Stem from -
2024/03/05
~ から生じる
由来を示す表現。
–
広範な分野で使えるため、
新聞・ニュース・論文で重宝される。
【発音】 stém (1音節)
堅めの句動詞( phrasal verb )で、
日常会話にはあまり出てこない印象。
一般人のカジュアルトークには堅すぎるだろう。
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ビジネスにおける対外的な説明場面などでは、
口頭でも多用される。
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◇ 動詞 ” stem ” は、相反する意味が2つ
- 生じる
- せき止める
<活用形>
stems – stemmed – stemmed – stemming
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実は、 両者は 語源の異なる別物。
厄介なことに、両方ともニュースにそこそこ出てくる。
初めて学んだ時、私も混乱した。
「 生じる 」? 「 せき止める 」?
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ほぼほぼ逆を意味するではないか。
1. 「 生じる 」 ” stem from ”
–
語源は、古英語の「 立つ 」と「 草木の幹 」 ( stefn、 stemn )。
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名詞・自動詞・他動詞がある。
- 名詞 「 茎・柄・幹 」 「 船首 」
- 自動詞 「 生じる 」 「 由来する 」 ※ 表題
- 他動詞 「 除茎する 」
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◇ 名詞の代表例
- cherry stem
( さくらんぼの茎 )
– - banana stem
( バナナの軸 )
– - wine glass stem
( ワイングラスの脚 )
– - tobacco pipe stem
( パイプの柄 )
–
長く伸びる「 茎・柄・幹 」から分岐する流れ で、
自動詞 「 生じる 」 「 由来する 」 に。
–
◆ ” LDOCE6 “( ロングマン )の指標によると、
名詞 ” stem ” の位置づけは次の通り。
- 重要度:<3001~6000語以内>
- 書き言葉の頻出度:3000語圏外
- 話し言葉の頻出度:3000語圏外
一方、動詞 ” stem ” は、すべてランク外。
- 重要度 :9000語圏外
- 書き言葉の頻出度:3000語圏外
- 話し言葉の頻出度:3000語圏外
大したことのない動詞だと考えられる。
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確かに、英単語全体から見れば、特筆すべきものはない。
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しかし、先に触れたように、ニュース用途では
それなりに起用されている。
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中級学習者であれば、手堅く押さえておきたい。
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2. 「 せき止める 」 ” stem ”
–
語源は、 古ノルド語または中低地ドイツ語
の「 せき止める 」( stemma )。
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同じく、 名詞・自動詞・他動詞がある。
- 名詞「 阻止 」「 制動 」
- 自動詞「 せき止める 」「 食い止める 」
- 他動詞「 せき止める 」「 食い止める 」 ※ 頻出
スキーの「 シュテム 」がこれ。
V字型に開いて、制動( 速度制御)する技術を指す。
いずれの ” stem ” も、 堅い内容に使われるため、
文脈から区別するのは容易でない。
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だが、既述の通り、 語源の異なる別物
であることを意識すれば、見方も変わってくる。
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◆ 基本的な区別方法は、” stem ” 直後の前置詞の有無。
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慣れるまでは、 この原則通りに区別すればよい。
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1. 「 生じる 」 “stem from”
–
この用法では、自動詞。
前置詞を直後につけて使うのが基本。
自動詞 ( intransitive verb ) は、自己完結の動作を表す。
すなわち、目的語がなくても、意味が完結する。
目的語がない代わりに、 前置詞を使う場合が多い。
◆ 他動詞と自動詞は、 目的語・前置詞の
・ 動詞直後に目的語あり → 他動詞
・ 動詞直後に前置詞あり → 自動詞
・ 自動詞は、自己完結するから「 自動詞 」。
・ 他動詞は、他者に影響を与えるので「 他動詞 」。
けれども、 実際にはそう単純ではなく、 辞書によって解釈が分かれる
ケースは少なくない。
時に、 目的語・前置詞の
ことは、 中級学習者 であれば覚えておきたい。
自他動詞の別を明記しない有名どころの辞書( COBUILD など )の
存在する一因となっているかもしれない。
初学者・初級者は、 上記の原則通りでよい。
【参照】 自他動詞・句動詞の解説は、 ” follow through ”
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【参考】 ※ 外部サイト
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” stem from ” は句動詞( phrasal verb )とされており、
” stem out of “、 “ stem in ” もほぼ同義。
自動詞の句動詞なので、 句自動詞 ( intransitive phrasal verb )。
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” stem from ”to develop as a result of something else.
( ロングマン、LDOCE6 )
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- “Most complaints stem from negligent employees.”
(ほとんどの苦情は、怠慢な従業員が原因です。)
– - “Our losses stem from overlapping services.”
(我々の損失は、重複業務から生じている。)
– - “My drowsiness stems from overwork.”
(気だるいのは過労のせいだ。)
– - “This plan stemmed from her briefing yesterday.”
(この計画は、昨日の彼女の概要説明から生まれた。)
– - “Burnout stems from an excessive workload.”
(燃え尽きは過剰な仕事量から生じる。)
(燃え尽きは過重労働から生じる。)
– - “Much of his pain stems from his troubling childhood.”
(彼の痛みの大半は苦しい子ども時代のせいである。)
– - “The custody battle stemmed from their divorce.”
(その親権争いは彼らの離婚から生じた。)
– - “I will accept the consequences that stem from
my actions.”
(自分の行動から生じた結果を受け入れます。)
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2. 「 せき止める 」 ” stem ”
–
自動詞と他動詞があり、どちらも「 せき止める 」。
他動詞( transitive verb )で使う場合が多い。
他動詞だから、 目的語は必要だが、 前置詞は不要。
よって、基本的には、 直後の前置詞の有無で
「 生じる 」と区別できる。
- 「 生じる 」 stem from、 stem out of、 stem in
- 「 せき止める 」 前置詞不要
直後は 名詞 中心 ( または その冠詞 )。
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” stem “to stop something from happening, spreading,
or developing.( ロングマン、LDOCE6 )
【発音】 stém (1音節)
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- “We need to stem the crisis.”
(その危機を止めねばならない。)
– - “We must stem the spread of disease.”
(病気の蔓延を阻止しなければならない。)
– - “Staying home is the best way to stem transmission.”
(感染を阻止するには、家にいるのがベスト。)
– - “This should stem the bleeding.”
(これで出血を止められるはず。)
– - “I want to stem the progression of cancer.”
(がんの進行を止めたい。)
– - “The military is struggling to stem infections.”
(軍は感染の阻止に苦労している。)–
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- “Don’t leave the kid unattended to stem the use of drugs.”
(薬物使用を阻止するには、その子を放置しないことだ。)
– - “The government has decided to take action to stem
the outbreak of Coronavirus.”
(政府は、コロナウイルスの流行を阻止する行動を取る
ことを決めた。)
– - “G7 ready to take action to stem coronavirus risks”
(G7、コロナウイルスの危険を阻止する態勢)
※ ニュース見出し
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◆ 多用される、その他の名詞 ” stem ” をご案内。
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stem cell
幹細胞 ( かんさいぼう )
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STEM
Science, Technology, Engineering and Mathematics
の頭字語( acronym )で、「 科学・技術・工学・数学 」
の教育分野を表す。
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読み方は同じく、 1音節の / stém /
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STEAM
Science, Technology, Engineering, Arts and Mathematics
最近は、 ” Arts ” が追加された「 科学・技術・芸術・工学・数学 」
の 「 STEAM 教育 」 も盛んになってきた。
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時代は、 ” From STEM to STEAM ” と展開している模様。
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「 蒸気 」と同じく、 1音節の / stíːm /
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STEM分野に精通した人材は、 地球規模で需要が高い。
” STEM ” と ” STEAM ” は、 日本でも見かける機会が増えている。
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” STEM Education ” や ” STEAM Education “ は、
現在のアメリカの公教育に欠かせないキーワード。
世界の時流に乗っており、今後ますます広がるに違いない。
【参考】 ※ 外部サイト
- 米大学で専攻すべき分野、1位はSTEMの「 保険数理学 」
https://forbesjapan.com/articles/detail/23084
2018年9月21日付
– - 彼女が宇宙に行けなかった驚きの理由
STEM分野の根深いジェンダーギャップ
https://forbesjapan.com/articles/detail/37779
2020年10月31日付
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https://steamedu.com/pyramidhistory/※ 2022年6月26日 アクセス ( リンク切れ )