プロ翻訳者の単語帳

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Add up

      2018/07/23

意味をなす、合点が行く  

It doesn’t add up.
(辻褄が合わない)

It doesn’t seem to add up.
(辻褄が合っていないように思える。)

使用場面は、それぞれの和文と重なる。
つまり、2つとも、公私不問で活用できる。
どこで耳にしても、違和感のない慣用的表現。

この応用性は、句動詞 “add up” の特徴そのもの。
幼児にも分かる容易な2単語の組み合わせ。
誤解されにくく、発音しやすい。

句動詞 “add up” の意味は主に3つある。
意味合いが一貫しているので理解は難しくない。

add up” =
Informal:
1. to seem reasonable; to make sense.
2. to increase by small amounts
until there is a large total.
——————————————-
“add up” “add something up” =
to calculate the total of two or
more numbers or amounts
.

(オックスフォード、OALD9)

1 は「意味をなす」「合点が行く」。
総合的に考えて、納得できる状態を表す。
換言して「辻褄が合う」。

この用法では、自動詞として使われる。
自動詞の句動詞なので、句自動詞
進行形は不可で、否定形中心に使われる。

その代表例が、冒頭の2文。

辻褄が合う
細かい点まで食い違いがなく、筋道が通る。
前後が一貫する。

つじつま【辻褄】
(「辻」は道があい、「褄」は左右があうもの
であるからいう。また、辻も褄も裁縫用語という)
あうべきところがあうはずの物事の道理。
始めと終り。筋道。

がってん【合点】
3. 承知。承諾。うなずくこと。がてん。
4. 納得。得心。がてん。

(広辞苑 第七版)↓

<本日 2018年1月12日 発売>
http://kojien.iwanami.co.jp/

弊サイトにおける引用も、
本日より「第七版」に移行します


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2 は「塵も積もれば山となる」のように、
少量を積もり重ねて大きな数量になること。
比較的マイナー用法なので、本稿では取り上げない。

1 と 2 には、”informal” 表記がある。
つまり、正式な言い回しでないということ。
かといって、一般的な俗語やスラングの
帯びる下品さはない。

ここでの “informal” は、日常から生まれた
物言いで、本来的な使われ方ではないということ。

本来的な使われ方が、これらの下にある
「合計~になる」「合計する」。
当然、”informal” 表記はない。
同義語に “sum up” がある。

——————————————-
◆ “add” には、他動詞・自動詞・名詞がある。
語源は、ラテン語「置く」(addere)。

– 他動詞「加える」「合計を出す」
– 自動詞「合計する」「足し算する」
– 名詞「追加原稿」「可算」

句動詞 “add up” では、他動詞と自動詞とも使う。

1 の「意味をなす」「合点が行く」では、
句動詞の “add’ なので、”add up” は句自動詞。

——————————————-
◆ “up” には、副詞・前置詞・形容詞・
名詞・自動詞・他動詞がそろう。

ここでは、句動詞に多い副詞の “up”。
副詞 “up” は非常に多義
【例】
open up“、”buckle up“、”shake up“、”rev up“、
screw up“、”beef up“、”ramp up

これらの句動詞の “up” と異なり、”add up” では、
ばらばらの多数をまとめ上げる様子を表す副詞 “up”。

<同じ用法の “up” を用いた句動詞>

  • sum up”(合計する、要約する)
  • “tally up”(集計する)
  • team up“(組む、コラボする)
  • “gather up”(まとめる)
  • round up“(総括する)

“add” も “up” も、英単語として最頻出かつ最重要。
口語・文面とも、頻出は<トップ1000語以内>。
重要も<トップ3000語以内>。
両方とも、最高ランクの位置づけにある。
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)

———————————————-
◆ 以上より、”add up” は、
自他動詞 “add”(加える)+
副詞 “up”(まとめ上げる)
で、「合計する」を意味する。

これが額面通りの意味であり、”informal”
表記のない用法。

「合計」にかかわる用途は、文字通りで当たり前
の日常用法なので、つまずく学習者も少ない。
例えば、”add up the numbers.”(数字を合算する)
難しくないだろう。

語釈 1 の「意味をなす」「合点が行く」は、
これを発展させた流れとなる。

「合計する」→「数え合わせる」→
「意味をなす」→「合点がいく」

この用法が、否定形中心に使われる点にも既に触れた。
否定の副詞 “not” を入れるのが一般的。

Inline image 1

“Your story doesn’t add up. You are lying.”
(お前の話は辻褄が合わない。うそつくなよ。)

“My teacher said his story didn’t add up.”
(先生によれば、彼の話は辻褄が合わなかった。)

“There’s something here that doesn’t add up.”
(合点が行かない何かがここにはある。)

“Her statements did not add up. ”
(彼女の供述は辻褄が合わなかった。)

◆ “add up to” で「結局~になる」の意味がある。

add up to something” =
to produce a particular total or result.
(ロングマン、LDOCE6)

この場合、進行形と受動態は不可。
この “to” は、結果を示す前置詞。

“The rising jobless rate adds up to a social crisis.”
(失業率の上昇は社会的危機をもたらす。)

 

 

 

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