プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Please advise.

      2021/07/28

■  ご意見をお願いいたします。
■  ご教示いただきたく存じます。

2語で完結する依頼文。

ビジネスメールの結びによく使われる慣用句。

上記太字がぴったりの和訳。

文脈に合わせていずれかを決めるとよい。

率直な意味は教えてくれ 

意見を伺いたい場面であれば、相手を問わない。

上司・社外など、目上でもOK。

一見、簡潔すぎてぞんざいな印象だが、

 「 決まり文句 」なので、心配無用

◆  ”  Please  V  ( verb = 動詞 )”  のパターンが陥りがちなのが、

「 半命令形 」

意図せずして、命令調になってしまい、不遜に響く

こうなるリスクもほぼないのが、” Please advise “。

なぜなら、誰もが使うレベルの 「 決まり文句 」だから。

「 仮定・条件 」の従属接続詞  ” if ” ( もしも ~ なら )
を用いて、内容を具体的に示す言い回しも多用される。

 “Please advise if you have
any questions or concerns.”

もし ご質問やご心配な点がありましたら、
ご教示いただきたく存じます。)


◆  とある合宿申込書の項目がこちら。

□  Allergies  ( please advise if any )

□  Special Needs  ( please advise if any )

□  Pre-Existing Medical Condition  ( please advise if any )

「 アレルギー 」・「 特別な ニーズ 」・「 持病 」が、

もしあれば if any 教えてください ( please advise ) 」

トラブルの 予防措置 として、こうして事前に届け出させる。

◆  “ advise ” には、自動詞と他動詞がある。

ここでは他動詞「 ~ を助言する 」。

名詞 ” advice ” とは別単語

  スペルに ご注意 !

※  語源は後述

発音も異なる。

しかし「 2音節 」である点は共通している。

  •  アド  –  バイズ   (advise)
  •  アド  –  バイ   (advice)
    –-1 ———-2   音節

両方とも、後半の第2音節に強勢(アクセント)を置く。

翻って、

日本語の持ち味は、平板で、均一なリズム

だから「 5音節 」。

  • ア     –     イ    ス
    1—-2—-34—-5   音節

◆  「音節」( syllable、シラブル )とは、発音の最小単位。

日本語では、原則として「 仮名一字が1音節 」。

そのため、音節を意識する機会は乏しい。

→  音節の差異が顕著な日英比較は、” integrity ” 参照

  • 動詞  ” advise ” 
    【発音】   ədváiz
    【音節】   ad-vise  (2音節)
  • 名詞  ” advice
    【発音】   ədváis
    【音節】   ad-vice  (2音節)



日本社会に定着した、

◇  カタカナ「 アドバイス 」は、両者を混合・混同

している感がある。

◆  国語辞典5点を調べると、以下の通り。

英語としては、概ね 不可算名詞  ” advice ” の語義に該当する。

→  名詞 ” advice ” の原則は 不可算。  可算兼用の用法もある。

緑字 は、動詞  ” advise ” と重なる意味合い。

  アドバイス【advice】

■  (名詞)スル
助言すること。 勧告。 忠告。
(大辞林 第三版)

■  (名詞・自サ)
こうすればうまくいく、といってやること。
助言。
(三省堂国語辞典 第七版)

■  ( 名詞・他サ変 )
助言や忠告をすること。
また、その言葉。
(明鏡国語辞典 第二版)

■   助言。 忠告。 勧告。
(広辞苑 第七版)

■  《名詞》
助言。 忠告。 勧告。
(精選版 日本国語大辞典)


◆  念には念を入れて、日本最大の国語辞典 と名高い『 日国 』も引用。

上掲『 精選版 』の本家本元の国語辞典( 全13巻+別巻 )である。

「 アドバイス 」の語釈全文。

日本国語大辞典 第二版 』第1巻、 p. 449、
小学館( 2000年刊 )より転載

『 精選版 』の記述に加え、「用例」と「発音」が添えられている。

 

◆  一般向けの「 カタカナ語辞典 」では、

『 コンサイス  カタカナ語辞典  第5版 』
三省堂編修所(編集)三省堂、  2020年刊
<三省堂HP>

以上、全文。


◆  ゴルフの「 アドバイス 」を引き合いに出しているので、
不可算名詞  ” advice ”  を使って英訳してみたい。

「  自分のキャディー以外にはアドバイスを受けられない

  • “A golfer is not allowed to  get advice from someone
    other than his or her caddie.”

とすれば、

  • “A golfer is always allowed to  seek advice from
    his or her caddie.”

キャディー側から見れば、

  • “Caddies can always  give their players advice.”
  • “Caddies are allowed to  offer advice to their players.”

青字は、すべて他動詞( transitive  verbs )。

名詞  ” advice ” の 連語コロケーショ)の代表格4語である。

どれも基礎的な動詞なので、中級学習者 なら全部押さえておきたい。


◆  時に、英語ネイティブがスペルを混同していたりもする。

取引先からいただいたビジネスレターがこちら。

  •  ” Please confirm and advice. ”   →  【誤】

このように、せっかくの結文が台無しである。

【誤】  ” Please confirm and advice.
【正】  ” Please confirm and advise.

( ご確認の上、ご意見をお聞かせください。)


同じく、

【誤】  ” Please kindly advice.
【正】  ” Please kindly advise.

( お手数をおかけしますが、ご教示のほどお願いいたします。)

【誤】  ” Please review and advice.
【正】  ” Please review and advise.

( レビューしていただき、ご意見をお聞かせください。)


◆  ないまぜの模様だが、さほど珍しくはなく、案外見かける。

ただ、英語母語話者(ネイティブ)が、口頭で ” advise ” と ” advice
の「発音」をごっちゃにする姿は、私の経験からは想像しにくい。

つまり、話し言葉では、2単語を識別の上、使い分けできている印象。

よって、彼らの間違いの大半は、うっかりミスに準じるものと考えている。

または、スペルの不得手な人であり、漢字が苦手な日本語母語話者に似通う。

同じ間違いでも、私たち英語学習者とは、その原因の異なる場合が多い。

理解度の大差に気づかず、ネイティブと「一緒」などと侮ることなかれ。


★ 日本語の「ください」は、目上には要注意 ★
“Please” 同様、失礼な場合も  →  ” could you ” で詳述

 

  •  ご教示いただきたく存じます
  •  ご教示を賜りたく存じます
  •  ご教示のほど、よろしくお願い申し上げます

 

【関連表現】

  • “‘I’m more than happy to give advice.”
    “‘I’m more than happy to offer advice.”
    (喜んで助言しますよ。)     ※  名詞 “advice”
  • Request for Advice”
    (件名:ご助言のお願い)     ※  名詞 “advice”
  • “Take my advice.”
    (私の忠告を聞いて。)     ※  名詞 “advice”
  • “Please be advised that – ”
    https://mickeyweb.info/archives/3530
    (~をご承知おきください。)
  • “Please give me feedback on – ”
    https://mickeyweb.info/archives/254
    (~について、フィードバックをお願いいたします。)
  • “an unsolicited advice”
    “an unwanted advice”
    (おせっかいな忠告)  (要らぬ忠告)     ※  名詞 “advice”

 

【 語源 】

諸説あるが、主力説をご紹介。

初出は、ともに13世紀。

名詞  ” advice ” の方が、約40年早い。

  •  名詞  ” advice
    古期フランス語の ” ço m’est à vis “( 私には ~ と思われる )
    との句を由来とする ” avis “( 意見 = opinion )から ” advice ” に。
  •  動詞  ” advise
    avis ”  の動詞派生語である ” aviser “( 考える )。
    さらに ” avisen “( 見る )から ” advise ” に。

< 主要文献 >

・  https://www.etymonline.com/word/advice#etymonline_v_5165
・  https://www.etymonline.com/word/advise#etymonline_v_5166
・  ランダムハウス英和大辞典 第2版
・  “ OALD10 ”   =  オックスフォード現代英英辞典  第10版 』  →  写真
・  ジーニアス英和大辞典

 

 

 

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