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Talk dirty

      2020/01/05

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 2 minutes

猥談を話す

性的な話が出てくる場面は、
日常に意外とありふれている。

勤務時間中なら問題(後述)だが、談笑時に
さらりと触れる流れが生じることはあるだろう。
自ら持ち出す機会もなくはない。

性に関する話題を、英語でどう表現するか。

変態や下品と思われたくない。
ましてやセクハラで訴えられるリスクは、
絶対に避けたい。

分かりやすく、品よく、無難に、
性的話題を表現するには、次の2つを
押さえておくとよい。

【動詞】talk dirty 「猥談を話す」
【名詞】a dirty talk 「猥談」

今風に言うと、「下ネタトーク」

  •  わいだん【猥談】
    性に関するみだらな話。
  •  しもねた【下ねた】
    性に関する下品な話題。

(広辞苑 第六版)

※ 下線は引用者

 

“dirty” には、形容詞・他動詞・自動詞・副詞
がある。

語源は、古ノルド語の「排泄物(うんち)」(”drit”)。
これが、”dirt“(ちり、土・泥、悪口)となり、”dirty” に。

 

 

 

  • 形容詞「汚い」「卑わいな」「不快な」
  • 他動詞「汚す(よごす、けがす)」「傷つける」
  • 自動詞「汚れる」
  • 副詞「卑わいに」「不正な」

どれも<汚い>イメージで、ネガティブ満載である。
まさしく語源を継いでいる。

  • “talk dirty” の “dirty” は、副詞「卑わいに」
  • “a dirty talk” の “dirty” は、形容詞「卑わいな」

 

“talk” には、自動詞・他動詞・名詞がある。

「話す」の意味合いで共通しており、分かりやすい。

語源は、中期英語「話す」(talken)。
名刺 “tale”(物語)と同源である。

  • 自動詞「話す」「相談する」「うわさ話をする」
  • 他動詞「話す」「論じる」「説得する」
  • 名詞「話」「話し合い」「うわさ」 ※ 可算・不可算

“speak” に比べると、気軽な内容の
おしゃべりも広く含む。
ゆえに “casual talk” は普通だが、
“casual speak” は不自然。

かつての日本では、「スピーク」の方が
ずっと普及していた。

<トーク力> <トークがうまい>
などの表現が芸能界を中心に広まってからは、
「トーク」も日常的に使われるようになった。

  • “talk dirty” では、他動詞「話す」
  • “a dirty talk” では、可算名詞「話」

したがって、

【動詞】“talk dirty” 「猥談を話す」
他動詞「話す」+ 副詞「卑わいに」

【名詞】“a dirty talk” 「猥談」
不定冠詞 “a” + 形容詞「卑わいな」+可算名詞「話」

文脈次第で、和訳は「下ネタ」「エッチな」
「すけべな」「エロな」などを用いる。

“He likes to talk dirty.”
(彼は猥談を話すのが好き。)

“He likes dirty talks.”
(彼は猥談がお好き。)

“We fended off his dirty talks.”
(私たちは彼の猥談を受け流した。)

“Don’t talk dirty here.”
(ここで猥談を話すな。)

“Dirty talks are big no-nos in the office.”
(オフィスでの猥談は絶対にご法度です。)

“No dirty talk.”
(猥談は禁止。)

 

 

【関連表現】

  • a dirty old man
    (すけべジジイ)
  • a dirty joke
    (エッチなジョーク)
  • a dirty book
    (エロ本)
  • a dirty mind
    (すけべ心)

  すけべえ【助兵衛】

(好(すき)兵衛の転という)紅色の人。
すきもの。
助平(すけべい)。

(広辞苑 第六版)

 

◆ 性的話題は、どの道無難でない。

一歩間違えると、とんでもない苦境に陥る。

普段、真面目な人が実は “dirty talk” 好きだったり、
一見、好みそうな人にはドン引きされたり。

この辺りは、外国人も大きく変わらないと感じる。

その判断を誤り、私はどれほど赤っ恥をかいてきたことか。
ひんしゅくのオンパレード。

要するに、リスクが高い。

 

◆ 1989年<新語・流行語大賞>新語部門の
金賞を受賞した「セクシャルハラスメント」。

日本上陸は、前年の1988年。

女性誌が特集を組み、話題になって日本に広まった。
今や完全に根付き、幅を利かせている。

先進国の中には、セクハラ研修を行っている企業は
珍しくはない。

特に多様性を誇る国際企業では、普通に実施されている。

 

◆  先日、職場で受けた「2017年従業員意識調査」。

セクハラに関する質問は、以下の通り。

Unwanted Workplace Experience”

■ Individuals from my workplace - (私の職場の人は~)

  • talk about sexual topics at work.
    (職場で性的な話をする。)
  • use offensive gestures that are sexual in nature.
    (性的な身振りをする。)
  • inappropriate touching and groping
    (不適切に身体に触れたりつかんだりすること)
  • make repeated sexual comments that
    make you uncomfortable.
    (性的発言を繰り返し、私を不快にする。)
  • repeatedly tell sexual “jokes” that make you angry.
    (性的「冗談」を繰り返し述べて、私を怒らせる。)
  • refer to coworkers as “honey”, “sweetie”, etc.
    (同僚を「ハニー」「かわい子ちゃん」などと呼ぶ)

 

悪ふざけの気もしないでもない内容である。

どうだろうか。
私の職場では、いずれもセクハラ行為とされている。

一方、日常全般から “dirty talk” が消えることは、
ほぼありえないだろう。

程度の差はあれど、性的な要素は本能的であり、
人間社会から切り離すことはできない。

したがって、絶対的なご法度にするのも現実的ではない。

性的な話題に注意喚起しつつも、エロい表現を取り上げたのは、
この不変の現実があるからに他ならない。

 

【追記】

「エロい」
(「エロ」の形容詞化)
好色である。官能的である。

(広辞苑 第七版)

『広辞苑 第七版』(2018年1月発売)に初登場!

 

 

【関連表現】

“private parts”
https://mickeyweb.info/archives/18907
(陰部)

 

 

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