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Act out

      2024/08/19

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 4 minutes

態度に出す

子ども ( 幼稚園児 ~ 10歳代くらい ) の反抗的な
言動や、 社会人の問題行動を表す時によく出てくる。

■  句動詞  ” act out ”  の大意は2つ

(1) 役を演じる、 実演する
(2) 態度に出す


(1) は、 見せ場で演じること。

すなわち、 演劇や実物宣伝などで、
期待された役  をこなすこと。

または、 普通に 「 行動を起こす 」 ことも、 ” act out “。

いずれも文字通りで、 特にひねりはない。

(2)は、 感情的に態度で示す こと。

この場合、 怒りを伴う  ネガティブ感情  が中心。

自制できずかんしゃくを起こす  感じ。

周囲に  期待された行為でない  点で、(1)と大きく異なる。

” act out “

2. to express your feelings about
something through 
your behavior or
actions, especially when you have 
been
feeling angry or nervous.

(ロングマン、LDOCE6)

【発音】   ˌækt ˈaʊ̯t

※  下線は引用者


(1) は字面通りなので、 本稿では(2)を取り上げる。

◆ ” act ” には、 名詞・自動詞・他動詞がある。

【発音】  ǽkt  (1音節)

基本的かつ頻出で、 多義である。

語源は、 ラテン語「 行う 」( agere )。

基本的意味は、
–  名詞  「 行為 」 「 法令 」 「 演技 」
–  自動詞  「 行動する 」 「 務める 」 「 演じる 」
–  他動詞  「 演じる 」 「 装う 」

ここでは、 自動詞 「 行動する 」。

◆ “ out ” は、 副詞・形容詞・前置詞・名詞
・他動詞・自動詞と非常に多義。

【発音】  áut (1音節)

語源は、 古英語 「 外へ 」( ūt )。

ここでも、 副詞 「 外へ 」。

と同じ用法である。

【参照】   句動詞の副詞  “ out ” 30例 

 

よって、 ” act out ”  の直訳は 「 外へ行動する 」。

転じて、「 外に向かって、 感情を出す 」。

だから、「 態度を出す 」。

 

◆  出す感情を明記する時としない時の両方ともありうる。

  • “She often acts out her distress.”
    (彼女は悩みをしょっちゅう態度で示す。)
  • “His wild instinct is ready to act out.”
    (彼の野生本能がいつ目覚めてもおかしくない。)
  • “He is talented but he often acts out.”
    (彼は才能はあるが、かんしゃくを起こしがち。)
  • “She began to act out with the onset of puberty.”
    (思春期が始めると、彼女は態度に出し始めた。)
  • “Lisa started to act out to numb the pain of losing her father.”
    (リサは父親を失った痛みを麻痺させるため、態度に出し始めた。)


またか …

 

◆  ” act out ” は、 心理学用語 でもある。

抑圧された感情 > を外に出すことで、
心の傷 >  などに対処する。

例えば、 毒親 への抑圧 ( repressed ) された憎しみを、
主治医に 投影project )し、 その 医者に対して
怒ることを、 ” act out ”  と表現する。

  • “She acted out her traumas by talking with her doctor.”
    (彼女は主治医に話すことで、トラウマを表出した。)

 

◆  教育分野では、 学習者の理解度を確認する 「 動作法 」。



英語教育用語辞典 第3版 』  pp. 10-11.

白畑知彦 (著)、冨田祐一 (著)、村野井仁 (著)、若林茂則 (著)
大修館書店
2019年刊、 四六判、 386頁

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天>


上記の第3版に加えて、 初版( 1999年刊 )、改訂版( 2009年刊)

の全冊自炊・OCR済み  → 『 辞書の「自炊」と辞書アプリ
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◆  ” act out ” は、 日常でも用いる。

冒頭に記したとおり、 子どもや社会人
の問題行動を表す際の典型表現。

心理学用語でもあることから分かるように、
知的ですっきりした言い回し である。

◇  手に余る者の言動を他者に説明する上で、
下品にならずに済む。

そのため、

◇  監督責任が問われる、 親・先生・上司
に好んで使われる印象がある。


「 部下の態度がひどくて 」 と言いたければ、

  • “My subordinate acts out so often.”
  • “My subordinates act out so often.”
    (かんしゃく起こしてばかり。)

    【発音】  səbɔ́ːdinit  (1音節)
    【音節】  sub-or-di-nate  (4音節)

まず、 あらましをシンプルに伝える。

さらに聞かれれば、 具体例を出す。

最初から悪事をぶちまけると、
監督者の
素質を疑われかねない。

子ども・生徒・部下の問題行動には、
それなりの理由があることが多いからである。

背景 を考察せずに、 ” act out ”  を責めても、
問題は改善しないだろう。

 

◇  勇気を出して、徹底的に話し合う ことは、
双方にとって無駄にならない  はず。

たとえ、 話が平行線のまま終わったとしても、

時間をかけて向き合ったその事実と心意気が、
  その後の風向きを変えることは珍しくない。

 

【類似表現】

【注意】

  • ” He is acting out of character.”
    ( 彼は 柄にもない 振る舞いをしている。)

    副詞 ” out ” が結合してできる表現は、” act out ”
    ではなく、” out of character “( 柄にもない )。

    まとまりに線を引くとこうなる。
    正) ” He is acting  out of character. ”
    誤) ” He is  acting out  of character. “

 

 

 

 

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