Allegedly
2019/01/08
申し立てによると、伝えられているところでは
よからぬ事件報道に欠かせない副詞。
疑いはあるものの、現段階では立証されておらず、
公正を期するために必要となる。
真偽が証明されるまでは、不利に断定すべきでない。
この社会通念が理解できれば、”allegedly” の
意義も理解できるだろう。
有罪を証明しない限り、被告人は無罪という、
刑事裁判の立証責任「推定無罪」と趣旨が似ている。
“allegedly”
used when reporting something that people
say is true, although it has not been proved.
(ロングマン、LDOCE6)
【発音】əlédʒidli
◆ 訴訟・捜査の報道に限らず、日常的な
トラブル処理にも出てくる “allegedly”。
この場合、疑いは強めの場合が少なくない。
報道メディアに求められる公正さには欠けるから。
ー
すなわち、伝聞内容を表すにとどまらず、
- ~とかなんとか言われてますが
- 本人はこう言ってるものの~
- いわゆる~とのことだ
などと皮肉や非難を帯びていたりする。
最初から疑ってかかる文脈も多い。
–
◆ “allegedly” は、副詞のみ。
1874年頃生じた比較的新しい表現である。
他動詞 “allege”(14世紀~) から派生した。
- allege(他動詞のみ)
「申し立てる」「と言われている」「証言する」
【発音】əlédʒ - alleged(形容詞のみ)
「疑わしい」「いわゆる」「申し立てられた」
【発音】əlédʒd - allegation(可算名詞・不可算名詞)
「(証拠不十分な)申し立て」
【発音】æ̀ləgéiʃən
“allegedly” の定訳
- 申し立てによると
- 報道によると
- 伝えられているところでは
–
より日常的な和訳
- ~とのことである
- ~そうだ
- ~らしい
- ~とされる
allege、alleged、allegedly のいずれも
堅い表現とされる。
このうち、英語学習者にとって、最も目に付きやすく、
理解しやすいのは、表題の “allegedly” であろう。
なぜなら、ニュースに欠かせない決まり文句であり、
しかも、置換え可能な同義語(※)が少ないから。
※ 実用上は、”reportedly” “supposedly” くらい
–
◆ 共通点は、十分な証拠がないこと。
副詞 “allegedly” を覚えておけば、
“allege”、”alleged”、”allegation” の理解は難しくない。
“He allegedly beat his wife.”
(彼は妻を殴ったそうだ。)
“She allegedly took a bribe.”
(報道によると、彼女は賄賂を受け取ったとされる。)
“He allegedly took his own life.”
(彼は自殺したとのことだ。)
“The accident allegedly took place in May.”
(その事故は5月に起きたとされる。)
“She allegedly groped her student.”
(申立によると、彼女は教え子にいたずらした。)
“His alleged affair became big news.”
(彼の不倫疑惑は大きな話題となった。)
“Do not spread speculation about the allegation.”
(その申し立てについての憶測を広げないでください。)
“Allegedly, she misjudged the priority of the complaint.”
(彼女は、その苦情の優先順位の判断を間違ったらしい。)
【関連表現】 ※ ともに形容詞
“would-be ○○”
(自称○○)
“so-called”
(いわゆる)