって “grope” をセクハラに
結びつけているようだ。

語義がもっと多ければ、印象が分散されたはず。

ところが、語源の「つかみ取る」のイメージで
一貫した単語なので、この用法がニュースで定着
してからは、あまねく一般化した感がある。

その結果、どこか卑猥な語感を帯びるように
なってしまった。

screw” の一般認識に似通う流れである。

◆ とはいえ、本来は 際どい用途だけでない
ことを再度強調しておきたい。

  • “I groped for the doorknob.”
    (ドアノブを手探りした。)
  • “I groped in the darkness.”
    (暗闇の中を手探りした。)
  • “I groped for an answer.”
    (答えを模索した。)
  • “I groped my way to the kitchen.”
    (手探りで台所まで進んだ。)
  • “I’m groping for my own writing style.”
    (自分なりの書き方を模索中です。)
  • “I groped for a simple English word.”
    (シンプルな英単語を見つけようとした。)

◆ 上文には、みだらな要素は一切ない

はっきり見えない中、
手先の感じで探る様子

これが手探り

grope  は、それをズバリと示す。

「身体をまさぐる」「身体をいじる」
を表すのに、あつらえ向きなのである。

 まさぐる【弄る】

1. もてあそぶ。いじる。
2. 指先などでさがし求める。
(広辞苑 第七版)

まさにこれ。

情欲に駆られた魔の手の動き。
その描写に用いられるのも不思議でない。

3大学習英英辞典(EFL辞典)から、この意味の語釈を
引用すると、性的表現が明記されている(下線)。

“grope”

4. transitive
to move your hands over someone’s body

to get sexual pleasure, especially when they
do not want you to do this.
(LDOCE6、ロングマン)

3. transitive
to touch somebody sexually, especially when
they do not want you to.
(OALD9、オックスフォード)

transitive
to touch someone’s body in order to get sexual pleasure,
usually when the person does not like it.
(CALD4、ケンブリッジ)

※ 下線は引用者

【発音】gróup

transitive” とは「他動詞」のこと。
性的な用途では、他動詞が一般的であることを示す。


実際のニュース報道では、詳述を避け、
“grope” の一言で終わらせる場合が多い。

あいまいにすることで、当事者(特に被害者)の
<プライバシー保護>を図っている。

日本でも同様であろう。

この意味でも、便利な言い回しである。

◆ さらに留意すべきは、”grope” は
純粋な愛情表現「愛撫する」をも意味する。

非常にプライベートな愛情表現なので、
ニュースに出てこない。

事件性がなければ報道価値は伴わない。

ニュース記事や他者との会話にも
なかなかお目見えしないこととなる。
したがって、一般用法として出回りにくい。

片や官能小説において、お馴染みの他動詞。

◆ 最後に、 “grope” 本領の用法を、
実際のニュース記事からご紹介する。

どこかあいまいさが残る点に注目。

理由は既述した。

  • “He groped me as I was going to the restroom.”
    (トイレに行こうとしたら、彼につかまれたの。)
  • “No, I did not grope anyone.”
    (いいえ、私は誰にも触ってません。)
  • “She was groped by him.”
    (彼女は彼に触られた。)
  • “He groped her behind on the bus.”
    (彼はバス内で彼女のお尻を触った。)
  • “Groping is a big no-no in our workplace.”
    (身体をまさぐるのは、私の職場ではご法度です。)
  • “She allegedly groped her student.”
    (申立てによると、彼女は教え子にいたずらした。)
  • “The lawyer was accused of groping his junior colleague.”
    (その弁護士は後輩を触ったとして告発された。)
  • “He groped and kissed a woman.”
    (彼は女性に触り、キスした。)
  • “She was fired for groping his groin.”
    (彼女は彼の股間を触って解雇された。)
  • “He denies groping the boy.”
    (彼は少年へのいたずらを否定している。)
  • “The nurse groped the patient in a coma.”
    (その看護師は、昏睡状態の患者にいたずらした。)

【関連表現】

“inappropriate touching”
(不適切に触る)

“talk dirty”
https://mickeyweb.info/archives/14542
(猥談を話す)

“private parts”
https://mickeyweb.info/archives/18907
(陰部)

 

 

 

 

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