It was a blast.
2021/09/24
とても楽しかったです。
イベントでアメリカ人と一緒に働いた後に、
It was a blast !
と言われることがある。
「 とても楽しかったよ! 」との歓喜。
うれしいお言葉だ。
頻出には至らないものの、このひと言で
愉快な時を過ごせた喜びを率直に伝えられて便利。
◇ くだけた言い方だが、下品さはない
イベントを共にするような仲間なら、
通常、
口頭でもメールでも気兼ねなく使える
英和辞典にはあまり記載されていない用法なので、
ここで取り上げてみたい。
お礼を込めて、自ら発してみよう。
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◆ ” blast ” は、やや多義。
【発音】 blǽst (1音節)
名詞・間投詞・自動詞・他動詞がある。
「 風が激しく吹く 」が原義。
語源は、古英語「 一陣の風 」(blǣst)。
勢いのある語感が奏でる感じで、
躍動的で激しい様子が共通イメージ。
メンソールカプセルが、 炸裂( blast )
するタバコ「 マルボロ アイス ブラスト 」
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こちらの表面処理も、” blast ” 。
- air blast ( エアブラスト = 圧縮空気の噴射 )
- shot blast ( ショットブラスト = 投射材の吹き付け )
- sand blast ( サンドブラスト = 研磨剤の吹き付け )
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◆ 平板で、均一なリズムの日本語では、
「 ブ – ラ – ス – ト 」は 「 4音節 」。
【発音】 blǽst (1音節)
しかし、英語では「1音節」。
音節( syllable、シラブル )とは、発音の最小単位。
まさしく、語源通り「 風が激しく吹く 」かのごとく、
腹の底から ゲロする 迫力で、
ブラストッ
と一気に吐き出す。
→ 音節の差異が顕著な日英比較は、” integrity ” 参照
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■ ” blast ” の基本的意味
- 名詞 「突風」「爆発」「大きな音」「(野球の)強打」
- 間投詞 「ちくしょう!」 ※ 俗語
- 自動詞 「爆破する」「鳴り響く」
- 他動詞 「爆破する」「攻撃する」
【発音】 blǽst (1音節)
原則は可算名詞だが、用法によっては不可算名詞になる。
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◆ 表題の “blast” は名詞。
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「 とても楽しい経験 」の意。
比較的マイナー用法。
基本的意味には含まれないだろう。
この用法では可算名詞なので、不定冠詞 “a”。
” blast “
informal
an enjoyable and exciting experience.
(ロングマン、LDOCE6)
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※ informal = 非正式、くだけた表現
【発音】 blǽst (1音節)
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◆ ” It was a blast. ” の 単数主格 ” it “( → 人称代名詞 )
ではなく、指示代名詞 ” that ” を用いることもある。
【参考】 “ it ” は人称代名詞、 ” that ” は指示代名詞
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◆ さらに、” It was a blast. ” の 単数主格 ” it “( → 人称代名詞 )
を、当該イベントに置き換えると応用が利く。
各例文には、複数主格 ” we ” を主語とする同義文を添えた。
- “The party was a blast.”
“We had a blast at the party.”
(パーティーはとても楽しかった。)
– - “The concert was a blast.”
“We had a blast at the concert.”
(コンサートはとても楽しかった。)
– - “The cookout was a blast.”
“We had a blast at the cookout.”
(バーベキューはとても楽しかった。)
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◆ 人間関係(恋愛含む)を終える際にも、
” blast ” は使える。
この場合、直説法過去形( was )の代わりに、
現在完了形( has been )を使うケースが多い。
もっとも、日常使用では、厳密に区分されていない印象もある。
- ” It’s been a blast. Goodbye. Take care. ”
( これまでとても楽しかった。さよなら。元気でね。)
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※ It’s = ” It has ” の縮約形
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【参考】 ※ 現在完了形 ( present perfect )
・ 「 現在完了形 」 → 「 過去の事実 」に「 現在の視点 」
・ 「 完了形 」の代わりに「 過去形 」で口頭表現