プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

I have a question for you.

      2024/04/15

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 9 minutes

1つ質問があります。 

会議中によく聞く。

なんの変哲もない質問の仕方。

「 1つ質問があります 」 そのもの。

 

ご質問 1つ

 

特に丁寧でも無礼でもない。

相手の立場は不問で、目上でもよい。

平常に淡々と口にする限り、
嫌味はなく( 後述 )、 中立的な言い回し。

◇  意味と用法は、 以下とほぼ同様

  •  I have a question.
  •  Here is my question for you.
  •  Here is my question.


通常の会議では、 必要以上の丁寧さは不要。

主として情報共有と話し合いの場なので、
参加者の時間を無駄にしないためにも、
手短に越したことはない。

その結果、 上記のような淡白な言い方が飛び交う。

日本の学校で学ぶ、 文法的に正しく丁寧な表現は、
時に、 他人行儀で、 堅苦しく聞こえがち


常用語は、 大半がそっけない。

毎日会う人に、 いちいち愛想など振りまいていられない。

英語に限らず、 日本語でも似たり寄ったりだろう。

「 日常 」 とはそういうもの。

日本の学校教育では 「 英文法 」 を重視するため、
常用表現を教える機会が自ずと少なくなる。

 

◆  人間が 「 本能的に 」 習い覚える第一言語( 母語 )と異なり、

( 真っ当な ) 外国語学習には 「 文法学習 」 が不可欠  

よって、 優先順位 を考慮すれば、 やむを得ないと私は考える。

一般的に、 母語と外語とでは、 習得過程が違う。

このため、 英語ネイティブの児童向けの教材を用いた成人の
英語学習は、 表面的には合理的に思えるものの、 必ずしも
合目的とは言えないと感じる。

ネイティブ児童の発音ルール 「 フォニックス( phonics )」
を取り入れる手法と同根の難点。

母語と外語の習得過程を区別しておらず、 前提がおかしい。

母語と外語とでは、 習得過程が異なるため、 特殊な環境・
才能に恵まれた人を除けば、 読み書きを含む文法を別途
学ばない限り、 外語としての「 4技能 」は身につかない。

文法学習なしで、4技能 ( 聞く ・ 読む ・ 書く ・ 話す )を万遍なく、
一定水準以上まで会得できるのは、特殊な環境・才能に恵まれた人
を除けば、「 母語に限る 」 と考えられている。

第一言語 ( 母語 ) は、 環境・知能などに問題がなければ、 自然
に習得できるよう  「 人間の本能 」 にプログラムされている。

普通に育った子が、 文法を勉強する前から、 母語となる現地語
を話せるようになる、 主な理由である。

基礎文法がいつしか無自覚で内面化できているのは、 母語ゆえ。

特殊な環境・才能に恵まれた人であっても、 厳密に検証すると、
彼らの一部は、 なんと  「 セミリンガル 」  だったりする。

【参照】  母語が確立できていない 「 セミリンガル 」 の悲惨

◆  複数の言語が飛び交う家庭環境と聞けば、 理想的に感じて、 うらやましくなる。

興奮すると、 別言語が飛び出し、「  かっこいい ~ !  」 などと他人におだてられる。

ところが、 つぶさに検査すると、 どの言語も平均を下回るケースがあふれている。

言語をミックスしない限り、 会話が成り立ちにくいのが真相だったりする。

4技能がまちまちで、 第一言語 ( 母語 ) がどれだか、 なんだかよく分からない。

「 セミリンガル 」、「 ダブル・リミテッド 」 またはそれに準じるものと推測する。

日常会話は 「 ペラペラ 」 なので、 後年に及ぶまで保護者すら気づかないことも。

母語の習い直しは生易しくないのだが、 警戒すべき差し響きは知られていない。

抽象・概念・観念的な思考がぎこちなくなり、 その表現が拙くなるのが典型例。

話は理解できたとしても、 抽象化する能力のせいで、 説明がごたつく。

記述式の作文で試験してみると、 問題点はひときわくっきり浮き出る。

だからこそ、 作文と口頭試問を含めた適切な検査の重要性を私は力説している。

私自身、 学校時代から現在に至るまで、 そうした家庭環境を近くで見てきた上、
「 セミリンガル 」 らしき方々と関わる職場に長らく身を置いて勤務してきた。

一緒に働けば、 不都合を覆い隠しきれず、 直に体験した事例には事欠かない。

conclusive ”  にて、 きめ細かくご紹介した ( 地図入り )。

歴史を振り返りつつ、 世上流布しない正負の側面にも触れた。

 

◆  説明する能力は、 一般人の個人生活でも欠かせない。

事故・事件など、 思わぬトラブルに巻き込まれた際、

他者に分かるように言語化し、 状況説明できないと、

供述弱者 」 に類する態勢に追い込まれかねない。

現場で第三者に説明しなくてはならない、 緊急時はなおさら。

例えば、 空港の入国審査でいわれない疑いをかけられ、 別室送り
となった時、 審査官らの質疑応答を自力で切り抜け、 解決できるか。

基本的に、 スマホなど通信機器の翻訳機能の使用は禁止される。

ご本人が言語化できない場合、 法律家や通訳者を入れても、

暗中模索することになる。


理解力をすばやく 「 品定め 」 するような視点も欠かせない。

受け手の能力に応じて使用する語を変える理由は、 所与の時間内
に確実に伝達し終えるためである。

多人数の個別面談を短時間にこなす事情聴取の際には、 特に重要
な戦略であり、 理解度のばらつきに配慮して、 それぞれに適した
言葉を選ばない限り、 時間不足で聴取しきれない人が出てくる。

これでは、 目標未達で業務遂行できず、 皆を不利な立場に追い込む。

同じ言い方でも、 理解してくれない人がいることは、 すぐ知れる。

そこで、 初対面の相手を 矯めつ眇めつ観察し、 切り口を加工する。


Perceive “  より



母語は、 生きていく上で、 頼りになる後ろ盾かつ自衛手段。

◆  要するに、 外語としての「 4技能 」を確実に身につけるには、
文法を避けては通れない。

この点、 しっかり認識しておきたい。

【参照】  詐欺教材大国の日本、 

  •  日本語の4技能 ( 聞く ・ 読む ・ 書く ・ 話す )のうち、
    最も難易度が高いとされているのは 「 書く 」。
  •  アニメ・映画・ドラマを観まくって、 日本語が堪能になる
    外国人もいるが、 同程度の日本語が書ける人は皆無な印象。
    このタイプは 「 聞く・話す 」 特化型 が中心を占める。
  •  日本語ペラペラの YouTubers の動画を観ていると、
    ネット検索かける際に、 日本語ではなく母語の英語
    を使っている姿を見かける。

    日本関連の調査をするには、 日本語で検索する方が
    桁違いに効率的にもかかわらずである。

    どうやら 「 書く 」 のは不得意なのか。

      しげしげと注意深く観察すれば、 察知可能
    →  川端・芥川・三島が読めても、 ほとんど書けない人も多い

    日本語の 「 ローマ字入力 」 自体に手間取る諸氏も数多い。
  •  日本語ペラペラの外国人が用いる日本語の講演原稿・台本・
    台詞・カンニングペーパーが、 ローマ字表記で構成される
    場面は珍しくない。

    ひらがな・カタカナ・漢字では、 充分読めないらしく、
    和文原稿をローマ字変換する作業を私は何度も担当した。

まさか、 ローマ字原稿だなんて、 視聴者には思いもつかない。

初めて目にすると、 息が止まるほど、 びっくり仰天する原稿。

舞台裏 のすっぱ抜き話でなく、 ざらにありふれた手順なのだ。

口上はうまく、 いささかのよどみもないのだから、 さすが。

しかし、 「 日本語の達人 」 と称するには、 まあまあ微妙。

中級以上の英語に熟達している日本語母語話者の英文原稿は、
ほぼ例外なく原文の英語のままであり、 著しく対照的である。

中級者は、 ちゃんと英語で読める。

表音のみで表意文字を持たない英語と、
表音・表意を併用する日本語の特異性。

語学上、 看過できない懸隔である。

脳内で 「 表意文字 」 を同時処理しきれないからだと考えられる。

【原文】 日本語 ( 表音・表意 )  →  【変換】 ローマ字 ( 表音 )

こういった実情は明るみに出ない。

語学力を判定するには、 「 4技能 」 を万遍なく精査すること
が望ましい。


◆  表意文字を持たず、 表音文字みどろの英語母語話者には、

” chimpo ”  と  ” tinpo ”  がともに 「 ちんぽ 」 を示すこと

は到底納得できない感。

普通名詞なのにスペルを異にし、 等しく 「 ちんぽ 」 を

表すなんて、 概念そのものが一向に不可解な様子である。

表意文字を何一つ知らないため、 とんと話が通じない。

 

◆  外国人の 「 私の名前を漢字で書いて 」 という突飛で難儀な依頼。

決して珍しくないリクエストだが、 表意文字を知らないがゆえである。

ある時、 たっての頼みに吉相の漢字を当てて差し上げたところ、 後日、

そのキラキラネームが彩る手首を得意げに見せつけられ、 ほとほと困惑。

まさかと目をむくしかなかったが、 言語・文化の開きを如実に物語る。

通訳者・翻訳者でなくとも、 こうした依頼に出くわすことはあるかも。

彫り物はまずい、 現在は必死に説得するか、 お断りして逃げ切る流儀。

 

表意文字の基礎概念が理解できていない外国人に、
当て字漢字の名前入りプレゼントを贈るのも危うい。

そのインフォーマルな当て字で、 なにされるか分かったものでない。

うちらの認識はエンタメ・遊び心、 その後の責任は取りかねる。

表音文字しか持たぬ一般人の知見が追いつかないのが、 表意文字。

外語学習と 異文化理解  の難しさの一端を披瀝する。

 

概念を整理し規定するシステムは言語・文化で異なり、 定義された
概念の中身と範囲も相違する。

見えている世界とその解釈は依拠する言語・文化で食い違うのだが、
各自が血肉化した世界認識は、 概ね無意識・無自覚に作用する。

外語習得と 異文化理解 が生易しくないのは、 必然の成り行きである。

( 中略 )

時に誤訳とミススペルを疑われるため、 翻訳者にとって、

日本語のローマ字変換は面倒事が頻発し、 手間がかかる。


What’s the use of – ?  より

 

◆  日本語が母国語でない人に向けた 「 日本語能力試験 」
JLPT ) は、 世界最大の日本語能力の認定試験である。

「 言語コミュニケーション能力 」 を 「 マークシート方式 」
で測定する形式で、 試験を構成する3要素  は、 次の通り。

言語知識 ( 文字・語彙・文法 )・ 読解 ・ 聴解

最難関の 「 N1 」 でさえ、 作文が含まれていないのは、
語学力の試験としては、 望ましくないとつくづく思い知る。

私の経験上、 日本語・英語の真の運用能力は 「 話す 」
以上に、 「 書く 」  に表れやすい。

  •  「 書く 」 と 「 話す 」  →   産出能力  output skills
  •  「 聞く 」 と 「 読む 」  →   受容能力  receptive skills

マークシートで測るとなれば、 産出能力は確認しかねる。

基礎文法を体得していないと、 外語はまともに書けない。

難しい日本語が読めても、 書けない人がごまんといる点は前記した。

「 ペラペラ 」 はすごいが、 あまり惑わされない方がよいと感じる。

▲  作文・口述抜きで、 こうして評価するのは、 へんちきりん

【参照】  Please be aware that – 

 


「 英語は簡単 」 などと、 気安くほざく人間 ( 国籍不問 ) は、

日本語と英語の 「 全体像 」 をまるで理解していない勉強不足の不届き者、

または、 飛び抜けて俊逸な才覚の持ち主のいずれか。

日英の 「 4技能 」 を  厳密に試験 すれば判明する。

日本語と英語、 両方の 「 4技能 」 すべてが大事。

殊に、 産能力 ( 書く・話す ) をしっかり検査。

言語の真の運用能力は、 「 書く 」 に表れやすい。

その場  課題を出し、 実力を確認するとよい。

 

詐欺師かどうか、 すぐ分かる。

残念ながら、 詐欺師だらけ

 

外語の場合、  基礎文法を知らないと、 まともに書けない。

「 4技能 」 のうち、 「 書く力 」 はごまかしにくい。

したがって、 日頃の学習量と取り組み姿勢を反映する。

今は機械翻訳 ( AI ) が身近にあり、 見抜きづらい。

 

日本語ペラペラの 英語教育系 YouTubers の一部に、 要注意。

参考にはなるものの、 学術的な裏付けに欠けた感覚的理解

に基づく生半可な知識をまき散らしている諸賢がのさばる。


ペラペラでも、 両言語をその場で書かせれば、 正体はバレる。

地味で地道な長期的研鑽を要するのが、 「 書く力 」。


日本語と英語の違い  より


さらなる裏話は、 ” conclusive ”  に記した ( 地図入り )。

学校教育の 「 限界 」 を理解するからこそ、 実用的な
頻出英語をお伝えしようと弊サイトでは試みている。

 

◆  以下、 ” conclusive ”  より再掲。

社外はもちろん、 社内会議でも録音禁止の状況は珍しくない。

私の現職でも、 秘密録音を禁ずる旨が明文化されている。

( 中略 )

そこで、 耳で聞き取り、 書き取る ( dictation ) 形式で記録する。

使用言語で筆記しないと、 ここ一番の時に引用 ( quote ) できず、
「 言った言わない 」 ( a he-said she-said situation ) を招く。

そのため、 その時の使用言語で書き留める能力がビジネスでは入用。

しかしながら、 和文の議事録 ( meeting minutes ) の作成業務は、
日本語 「 ペラペラ 」 な英語母語話者には依頼しかねるのが常例。

日本語を書く能力が足りないから。

「 ビジネス英語 」 に相応する、 ご本人の 「 ビジネス日本語
の運用能力を問われれば、 日本語母語話者としては即答に窮する。

既出の言葉を流用してみると、 「 まあまあ微妙 」。

私の率直な回答は、 「 聞く・話すの特化型、 だと思います 」。

事務系業務は根強い文書主義 ( 電子文書 含む ) であり、
読み書き能力なしで 「 堪能 」 とは評価できないと考える。

「 ビジネス日本語ができる 」 水準に達していないことは、 うちら
求められる 「 ビジネス英語 」 の目安に突き合わせて推論できる。

読み書きできず 「 ビジネス英語ができる 」 では一笑される日本人。

こうした 「 ペラペラ 」 が非常に多い   実情を意識しておきたい。

そうすれば、 不勉強な 「 ペラペラ 」 には惑わされにくくなる。

音が極端に少ない日本語の 「 聞く 」 「 話す 」 の難易度は
そう高くない一方、 「 書く 」 「 読む 」  がとても難しい。

日本語の特徴 ( 初級・中級 ) である。

日本人の皆様、 「 ペラペラ 」 にだまされることなかれ。

がらんどうな 「 ペラペラ 」 を見破れず、 憧れる人が多すぎ。

既に述べたが、

中級以上の英語に熟達している日本語母語話者の英文原稿は、
ほぼ例外なく原文の英語のままであり、 著しく対照的である。

こういう日本人は、 英語で話している時のメモは、 英語中心。

両言語で、 議事録や報告書を一通り作成する語学力を有する。

▲▲  再掲終わり  ▲▲

◆  日本語があまり読めないということは、

日本の英語学習者向けに書かれた日本語の参考書を、
どれも精読できていないと推断できる。

日本人が取り組む教材を、 よく知らないということ。

英語を教わる側であるなら、 もしやと不安になる。

そういう 日本語ペラペラYouTubers の背後には、
日本語の有名参考書が、 これ見よがしに飾ってあったりする。

「 ご自分でお読みになりましたか

それとなく尋ねてみたくなる。

もし読んでないなら、 画面に映さない方がよい気がする。

教える側として、 いくらなんでも恥ずかしい。

integrity  の弱みをさらけ出す。

本格的な語学訓練においては、 華やかな局面はごく一部。

慎ましくしたたかな根気で、 へこたれずに粘り抜く営為。

文法を含む言語理論を修得するには、
文献を渉猟し、 閲読する必要がある。

その道のプロなら、 言うに及ばない習わし。

当人の日本語の読み書きについて意地汚く指摘したいのではない。

そうではなく、 外語習得の真の難しさを知るに至るほどの鋭意で
努力してこなかったことと、 その自覚が足りないことを述べたい。

日本語ペラペラと言っても、 満足に読み書きできないのであれば、
先述の日本語の難しさに、 真っ向から挑んでこなかったのだろう。

外語習得の困難を知覚する語学力に未達なのではと疑いたくなる。

隘路に迷い込み、 出口が見えず絶叫して悔しがる絶望をご存じか。

英語の4技能を希求する私たちの、 あの血眼の奮励を思い起こせ。

毎晩の自習、 定期試験・受験・資格の対策、どれほど勉強したか。

地道な努力を積み上げて習熟した人は、 たやすく報われない骨身を
削る難路を這いつくばってきたから、 気安く 「 簡単 」 と言わない。

 

◆  絵日記ほどの日本語すら書けない日本語ペラペラの人は、 全国に遍在する。

小学校低学年レべルの文章力のない外国人たちが、 日本語を知り抜いたつもり

で粋がり、 日本人学習者にいきっているのが日本の英語業界の隠された秘密。


業務上の文面やり取りは、 英語または機械翻訳 ( DeepL など ) 頼み。

よっぽどのことがない限り、 困らないし、 バレないのだろう。

日本語の著作物は名義貸しで、 ゴーストライターに書かせる慣習が常態化。

または母語で仕上げ、 翻訳者が和訳するのだが、 和訳者の名は出てこない。

語学を教える立場であれば、 顔から火が出る知的怠慢だと私は感じるが、

彼らの衷心は、 外語にさしたる思い入れを持っていないのかもしれない。


私は 「 Foreign Language Review Services Department 」
( 多言語証拠解析部 ) の部長職なので、 部の雇用には当然
深く関わっています。

日本語関連の仕事に関して私は何百と言う面接を行ってきましたが、
人を落とす最も多い理由は 「 日本語能力不足 」 にあります。
と言うか、98%以上 それです。

「 中学 ~ 高校を通して日本語を選択し、大学4年間日本語を専攻し、
日本で外資系で3-4年仕事経験あり 」 等の履歴書を持ち、
日本語で面接してみると日本語がぐちゃぐちゃ、
日経新聞等の記事を音読させてみようとすると、
全然読めない、 意味も分からない等と言う人も全然珍しくもありません。

そういう履歴書を持って、 日本人とも結婚していると言っている方で
全然ダメだった面接もありました。

そういう人は私の部署では雇えませんが、
結構競合では雇ってもらったりしているのを見るのは驚きます (^_^;)

別にそれらの人は履歴書を偽証しているとか、さぼって来ていたとか
言う問題では無く、それぐらいに努力しても 「 ビジネスレベル 」
の日本語を身に着けるのは
難しい  のだと思っています。


https://jp.quora.com/gaikoku-nin-kara-shitara-nihongo-ha-muzukashii-gengo-nanode-suka-muzukashii-to-kanji-ru-tokoro-ha-nande-suka/answers/1477743736859710

※  2024年3月22日 アクセス

※  改行・色・太字は引用者

 

◆  表題は、 文法的にも簡単である。

< 基本中の基本 >  のレベル。

” I have a question for you ” 

  • 主格の人称代名詞  I( 私は )
  • 他動詞 have( 持つ )
  • 単数のための不定冠詞  ” a
  • 可算名詞  question( 質問 )
  • 対象の前置詞  ” for( のための )
  • 目的格の代名詞  you( あなた )


直訳は「 私はあなたのための1つ質問を持つ 」。

ならして「 1つ質問があります 」。

 

◆  ” Here is my question for you.” では、

  • 副詞  ” Here “(ここに)
  • be動詞の三人称単数の現在形  ” is “(ある)
    …   以下同様   …

直訳は 「 ここにあなたのための質問が1つある 」。

同じく 「 1つ質問があります 」と換言できる。

◆  ” for you ” は 「 あなたのための 」 または
「 あなたのために 」 を 意味する頻出フレーズ。

英語ではごく自然で、 一般的に他意はない。

けれども、 そのまま日本語に訳すと、一転して
恩着せがましく聞こえる  場合が少なくない。

主語・主格や目的語・目的格を省略しても、
通じることが普通にある。


こういう特色のある日本語では、

くどくて「 嫌み 」を帯びかねない

フレーズの代表格である。

そのため、” for you ” は訳出しないケースが多い。

原文にない、皮肉めいた ニュアンス が加わると
悪印象を与え、困るからである。

【参照】  日英の言語ルーツは大きく異なる

◆  ” for you ” は、日本語と英語の違いが
如実に出ている例なので、ここで考察してみる。

日本語の特徴の1つは、
非言語のコミュニケーションが多い


調和や協調を重視する密接な人間関係
に基いて

発達したため、 相手側の状況判断と相まって
言葉に表さなくても   会話が成立してしまう。

人口密度が高く、体験を共有している濃い関係。

言葉以外の「 場の雰囲気 」「 あうんの呼吸
を自ら察知して、すんなり理解できる。


あいまいな表現がやたらと多く、他の言語では
通常
不可欠な  主語を略しても、難なく通じたりする。

日本語の持ち味である。

それゆえに、AI( 人工知能 )による和訳はそう容易ではない。

主語・目的語の省略がもたらす支障は、” vocal about –
にて事細かに記した。

◇  一方、英語は 個人主義的な文化から生まれた言語 で、
個性重視の主体性 がある。

とかく、自我が強い

人口密度が低めで、事前に共有している情報が少ない。

同質的でないため、言語化しないとお互い分かり合えない


日本語が 相手側の状況判断にかなり依存する言語 に対し、

英語は 伝達情報を言語にはっきり表す 姿勢を基本とする。

同質社会でなく、共有体験が少ないため、日本人のように
場の雰囲気 」「 あうんの呼吸 」に委ねるのは困難。

ゆえに、きちんと言葉で示さなければ通じない。

日本語は「 寡黙の表現 」で、 表白抜きでも含蓄に富むのに対し、
英語は「 饒舌の表現 」と呼ばれたりする。

  言語化しない内容は「 存在しない 」ようなもの  

↑↑↑↑↑   これぞ、 英語の大原則   ↑↑↑↑↑


【参考】    ※  外部サイト、和文

  高コンテクスト文化と低コンテクスト文化
↑  文化人類学者 E.T.ホール の賛否両論ある学説 

  High-context and low-context cultures (英文)

◇  このような 文化・言語の違い があるため、

非言語コミュニケーションを基盤とする日本語

訳出すると、くどくどしくなったり、皮肉を帯びる

英語が多発 する。

 

【参考】    ※  外部サイト、英文

“Aimai: A Dynamic Intertwined in Japanese Culture and Language”

英語ネイティブの日本語学習者による 「 あいまいさ 」 の考察。

学者による論文より読みやすく、 的を射た指摘の数々がすばらしい。

主語なしで通じる不思議についても言及する。


Japanese is an  implicit language  while
English is an  explicit language.

Since often times a clear definition of the
subject is not known
,  translating from
implicit to explicit   requires the ability to
infer meaning and insert the appropriate
words/phrase into the explicit.


Aimai: A Dynamic Intertwined in Japanese Culture and Language
by  Kyle Von Lanken

2015年1月30日付

※  ハイライト・色字は引用者


中級学習者 の実力があれば、 一読して把握できるはず。


◆  ” for you ” のネガティブ作用は、 ” do a little math
にて、以下の通り説明した。


Let me do a quick math for you.

あなたのために、ちょっと計算してみますね。 )


一見なんでもないが、危うい場面での本音は、

  • 「 お前、なにほざいてんの。
    お前のために
    さっさと計算してやるから、よく見とけ。」

” for you “( あなたのために ) が、特に皮肉を帯びる。


この場合、 ” little “、” bit of “、” minor “、” quick “、
small “、” simple
には、

相手を見くびる  ニュアンス  が加わったりする。

どこか 威圧的 で、小馬鹿にした感じ。

  • 「 こんな簡単な計算なのに、お前のオツム空っぽかよ。」

平時であれば、親切心を示す無難な表現のはず。

人間のコミュニケーションは単純でない。


冒頭で取り上げたように、平時に普通の口調で述べれば、

for you ” の有無とは関係なく、 中立的な口調となる。

すなわち、 意地悪ではなく無難な話し振り。

◆  とにかく、 筆舌も相手も問わない基本的な質問表現
として、 先の4つを押さえておこう。

「 1つ質問があります。」

  •  I have a question for you.
  •  I have a question.
  •  Here is my question for you.
  •  Here is my question.

 

【参考】    ※  外部サイト

◇  英語母語話者 ( 英語ネイティブ ) 対象の 「 言語習得難易度表 」

米国務省の外務職員局 ( FSI : Foreign Service Institute ) 発表

日本語は最難関 ( 4段階中、最高位 )

超難しい言語 」


Super-hard language

exceptionally difficult for native English speakers


https://www.state.gov/foreign-language-training/

※  2024年1月30日 アクセス

※  赤・黄・青字は引用者


割かし頻繁に引用される資料なので、 信用に値すると考えられる。

76 years of experience in teaching languages to U.S. diplomats ”

米外交官に、 76年間、 外国語教育を施した実績が叩き出したランキング。

英語ネイティブにとって、 日本語がかなり難しいのは、 確かであろう。

要は、我ら双方にとって大変であり、 本稿で挙げた側面からも明らか。

まったくもって、 お互い様。

こちらの 「 オランダ語 」 との歴然の差を見て取れる。


英語に近い言語とは、 立ち位置が違う。

例えば、 「 オランダ人は英語がペラペラ 」。

語順も文法も、 英語に類似する印欧語の代表格が、 オランダ語。

出自が同じだから、 学習上の手掛かり・足掛かりはかなり多い。

初歩から洗いざらい手ほどきを受けなくても、 普段使っている母語との
共通点を見出し、 規則性を汲み取ることで、 ある程度は独力で体得可能。

Both languages share the same root.

 「 オランダ人から学ぶ英語学習法 」

これに類した情報商材が堂々と売られている。

日本語母語話者の悩みを解決するには的外れ。

言語・文化が完全異質ゆえ、 逐一ねじり鉢巻きで勉強して学ぶ日本人。


日本語と英語の違い 」  より

integrity ” にて、 「 音声 」 「 音節 」 の日英比較を深掘りしている

( 図入り、 動画入り )。

 


【参考】    ※  外部サイト

 

 

 

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