More than happy to -
2020/01/13
喜んで~する、大変うれしい
I’ll be more than happy to
work together with you.
(皆様と協力し合うことができ、大変うれしいです。)
(皆様と一緒に働くことができ、大変うれしいです。)
新たにプロジェクトメンバーに加わった同僚の発言。
今週の採りたてほやほや。 会議中も語彙採集。
“more than happy to – ” は「喜んで~する」または
「(~できて、)大変うれしい」の意。
公私の別や使用場面を問うことなく使え、
周囲を明るくする常套句。
“I’m happy for you.” と同様、
自然に添えられると好印象である。
–
◆ 典型的な<誤訳>はこれ。
「皆様と協力し合うことができ、
誰よりもうれしいです。」
副詞 “more”(もっと)のかけ違いである。
“more” が形容詞 “happy” の比較級をつくると
して勘違いすると、次のように誤解する。
“more happy than others”
(他の人よりもうれしい)
–
◆ そもそも、”more happy” は一般的でない。
2音節の形容詞 “happy” の比較級は、
“happier” が通例。
【例外】
“more happy” もありうる
- “less” との対照をなす場合
- “than” を伴わない構文
特に、形容詞の比較級については、
原則、3音節以上の語には “more”。
現代英語では、本来 -er 型であったものが
逐次 more 型に移行していく傾向がある。
したがって、現在両方の型をとる語もかなり多い。
これは、書き言葉・話し言葉の別や文体・文脈、
さらにリズムによってどちらかが選択される。
(ジーニアス英和大辞典)
【参考】 ※ 外部サイト
“happier vs more happy”
https://thegrammarexchange.infopop.cc/topic/happier-vs-more-happy
表題の場合、
“more than“ + “happy“
が正しい見方。
“than” は、形容詞・副詞の比較級(ここでは
副詞 “more”)に続く接続語「~よりも」。
だから、”more than” は「~よりも、もっと」。
すなわち、「~より超える」「~より上回る」。
よって、「happy を超える」で「超 happy」。
平たく言えば、「みんなと働けて、超ハッピー!」
–
◆ 頻出の “happy” は、以下7つ。
- 幸せな
- 喜ばしい
- うれしい
- 楽しい
- 満足して
- 喜んで~する
- おめでたい
「満足して」「喜んで~する」を除けば、
日本社会でもお馴染みな意味ばかり。
–
◆ “happy” の品詞は形容詞のみ。
【発音】 hǽpi
語源は、中期英語「偶然の幸運」(hap)。
成り立ちからして、徹底的にポジティブな単語である。
–
◆ “more than happy” に該当するのは、
黄ハイライトの意味合い中心。
3語の基礎単語で構成されており、初見であっても、
中級学習者ならば、自力でいけるレベル。
つまずくとすれば、先ほどの<誤訳>。
–
◆ 先述の通り、これは常套句。
<3語ワンセット>で項目立てする英英辞典もある。
今回調べた7点の英英のうち、次の2点が該当した。
“more than happy / welcome / likely etc“
very happy, welcome, likely etc – used to
emphasize what you are saying.
(LDOCE6、ロングマン)
–
“more than likely / happy / ready etc“
very likely, happy etc.
(Macmillan Dictionary、マクミラン)
スラッシュ( / )は、「or = または」で英英辞典の基本表記。
こちらのいずれも使えるということ。
- more than happy
- more than welcome
- more than likely
- more than ready
“etc” は、”et cetera” の略で「など」。
【発音】 ètsétərə
上記から表題に直結する箇所を抜き出すと、
“more than happy“
very happy – used to emphasize
what you are saying.
(LDOCE6、ロングマン)
–
“more than happy“
very happy.
(Macmillan Dictionary、マクミラン)
直後に、副詞的用法の前置詞 “to“(~するのは)
を加えると、こうなる。
more than happy to –
very happy to –
~するのは、とてもハッピー
※「ハッピー」の中身は、黄枠参照
“happy” は形容詞なので、”be動詞“ に続くのが、
基本パターンになる。
※「be動詞」= be、am、was、been、will be、is、
なぜ「be動詞」に続くのかは、”aware” や ”vocal about”
で詳述した。
英文法の基本であるので、ぴんとくることがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。
–
◆ 聞き手にとって、心地よい言葉である。
その強みは、これまでの説明から把握できるはず。
ご自分がその場にいると仮定し、以下6つの
発言を耳にしたら、どんな気分になるだろうか。
- “I‘m more than happy to join your team.”
(チームの一員になることが、大変うれしいです。)
– - “We‘re more than happy to help you.”
(私たちは喜んでお手伝いします。)
– - “I am more than happy to give you feedback.”
(喜んでフィードバックいたします。)
– - “We are more than happy to give advice.”
“We‘re more than happy to offer advice.”
(喜んで助言しますよ。)
– - “My wife and I are more than happy
to see you in Japan.”
(妻と私は、あなたに日本でお会いでき、
大いに喜んでいます。)
– - “I‘ll be more than happy to be there.”
(喜んでそちらに伺います。)
※ 下線は「be動詞」
–
◆ 本稿で挙げた和訳は、一例である。
状況・立場によっては、言葉遣いや “happy” の
内容(上掲黄枠)に大差が生じる可能性もある。
それでも、どれも “very happy“(とてもハッピー)
に違いない。
先の赤枠に記した通りである。
ご機嫌な「超ハッピー」
このイメージで概ね間違いない。