プロ翻訳者の単語帳

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Do away with

      2020/01/05

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 2 minutes

(1)処分する (2)廃止する (3)殺す  

場面を問わず、日常的に出てくる句動詞。

主に口語として使われるが、堅めの用途が多い
したがって、ビジネス会話にも普通に出てくる。

頻出には至らないが、予め知らないと意味不明だろう。

“do” の語形変化に従い、does – doing – did – done
に置き換わる。

“do away with”(1)(2)(3)

(1)「処分する」
→ get rid of、remove、replace、throw away
※ 処分品全般

 

(2)「廃止する」
abolish、discontinue、discard
※ 法律、機関、技術 など


◆ いずれもありうる
(1)新聞を処分する・・・捨てる
(2)新聞を廃止する・・・なくす

動詞」の基本的定義は、前置詞か副詞と一緒に
用いることで、元々の動詞とは異なる意味をなす
複数の単語。

構成する3語とも、最頻出かつ最重要レベルの英単語。
ロングマン “LDOCE6” の表記によれば、

  • 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
  • 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
  • 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>

疑いなく、最高ランクの基礎英単語である。

にもかかわらず、<3語ワンセット>としては
意味が推測しにくい。
したがって、上記の「句動詞」の定義に該当し、
<句動詞の中の句動詞>と考えられる。

“do away with”

1. to get rid of something or stop using it.

(ロングマン、LDOCE6)

※ 下線は引用者

下線部は、それぞれ「処分」と「廃止」を示す。
たったこれだけ。シンプルである。

 

◆ “do” には、助動詞・他動詞・自動詞・名詞
がある。

最重要かつ最頻出な英単語のひとつで、
最初に学ぶ動詞でもある。
まさに、代表的な基礎英単語である。

古英語「置く」(dōn)が語源だが、
いずれの品詞も、語源からかけ離れた意味を
たくさん含み、非常に多義である。
成句・熟語・俗語も多い。

ここでは、語源に沿った自動詞「置く」。

 

◆ “away” には、副詞と形容詞がある。
語源は、古英語「離れて」(aweg)。
こちらも多義であるが、”do” と異なり、
語源に忠実な意味が中心。

ここでは、様態の副詞「離れた場所へ」。

 

◆ “with” は、前置詞のみ。
古英語「反対の」(wither)の短縮異形とされる。
非常に多義の前置詞である。
ここでは、対象・関連「~を」。

通常は、”with” の後に目的語を置くが、
それを置かずに文末に使える場合もある。
これが、”do away with” の特色。

– “Most restrictions have been done away with.
(ほとんどの制約は廃止された。)
※ “done” は、”do” の過去分詞形

get it over with“(けりをつける)
と同じパターンである。

– “I just want to get it over with.”
(とにかく、けりをつけたいのです。)

以上より、”do away with” の直訳は、
「~を離れた場所へ置く」。
離れた場所に置いて、使えないようにするため、
「処分する」「廃止する」に。

「処分」の意味の “do away with” は、

(3)「殺す」の 婉曲表現
→ kill、murder

この点、”get rid of” と同じ。

“do away with”
informal
2. to kill someone.

(ロングマン、LDOCE6)※ 下線は引用者

“do away with oneself”
自殺する)= 自分自身を殺す

– “She might have done away with herself.”
(彼女は自殺したのかもしれない。)

婉曲的というより<隠語>に近い。
いずれにせよ、正式な用法から外れる。

上掲のLDOCE6 には、
informal“(非正式、くだけた表現)とある。
日本語の「処分」「始末」の隠語的用法に重なる。

犯罪集団が使う場面は、映画・ドラマに出てくる。

– “We have to do away with him.”
– “We have to get rid of him.”
(彼を殺さなければならない。)

 

◆ 冒頭の通り、口語的な言い回しにもかかわらず、
堅めの用途が多い。

それは以下の例文より分かるだろう。

(1)処分する  

“My boss has done away with all documents.”
(上司がすべての文書を処分した。)

“These desks may be done away with.”
(これらの机は処分できるかもしれない。)

“He has done away with old uniforms.”
(彼は古いユニフォームを処分した。)

“My tablet did away with the need for a keyboard.”
(タブレットがあるため、キーボードが不要になった。)

(2)廃止する  

“We should do away with double standards.”
(二重基準は廃止すべきだ。)

“The rule was done away last month.”
(そのルールは先月廃止された。)

“The world would be better if racial slurs were done away with.”
(人種差別的な中傷がなくなれば、世の中よくなるのに。)

“Things will be organized if you do away with all this crap.”
(ばかげたことを廃止すれば、物事は整理されるのに。)”

(3)殺す  

“She had done away with her son.”
(彼女は息子を殺した。)

“He could have done away with his mom.”
(彼は母親を殺したはず。)

“He shouldn’t have done away with himself.”
(彼は自殺すべきでなかった。)

“The student had done away with herself.”
(その女子生徒は自殺しました。)

【参照】
<死>関連の婉曲語

【関連表現】
“Do without – ”
https://mickeyweb.info/archives/14600
(〜なしで済ませる)

 

 

 

 

 

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