On board
2020/03/16
参加する
- Welcome on board !
- Welcome aboard !
(ようこそ我が社へ!)
入職時や異動したての時期に、
新しい職場でかけられる典型的な歓迎表現。
通常、”Thank you.” と応じる。
–
表題の “on board” は、
前置詞 “on“+ 名詞 “board“
◆ “on“ は、接触を示す前置詞
「~の上に」「~に乗って」。
–
–
◆ “board“ には、名詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 bɔːrd
語源は、古英語 “bord” で、「板」「舷側(げんそく)」
を意味する。
「舷側」とは、船の側面である「ふなべり」のこと。
語源からして、”board” は「船」と縁がある。
名詞は、可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
非常に多義な名詞だが、語源からイメージできるものが多い。
カタカナ「ボード」も同様。
“board” には成句・熟語が多く、”on board” は
その中でも最頻出レベル。
基本的意味は、
– 名詞「板」「役員会」「賄い」
– 他動詞「板張りする」「乗り込む」「賄う」
– 自動詞「板張りする」「乗り込む」「下宿する」
自他動詞の意味は重なる。
—
“on board” は、<2語ワンセット>の熟語
単語を分けて考えないのが、一般的な解釈である。
“on board” で、「状態」を表す「形容詞」の役割を担う。
そのため、「be動詞」に続くのが基本パターンになる。
一方、“welcome aboard” は、2語の間に目的格
を入れることもできる。
- “Welcome them aboard ! “
- “Welcome him aboard ! “
- “Welcome her aboard ! “
【発音】 əˈbɔːrd
“on board” の “board” は不可算名詞で、無冠詞。
主な意味は2つ。
“on board”
1. on a ship, plane, or spacecraft.
SYN:aboard
2. involved with something or working
for an organization.
(ロングマン、LDOCE6)
※ “SYN” = synonym = 同義語
–
(1) 船や飛行機に乗る
飛行機内で、次のようなアナウンスを
耳にする機会があるかもしれない。
- “Welcome on board YYY Flight XXX.”
“Welcome aboard YYY Flight XXX.” ← 頻出
(YYY航空 XXX便へようこそ。)
ー - “We will takeoff when everyone is on board.”
(皆様がそろいましたら、離陸いたします。)
ー - “You are on board a ZZZ.”
(この飛行機はZZZ型機です。)
ー - “Is there a doctor on board ? ”
(お医者様はいらっしゃいませんか?)
船や観光バスでも同様に使う。
◆ 一般動詞の自動詞 “get” または “go” に続く時と、
be動詞に続く時がある。
※「be動詞」= be、am、was、been、will be、is、were、are
先述のように、<2語ワンセット> の “on board”で、
「状態」を表す「形容詞」の役割を担うため、動詞に続く。
- “I have to get on board.”
“I have to go on board.”
(乗らなければならない。)
ー - “I was on board.”
(乗っていた。)
なぜ、形容詞だから動詞に続くのか。
これは “aware“、”vocal“、”conclusive” で詳述した基礎知識なので、
ご確認いただければ幸い。
–
ー
「赤ちゃんが乗ってます」
※ 自家用車などのステッカー
「航空機に搭載」
※ 国際輸送の荷物追跡サイト
(2) 参加する
本稿の “on board” は、こちらを指す。
(1)から派生した意味合いで、
「乗車する」→「参加する」の流れ。
実際には、仕事のチームなどに「新たに加わる」
描写に使われることが多い。
確かに<歓迎場面>で多用されるが、両者とも
「新たに」の要素はもともと含まない。
–
◆ “Welcome on board.” に加え、職場で
よく使われる(2)の用法例は、次の通り。
- “We’re so glad you’re on board.”
(入社していただき、我々はとても喜んでいます。)
(ご参加いただき、我々はとても喜んでいます。)
– - “I’m so excited to have you on board ! ”
(あなたにご入社いただき、とても喜んでおります。)
(あなたにご参加いただき、とてもうれしいです。)
ー - “We hope to have her on board by the end of
August.”
(8月末までに、彼女が参加することを希望しています。)
ー - “We have a new engineer on board to support us.”
(我々を支援してくれる新しいエンジニアが入りました。)
ー - “The entire team was on board for the business trip.”
(その出張には、チーム全員が参加していました。)
ー - “I want you on board.” ※ 目上の発言
(君に参加してもらいたい。)
-“
【類似表現】
“Welcome back ! ”
https://mickeyweb.info/archives/2768
(お帰りなさい!)–
“across-the-board”
https://mickeyweb.info/archives/25277
(全員一律に、全面的な)
–
【参考記事】– ※ 外部サイト
「早期戦力化に効くオンボーディングとは何か」
https://toyokeizai.net/articles/-/278308
2019年5月13日付