Hear back
2022/03/30
返事を受け取る
” hear ” には、 自動詞・他動詞がある。
語源は、古英語「 注意を払う 」( hīeran )。
【発音】 híər (1音節)
ここでは自動詞。
自動詞 ” hear ” は、「 聞く 」「 聞こえる 」に加えて、
「 消息を聞く 」 をも意味する。
【活用形】 hears – heard – heard – hearing
–
“ back ” は多義で、名詞・形容詞・副詞・自動詞・他動詞を完備。
語源は、古英語 「 体の後ろ 」( bæc )。
【発音】 bǽk (1音節)
ここでは、副詞「 戻る 」「 返す 」の意味で、
” hear ” を修飾している。
- 自動詞 ” hear “( 消息を聞く )
- 副詞 ” back “( 戻る )
よって、「 戻った消息を聞く 」。
換言して、「 返事をもらう 」で「 返事を受け取る 」。
自動詞の句動詞なので、句自動詞 ( intransitive phrasal verb )。
–
◆ 多用されるパターンは、出所の前置詞 ” from ” を加えた、
hear back from –
- ” I would like to hear back from you. ”
( お返事お待ちしています。)
–
◆ 主語が主格の「 私( I )」なら、最頻出と考えられるのは、
I haven’t heard back from –
- ” I haven’t heard back from you. ”
( お返事お待ちしています。)
–
◆ あるべきものが「 ない 」方が、優先的に報告されるから目立つ。
「 have + 過去分詞形 ” heard ” 」で過去完了形( past perfect )。
「 ない 」だから、副詞 ” not ” で否定し、” have not heard “。
縮約形で、 ” haven’t heard “。
【発音】 hǽvnt (1音節)
【発音】 hə́ːrd (1音節)
- “I haven’t heard back from the company.”
(会社から返信がありません。)
– - “I haven’t heard back from him.”
(彼から返事がないの。)
– - “I haven’t heard back from you, so I wanted to check in.”
(ご回答がなかったので、確認のご連絡を差し上げたいと思いました。)
※ 営業メール
– - “Perhaps you may have missed my earlier email as
I’ve not heard back from you. ”
(ご返信をいただけないのは、以前お送りしたメールを見逃された
からかもしれません。) ※ 営業メール
–
◆ 人称代名詞の代わりに、指示代名詞 ” there ” で置き換えた例がこちら。
- “There is no word from the company.”
“No word from the company.”
(会社から返信がありません。)
– - “There is no word from him.”
“No word from him.”
(彼から返事がないの。)
– - “There was no word from you, so I wanted to check in.”
(ご回答がなかったので、確認のご連絡を差し上げたいと思いました。)
–
◆ ” hear back ” の連語(コロケーション)としては、以上の
出所の前置詞 “ from ” が圧倒的に使われる印象。
けれども、無論、これだけではない。
例えば、関連の前置詞 “ on “( ~ について)もよく見かける。
- “Just following up on the below translation request
as I haven’t heard back on it.”
( 下記の翻訳依頼について、返事がないため、念のため確認したい。)
我が上司からの 督促 メールである。
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◆ ” just “ には、形容詞と副詞がある。
【発音】 dʒʌ́st (1音節)
–
語源は、ラテン語 「 公正な 」(jūstus)。
本稿での ” just ” は、比較・程度の副詞
「 ただ ~ だけ 」「 ちょっとだけ 」「 念のため 」。
副詞 ” only “、” simply “、” merely ” が主な同義語。
露骨さを軽減する 婉曲用法で重宝 される。
「 邪( よこしま )な動機はありませんから 」とアピール。
” just for your information ” や ” Just checking in ”
の ” just ” と似た使い方。
言い振りを柔らかくしておき、相手の誤解と反発を防ぐ。
いうなれば、予防線を張っている。
日本語にも見られる、トラブル回避の婉曲表現。
「 クッション言葉 」同然の役割を果たす。
とはいえ、いらだちを察することもできる文面である。