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Talk dirty

      2018/12/09

猥談を話す

性的な話が出てくる場面は、
日常に意外とありふれている。

勤務時間中なら問題(後述)だが、談笑時に
さらりと触れる流れが生じることはあるだろう。
自ら持ち出す機会もなくはない。

性に関する話題を、英語でどう表現するか。

変態や下品と思われたくない。
ましてやセクハラで訴えられるリスクは、
絶対に避けたい。

分かりやすく、品よく、無難に、
性的話題を表現するには、次の2つを
押さえておくとよい。

【動詞】”talk dirty” 「猥談を話す」
【名詞】”a dirty talk” 「猥談」

今風に言うと、「下ネタトーク」

  •  わいだん【猥談】
    性に関するみだらな話。
  •  しもねた【下ねた】
    性に関する下品な話題。

(広辞苑 第六版) ※ 下線は引用者

“dirty” には、形容詞・他動詞・自動詞・副詞
がある。

語源は、古ノルド語の「排泄物(うんち)」(”drit”)。
これが、”dirt“(ちり、土・泥、悪口)となり、”dirty” に。

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  • 形容詞「汚い」「卑わいな」「不快な」
  • 他動詞「汚す(よごす、けがす)」「傷つける」
  • 自動詞「汚れる」
  • 副詞「卑わいに」「不正な」

どれも<汚い>イメージで、ネガティブ満載である。
まさしく語源を継いでいる。

“talk dirty” では、副詞「卑わいに」
“a dirty talk” では、形容詞「卑わいな」

“talk” には、自動詞・他動詞・名詞がある。
「話す」の意味合いで共通しており、分かりやすい。

語源は、中期英語「話す」(talken)。
名刺 “tale”(物語)と同源である。

  • 自動詞「話す」「相談する」「うわさ話をする」
  • 他動詞「話す」「論じる」「説得する」
  • 名詞「話」「話し合い」「うわさ」 ※ 可算・不可算

“speak” に比べると、気軽な内容の
おしゃべりも広く含む。
ゆえに “casual talk” は普通だが、
“casual speak” は不自然。

かつての日本では、「スピーク」の方が
ずっと普及していた。

<トーク力> <トークがうまい>
などの表現が芸能界を中心に広まってからは、
「トーク」も日常的に使われるようになった。

“talk dirty” では、他動詞「話す」
“a dirty talk” では、可算名詞「話」

したがって、

【動詞】“talk dirty” 「猥談を話す」
他動詞「話す」+ 副詞「卑わいに」

【名詞】“a dirty talk” 「猥談」
不定冠詞 “a” + 形容詞「卑わいな」+
可算名詞「話」

文脈次第で、和訳は「下ネタ」「エッチな」
「すけべな」「エロな」などを用いる。

“He likes to talk dirty.”
(彼は猥談を話すのが好き。)

“He likes dirty talks.”
(彼は猥談がお好き。)

“We fended off his dirty talks.”
(私たちは彼の猥談を受け流した。)

“Don’t talk dirty here.”
(ここで猥談を話すな。)

“Dirty talks are big no-nos in the office.”
(オフィスでの猥談は絶対にご法度です。)

“No dirty talk.”
(猥談は禁止。)

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【関連表現】

  • a dirty old man
    (すけべジジイ)
  • a dirty joke
    (エッチなジョーク)
  • a dirty book
    (エロ本)
  • a dirty mind
    (すけべ心)

すけべえ【助兵衛】
(好(すき)兵衛の転という)紅色の人。すきもの。
助平(すけべい)。
(広辞苑 第六版)

◆ 性的話題は、どの道無難でない。
一歩間違えると、とんでもない苦境に陥る。

普段、真面目な人が実は “dirty talk” 好きだったり、
一見、好みそうな人にはドン引きされたり。
この辺りは、外国人も大きく変わらないと感じる。

その判断を誤り、私はどれほど赤っ恥をかいてきた
ことか。ひんしゅくのオンパレード。

要するに、リスクが高いようだ。

◆ 1989年<新語・流行語大賞>新語部門の
金賞を受賞した「セクシャルハラスメント」。
日本上陸は、前年の1988年。
女性誌が特集を組み、話題になって日本に広まった。
今や完全に根付き、幅を利かせている。

先進国の中には、セクハラ研修を行っている企業は
珍しくはない。
特に多様性を誇る国際企業では、普通に実施されている。

◆ 私の受けた<2017年従業員意識調査>の
セクハラに関する質問は、以下の通り。

Unwanted Workplace Experience”

Individuals from my workplace
(私の職場の人は~)

  • talk about sexual topics at work.
    (職場で性的な話をする。)
  • use offensive gestures that are sexual in nature.
    (性的な身振りをする。)
  • inappropriate touching and groping
    (不適切に身体に触れたりつかんだりすること)
  • make repeated sexual comments that
    make you uncomfortable.
    (性的発言を繰り返し、私を不快にする。)
  • repeatedly tell sexual “jokes” that make you angry.
    (性的「冗談」を繰り返し述べて、私を怒らせる。)
  • refer to coworkers as “honey”, “sweetie”, etc.
    (同僚を「ハニー」「かわい子ちゃん」などと呼ぶ)

悪ふざけの気もしないでもない内容である。
どうだろうか。
私の職場では、いずれもセクハラ行為とされている。

一方、日常全般から “dirty talk” が消えることは、
ほぼありえないだろう。
程度の差はあれど、性的な要素は本能的でもあり、
人間社会から切り離すことはできない。

したがって、絶対的なご法度にするのも現実的ではない。

性的な話題に注意喚起しつつも、その表現を
取り上げたのは、この不変の現実があるからに他ならない。

【関連表現】
“private parts”
https://mickeyweb.info/archives/18907
(陰部)

 

 

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