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Grounds

      2020/01/02

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 3 minutes

理由、根拠 

This video contains content from XXX, 
who has blocked it on copyright grounds.

※ XXX = 権利者などの名称

著作権に触れて、削除された旨を示す定型告知。
YouTube で目にされた方も多いのではないだろうか。

話題性に富むドラマやバラエティは、本放送の数時間後
には早くもアップロードされる。
自動検出に引っかからなければ、アップまではできる。

こうして違法動画が横行するわけだが、権利者が大手筋だと、
瞬く間に削除されたりする。
そして、先のような文言に置き換わる。

◆ 単文構造ではないものの、比較的容易な一文である。
簡明直截を主眼とする告知文である以上、当然だろう。
中級学習者であれば、一読して分かるレベル。

すんなり理解できなかったとすれば、おそらく “grounds” のせい。
この用法は、便利で応用範囲が広いため、ぜひ押さえておきたい。
堅めの表現だが、ビジネスではかなり使われる。

特に、次の12点はニュースで多用される。
日本のメディアにもよく出てくる内容。

  • on economic grounds
    (経済的理由で)
  • on ethical grounds
    (倫理的理由から)
  • on environmental grounds
    (環境面の理由で)
  • on humanitarian grounds
    (人道的見地から)
  • on legal grounds
    (法律的な観点から)
  • on medical grounds
    (医学上の観点から)(健康上の理由で)
  • on political grounds
    (政治的な理由で)
  • on religious grounds
    (宗教的な理由で)
  • on scientific grounds
    (科学的根拠に基づいて)
  • on security grounds
    (安全上の理由で)
  • on social grounds
    (社会的観点から)
  • on strategic grounds
    (戦略上の理由から)

※ 各和訳は、あくまで一例

理由・根拠の前置詞 “on” と “grounds” の間に、
形容詞を挟むだけ。

~という理由で」「~を根拠として」、さらには
~の観点から」「~の見地から」などの意味。

このパターンで、広範に表現できることは、
容易に推量できよう。

冒頭文は、”on copyright grounds” なので、
「著作権上の理由から」。シンプルである。

◆ “grounds” は、名詞 “ground” の複数形。
しかし、普通の複数形ではなく「複数名詞」である。
すなわち、原則として “grounds” と複数扱いとなる名詞。

単数扱いが通例の「単数名詞」(singular noun)
の対が、この「複数名詞」(plural noun)。

“ground” そのものは、可算と不可算を兼ねる普通の
名詞だが、意味する内容によって「複数名詞」になる。
「単数名詞」も同様である。

<複数名詞の例>
doldrums“、“strings“、”leftovers“、”odds“、
belongings”、”clothes”

“ground” が複数名詞になるのは、
理由」「根拠」を表す時。
この用途では、原則として複数形 “grounds”
で使われる。

3大学習英英辞典は、すべて “plural” と明示する。
“usually plural” とは「複数扱いが通例」の意。
可算名詞(countable、C)としての複数名詞
である。

grounds” =

  • [plural]
    a good reason for doing, believing,
    or saying something.

    (ロングマン、LDOCE6)
  • [countable, usually plural]
    a good or true reason for saying,
    doing or believing 
    something.
    (オックスフォード、OALD9)
  • [C usually plural]
    a reason, cause, or argument.
    (ケンブリッジ、CALD4)

【発音】  gráund

三者とも似通った語釈である。
他に言いようがないほど、単純な意味合いということ。

“ground” には、名詞・形容詞・他動詞・自動詞がある。
語源は、古英語「底」(grund)。
多義な単語だが、基本的意味は語源を彷彿させる。

【発音】  gráund

– 名詞「地面」「場所」「基盤」「根拠」「立場」
– 形容詞「地上の」「基礎の」
– 他動詞「基礎に置く」「確立する」
– 自動詞「基礎を置く」「着陸する」

このうち、圧倒的に使われるのは名詞。
名詞 “ground” は、英単語として最頻出かつ最重要。

口語・文面とも、頻出は<トップ1000語以内>。
重要も<トップ3000語以内>
どれも最高ランクの位置づけにある。
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)

派生の流れは、まあまあ分かりやすい。

語源「」→「地面基礎根拠→「立場

地面を固めることは、基礎づくり。
それによって、根拠を築き、
立ち位置を固め、立場や見地を確立する。

「基礎工事」は、”ground work(s)” または
groundwork” とも称す。
土台となる部分の工事である。

ここでは複数名詞でなく、通常の “ground”

 

 

◆ 複数名詞 “grounds”(理由、根拠) には、
いくつか典型フレーズがある。

主要な辞書に出そろう言い回しで、
実際に使われる。

その中で、最も基本となるのは、上掲の

1. “on(形容詞)grounds
に加えて、以下4つ。

2. “on the grounds of
(~という理由で、~を根拠として)

※ “the” 抜きで “on grounds of” とも言う。
“the” の有無で違いはないとされる。
https://english.stackexchange.com

3. “grounds for
(~の理由、~の根拠)

4. “have grounds
(~の理由がある、~の根拠がある)

5. “on the grounds that
(~との理由により、~との根拠により)

 

◆ 5つとも、基礎文法に忠実な表現ばかり。

中級の英語力の持ち主であれば、解説不要な程度。
それほど基本に徹している。

複数名詞 “grounds” を学習した今、次の例文を
一目で把握できると頼もしい。

  • “He was fired on grounds of sexual
    harassment.”
    (彼はセクハラで解雇された。)
    (〃 セクハラを理由に解雇された。)
  • “You cannot be dismissed on the
    grounds of being pregnant.”
    (妊娠しているという理由で解雇されること
    はない。)(〃 解雇できない。)
  • “I have reasonable grounds for punching him.”
    (彼を殴ったことの合理的な理由があります。)
  • “She has no grounds for divorce.”
    (彼女には離婚の根拠はない。)
  • “They have grounds for rejection.”
    (彼らには拒絶する根拠があります。)
  • “We have no legal grounds.”
    (我々には法的根拠がない。)
  • “He has resigned on the grounds that
    he wanted to spend time with his family.”
    (家族と時間を過ごしたいという理由で、
    彼は辞任した。)
  • “She accepted the offer on the grounds
    that it would make her happy.”
    (幸せになれるだろうと考えて、彼女はオファー
    に応じた。)

【類似表現】
“justification”  ※ 不可算・可算兼用
https://mickeyweb.info/archives/10059
(理由、根拠)

【発音】  dʒʌ̀stəfikéiʃən

<違い>

  • justification
    正当化するために用いる理由や根拠。
    社会的に確立しているかどうかは
    無関係。
  • grounds
    既存または確立した理由や根拠
    を中心とする。
    先のリストにあるように、社会的
    に確立しているもの中心。

(OALD9の解説を中心にまとめた)

 

 

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