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Make fun of -

      2020/01/02

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 3 minutes

〜を物笑いにする、~をからかう

 John is making fun of Mary.
(ジョンがメリーをからかっているの。)

Stop making fun of your boss.
(上司を笑い者にするのはやめな。)

小学生が先生に言いつける時によく使う。
大人が相手をたしなめる時にも出てくる。
老若男女を問わないということ。

日常に溶け込んだ、頻出の言い回しである。

  主な使用場面は、他者の悪さの指摘。

次のように、主体(主格)が自分でも、何ら
問題ない。 だが、実際にはめったに見聞きしない。

  • “I was making fun of my brother then.”
    (当時、私は弟をからかっていた。)

冒頭のように、ちくったり、注意したりと、
自分以外に用いる方が一般的。

<我の悪行は棚上げするのが人間の本性>
などと心得れば、すっきり理解できる使い道である。

◆ 世代を問わず多用される一因は、単語の容易さにある。

“make fun of” のポイントは、名詞 “fun“。
名詞は不可算名詞のみなので、
不定冠詞 “a” はつかない。

後述の “make a joke” と異なる点である。
ほぼ同じ意味合いなのに、”joke” が
可算名詞のため、こちらは “a” がつく。

“fun” には、名詞に加えて、形容詞・他動詞・
自動詞がある。

【発音】 fʌ́n

基本的意味は、

– 不可算名詞「おかしさ」「楽しみ」
– 形容詞「楽しみの」「おもしろい」
– 他動詞「からかう」「冗談を言う」
– 自動詞「からかう」「冗談を言う」

【語源】

fun” の語源は、中期英語「愚かである」(fonnen)。
原義は、「人をからかう」。

愚かである」→「からかう」→「おかしさ」→「楽しみ

 “silly” と流れが逆
幸福な(sǣlig)」→「おめでたい」→「愚かな

英語ネイティブにとって、”fun” は発音しやすい。
摩擦音 “f” から始まる1音節単語だから。

ところが、日本人の大半にとって、そうはいかない。
中級学習者であれば、”fan” と区別できるはず。

「ファンヒーター」も「ファンレター」も “fan”。
それぞれ「扇風機」と「支持者」を意味する。

カタカナ表記では、”fun” も「ファン」。

英語の発音の違いは比較的大きい。
初学者でも、短期間で判別できるようになる。

私の耳を用いて書き起こすと、次の通り。

  • funfʌ́n)※ 不可算名詞
    →「ふん(大便)」の語調で「ふぁん」
  • fanfǽn)※ 可算名詞
    →「ふぇあん」または「ふぇーん」

2語とも、ロングマン(LDOCE6)の指標では、
英単語としての「重要度」は最上位。
すなわち、3,000語以内に入っている。

“make fun of – ” の構造は、

  • 不可算名詞 “fun“(楽しみ)
  • 他動詞 “make“(作る)
  • 由来の前置詞 “of“(~から)

よって、直訳は「~から楽しみを作る」。

なんだか楽しそうだが、とんでもない。

これがイディオムに発展すると、
〜を物笑いにする」、「~をからかう」。

上掲黄枠の成り立ちを思えば、やはり
感じのよいものではないことに気づく。

彼らは彼の苦戦物笑いにした。


◆ “make fun of” に続くのは、笑いの種

すなわち、”somebody”(誰か)または
“something”(何か)で、目的格。

人称代名詞なら、
me / you / him / her / us / them / it。

笑い種は人間に限らないが、現実には人間中心。

◆ 大抵の場合、本気の悪意はなく、冗談半分で口にしている。

それは、次の CALD4 の定義からも分かる。

“make fun of somebody / something”

to make a joke about someone or something

in a way that is not kind.
(ケンブリッジ、CALD4)

※ 下線は引用者

「冗談を言う」と下線部にある。

“make” は、”make a fun” と同じ用法の他動詞

一方、その他の3学習英英辞典EFL辞典)の解説はこちら。

“make fun of somebody / something”

to make unkind insulting remarks about
someone or something.

(ロングマン、LDOCE6)

to laugh at somebody/something or make other
people laugh at them, usually in an unkind way.
(オックスフォード、OALD9)

3冊に共通する赤字の not kind” = “unkind

不親切な」を意味する形容詞である。

【発音】 kind ( káind )、unkind ( ʌnkáind

ここでは「不親切な」よりは、
「思いやりのない」または「冷酷な」くらいの意。

  • “Life is unkind.”(人生は厳しい。)

当事者が幼児であれば、「冷酷な」は不自然だろう。

◆ 使用単語が基礎レベルゆえに、気軽に多用される傾向
について先述したが、きっとそれだけではない。

他人を物笑いにする人が多いからかもしれない。

  ものわらい【物笑い】

2. 他人の言行を見聞してあざけり笑うこと。
また、その対象。笑いぐさ。
(広辞苑 第七版)

人のしたことなどを、ばかにして笑うこと。
(三省堂国語辞典 第七版)

※ 語釈該当引用

そういう人が多いというより、そのような状況が
生じやすいのが、ストレス社会の日常なのかも。

【参照】”schadenfreude

◆ 人生は多分に因果応報

意地悪く他人に接すると、いずれ我が身に
降りかかってくるかも。

忘却していても、巡り巡って舞い戻ってきたりする。

若い時分は笑い飛ばせても、中年期に至れば、
いやに理解が進む人生の側面である。

私自身、本当にそうだな、と感じている。
過去の悪行の余波に、相当苦しんできたからだろう。

  • “Jane made fun of Jack’s red nose.”
    (ジェーンはジャックの赤い鼻を物笑いにした。)
  • “Jack made fun of Jane’s weight.”
    (ジャックはジェーンの体重をからかった。)
  • “She made fun of his lack of English skills.”
    (彼女は彼の英語力のなさをからかった。)
  • “They made fun of my shoes.”
    (彼らは私の靴を笑いのネタにした。)
  • “Bob and Eric kept making fun of Bill.”
    (ボブとエリックはビルをからかい続けた。)
  • “Don’t make fun of the way she talks.”
    (彼女の話しぶりをからかうな。)
  • “No, I was not making fun of her.”
    (いいえ、彼女を笑い者にしていません。)
  • “They used to make fun of me.”
    (彼らは私を物笑いにしたものだった。)

【関連表現】

“name-calling”
https://mickeyweb.info/archives/17532
(悪口、罵倒)

 

 

 

 

 

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