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Conundrum

      2019/02/24

難問、謎

初見では、どう読むのか見当がつかない。
なんだか芋虫が這いずるような見た目の単語。

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【発音】kənʌ́ndrəm  【音節】co・nun・drum

字面のインパクトが見出しに映える。
重要度・頻出度とも、辞書ではノーマークなのに、
強烈な存在感を放ち、やたらと印象深い。

◆ さっそく、今月2018年11月発表のニュース見出しから抽出。

  • “Global Cybersecurity and the Internet Conundrum
    (世界のサイバーセキュリティとインターネットの難問)
  • “The conundrum of X’s continued growth”
    (X国の持続的成長の難問)
  • “Can A.I. Solve the Diversity Conundrum ? ”
    (多様性の難問を人工知能が解消できるか?)
  • “The country’s great tax conundrum
    (この国の税金の大難問)
  • “The conundrum of X’s female suicides”
    (X国における女性の自殺の難問)
  • “X’s Political Conundrum: Can There be a Solution ? ”
    (X国の政治的難問:解決策はあるか?)
  • “Solving work-life balance conundrum for
    drivers necessary for recruitment”
    (運転手採用に仕事と生活の調和の難問解決が必要)
  • “The affordable housing conundrum
    (手頃な住宅の難問)
  • “Cold-Brewed Or Hot: The Coffee Conundrum
    (水出しかホットか:コーヒーの難問)
  • “X Cities and the Development Conundrum
    (X国の都市と発展の難問)

以上10件。 5分程度でちゃちゃっと採集した。
たやすい作業。 それなりに使われている証左だろう。

※「見出し」英語の解説は、ここが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語

◆ 定訳は「難問」。ビジネスとニュース用法が中心。
上記例文からも分かるように名詞。可算名詞のみ。

複数形は “conundrums“。

また、「なぞなぞ」のような言葉遊び(riddle)も指す。
こちらの用途は実務に縁遠いので、本稿では取り上げない。
後述のEFL辞典3点では、すべて語釈(2)が該当する。

 conundrum” = 難問
※ 可算名詞のみ

普段使いには、これだけ覚えておけばよい。

  なんもん【難問】

1. 解答するのがむずかしい問い。
2. 解決を要するが、処理しにくい事柄。
3. 難詰して返答を迫ること。

(広辞苑 第七版)

語義が単純なのは、3大学習英英辞典(EFL辞典)
からも読み取れる。

“conundrum”

■ “LDOCE6”  ロングマン
(1) a confusing and difficult problem.
(2) a trick question asked for fun.  SYN: riddle

■ “OALD9”  オックスフォード
(1) a confusing problem or question that is 
very difficult to solve.
(2) a question, usually involving a trick with words,
that you ask for fun. 
SYNONYM: RIDDLE

■ “CALD4”  ケンブリッジ
a problem that is difficult to deal with.
– a question that is a trick, often involving a
humorous use of words that have two meanings.   

【発音】kənʌ́ndrəm
【音節】co・nun・drum

※ SYN = synonym = 同義語

共通語は、下線部の “a difficult problem”。
直訳は「難しい問題」で「難問」そのもの。

日英の見事な合致が、単純明快な意味合いを裏付ける。

少々物足りないため、ビジネス辞典の語釈もご紹介。
英語ネイティブ向けゆえに、使用単語の難易度が
上がるものの、中級学習者なら難なく理解可能。

“For example” 以下の事例は、「落ち目の会社が、
再び利益を生み出す策を模索するのは難問」とある。

A complex or perplexing problem that
generally has no clear solution.

For example, a failing company can find
itself in a conundrum as it tries to figure out
a solution to generate profits again.

 http://www.businessdictionary.com/definition/conundrum.html

発音の注意点は、”con” で分けないこと(kənʌ́ndrəm)。
“co” で区切る。  3音節 “co・nun・drum” で明らか。

これは、接頭辞 “con” と無関係な成り立ちを示唆する。
“conundrum” の語源は不詳とされるが、一説によると
擬ラテン語(mock-Latin word)。  初出は16世紀。

※「音節」(syllable)とは、発音の最小単位。
日本語の場合、原則として「仮名一字が1音節」。
そのため、音節を意識する機会は乏しい。

◆ 単調な意味なので、造作なく把握できる。
定訳「難問」及び「なぞなぞ」から発展して、
「説明できない事象」を表す場合もある。

すなわち、「謎」と「不可解」。

  なぞ【謎】

1. なぞなぞ。
2. 相手の反応を見るため、そのことを直接に言わずに、
遠まわしに言う〈こと/ことば〉。
3. 意味や招待がわかりにくい〈こと/もの〉。

(三省堂国語辞典 第七版)


  ふかかい【不可解】

理解に苦しむこと。理解しようとしてもわけのわからない
こと。また、そのさま。

(大辞林 第三版)

これらの意味の同義語の筆頭には “mystery” が挙げられる。
これまた名詞で、ここではカタカナ「ミステリー」と重なる意。

  ミステリー【mystery

1. 神秘。不思議。怪奇。
2. 推理小説。怪奇小説。

(明鏡国語辞典 第二版)

まとめると、

 “conundrum難問
不可解ミステリー 

語義の方向性は一貫しており、簡単明瞭。

「難問」を押さえておけば、いずれも推量可能。

◆ 発音と音節については既に触れた。

抑揚を帯びるせいか、英語ネイティブにとっても、
発音は容易でない模様。 なかなかユニークな語。

子音「C」から始まり、発音は /k/ で破裂音(はれつおん)。
具体的には「無声軟口蓋破裂音」。
国際音声記号(IPA) は [k] 。

ここにアクセント(強勢)は置かず、直後に来る。
つまり、3音節の中間が強調される。

初めて接すると、まるで聞き取れないはず。

ーーードュルム

などと私には聞こえるが、いかがだろう。

【発音】kənʌ́ndrəm 【3音節】co・nun・drum

 

◆ 発音しにくい一方、見映えがする強みは冒頭で述べた。
上掲の見出し10件を、改めてご確認いただきたい。

芋虫ごろごろよろしく、でんと構えた見てくれが目を引く。
「難問」を意味するのだから、問題提起には都合よい。

異様に際立つ “conundrum”。  華のある芋虫なのか。

image.png
現代日本を取り巻く “conundrums” で掉尾を飾る。
思いつくまま10件。 ※ 2018年11月現在
  • the immigration conundrum
  • the marriage conundrum
  • the pension conundrum
  • the overwork conundrum
  • the motherhood conundrum
  • the equality conundrum
  • the education conundrum
  • the bullying conundrum
  • the income conundrum
  • the retirement conundrum

和訳は不要だろう。

どれも私たちの身近に迫っていたりする。
解決の困難な問題ばかりで、まさしく “conundrums”。

 

 

 

 

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