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Unaccounted for

      2018/07/27

(人や金品が)行方不明である

まずは、2018年発表のニュース見出し(headlines)のご紹介。

  1. 110 girls unaccounted for after attack
    (少女110名が襲撃後に行方不明)
  2. Dozens still unaccounted for in mudslide
    (土砂崩れで行方不明者が今も多数)
  3. One Person Still Unaccounted For After Fire
    (火事で今なお行方不明者1名)
  4. Model still unaccounted for as boyfriend shoots himself
    (モデルは今も行方不明、恋人は自殺)
  5. Chemical plant worker unaccounted for after explosion
    (爆発した化学工場の従業員が行方不明)
  6. 1 dead, 1 unaccounted for, 6 injured in construction site fire
    (建設現場火事で、死者1名・行方不明者1名・負傷者6名)

すべて有名ニュースサイトから抽出したもの。
一読して意味がつかめただろうか。

◆ 見出しは記事内容の要約であり、読者が中身を読むべきか
どうかの判断基準を示す。
したがって、販促などマーケティングのためにも、メディアは
見出し作りに知恵を絞り、一目瞭然の平明な表現に努める

※ 「見出し」英語の解説は、ここが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語

6文とも、中級学習者にとっては実力範囲内の難易度。
即座に把握できることが望ましい。

もしひっかかったとすれば、表題のフレーズであろう。

unaccounted for
→ 事件・事故の「行方不明」報道に頻出

◆ “unaccounted for” の特徴は、この2語で「形容詞」扱い
されること。

成り立ちとしては、
形容詞 “unaccounted” + 前置詞 “for”

しかし、3学習辞典を含む次の5つのオンライン
辞典では、 2語丸ごと「形容詞」と記す。

特筆すべきことは、<2語ワンセット>の “unaccounted for”
で、独立した項目が設けられている点。

<項目立て>されたフレーズは、一定以上に重要なもの。
ニュース報道の頻出表現とする前記の裏付けにもなる。

一方、『ランダムハウス英和大辞典 第2版』は、
“unaccountedfor”(説明されていない
とハイフン入りで項目立てする。

ランダムハウスの示す形容詞は、先の5つとは異なる。
<名詞を修飾する言葉>としての形容詞(adjective)である。
また、カッコ内の和訳(緑字)から明らかだが、意味も異なる。

すなわち、次のOALD9の語釈2に当たる。
本稿の主題は1。

unaccounted for” =

adjective

1. a person or thing that is unaccounted for 
cannot be found and people do not know what
has happened to them or it

2. not explained.

(オックスフォード、OALD9) ※ 下線は引用者

【発音】ʌnəkntɪd fɔːʳ

2の “not explained”。
これがランダムハウスの “unaccounted-for”(説明されていない)。
ごく普通の形容詞である。

本稿の主題は、1の「行方不明」。

  • 形容詞 “missing” と換言できる。
  • 無生物でもよい(OALD9 下線部、後述例文)。
  • ニュースでは、人間・お金・武器が中心となる。

報道価値の伴う「行方不明」は、大抵3つ(青字)のいずれか。
断トツは人間。これは世界共通のはず。

◆ OALD9の語釈2 “not explained” =「説明されていない」
から推察できるように、形容詞 “unaccounted” は合成語。
接頭辞 “un”(~でない)と “accounted” を足したもの。

とはいえ、”accounted” という単独の形容詞は存在しない。
先程の5つの英英辞典の他にも、合計5冊の英英辞典と英和辞典
を調べたが、形容詞 “accounted” の記載はなかった。
項目立てはもちろんのこと、形容詞として単独で使われている
形跡は、どこにも見つからなかった。

ところが、である。
unaccounted” を項目立てする辞書はあった。
当然、”for” 抜きである。(”for” つきは、上掲5つの通り)

unaccounted” =

adjective (usually foll by for)

1. missing
→ as many as 100 people are unaccounted for
2. not included in an account
→ 70 million dollars of unaccounted money
3. not explained adequately
→ unaccounted friendliness

コウビルド(COBUILD)/ Collins

“usually foll by for”とは「通常 for が続く」の意。
※ “foll” = followed、following の略

やはり、”unaccounted” の単独使用はめったにないらしい。
形容詞 “accounted” はどこにも項目立てされていないのに、
形容詞 “unaccounted” はある不思議。

何だか分からなくなってきたが、”unaccounted for” が
かなり特徴的な形容詞であることは確かだろう。

重要なのは、2語で形容詞として使われていること。

“account” は、古フランス語「計算する」(acont)由来の
多義な単語で、自動詞・他動詞・名詞がある。形容詞はない。
それでも、”account” の語源を “unaccounted” が継承するのは、
疑いない。

“unaccounted for” は、副詞 still“(今も)を伴うことが多い。
still unaccounted for“(今なお行方不明)は、
緊迫感と焦燥感を強調する言い回しであり、<3語ワンセット>で
多用される。

冒頭の例文2、3、4 が該当する。

◆ 人間の行方不明は、災害関連で年がら年中見聞きする話。
ほとんどが悲しい結果に終わる “unaccounted for”。

以下の例文には、より出番の少ない金品の行方不明を掲げた。

一律「行方不明」と和訳したが、金銭の場合は「使途不明
とも訳される。

  • “Millions of dollars are still unaccounted for.”
    (いまだに数百万ドルが行方不明です。)
  • “All my bags are completely unaccounted for.”
    (私のすべてのバッグが完全に行方不明だよ。)
  • “A lot of money remains unaccounted for.”
    (大金が行方不明のままである。)
  • “The audit found that one handgun was unaccounted for.”
    (ピストル一丁が行方不明であることが、審査で明らかになった。)
  • “A million yen in cash is unaccounted for.”
    (現金100万円が行方不明です。)

 

【関連表現】
“accountable”
https://mickeyweb.info/archives/21196
(責任・説明責任を負う)

“by all accounts / from all accounts”
https://mickeyweb.info/archives/25345
(皆の話によれば、誰に聞いても)

 

 

 

 

 

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