Work together
2021/07/12
協力し合う
人間社会で欠かせないのが「 協力 」。
暮らしを維持するために、協力し合うことは大切。
目的があれば、なおさら力を合わせる必要が生じる。
したがって、仕事上、切っても切れない。
きょうりょく【協力・恊力】
名詞
1. 力を合わせて努力すること。心を合わせて働くこと。
2. 経済の語で、二人以上が同一の仕事をするために、
協同して働くこと。合力と分業とがある。
きょうどう【協同】
名詞
二人以上の人や団体などが一つの仕事のために心や力
を合わせること。共同。
( 精選版 日本国語大辞典 )
–
◆ 「 協力し合う 」をシンプルに表す ” work together ”
をご紹介したい。
< 最頻出かつ最重要 > の2語で、使用場面と相手を
問わない、抜群の汎用性を示す表現。
どこでも誰にでも使えるのに、簡潔明快ということ。
–
work together
- 自動詞 ” work “(働く)
- 副詞 ” together “(一緒に)
–
直訳は「 一緒に働く 」。
一見「 句動詞 」に見えるが、今回調べた英英辞書7点中、
句動詞扱いしているものは皆無。
項目立てもゼロ。
いがみ合いながらの ” work together ” も、かなり見かける
光景だが、原則は「 心や力を合わせる 」ことを意味する。
すなわち「 協力し合う 」。
–
◆ 「 協力 」と聞けば、日本人学習者の多くが ” cooperate ”
または ” cooperation ” を思い浮かべるだろう。
だが、社内会議や日常のビジネストークでは、
” work together ” の方がよく出てくる感がある。
–
こちらの2語に比べて、” cooperate ” は堅苦しい。
こんな語を持ち出せば、不用意にフォーマルな雰囲気を招く。
日本語の「 協力 」は常用語だが、” cooperate ” はもっと正式。
–
◆ そこで、比較してみる。
–
先述の < 最頻出かつ最重要 > の根拠となる。
◇ LDOCE6( ロングマン )の表記によれば、
■ 動詞 “ work ”
– 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
– 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
– 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
【発音】 wə́ːrk
【音節】 work (1音節)
■ 副詞 “ together ”
– 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
– 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
– 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
【発音】 təgéðər
【音節】 to-geth-er (3音節)
両方、全項目が最高ランク。
■ 動詞 “ cooperate ”
– 重要度: <3001~6000語以内>
– 書き言葉の頻出度:ランク外
– 話し言葉の頻出度:ランク外
【発音】 kouɑ́pəreit
【音節】 co-op-er-ate (4音節)
■ 名詞 “ cooperation ” ※ 不可算名詞
– 重要度: <3001~6000語以内>
– 書き言葉の頻出度:<2001~3000語以内>
– 話し言葉の頻出度:<2001~3000語以内>
【発音】 kouɑ̀pəréiʃən
【音節】 co-op-er-a-tion (5音節)
◇ 重要度・頻出度ともに劣るが、2語とも
「 Academic Word List 」(※)入りしている。
※ 英語圏の大学教科書の頻出単語570語
高等教育には欠かせないことを示唆する。
–
◆ 日本語の「協力」は、小学生も使う常用語であるが、
” cooperate ” と ” cooperation ” のハードルはやや高め。
こうなると、オール最上位の “work together” の平易さが
際立ってくる。
その汎用性には、筆舌問わない使い勝手のよさも含む。
口頭でも文面でもOKということ。
–
「 場面よし 」「 相手よし 」「 手段よし 」の「 三方よし 」
に代えて、「 三面よし 」とでも称したいくらいの利点がある。
–
幼稚園の先生も大統領も
公式の場で堂々と使える
つまり、相手が幼児であっても、首脳・国賓であっても、
「 協力 」の趣旨をしっかり伝えることができる。
容易な言い回しなのに、稚拙な印象を与えない。
これぞ特筆すべき特長で、広範な適用を可能にしている。
–
◆ さらに、身近で手軽な表現にありがち の、
「 隠れたニュアンス 」がない。
例えば、嫌味・皮肉・反語のようなネガティブ
な意味合い を含まない。
また、反発を招く生意気な要素も見当たらない。
ポジティブで、 前向き なイメージが素晴らしい。
すなわち、次の表現が内在するリスクがないに等しい。
–
だから、私たち英語学習者も安心して使える。
冒頭に記したように、人間社会につきまとう「協力」。
「協力し合って」とさらりと言いたい時、書きたい時、
気兼ねなく使ってみよう。
一緒に がんばろう
- “We worked together as a team.”
(私たちはチームとして協力し合いました。)
– - “We need to work together.”
(お互い協力し合う必要があります。)
– - “We have to work together to get through this.”
(これを乗り越えるために、協力し合わねばならない。)
– - “Teachers must work together to prevent discrimination.”
(差別を防止するため、先生は協力し合わねばならない。)
– - “Parents must work together for the safety of children.”
(子どもたちの安全のために、親が協力し合う必要がある。)
– - “I’ll be more than happy to work together with you.”
(皆様と協力し合うことができ、大変うれしいです。)
– - “Hope we can work together again
from time to time in the future.”
(今後また、時々一緒に働けるといいですね。)
– - “Let’s work together and move forward.”
(協力し合い、前に進みましょう。)