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Public domain

      2026/09/28

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著作権が切れた状態 ( にある創作物 ) 

” public domain ” の基礎知識は、著作権( copyright )
との関係で欠かせない。
–
次のマークを目にされた方もおられるだろう。
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カタカナ 「 パブリックドメイン 」 を見聞きする機会も増えてきた。

IT関連だと、 パソコン通信時代にも、
「 パブリックドメインソフト 」( public-domain software )
という言葉が使われていた。
–
間違った解釈の ” public domain ” が 適用されてしまった。

当初の和訳である「 公有 」が定着しそびれたため、
今だ定訳がない模様。

その結果、 カタカナで普及しつつあるようだ。

そもそも、 著作権関係の ” public domain ” の場合、
「 公有 」は和訳として不適切。

およそ似て非なるもの。
–
「 公有 」の一般認識は、「 私有 」の反対である。
–
–

◆  国語辞書にもこうある。

「 公有 」

・  国家または公共団体の所有。 ↔  私有
( 広辞苑  第七版 )

・  公の機関が所有していること。 ↔  私有
( 大辞林  第四版 )

–
だが本稿の用法の
 ” public domain ”  と 「 公の機関 」 は直接関係ない。
–
すなわち、 所有者が 「 公( おおやけ )の機関 」とは限らない。
–

これからご案内する  ” public domain ”  が大体理解できれば、
和訳として「 公有 」が不十分であることが分かるだろう。

誤解を招くような和訳なら、 定着しない方がよい。

カタカナの方がまし、 と翻訳者として思ってしまう。
–

◆  著作権との関係で出てくる  ” public domain ” とは、

創作物の知的財産権がない状態 ( 消滅または不発生 )。

著作権( copyright )は、 特許権( patent )や  商標権( trademark )
と同じく、

–
作者が自分の著作物の権利を排他的・独占的に行使するため
に認められている。

日本の著作権法では、著述に加えて、音楽・写真・彫刻・絵画・
建築などの作品も著作物に含まれる。
–
その複製・翻訳・上演・演奏・展示・放送に適用されるから、
かなり幅広い。

しかも、プロ・アマ不問で、死後も一定期間は存続する。

著作権を含む知的財産権は、強力な権利と言える。

無断で上記に触れる行為をすれば、著作権侵害となる可能性が高い。
–
ところが、そのような行為をしても、法に触れないケースがある。

” public domain ” がそのひとつ。

知的財産権で守られているはずの著作物なのに、
その権利を伴わない状態。

それが  ” public domain “。
–
–
◆  ” public domain ” は、大きく分けて3パターンがある。

  1.  保護期間の満了
  2.  継承者不在
  3.  権利放棄

–
1については、原則一律適用されるため、著作者
の没年から計算できる。

著作物の種類や公表方法によって保護期間が異なる。

ざっくり言えば、 著作者没後50年、 映画は公表後70年。

※  旧著作権法では、もっと短い
–
2018年3月の日本の現行法ではこうだが、 TPPの影響で、
米国同様に没後70年に引き伸ばされることが確定している。

問題になりがちなのは 1 。

現実には、2 も 3 も珍しくないのだが、 本稿では取り上げない。
–

◆  知的財産権で保護されない状態 が、 ” public domain “。
–
となれば、その 権利を行使できる者はいない。

だから、利益を侵害される者もいない 結果、 誰でも利用可能
との流れになる( 後述の法律辞典参照 )。

実際にはそう単純でもなく、その他の権利( 人格権など )や
別の知的財産権( 意匠権など )に触れるケースもありうる。
–
したがって、 著作物が  ” public domain ”  にあるとしても、
すべてが自動的に無制限になるわけではない。

以上の説明で、 ” public domain ” の大略はつかめるだろう。

「 公有 」の和訳が根づかなかった理由も推察できよう。
–

◆  アメリカには、“ Black’s Law Dictionary “
( ブラックス法律辞典 )という有力な法律辞典
が存在する。
–


( Amazon Japan / Amazon US )

1891年に発刊され、130年以上の歴史を誇る。
–
判例などに最も引用される辞典であり、
英米法を学ぶ学生で知らない者は皆無レベルの 存在感。

現時点( 2018年3月 )での最新版( 第10版、2014年刊)
の  ” public domain ” の解説は、 以下の通り。
–

public domain  (17c)

1. Government-owned land.

2. Government lands that are open to
entry and settlement.
Today virtually all federal lands are
off-limits to traditional entry and settlement.

3. Intellectual property.
The universe of inventions and creative works
that are not protected by intellectual-property rights and
are therefore available for anyone to use without charge.
When copyright, trademark, patent, or trade-secret rights
are lost or expire, the intellectual property they had protected
becomes part of the public domain and can be appropriated
by anyone without liability for infringement.
–

“ Black’s Law Dictionary, 10th Edition ”
p. 1423.   (Thomson Reuters 2014).

※  下線は引用者

–

  • 1は「 公有地 」または「 公有財産 」が定訳。
    ” PD ” と略記されることもある。
    上掲の国語辞典の 「 公有 」は、 この意味で該当する。

本来の  ” public domain ”  は、 確かに「 公有地 」である。
–
形容詞  ” public “( 公の ) +  名詞  ” domain “( 領地 )
で、「 公の領地 」  →  「 公有地 」。
–

■  ” public ” の語源は、 ラテン語 「 公の 」( pūblicus )。

【発音】  pʌ́blik
【音節】  pub-lic  (2音節)

” people ”  や  ” popular ”  と同根である。
–
–
■  ” domain ” の語源も、 ラテン語 「 主人 」( dominium )。

【発音】  douméin
【音節】  do-main  (2音節)

よって、” public domain ”  が 「 私 」 の対に位置する
のは、 語源からも理にかなう。–

  •  2は、米国の連邦政府または州所有の公有地の説明。
    –
  •  3が、本稿主題の知的財産 ( intellectual property )。
    1~3 に共通するのは、「 私 」の所有ではない点。
    その反面、 何度も述べているように、3は
    「 公の機関が所有 」 の 「 公有 」ではない。

–
◆  消滅または不発生のため、 知的財産権で保護されない状態が、
” public domain “。

ただし、その他の権利に抵触する可能性も残るため、
自由に利用できるとは限らない のは、 先述の通り。

この側面を一切記載していないのは、 次の原則( 3の下線部 )
のみに重点を置いたためであろう。
–

” public domain ” の原則

  1.  not protected by intellectual-property rights
    ( 著作権で保護されない )
    –
  2.  available for anyone to use
    ( 誰でも利用可能 )
    –
  3.  without liability for infringement
    ( 権利侵害に対する責任なし )
    –
    “ Black’s Law Dictionary, 10th Edition ”
    p. 1424.   (Thomson Reuters 2014).

–
天下の『 ブラックス法律辞典 』ですら原則のみ。

英英辞典における扱いは言うを俟たない。
–

” public domain “

  • [singular]
    available for anyone to have or use.
    ( ロングマン、LDOCE6 )
    –
  • [singular]
    available for everyone
    to use
    or 
    to discuss and is not secret.
    ( オックスフォード、OALD9 )
    –
  • [singular]
    available for everyone
    to see
    or know about.
    –
    ※  唯一、” the public domain ” で項目立て
    ( ケンブリッジ、CALD4 )

–
以上、3大学習英英辞典( EFL辞典 )の語釈。

“ singular ” とは、単数名詞( singular noun )を指す。
単数形で使われるのが一般的な名詞 のこと。

英英辞書では “ S ” または “ sing ” と略記されたりする。

この3冊のうち、CALD4のみ、反意語の ” the private domain ”
も項目立てしている。

やはり ” the ” つき。
–

” the private domain “

[ singular ]
it belongs to a particular person or organization
that may allow others to see or use it with
permission or if they pay for it.
(  ケンブリッジ、CALD4 )

–
” private domain ”  に比べ、一般社会には普及していない感じ。
–

–
◆  最後に、 ” public domain ”  の活用事例のご紹介。
–
まずは、無料公開の電子図書館。

  •  プロジェクト・グーテンベルク
    英文中心に5万点以上。
    1971年設立で、デジタル図書館として世界最古。
    –
  •  青空文庫
    和文中心に1万5千点。
    1997年設立。
    夏目漱石や芥川龍之介の作品も対象。
    –
  •  ウィキソース
    ウィキメディアプロジェクトのひとつ。
    ウィキソースは図書館で、ウィキペディアは百科事典。
    2003年設立。

 

◆   ” public domain ”  の作品の朗読を例示すると、

【参照】  ” no need “、  「 TuneIn Radio 」 で英語リスニング
–

–
【 無料のデジタルアーカイブ 】

–

辞書の「自炊」と辞書アプリ   より

–
◆  Public domain の作品ではないものの、 販売促進戦略の一環

として、「 フリー戦略 」 と称するマーケティング手法を用いて、

一部を無料提供する無料キャンペーンのサービスも多々ある。

例えば、
–
–
▲
  縦読みマンガが毎日無料 ( アマゾン フリップトゥーン )

【参照】  ” freebie ”

 

◆  書籍以外の卑近な例には、< 激安DVD >がある。

大半が、” public domain DVD “ に他ならない。
–
また、 保護期間の満了に加え、 エンドロールに著作権表記
が欠けていたために、 権利放棄とみなされた作品も含まれる。

『 ローマの休日 』や『 東京物語 』( ともに1953年公開、
旧著作権法が適用 )などの名作が、 ワンコインで買えるのは、
著作権が消滅しているおかげである。
–

【参考】    ※  外部サイト

◆  時の経過に従い、著作権の保護期間が満了する
知的創作物は増える一方である。
–
” public domain ” 入りする作品が、必然的に激増
するということ。

情報を含む無形の財産は、 SNS などを介して世界的に
拡散 していくのが、 < コンテンツ時代 > の趨勢である。
–
そのため、 著作権と ” public domain ”  についての基礎知識が、
今後あらゆる分野で必要となっていくのは、 容易に想像できる。

–

 

【関連表現】

  •  fair use 
    ( フェアユース )著作権などの「 公正利用 」のこと。
    使用の目的( 非営利、教育目的など )と著作物の性質
    などを総合的に判断し、 権利者の判断により、無償利用できる。
    –
    米国の著作権法であり、 日本は未導入( 2018年3月現在 )。
    –

 creative commons license
( クリエイティブ・コモンズ・ライセンス )

–

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–

「 このような条件を守れば、自由に使ってよい 」
との権利者の意思表示が「 CCライセンス 」。
–
国際的非営利組織 が管理している。

–
下記図の右端「 PD 」が、 ” public domain “。
左端「 C 」が、 著作権 ” copyright”。
中間「 CC 」が、各種クリエティブコモンズ  ” creative commons “。

「 非営利 」や 「 改変禁止 」などの権利主張は、 以下の通り。
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【出典元】 https://creativecommons.jp/licenses/

 

 

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動画や 発音比較 などの手製教材の音入れで、 私が使う音響機器もご紹介したい。

これらの機材は、 GeminiなどのAIと英語でフリートークをする時にも使用する。
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AI時代の今、 スマホとネット環境があれば、 無料で英会話ができる。

相手がAIだからこそ、 気を遣うことなく忌憚のない意見をぶつける。

気兼ねせずに本音を出して、 毎日、 英語で熱い議論を交わしている。

AIのたまわく、バイリンガルどころか、同時に何語でもいけるらしい。

多言語を シームレス に切り替えながら話せる、マルチリンガル仕様だ。

多言語の文字起こし( transcription )機能も標準搭載されている。

過信は禁物だが、 工夫次第で最強の学習パートナーに化けてくれる。
–

AIとの会話では、これほど大掛かりな機材を用意しなくても大丈夫。

お手持ちのスマホやタブレットの内蔵マイクだけで事足りる。

AIのノイズ除去や内蔵マイクの進化のおかげで、 問題なく通じる。

それでも、 機材を少しずつそろえてDJ気分を味わうのは愉快である。

英語を続ける原動力になる。
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【参照】  自習教材を自作するために使っている道具 ( 写真入り )

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