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Demanding

      2021/03/24

大変な、  きつい、  自分勝手な 

要求の多い 」状態を表す形容詞。

【発音】   dɪˈmæn.dɪŋ
【音節】   de-mand-ing  (3音節)

動詞 “demand”(要求する)の現在分詞 “demanding” が、
形容詞(過度に要求する)になったもの。

◆  仕事関連の “demanding” であれば、この3つ。

辞書の文例を飾る代表格。

  • a demanding job
    ( 大変な仕事 )
  • a demanding customer
    ( 注文の多い顧客 )
  • a demanding boss
    ( 要求の高い上司 )

苦慮して対応する側にしてみれば、それぞれ本音は
「 きつい仕事 」「 面倒な客 」「 うるさい上司 」
など。

上司やお客様とはいえ、無茶な要求が続くと、悪態を
つきたくもなる。

だが、社内であっても、基本的に悪口はご法度
プロとしての自分の価値を守るためでもある。

その代わりに活用すべきが “demanding”。

◇  形容詞 “demanding” は、

ネガティブな響きを 覆い隠しつつ、
「 要求が高すぎる 」ことへの不満を表す

効果がある。

【発音】   dɪˈmæn.dɪŋ
【音節】   de-mand-ing  (3音節)

※  例外は後述

特に、自分勝手でわがままな相手 を表現するのに重宝する。

相手に反撃を食らわせたいところ、立場上そこは我慢。

鬱積した感情のはけ口として、品よく言ったり書いたり
するのに、形容詞 “demanding” は便利である。

◆  職場に限らず、家庭内での不満にも使える。

  • demanding chores
    ( 大変な家事 )
  • a demanding husband
    ( 要求しすぎる夫 )
  • demanding children
    ( 手のかかる子どもたち )

すべてを差し置いて、相手の要求に応じなければならない。
体調が悪い時などは、かなりしんどい。

それを察し、思いやって自制できる相手ならば、
“demanding” になりにくい。

とすれば、”demanding” は身勝手で一方的に近い。

特に大人に対して、この形容詞を用いる場合は、
反発心の表れ であることが少なくない。

◆  冒頭の通り、”demanding” は、動詞 “demand”
の現在分詞 “demanding” が形容詞になったもの。

“demand” の語源は、ラテン語 ” dēmandāre “。

  •  接頭辞  ” “(強意)
  •  動詞  ” mandāre “(命じる)

で、「強く命じる」。

 

< 動詞の類語比較 >

■  “demand
権威をもって(時に、高圧的に)強く要求する

■  “claim
所有・請求などの権利を主張して要求する

■  “require
公の決まりなどによって(要求する)

ランダムハウス英和大辞典 第2版

※  3語とも、自他動詞だが、いずれも 他動詞 中心に使われる

※  “require”  →  名詞  “requirement
( 要求されるもの、要件 )

このように、”demand” の語源からして、
威圧的で、高飛車な態度を含んでいる。

これぞ  “demanding”  の本質であることが分かる。

とにかく 煩わしく厄介な対象 に使う場面が目立つ。

◆  その対象を、無生物 生物 に分けて説明する辞書が多い。

今回調べた9点の英英辞典のうち、二分していたのは5点。

日本人に人気の高い「 4大学習英英辞典 」(EFL辞典)では、
LDOCE6、OALD9、COBUILD9 が該当する。

以下、語釈の 1. が無生物、2. が生物。

生物は一般的に人間を指すが、ペットなどでもよい。

demanding

■  LDOCE6 (ロングマン)
1.  needing a lot of ability, effort, or skill.
2.  expecting a lot of attention or expecting
to have things 
exactly the way you want them,
especially in a way that
is not fair.

■  OALD9 (オックスフォード)
1.  (of a piece of work) needing a lot of skill,
patience, effort, etc.

2.  (of a person) expecting a lot of work or
attention from others; 
not easily satisfied.

■  COBUILD9 (コウビルド)
1.  A demanding job or task requires a lot of
your time, energy, 
or attention.
2.  People who are demanding are not easily
satisfied or pleased
.

※  下線、ハイライトは引用者

 

唯一、CALD4は1つにまとめて説明

■  CALD4 (ケンブリッジ)
needing a lot of time, attention, or energy.

 

【発音】   dɪˈmæn.dɪŋ
【音節】   de-mand-ing  (3音節)

語釈 2.(生物)の下線部を読むと、自己本位な気難しさが漂う。

大変な点は、 語釈 1.(無生物)と、そう変わらない。

“need” (ハイライト部分)の語感と注意点については、
no need” で取り上げた。

“need” は、重要かつ頻出なのに、注意を要する基礎単語なので、
ここに要点を再掲する。

【発音】   níːd  (1音節)

◆  ” need ” は、日本語の「必要」に比べ、

「 感情 」に強く訴えかける単語  

切羽詰まった「 神経質 」な響き

  限界状態に身をよじり、もう我慢できず、
  ギャーギャー  騒ぎ立てる有様が  ” need ” 

どことなく、ヒステリックな気配。

日本語の「必要」「要求」「需要」が備える、
品よくしっとりした落ち着きには乏しい。

とにかく、余裕がない。

【 ご注意 】
” need ” と ” want ” は、差し迫った要求。
きつく聞こえがち なので、対人では 注意 !

  日本語の「 必要がある 」に比べて、かなり感情的  

<対面>で使う際は要注意。 特に相手が<目上>の場合
  やたら ” I need 〇〇 ” と 要求 してはならない。

前記の 「 ギャーギャー 騒ぎ立てる有様 」 そのもの。

 

no need ”  より引用


◆  先ほど、引用した「 4大学習英英辞典 」の語釈には、
needing ”  が3つ入っている。

動詞 “need” の現在分詞形である。

こんな強烈な単語を、複数のEFL辞典が起用している
ことからも、”demanding” の性質が理解でいるはず。

こうして見てくると、基本的にはネガティブ な形容詞
であると考えられる。

◆  その一方で、類語辞典で筆頭格に挙げられている のが、
同じく形容詞の ” challenging “。

「やりがいのある」と「大変な」の両方の意味が単語。

challenging
difficult in an interesting way that tests your ability.
(OALD9)

【発音】   ˈtʃæl.ɪn.dʒɪŋ
【音節】   chal-leng-ing  (3音節)


◆  “demanding” にも、例外的にポジティブな捉え方がある。

先の赤枠に記した、
「 ネガティブな響きを覆い隠す 」意図ばかりとは限らない
のである。

つまり、”challenging” のように、
大変だが、取り組む値打ちのある 対象
にも、 “demanding” は一応使われる。

もっとも、同義語とされる “challenging” に比べると、
ネガティブな文脈で使われる場合が、やはり多い。

同義語の間でも、ネガポジの比率 に差があるのが普通。

“demanding” と “challenging” は「僅差」ではない。

◇  日常用途の意味合いは、それぞれこのような印象。

  • challenging
    ポジ「やりがいのある」  >>  ネガ「大変な」
  • demanding
    ネガ「大変な」  >>>>  ポジ「やりがいのある」

※  露骨さ回避の「婉曲」用途は、ここでは「ポジティブ」に算入


◆  「大変な仕事」というのは、往々にして「やりがいのある仕事」。

「きつい」と文句垂れつつ、まんざらでもないのか、
どこか楽しげに、仕事に熱中する人は珍しくない。

ベテラン社会人には、言わずもがなの見慣れた光景であろう。

この点、日本語も英語も似通っている。

  •  きつい仕事
  •  大変な仕事
  •  a demanding job
  •  a challenging job

これらを誇らかに思う人も大勢いる。

人の「本音」を読み取るのは容易ではない。

矛盾する感情となるため、翻訳でも思い巡らす。

◆  次の例文の “demanding” を “challenging” に置き換え
た場合、どれほど雰囲気が変わるか検討してみよう。

 

 

  • “My job is physically demanding.”
    (私の仕事は肉体的にきつい。)
  • “I have to deal with demanding customers.”
    (注文の多いお客様に対応しなければならない。)
  • “Her baby is so demanding.”
    (彼女の赤ちゃんは、やたらと手がかかる。)
  • “My teenage daughter is extremely demanding.”
    (10代の娘が極端に自分勝手なのです。)
  • “Do your most demanding tasks first.”
    (最も大変な仕事を最初にやりなさい。)
  • “My professor could be demanding sometimes.”
    (私の教授は時々うるさくなる。)
  • “This work is technically demanding.”
    (この作業には高度な技術が必要です。)
  • “I had a demanding schedule back then.”
    (当時のスケジュールはきつかったです。)
  • “Avoid taking very demanding courses.”
    (超大変な講義は受けるな。)
  • “My boss was so demanding, but she
    demanded even more from herself.”
    (私の上司はとても厳しかったが、
    ご自分自身にはもっと厳しかった。)

 

 

 

 

 

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