「自分の世界」が広がる英語
2022/05/05
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一般の日本人にとって、 英語って必要 ?
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40年以上に渡り、 しょっちゅう聞かれた質問である。
「 あまり必要ないと思います 」
嘘つくのは嫌なので、 率直に持論を述べてきた。
英語を使わなくても、普通に生きていける日本で、
—英語を学ぶ必要性は高くない。
終生、日本居住なら「 必要 」に至ることはないだろう。
進学したいなら「 合格切符 」と誓いを立てて頑張る。
仕事で必須なら「 報酬獲得条件 」と覚悟して学ぶ。
どうしても苦手で嫌なら「 転職 する 」。
学生時代はともかく、いい大人が貴重な可処分時間を、
不要かつ不得手なことに費やすのは、 もったいない。
人生の浪費。
本気でこう思う。
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◆ 2018年、訪日外国人旅行者が史上最高を更新した。
前年比 8.7%増で、3,119万 2千人。
( 日本政府観光局 2019年1月16日発表 )
これほど外国人を迎え入れた年は、いまだかつて存在しない。
主要20市場すべてで過去最高を記録した、2017年を上回る総人数。
統計を取り始めた1964年以降、最多となった。
このようなニュースも、大方の日本人には影響ないはず。
国内に住む限り、英語ができなくても大きな問題はない。
近年、数々の < 英語不要論 > が出版されている。
特に話題になった本は、次の2冊。
いずれも基本的に同感する内容だった。
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祥伝社 ( 2011年刊 )
http://amzn.to/2ipUWXQ
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文藝春秋 ( 2014年刊 )
http://amzn.to/2ipLOm3
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◆ 同様の考えをもつ私だが、同時に強く願うことがある。
「 もしも 興味があるなら、ぜひ英語を学ぼう 」
国際的に英語が共通言語となっている分野は多い。
これは現実。
インターネットでは、7割方が英語。
英語が読めれば、
「 情報収集 」の面で、断然強い
リスニング・ライティング・スピーキング
が苦手 だとしても、
読めるだけで、圧倒的な強み となる。
この世を見る目が変わる
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◆ 例えば、大切な人 が難病にかかった時に、
自分で英文記事を調べられる。
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■ 和訳を待たなくても、 最新情報を自ら取りに行ける。
■ 情報格差 と「 情弱 」化の回避にも期待できる。
【参照】 ” hoax ”
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一般人向けの良質記事は無限に公開されている。
英語で検索すれば、なんでも見つかると言っても過言ではない。
これぞ、 世界のすごさ。
英語人口15億人。
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【参考】 – ※ 外部サイト
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◆ 翻訳ソフト・翻訳サイト は便利だが、
ある程度、自力でこなせると心丈夫である。
AIを味方にする「 二刀流 」が望ましいと信じるため、
1990年代から、 電子辞書とパソコンを手放さない生活。
我が「 頭脳のパートナー 」くらいの気持ちで、手なずけている。
分からないことがあれば、これらの相棒がちゃんと教えてくれる。
死ぬまで、AI と 二人三脚 で生きていこうと、私は目論んでいる。
そのため、商売道具とAIを連動させる投資 を、ずっと継続している。
AI化 の一環として、辞書・書籍を 自炊 し、「 電子化 」を重ねてきた。
3,000冊以上を既に自炊した。
私たち日本人が目指すべきは、「 二刀流 」 の英語学習。
AI を敵視せず、 かけがえのない仲間にして、 大いに助けてもらおう。
【参照】 「 二刀流 」のメリット、 AI vs 通訳、 AI vs 翻訳
◆ 興味ある対象について、英文を自由自在に読める喜び。
時に投稿にトライしたりと、日常に刺激と楽しみが加わる。
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◇ 英語を学ぶと「 自分の世界 」が一気に広がる。
「 英語って必要 ?」
こうした議論と次元の異なる、永続的な喜びと楽しさ を味わえる。
自分の心から興味あることを
世界中の同志と共有する喜びは
< 生きる支え > となりうる
楽しいね …
生まれてきてよかったわ。
こんな喜び。–
お互い提供できる価値があれば、 英語力はさほど問われない。–
15億人 の英語の使い手のレベルは、 実に様々。–
相手の方が、 一層ひどい ブロークン だったりする。
伝えたいと熱望するメッセージは、 どうにか伝わってしまうもの。
こういう不思議な経験を重ねると、 この世の見え方が変わってくる。
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■ 国内に友達はできなくても、 外国人の友達は作れたりする。
■ 人間関係が苦手なら、 長い空間的距離感は安心できるかも。
■ こういった感性の持ち主は、 世の中には大勢いる のである。
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海外の同好の士とやり取りする知的興奮 !
日々の倦怠感 や 厭世観の苦しみを 打ち破るよすが。
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少し勇気を出して踏み出せば、 自宅に居ながらにして
たった独りで 異次元の世界にすっと触れ合える。
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そんな時代が とっくに 到来している。
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◆ 英語は、 本来は「 コミュニケーション手段 」にすぎない。
このことを忘れた人が多すぎる。
大半の日本人が普通に生きていく上で、 英語は不要。
大多数にとって「 資格 」または「 受験 」のための存在。
生存戦略上、 絶対なくてはならないものではない。
つまり、 非日常そのもの。
■ 普段、 使わないから「 資格 」「 受験 」に直結する印象
■ 日本人にとって、 英語学習は「 不自然な努力 」に近い
「 不自然 」だからこそ、 必要以上に 要件 に組み込み、
強迫的に数字に拘泥するようになってしまったと考える。
【参照】 母語が日本語だと、 英語習得のハードルは 恐ろしく上がる
- 仕事ではお金をもらっているので、 数値化 は必然
- 学生は勉強が本分ゆえに、 点数を気にするのは当然
他方で、 あえて
「 数値化 」しない英語の取り組み方
があってもよいだろう。
◆ 英語が実質不要な方々には、 こんな付き合いをお勧めしたい。
興味があるなら、ぜひ英語と向き合ってみよう。
他人の目やTOEICなんか、 どうでもよい。
- 純粋に 自分のため
- 自分が ハッピー になるため
- 人生を より豊かに するため
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語学は < 老化防止 >< 認知症予防 > に効果ありと検証済み。
これを実証する有力な学術論文( 英文 )は次の通り。–
2010年発表。
要旨は、
「 バイリンガルはアルツハイマー病を発症しにくい 」
Craik & Freedman (2010).
Delaying the onset of Alzheimer disease
Bilingualism as a form of cognitive reserve.
Neurology. 2010 Nov 9; 75(19): 1726-1729.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3033609/
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【PDF】
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3033609/pdf/8193.pdf
※ PDF 全4頁、 855KB
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◆ 加えて、 人間の能力のうち、 語彙力のピークは遅め。
書き言葉、話し言葉とも、 60歳代から70歳代まで伸び続ける
との学説が提示されている。
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[O]ur vocabulary skills, written and verbal,
require many more years before they
peak in our 60s and 70s.
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2015年3月23日付
–【 当該記事が根拠とする学術論文 】
Hartshorne, J. K., & Germine, L. T. (2015).
When Does Cognitive Functioning Peak?
The Asynchronous Rise and Fall of Different
Cognitive Abilities Across the Life Span.
Psychological science, 26(4), 433–443.・ https://doi.org/10.1177/0956797614567339
・ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25770099/
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とすれば、一生涯を傾けても、あまりある知的努力に他ならない。
長生きする意義と張り合いを、
「 頭の体操 」「 舌の運動 」「 発声練習 」「 ボケ防止 」
くらい気軽に構える方が、 無理なく続いたりする。
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◆ 私自身、口の機能の低下を防ぐ「 口腔ケア 」を兼ねて、
発音練習は毎日欠かさない。
口腔器官の運動は大事。
人体は使わないと衰える。
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廃用退行 が怖い。
【参考】 ※ PDF 全17頁、 441KB
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寄る年波に勝てなくても、構わず続けていくつもり。
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お口で発音
もっと気楽にいこう。
疲れたら、休止 してもよいのだ。
誰も強制していない。
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【参照】 単語の覚え方
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◆ ネットに絞れば、お金はそれほどかからない。
無料のメルマガ( newsletter )は無数あり、
たやすく登録できる。
解除も簡単。
—現在、 錚々たる新聞・雑誌が、
—メルマガを 無料配信している。
例えば、
- ニューヨーク・タイムズ ※ 有料版も含む
https://www.nytimes.com/newsletters
– - ワシントン・ポスト
https://subscribe.washingtonpost.com/newsletters/#/newsletters
– - ウォール・ストリート・ジャーナル ※ 有料版も含む
https://www.wsj.com/newsletters#all
– - ボストン・グローブ
https://www.bostonglobe.com/newsletters
– - ロサンゼルス・タイムズ
https://membership.latimes.com/newsletters/
– - タイム
https://time.com/newsletters/
– - ニューズウィーク
https://www.newsweek.com/newsletter/
– - ザ・ニューヨーカー
https://www.newyorker.com/newsletters
– - ピープル
https://pages.email.people.com/newsletters?source
– - US Weekly
https://www.usmagazine.com/newsletter-signup/
– - USA TODAY
https://profile.usatoday.com/newsletters/manage/
– - CNN
https://edition.cnn.com/email/subscription
– - NPR
https://www.npr.org/newsletter/breaking-news
– - The Globe and Mail
https://www.theglobeandmail.com/newsletters/
– - Sports Illustrated
https://www.si.com/newsletters
有名メディアから、無料で 英文記事がメールされてくる。
プロの手によるネイティブ向け記事。 本場の英語である。
かつてを思うと、隔世の感がある。
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Delivered free to your inbox
登録も、解除も、楽ちん
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◆ 販売促進の常として、有料かどうか紛らわしい表示もあるが、
基本は無料。
本稿でご案内したメルマガは、 すべて有名どころであり、 詐欺
などの不正行為は想定しにくいので、 ご心配は無用です。
「 有料版 」に申し込まない限りは、 後日代金を請求されることも
ありません。
1996年から、 日々大量の大手筋の英文メルマガを読み続けていますが、
なりすまし的な請求は、 ただの一度もありませんでした。
【参照】 サブスクの販促手段は、扇動的で紛らわしい
” zip code ” ( 郵便番号 )の入力が必須の場合
もしも日本の郵便番号が通用しないならば、
米国の任意の郵便番号を入力すればよい。
【例】 90001 ( ロサンゼルス近辺 )
https://tools.usps.com/go/ZipLookupAction_input
↑ 米国郵便公社 公式サイト
無料メルマガの場合、参考統計の目的で入力させる
発行元がほとんど。 任意でもほぼ問題ない。
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◆ YouTubeのコメントや商品レビュー( アマゾンなど )も、
一般ユーザーが気軽に発した生の英語に触れるチャンス。
旧来の新聞・雑誌の読者欄は言うまでもない。
玉石混交とはいえ、手近な 教材となる。–
「 コメント回り 」と称し、 めぼしい日英表現を見つけては、
せっせと 単語帳 に登録するのが、 私の長年の日課である。
わくわくしつつ、 こうして語彙採集している。
◇ コツは、自分の得意で大好きな分野から手をつける こと。
【例】
スポーツ、芸能、車、バイク、コレクション、ギャンブル、ガーデニング、料理、
絵画、フィギュア、筋トレ、ファッション、ペット、エロス、旅行、パソコン、
ゲーム、アニメ、登山、建築、プラモデル、コスプレ、サバゲー、 IT、美容、
インテリア、釣り、映画、音楽、服飾、軍事、健康、鉄道、デザイン、DIY、時事–
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■ イラストや写真を眺めているだけでも、 幸せな気分に包まれる
■ 心身のストレスが一気に解かれる、 夢見心地の自分だけの世界
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そこに、 にじり寄るように、 じわりじわり、
英語をからめていく
今まで非日常的な存在だった英語を 得意分野経由 で、
「 自分の生活 」「 自分の世界 」「 自分の人生 」
に取り入れてしまおう。
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◆ 試験勉強に勤しむ受験生や学生は別として、
その他の「 英語が実質不要な方々 」であれば、
早めに好きな分野の英文に取り掛かる とよい。
ご自分に合った 英文法書 と英単語集を、各1~2冊しっかり学び、
さっさと 得意分野に移る方が、学習は捗る
と私は確信している。
まったく楽しくない教本にしがみついているから、
いつまでたっても、 全然向上しないのである。
まさに、
人生の浪費。
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◇ 市販の単語集に いつまでも 執着する
真剣さは、日本人学習者 にありがちな姿
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他国の学習者に比べると、 かなり不可思議な光景。
正直な話、 なにがしたいのか、 よく理解できない。
あたかも「 勉強のための勉強 」といった具合で、
思わず動機を問いたくなってくる。
以下、 ” no need ” より再掲。
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来る日も来る日も教材学習の果てに、 いつの間に 「 万年受験生 」。あたかも「 勉強のための勉強 」に堕し、 懐疑にとらわれ、 立ち往生。
心ならずも、 教材にまみれて溺れてしまった学習者は少なくない様相。
TOEIC などにこだわりすぎると、 この運命が待ち構えている。–
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なんだかもったいなく、 ちょっと違う気がする。
英語習得を義務としない、 いわば身軽な立場にある
のだから、 教材は思いっきり自由に選べるだろう。
なんで市販の単語集ばかり、 何冊も読んでいるのよ ?
繰り返すが、 受験生以外は、 単語集は1~2冊でよい。
それより、 力量相応の英文に接する機会を増やす ことだ。
単語集を読破しまくっても、 英文を読まねば無意味に近い。
英会話や英作文を通じて、ご自身で語彙を運用できれば、なおよい。
長期的には、単語集は自作の方が役立つと感じている。
具体的な方法は、 ” no need ” 及び 「Gmail」で作る単語帳
で事細かにご説明している。
◇ 中級に達したら、「 単語力 」 以上に 「 多読 」 を優先
ー
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◆ 私は、こちらを採用した。
■ インターネットで、
自分好みのサイトやメルマガを捜し当てて、
当面、それをテキスト代わりに活用し、
定期的に読み続ける。
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ただし、何十年も昔なので、サイトとメルマガの選択肢はない。
実際には、有料の週刊誌 ( Newsweek と Time )中心だった。
心構えは、
「 これだ!」 と、自ら掘り出した素材に、
–がっつり食らいつく
–
「 得意で大好きな分野 」であれば、苦痛は覚えにくい。
ひいきの作家や相性のよさそうなライターでもよい。
私の知る日本人以外の非英語母語話者 ( ノンネイティブ ) には、
初級教材を読了早々、読みたい本に向かっていく 学習者が目立つ。
筋トレ雑誌に、エロ雑誌と、それはもう好き放題に楽しんでいる。
日本人に見られる、あの几帳面で生真面目な悲壮感から程遠いのに、
盤石な動機づけのおかげか、あっという間に英語に親しんでしまう。
なんといっても、うれしそう。
必死な努力なんて、どこ吹く風。
得意分野の英文を がんがん読もう
–
◆ インターネットが身近になかった頃、各種雑誌の定期購読のため、
毎年、中央郵便局にて「 国際郵便為替 」を組んでもらっていた。
米国から自宅直送の方が、洋販経由より安かったのである。
1990年代後半まで、これが私の年間行事。
為替発送後の深い安堵感は、今では遠い記憶になった。
ー
–
英語が好きになると人生は100倍楽しくなる
プレジデント社、 2017年刊
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