プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

「自分の世界」が広がる英語

      2021/10/24

一般の日本人にとって、英語って必要 ?

30年以上に渡り、しょっちゅう聞かれた質問である。

あまり必要ないと思います

嘘つくのは嫌なので、率直に持論を述べてきた。

  英語を使わなくても、普通に生きていける日本で、
英語を学ぶ必要性は高くない。

終生、日本居住なら「 必要 」に至ることはないだろう。

仕事で英語が必須なら「 報酬獲得条件 」と覚悟して学ぶ。

どうしても苦手で嫌なら「 転職 する 」。

学生時代はともかく、いい大人が貴重な可処分時間を、
不要かつ不得手なことに費やすのは、 もったいない。

人生の浪費。

本気でこう思う。

◆  2018年、訪日外国人旅行者が史上最高を更新した。

前年比 8.7%増で、3,119万 2千人。
日本政府観光局   2019年1月16日発表 )

これほど外国人を迎え入れた年は、いまだかつて存在しない。

主要20市場すべてで過去最高を記録した、2017年を上回る総人数。

統計を取り始めた1964年以降、最多となった。

このようなニュースも、大方の日本人には影響ないはず。
国内に住む限り、英語ができなくても大きな問題はない。

近年、数々の < 英語不要論 > が出版されている。

特に話題になった本は、次の2冊。

いずれも基本的に同感する内容だった。


祥伝社 ( 2011年刊 )
http://amzn.to/2ipUWXQ




文藝春秋 ( 2014年刊 )
http://amzn.to/2ipLOm3


◆  同様の考えをもつ私だが、同時に強く願うことがある。

「 もしも 興味があるなら、ぜひ英語を学ぼう 」

国際的に英語が共通言語となっている分野は多い。

これは現実。

インターネットでは、7割方が英語。

英語が読めれば、

「 情報収集 」の面で、断然強い

リスニング・ライティング・スピーキング
が苦手だとしても、

  読めるだけで、圧倒的な強みとなる。

 この世を見る目が変わる。 


例えば、大切な人 が難病にかかった時に、
自分で英文記事を調べられる。

  和訳を待たなくても、最新情報を自ら取りに行ける。
■ 
情報格差 と「 情弱 」化の回避にも期待できる。


一般人向けの良質記事は無限に公開されている。

英語で検索すれば、なんでも見つかると言っても過言ではない。

これぞ、世界のすごさ。


◆  翻訳ソフトは便利だが、

ある程度、自力でこなせると心丈夫である。

AIを味方にする「  二刀流  」が望ましいと信じるため、
1990年代から、  電子辞書とパソコンを手放さない生活。

我が「 頭脳のパートナー 」くらいの気持ちで、手なずけている。

分からないことがあれば、これらの相棒がちゃんと教えてくれる。

死ぬまで、AI と 二人三脚 で生きていこうと、私は目論んでいる。

そのため、商売道具とAIを連動させる投資 を、ずっと継続している。

AI化 の一環として、辞書・書籍を 自炊 し、「 電子化 」を重ねてきた。

私たち日本人が目指すべきは、「  二刀流  」 の英語学習。

AI を敵視せず、かけがえのない仲間になり、助けてもらおう。

【参照】   「 二刀流 」のメリット、   AI vs 通訳、   AI vs 翻訳

 

◆  興味ある対象について、英文を自由自在に読める喜び。

時に投稿にトライしたりと、日常に刺激と楽しみが加わる。

  ◇  英語を学ぶと「 自分の世界 」が一気に広がる。

「 英語って必要

こうした議論と次元の異なる、永続的な喜びと楽しさ を味わえる。

自分の心から興味のあること を、
世界中の同志と共有する喜び は、
 < 生きる支え >となりうる  

楽しいね  …
生まれてきてよかったわ。

こんな喜び

お互い提供できる価値があれば、 英語力はさほど問われない。

  国内に友達はできなくても、外国人の友達は作れたりする。

■  人間関係が苦手なら、長い物理的距離感は安心できるかも。
■  こういった感性の持ち主は、世の中には大勢いるのである。

  海外の同好の士とやり取りする知的興奮  

日々の倦怠感 や 厭世観の苦しみを 打ち破るよすが。

少し勇気を出して踏み出せば、 自宅に居ながらにして
たった独りで   異次元の世界にすっと触れ合える。


そんな時代が とっくに 到来している。


◆  英語は、本来は「 コミュニケーション手段 」にすぎない。

このことを忘れた人が多すぎる。

大半の日本人が普通に生きていく上で、英語は不要。
大多数にとって「 資格 」または「 受験 」のための存在。

生存戦略上、絶対なくてはならないものではない。

つまり、非日常そのもの

  普段、使わないから「 資格 」「 受験 」に直結する印象
  日本人にとって、英語学習は「 不自然な努力 」に近い

「 不自然 」だからこそ、必要以上に 要件 に組み込み、
強迫的に数字に拘泥するようになってしまったと考える。

【参照】   母語が日本語だと、 英語習得のハードルは 恐ろしく上がる

  •  仕事ではお金をもらっているので、数値化 は必然
  •  学生は勉強が本分ゆえに、点数を気にするのは当然

他方で、あえて

「 数値化 」しない英語の取り組み方

があってもよいだろう。

 

◆  英語が実質不要な方々には、 こんな付き合いをお勧めしたい。

興味があるなら、ぜひ英語と向き合ってみよう。

他人の目やTOEICなんか、 どうでもよい

  •  純粋に 自分のため
  •  自分が ハッピー になるため
  •  人生を より豊かに するため


語学は< 老化防止 >< 認知症予防 >に効果ありと検証済み。

これを実証する有力な学術論文( 英文 )は次の通り。  2010年発表。

要旨は、

バイリンガルはアルツハイマー病を発症しにくい

Craik & Freedman (2010).
Delaying the onset of Alzheimer disease
Bilingualism as a form of cognitive reserve.
Neurology. 2010 Nov 9; 75(19): 1726-1729.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3033609/

【PDF】
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3033609/pdf/8193.pdf
※  PDF 全4頁、855KB


◆  加えて、人間の能力のうち、語彙力のピークは遅め。

書き言葉、話し言葉とも、60歳代から70歳代まで伸び続ける
との学説が提示されている。


[O]ur vocabulary skills, written and verbal,
require
many more years before they
peak in our 60s and 70s.

https://www.forbes.com/sites/daviddisalvo/2015/03/23/
new-study-shows-that-your-brains-powers-change-as-you
-age-some-peaking-in-your-70s/#7b448dc31ef8

2015年3月23日付

【 当該記事が根拠とする学術論文 】

Hartshorne, J. K., & Germine, L. T. (2015).
When Does Cognitive Functioning Peak?
The Asynchronous Rise and Fall of Different
Cognitive Abilities Across the Life Span.
Psychological science, 26(4), 433–443.

・  https://doi.org/10.1177/0956797614567339
・  https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25770099/


すれば、一生涯傾けても、あまりある知的努力他ならない

長生きする意義と張り合いを、ここに見出すこともできるかもしれない。

「 頭の体操 」「 舌の運動 」「 発声練習 」「 ボケ防止 」
   くらい気軽に構える方が、 無理なく続いたりする。


◆  私自身、口の機能の低下を防ぐ「 口腔ケア 」を兼ねて、
発音練習は毎日欠かさない。

口腔器官の運動は大事。

人体は使わないと衰える。

廃用退行 が怖い。

【参考】   ※  PDF 全17頁、441KB

「 廃用症候群 」( 東京都福祉保健局 )


寄る年波に勝てなくても、構わず続けていくつもり。

お口で発音

 

もっと気楽にいこう。

疲れたら、休止してもよいのだ。

誰も強制していない。

【参照】   単語の覚え方


◆  ネットに絞れば、お金はそれほどかからない。

無料のメルマガ( newsletter )は無数あり、
たやすく登録できる。

解除も簡単。

現在、 錚々たる新聞・雑誌が、
メルマガを 無料配信している。

例えば、

 

  有名メディアから、無料で 英文記事がメールされてくる。

プロの手によるネイティブ向け記事。   本場の英語である。

かつてを思うと、隔世の感がある。

  Delivered free to your inbox  

登録も、解除も、楽ちん

 

zip code ” ( 郵便番号 )の入力が必須の場合

もしも日本の郵便番号が通用しないならば、
  米国の任意の郵便番号を入力すればよい。

【例】  90001 ( ロサンゼルス近辺 )
https://tools.usps.com/go/ZipLookupAction_input

↑  米国郵便公社  公式サイト

無料メルマガの場合、参考統計の目的で入力させる
発行元がほとんど。    任意でもほぼ問題ない。


◆  YouTubeのコメントや商品レビュー(アマゾンなど)も、
一般ユーザーが気軽に発した生の英語に触れるチャンス。

旧来の新聞・雑誌の読者欄は言うまでもない。

玉石混交とはいえ、手近な 教材となる。

コメント回り 」と称し、めぼしい日英表現を見つけては、
せっせと 単語帳 に登録するのが、私の長年の日課である。

わくわくしつつ、こうして語彙採集している。

 

◇  コツは、自分の得意で大好きな分野から手をつける こと

【例】
スポーツ、芸能、車、バイク、コレクション、ギャンブル、ガーデニング、料理、
絵画、フィギュア、筋トレ、ファッション、ペット、エロス、旅行、パソコン、
ゲーム、アニメ、登山、建築、プラモデル、コスプレ、サバゲー、 IT、美容、
インテリア、釣り、映画、音楽、服飾、軍事、健康、鉄道、デザイン、DIY、時事


 
イラストや写真を眺めているだけでも、幸せな気分に包まれる
  心身のストレスが一気に解かれる夢見心地の自分だけの世界

そこに、にじり寄るように、じわりじわり、

  英語をからめていく 

 

今まで非日常的な存在だった英語を  得意分野経由 で、
「 自分の生活 」「 自分の世界 」「 自分の人生 」
に取り入れてしまおう。

 

  世界相手に「 自分の世界 」が広がります。

  日常に刺激と喜びが増えます。

それが 一生続きます。  きっと。

一つの外國語を學ぶのは一つの新しい世界
を發見したことになるのである。
實際に役に立つばかりでなく、一生の間
計り知れない樂みが得られるのだ。

語学修業 』  ( 1935年発表 )
正宗 白鳥  (1879-1962)


◆  試験勉強に勤しむ受験生や学生は別として、
その他の「 英語が実質不要な方々 」であれば、
早めに好きな分野の英文に取り掛かる とよい。

ご自分に合った英文法書と英単語集を各1~2冊しっかり学び、

さっさと 得意分野に移る方が、学習は捗る

と私は確信している。

◇  市販の単語集に いつまでも 執着する
真剣さは、
日本人学習者 にありがちな姿


他国の学習者に比べると、かなり不可思議な光景。

正直な話、なにがしたいのか、よく理解できない。

あたかも「 勉強のための勉強 」といった具合で、
思わず動機を問いたくなってくる。

なんだかもったいなく、ちょっと違う気がする。

英語習得を義務としない、いわば身軽な立場にある
のだから、 教材は思いっきり自由に選べるだろう。

なぜ、市販の単語集ばかり、何冊も読んでいるのよ

繰り返すが、受験生以外は、単語集は1~2冊でよい。

それより、 英語の文章に接する機会を増やすことだ。

単語集を読破しまくっても、 英文を読まねば無意味に近い。

英会話や英作文を通じて、自身で語彙を運用できれば、なおよい。

長期的には、単語集は自作の方が役立つと感じている。

【参照】   「Gmail」で作る単語帳、   ” no need

◆  私は、こちらの方法を採用した。

■  インターネットで、
自分好みのサイトやメルマガを捜し当てて、
当面、それをテキスト代わりに活用し、
定期的に読み続ける。


ただし、何十年も昔なので、サイトとメルマガの選択肢はない。

実際には、有料の週刊誌 ( NewsweekTime )中心だった。

心構えは、

 「 これだ」 と、自ら掘り出した素材に、
がっつり食らいつく  


得意で大好きな分野 」であれば、苦痛は覚えにくい。

ひいきの作家や相性のよさそうなライターでもよい。

私の知る日本人以外の非英語母語話者 ( ノンネイティブ ) には、
初級教材を読了早々、読みたい本に向かっていく 学習者が目立つ。

筋トレ雑誌に、エロ雑誌と、それはもう好き放題に楽しんでいる。

日本人に見られる、あの几帳面で生真面目な悲壮感から程遠いのに、
盤石な動機づけのおかげか、あっという間に英語に親しんでしまう。

なんといっても、うれしそう。

必死な努力なんて、どこ吹く風。

◆  インターネットが身近になかった頃、各種雑誌の定期購読のため、
毎年、中央郵便局にて「 国際郵便為替 」を組んでもらっていた。

米国から自宅直送の方が、洋販経由より安かったのである。

1990年代後半まで、これが私の年間行事。

為替発送後の深い安堵感は、今では遠い記憶になった。


英語が好きになると人生は100倍楽しくなる

プレジデント社、 2017年刊
https://amzn.to/2VJZQT3

 

 

 

 

 

 

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