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Stem from –

      2020/10/31

~から生じる

由来を示す表現。

広範な分野で使えるため、
新聞・ニュース・論文で重宝される。

【発音】    stém   (1音節)

堅めの句動詞で、日常会話にはあまり出てこない。

一般人のカジュアルトークには堅すぎるだろう。

ビジネスにおける対外的な説明場面などでは、
口頭でも多用される。

◇  動詞 “stem” は、相反する意味が2つ

  1.  生じる
  2.  せき止める

<活用形>
stems  –  stemmed  –  stemmed  –  stemming

実は、この2つは 語源の異なる別物

厄介なことに、両方ともニュースにそこそこ出てくる。

初めて学んだ時、私も混乱した。

生じる    「 せき止める

ほぼほぼ逆を意味するではないか。

 

1. 「生じる」 “stem from” 

語源は、古英語の「立つ」と「草木の幹」 (stefn、stemn)。

名詞・自動詞・他動詞がある。

  •  名詞 「茎・柄・幹」 「船首」
  •  自動詞 「生じる」 「由来する」    ※  表題
  •  他動詞 「除茎する」

◇  名詞の代表例

  •  cherry stem
    (さくらんぼの茎)
  •  banana stem
    バナナの軸)
  •  wine glass stem
    (ワイングラスの脚)
  •  tobacco pipe stem
    イプの柄)

長く伸びる「茎・柄・幹」から分岐する流れ で、
自動詞 「生じる」 「由来する」 に。

◆  “LDOCE6″(ロングマン)の指標によると、
名詞 “stem” の位置づけは次の通り。

  •  重要:<3001~6000語以内>
  •  書き言葉頻出:3000語圏外
  •  話し言葉頻出:3000語圏外

一方、動詞 “stem” は、すべてランク外。

  •  重要 :9000語圏外  
  •  書き言葉頻出3000語圏外 
  •  話し言葉頻出3000語圏外
したがって、「生じる」も「せき止める」も、
大したことのない動詞だと考えられる。

確かに、英単語全体から見れば、特筆すべきものはない。

しかし、先に触れたように、ニュース用途では

それなりに起用されている。

中級学習者であれば、手堅く押さえておきたい。

2. 「せき止める」 “stem” 

語源は、古ノルド語または中低地ドイツ語
の「せき止める」(stemma)。

同じく、名詞・自動詞・他動詞がある。

  •  名詞「阻止」「制動」
  •  自動詞「せき止める」「食い止める」
  •  他動詞「せき止める」「食い止める」    ※  頻出

スキーの「シュテム」がこれ。

V字型に開いて、制動(速度制御)する技術を指す。

いずれの “stem” も、堅い内容に使われるため、
文脈から区別するのは容易でない。

だが、既述の通り、 語源の異なる別物
であることを意識すれば、見方も変わってくる。

◆  基本的な区別方法は、“stem” 直後の前置詞の有無。

慣れるまでは、これで区別すればよい。

1.  「生じる」 “stem from” 

この用法では、自動詞。
前置詞を直後につけて使うのが基本。

自動詞 (intransitive verb) は、自己完結の動作を表す。

すなわち、目的語がなくても、意味が完結する。
目的語がない代わりに、前置詞を使う場合が多い。

【参考】    ※  外部サイト

自動詞と他動詞の違いをイラストで説明
・ 動詞の直後に前置詞や副詞が続くのは自動詞


stem from ” は句動詞とされており、
stem out of “、 “ stem in ” もほぼ同義。

“stem from”

to develop as a result of something else.

(ロングマン、LDOCE6)

  • “Most complaints stem from negligent employees.”
    (ほとんどの苦情は、怠慢な従業員が原因です。)
  • “Our losses stem from overlapping services.”
    (我々の損失は、重複業務から生じている。)
  • “My drowsiness stems from overwork.”
    (気だるいのは過労のせいだ。)
  • “This plan stemmed from her briefing yesterday.”
    (この計画は、昨日の彼女の概要説明から生まれた。)
  • “Burnout stems from an excessive workload.”
    (燃え尽きは過剰な仕事量から生じる。)
  • “Much of his pain stems from his troubling childhood.”
    (彼の痛みの大半は苦しい子ども時代のせいである。)
  • “The custody battle stemmed from their divorce.”
    (その親権争いは彼らの離婚から生じた。)
  • “I will accept the consequences that stem from
    my actions.”
    (自分の行動から生じた結果を受け入れます。)


2.  「せき止める」 “stem” 

自動詞と他動詞があり、どちらも「せき止める」。
他動詞で使う場合が多い。

他動詞だから、目的語は必要だが、前置詞は不要。

よって、基本的に、直後の前置詞の有無で
「生じる」と区別できる。

- 「生じる」  stem from、 stem out of、 stem in
- 「せき止める」  前置詞不要

直後は名詞中心 (またはその冠詞

stem

to stop something from happening, spreading,
or developing.

(ロングマン、LDOCE6)

【発音】    stém   (1音節)

  • “We need to stem the crisis.”
    (その危機を止めねばならない。)
  • “We must stem the spread of disease.”
    (病気の蔓延を阻止しなければならない。)
  • “This should stem the bleeding.”
    (これで出血を止められるはず。)
  • “I want to stem the progression of cancer.”
    (がんの進行を止めたい。)
  • “The military is struggling to stem infections.”
    (軍は感染の阻止に苦労している。)

  • “Don’t leave the kid unattended to stem the use of drugs.”
    (薬物使用を阻止するには、その子を放置しないことだ。)
  • “The government has decided to take action to stem
    the outbreak of Coronavirus.”
    (政府は、コロナウイルスの流行を阻止する行動を取る
    ことを決めた。)
  • “G7 ready to take action to stem coronavirus risks”
    (G7、コロナウイルスの危険を阻止する態勢)
    ※  ニュース見出し

◆  多用される、その他の名詞 “stem” 2つ

  • STEM

    Science, Technology, Engineering and Mathematics
    の頭字語(acronym)で、「科学・技術・工学・数学」
    の教育分野を表す。

    読み方は同じく 「ステム」 (stém)。

STEM分野に精通した人材は、地球規模で需要が高い。
“STEM” の字面は、日本でも見かけることが増えている。

STEM Education は、現在のアメリカの公教育に
欠かせないキーワード。

世界の時流に乗っており、今後ますます広がるに違いない。

 

 

【参考】     ※  外部サイト

 

  • stem cell

    幹細胞 (かんさいぼう)

 

 

 

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