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Team up

      2020/01/02

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 2 minutes

組む、コラボする

近年のビジネスに欠かせないのが「コラボ」。
それぞれの強みを活かし、販促や制作を一緒に行う。

認知度の高い者同士がコラボすると、やたら話題となり、
双方のブランド力強化につながる利点がある。

「コラボ」

コラボレーションの略。特に、異分野の人や
団体が合同で商品で商品などを開発すること。
(広辞苑 第七版)

2018年1月発売の<第七版>に初登場の「コラボ」。
※「コラボレーション」は<第六版>に初登場

名詞 “collaboration”(共同、協力)が語源。
英語でも “collab” と略して用いられることがある。

【例】
“Collabs with YouTuber X”
(YouTuber X氏とのコラボ作品)

※ “collab” = “collaboration

“collaboration” は不可算名詞が原則だが、
「作品」を指す場合は可算名詞。

この点、”work” と同じ。

先の広辞苑にあるように、共同で仕事をする
こと、すなわち「協働」が「コラボ」。

これを句動詞で表すと、”team up”。
句他動詞と句自動詞を兼ね、句自動詞が多用される。

【参考】
「句動詞」「句自動詞」「句他動詞」について
https://mickeyweb.info/archives/43508

◆ “team” には、名詞・他動詞・句動詞・形容詞がある。

語源は「子孫」(tēam)。
全品詞の基本的イメージは「チーム」そのものだから、
分かりやすい。

【参照】”team effort“(チームワークのたまもの)

– 名詞「チーム」「班」
– 他動詞「チームにまとめる」「組み合わせる」「調和させる」
– 自動詞「チームを作る」「協力する」「調和する」
– 形容詞「チームの」

名詞は可算名詞で、集合的に使う。

“team” がチームメンバーを表す場合は、複数扱い。
【例】”The team are – “(チームメンバーたちは)
※ “teams“(↑)でなく、単数形なのに “are”

チームそのものならば、単数扱いとなる。
【例】”The team is – “(そのチームは)
※ “team / is” で基礎文法に従う

句動詞 “team up” の “team” は、他動詞・句動詞の
両方ある。
自他動詞の意味合いがほぼ重なる動詞なので、
違いを意識しにくい。

◆ これに、副詞の “up” を加える。
句動詞に多い副詞 “up” は、非常に多義だが、
ここでは「まとめて」「集めて」を意味する。
ばらばらの多数を一緒にまとめる様子。

同じ用法の副詞 “up” には、次のような句動詞がある。

  • sum up(合計する、要約する)
  • add up(合計する)
  • round up(総括する)
  • tally up(集計する)
  • gather up(まとめる)

team” も “up も、英単語として最頻出かつ最重要。

  • 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
  • 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
  • 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
    ( LDOCE6 の指標による)
    ※  ただし、”team” については、名詞として

さらに、”team” は<Academic Word List>(※)入りしている。
※ 英語圏の大学教科書の頻出単語570語
(以上、ロングマン LDOCE6 の表記より)

“team up” が、身近な単語で構成される句動詞だ
だということを示す。

“collaboration”(kəlæ̀bəréiʃən)や動詞 “collaborate”
と異なり、小学生にも理解でき、発音も容易。

◆ 同業種または異業種間の「コラボ企画」は、
新たな商品・サービスを生む契機となる。

当事者の売り上げのみならず、経済全体の活性化が
見込める場合も少なくない。

世界的な時代の潮流に乗ったマーケティング手法のひとつ。
とすれば、”team up” の出番もますます増えると予想できる。

team up
to join with someone in order to work on something.
(ロングマン、LDOCE6)

組む
3. 事をするために仲間になる。組になる。
(広辞苑 第七版)

※ 下線は引用者

LDOCEの “team up” は、広辞苑の「組む」の語釈に
ほとんど重なる。

それを敷衍したのが「コラボ」と考えてよいだろう。

上記の “work on” は、句動詞「取り組む」。
下線の「事をする」と同じ意味合い。

「働く」も含むが、あくまでも「取り組む」の一部。
仕事に限らず、趣味、遊び、何でもよい。

つまり、ビジネス用途以外にも使えるのが “team up”。
(例文参照)

◆「コラボ」と等しく、使用場面と用途が広がる傾向にある。
その反面、言葉としてのあいまいさも増している。

とにかく便利には違いないので、自ら使えるようにしておこう。

 

 

  • “Let’s team up.”
    (コラボしよう。)(一緒にやりましょう。)
  • “I need to team up with an experienced teacher.”
    (経験豊富な先生と組む必要がある。)
  • “We want to team up with your group.”
    (あなたのグループと組みたい。)
  • It is imperative that we team up with experts.”
    (専門家と組むことが絶対必要です。)
  • “Three programmers will team up to develop
    a new system.”
    (新しいシステムを開発するため、
    3名のプログラマーが組むことになる。)
  • “Famous singers teamed up for a concert.”
    (コンサートのため、有名歌手たちがコラボした。)
  • “Let’s team up and get it over with.”
    (みんなで一緒にやって、けりつけてしまおう。)
  • “John teamed up with Mary for the presentation.”
    (そのプレゼンのため、ジョンはメリーと組んだ。)

  • “We teamed up for the first time.”
    (私たちは、初めてコラボした。)
  • “She teamed up with the doctor on the project.”
    (このプロジェクトで、彼女はその医者と組んだ。)

以上のように、「随伴」の前置詞 “with” を伴うのが基本。

 

 

【類似表現】

“tie up” ※句自動詞、句他動詞
(提携する)

 

 

 

 

 

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