Deprivation
2026/03/30
欠乏、 不足、 剥奪
大方の英和辞書には、「 剥奪 」 と 「 罷免 」が真っ先に
出てくる名詞。
- 役職剥奪
- 聖職罷免
- 相続人の排除
- 財産没収
” deprivation ” の1語で、 これらを示す。
【発音】 dèprəvéiʃən
【音節】 dep-ri-va-tion (4音節)
日頃、 頻繁に見聞きするのは、上記用法よりは次の用途。
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- sleep deprivation ( 睡眠不足 ) ※ 頻出
- oxygen deprivation ( 酸素欠乏 )
- social deprivation ( 社会的剥奪 )
- economic deprivation ( 経済的欠乏 )
- emotional deprivation ( 情緒的剥奪 )
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◇ 「 ビタミン欠乏 」は、” vitamin deficiency ” の方が一般的
–
◆ 先のグレー枠の言葉は、専門用語に近い。
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英和辞書では優先されているが、一般人が触れる機会は少ない。
黄枠内の方が、日常生活に親しんだ言葉。
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–
deprivation
the lack of something that you need in order
to be healthy, comfortable or happy.( ロングマン、 LDOCE6 )
【発音】 dèprəvéiʃən
【音節】 dep-ri-va-tion (4音節)※ 下線は引用者
–
「 人々の 健康、快適さ、幸福に必要なものの欠如 」
LDOCE6 に書いてあるのはこれだけ。
学習英英辞典(EFL辞典)であるため、英語の勉強に
必要な記載しかないのだろう。
しかし、 ここで認識すべきことは、 この学習英英辞典が
記載するのは 「 剥奪 」 や 「 罷免 」 ではない点。
ー
すなわち、 主要な英和辞典では後回しにされている、
「 欠乏 」 「 不足 」 の方なのである。
ー
◆ 英和辞典と英英辞典の解釈の乖離は珍しくない。
普段、ほとんど使われない意味・用法が、
英和辞典の上位を占める怪
“ deprivation ” は、好例である。
実のところ、なんら不思議はない。
頻度順ではなく、 発生順に語義を並べるとこうなる。
語義の配列は、 各辞書の編集方針に従う。
発生順は 「歴史主義」 と言われ、 語義を系統的にたどるには最適。
しかし、 一般的な英語学習者には、 頻度順の方が実用的と考える。
–
こうした英和辞典に見られる難点 (※) を補うためには、
英英辞典が役立つ。
※ 「 難点 」の例は、 本項以外にも、 次の各項目で挙げている
lambaste、impressive、check、clarify、reunite、wacky / wacko
–
◆ 以下、” initial ” から再掲。
手元の 著名英和を調べると、概ね以下の模様。
- 『 リーダーズ英和辞典 第3版 』 → 発生順
- 『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』 → 発生順
- 『 ジーニアス英和大辞典 』 → 発生順
- 『 研究社 新英和大辞典 第6版 』 → 頻度順
学習者対象の 学習英英辞典( EFL辞典 )は、 大方「 頻度順 」。
英語ネイティブ向けの英英辞典は 「 発生順 」 が目立つ印象。
–
弊サイトが日本人にお勧めするネイティブ用辞書は、
- “ Webster’s New World College Dictionary ” → 発生順
※ 辞書のご案内 ( 写真入り ): ” tapped out “
世界最大の英語辞典の ” OED ” = 『 オックスフォード英語辞典 』
も、 発生順( 歴史主義 )。
成り立ち重視の表れである。
【公式サイト】 http://www.oed.com/
国語辞典では、『 広辞苑 』は 発生順、『 大辞林 』は 頻度順。
–
【参照】
■ 英語辞書は「 紙 」 か 「 電子版 」 か
■ 「 自炊本 」 「 紙 」 の辞書を含む 使用辞書一覧
— –→ 世界最大 “ OED ” と 日本最大 『 日国 』 入手済み
( 写真入り )
–
▲▲ 再掲終わり ▲▲–
◆ ” deprivation ” は、 名詞のみの単語。
ー
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
動詞 ” deprive ” から派生した名詞。
” deprive ” は、 他動詞( transitive verb )のみの動詞。
ー
語源は、ラテン語 「 奪う 」( deprivare ) 。
【発音】 dipráiv
【音節】 de-prive (2音節)
アクセント( 強勢 )は後半なので、 要注意。
” deprive ” の意味は、 語源に忠実なものばかり。
- 奪う
- 剥奪する
- 与えない
- 聖職を罷免する
” deprive X of Y ” ( XからYを奪う ) が唯一といって
よいほど、 句動詞は少ない。
” deprivation ” は、 この他動詞から生まれた名詞 で、
意味も継承している。
冒頭の通り、 英和辞典では 「 剥奪 」 と 「 罷免 」。
それに続く 「 欠乏 」 と 「 不足 」。
前者2つはめったに出てこない 可算名詞( countable noun )。
後者2つの 不可算名詞( uncountable noun )は、
常日頃より見聞きする。
※ 後者の一部は、 可算名詞の場合もある
ニュースでも同様の傾向を示す。
–
◆ とりわけ ” sleep deprivation ” は、近年盛んに研究されている。
睡眠不足が及ぼす作用 ( the effects of sleep deprivation )
が注目されている模様。
新たな睡眠の効果が発表され、ニュースや書籍に取り上げられる
機会が増えている。
この機会に、ぜひ覚えておきたい。
” sleep deprivation ” では、不可算名詞となり、 通常単数形。
” vitamin deprivation ” と ” oxygen deprivation ” も同じく不可算名詞。
–
- ” My baby has caused me sleep deprivation.”
( 赤ちゃんがいるため、睡眠不足になっている。)
– - ” Sleep deprivation has been linked to cancer.”
( 睡眠不足がガンに関連しているとされてきた。)
– - ” I suffer from serious vitamin deprivation.”
( 深刻なビタミン欠乏症で苦しんでいる。)
– - ” Many neglected children suffer from social deprivation.”
( 多くのネグレクトされた子どもたちは、社会的な剥奪
にも苦しんでいる。)
– - ” They suffer from social and economic deprivations.”
( 彼らは社会的、経済的な欠乏に苦しんでいる。)
– - ” He overcame the deprivations of his childhood.”
( 彼は剥奪された子ども時代の苦しみを克服した。)
– - ” Oxygen deprivation would impair brain function.”
( 酸素欠乏は脳機能を損なう。)
– - “ I have never known true deprivation in my life.”
( 本当の欠乏を人生で味わったことがない。)