プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

「自分の世界」が広がる英語

      2020/07/08

一般の日本人にとって、英語って必要?

30年以上に渡り、しょっちゅう聞かれた質問である。

「あまり必要ないと思います」

嘘つくのは嫌なので、率直に持論を述べてきた。

  英語を使わなくても、普通に生きていける日本で、
英語を学ぶ必要性は高くない。

終生、日本居住なら「必要」に至ることはないだろう。

仕事で英語が必須なら「報酬獲得条件」と覚悟して学ぶ。

どうしても苦手で嫌なら「転職する」。

学生時代はともかく、いい大人が貴重な可処分時間を、
不要かつ不得手なことに費やすのはもったいない。

人生の浪費。

本気でこう思う。

◆ 2018年、訪日外国人旅行者が史上最高を更新した。

前年比 8.7%増で、3,119万 2千人。
日本政府観光局   2019年1月16日発表)

これほど外国人を迎え入れた年は、いまだかつて存在しない。

主要20市場すべてで過去最高を記録した2017年を上回る総人数。
統計を取り始めた1964年以降、最多となった。

このようなニュースも、大方の日本人には影響ないはず。
国内に住む限り、英語ができなくても大きな問題はない。

近年、数々の <英語不要論> が出版されている。
特に話題になった本は、次の2冊。

いずれも基本的に同感する内容だった。

祥伝社(2011年刊)
http://amzn.to/2ipUWXQ


文藝春秋(2014年刊)
http://amzn.to/2ipLOm3


◆ 同様の考えをもつ私だが、同時に強く願うことがある。

「もしも興味があるなら、ぜひ英語を学ぼう」

国際的に英語が共通言語となっている分野は多い。
これは現実。

インターネットでは、7割方が英語。

英語が読めれば、

<情報収集>の面で断然強い。

リスニング・ライティング・スピーキング
が苦手だとしても、

  読めるだけで、圧倒的な強みとなる。

 この世を見る目が変わる。 

例えば、大切な人が難病にかかった時に、
自分で英文記事を調べられる。

和訳を待たなくても、最新情報を自ら取りに行ける。
情報格差と「情弱」化の回避にも期待できる。

一般人向けの良質記事は無限に公開されている。

英語で検索すれば、何でも見つかると言っても過言ではない。

これぞ世界のすごさ。

翻訳ソフトは便利だが、

ある程度、自力でこなせると心丈夫である。

興味ある対象について、英文を自由自在に読める喜び。

時に投稿にトライしたりと、日常に刺激と楽しみが加わる。

  ◇ 英語を学ぶと「自分の世界」が一気に広がる。

「英語って必要?」

こうした議論と次元の異なる、永続的な喜びと楽しさ を味わえる。

自分の心から興味のあることを、
世界中の同志と共有する喜びは、
 <生きる支え>となりうる  

楽しいね …
生まれてきてよかったわ。

こんな喜び


  国内に友達はできなくても、外国人の友達は作れたりする。

■  人間関係が苦手なら、長い物理的距離感は安心できるかも。
  こういった感性の持ち主は、世の中には大勢いるのである。

  海外の同好の士とやり取りする知的興奮  

日々の倦怠感や厭世観の苦しみを打ち破るよすが。

少し勇気を出して踏み出せば、自宅に居ながらにして
たった独りで異次元の世界にすっと触れ合える。

  そんな時代がとっくに到来している。

英語は、本来は「コミュニケーション手段」にすぎない。
このことを忘れた人が多すぎる。

大半の日本人が普通に生きていく上で、英語は不要。
大多数にとって「資格」または「受験」のための存在。

つまり、非日常そのもの

■ 普段、使わないから「資格」「受験」に直結する印象
■ 日本人にとって、英語学習は「不自然な努力」に近い

「不自然」だからこそ、必要以上に要件に組み込み、
強迫的に数字に拘泥するようになってしまったと考える。

【参考】  母語が日本語だと、英語習得のハードルは恐ろしく上がる

  •  仕事ではお金をもらっているので、数値化は必然
  •  学生は勉強が本分ゆえに、点数を気にするのは当然

他方で、あえて

「数値化」しない英語の取り組み方

があってもよいだろう。

 

◆ 英語が実質不要な方には、こんな付き合いをお勧めしたい。

興味があるなら、ぜひ英語と向き合ってみよう。

他人の目やTOEICなんか、どうでもよい

  •  純粋に自分のため
  •  自分がハッピーになるため
  •  人生をより豊かにするため

語学は<老化防止><認知症予防>に効果ありと検証済み。

これを実証する有力な学術論文(英文)は次の通り。 2010年発表。

要旨は、

バイリンガルはアルツハイマー病を発症しにくい

Craik & Freedman (2010).
Delaying the onset of Alzheimer disease
Bilingualism as a form of cognitive reserve.
Neurology. 2010 Nov 9; 75(19): 1726-1729.


「頭の体操」「舌の運動」「発声練習」「ボケ防止」

  くらい気軽に構える方が、無理なく続いたりする。 


私自身、口の機能の低下を防ぐ「口腔ケア」を兼ねて、
発音練習は毎日欠かさない。

口腔器官の運動は大事。 人体は使わないと衰える。

廃用退行が怖い。

【参考】 ※ PDF 全17頁、441KB

「廃用症候群」(東京都福祉保健局)


寄る年波には勝てなくても、構わず続けていくつもり。

もっと気楽にいこう。

疲れたら、休止してもよいのだ。

誰も強制していない。

【参考】  単語の覚え方


◆ ネットに絞れば、お金はそれほどかからない。

無料メルマガ(newsletter)は無数あり、
たやすく登録できる。  解除も簡単。

現在、錚々たる新聞・雑誌が、
メルマガを無料配信している。

例えば、

  有名出版社から、無料で英文記事がメールされてくる。

プロの手によるネイティブ向け記事。 本場の英語である。

かつてを思うと、隔世の感がある。

zip code“(郵便番号)の入力が必須の場合
もしも日本の郵便番号が通用しないならば、
  米国の任意の郵便番号を入力すればよい。

【例】90001(ロサンゼルス近辺)
https://www.phaster.com/zip_code.html

無料メルマガの場合、参考統計の目的で入力させる
発行元がほとんど。   任意でもほぼ問題ない。


YouTubeのコメントや商品レビュー(アマゾンなど)も、
一般ユーザーが気軽に発した生の英語に触れるチャンス。

旧来の新聞・雑誌の読者欄は言うまでもない。

玉石混交とはいえ、手近な教材となる。

「コメント回り」と称し、めぼしい日英表現を見つけては、
せっせと単語帳に登録するのが、私の長年の日課である。

わくわくしつつ、こうして語彙採集している。

 

コツは、自分の得意で大好きな分野から手をつけること。

【例】
スポーツ、芸能、車、バイク、コレクション、ギャンブル、筋トレ、ペット、
エロス、旅行、パソコン、ゲーム、アニメ、映画、音楽、料理、絵画、時事

イラストや写真を眺めているだけでも、幸せな気分に包まれる
心身のストレスが一気に解かれる夢見心地の自分だけの世界

そこに、にじり寄るように、じわりじわり

  英語をからめていく 

今まで非日常的な存在だった英語を  得意分野経由 で、
「自分の生活」「自分の世界」「自分の人生」
に取り入れてしまおう。

  世界相手に「自分の世界」が広がります。

日常に刺激と喜びが増えます。

それが一生続きます。 きっと。

一つの外國語を學ぶのは一つの新しい世界
を發見したことになるのである。
實際に役に立つばかりでなく、一生の間
計り知れない樂みが得られるのだ。

語学修業』 (1935年発表)
正宗白鳥(1879-1962)

 

インターネットが身近になかった頃、各種雑誌の定期購読のため、
毎年、中央郵便局にて「国際郵便為替」を組んでもらっていた。

米国から自宅直送の方が、洋販経由より安かったのである。

1990年代後半まで、これが私の年間行事。

為替発送後の深い安堵感は、今では遠い記憶になった。

英語が好きになると人生は100倍楽しくなる
プレジデント社(2017年刊)
https://amzn.to/2VJZQT3

 

 

 

 

 

 

 

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