【転職】一緒に働きたいと思ってもらうこと
2021/01/11
前回の転職記事にお問い合わせをいただいたため、
このトピックを続けてみたい。
20年以上に渡り、
公務 → 民間 → 公務 → 民間 → 公務
と職を変えてきた。
転職については、若い頃から相当準備してきた。
日本の官公庁・外資系・零細企業・中小企業
・ベンチャー企業・オーナー企業・外国政府(現職)
などにお世話になっている。
この転職だらけのキャリアパスは、
あらかじめ計画したものではない。
–
将来を見据えて決断を重ねた結果、
こうなってしまった。
20歳代から30歳代の頃は、
先行き不安を強く感じていたため、
手当たり次第にキャリア関連の書籍を手にした。
25年余りで仕上げた日英の履歴書・経歴書は3桁、
ざっと目を通した日英のキャリア本は4桁の数に達した。
◇ 職務経歴書は、現在も随時更新中
「救い」となった習慣 ↑ おすすめ
とりわけ定評のあった当時の転職本は、
ほとんど読破したと思う。
–
希望職に転職できたので、
読書経験は役立ったと考えている。
だが、今振り返ると、肝心な指摘が
抜けている本が少なくなかった。
すなわち、
採用する側に「一緒に働きたい!」
—と思わせることができるか。
若手の<ポテンシャル採用>に比べ、
中高年の中途採用の場合、特に重要な視点
と考える。
一般的に最終面接に近づくほど、
職歴やスキルをアピールする必要性は 下がる。
書類選考・筆記試験・初期面接において、
検証済み であるからである。
にもかかわらず、この期に及んでも、
業績のプレゼンを説く本が目立った。
<最終段階>では、それよりも、
■ 我が組織に入れても大丈夫か
■ 我々とうまくやっていけるか
■ 無用な波風を立てる人でないか
こうした側面からチェックされている可能性が高い。
「コミュニケーション能力」が試される
とは、こういうことだろう。
そんな中、自分の実績を一方的に
まくし立てたらどうなるか。
担当面接官の心証は、容易に推察できる。
–
役員レベルの面接官なら、なおさら厳しくなるに違いない。
40歳代に入ってからも、私が正職員として
採用されてきたのは、格別優れたスキルを
具えているからではないと断じて言える。
同程度のスキルの持ち主は無数いる。
そうではなく、
「 私と一緒に働くと面白く、
なおかつ、お得ですよ 」
こんな雰囲気をあえて漂わせ、
終盤の面接に臨んだからだと信じる。
最終的な決定打は、過去の業績ではなかった。
また面接中、余計なことは口にしなかった。
■ 面接官の質問に神経を集中させ、
-
具体的に
-
分かりやすく
-
心を込めて
–
丁寧に答えた。
本気で職を求めるならば、誠実な心構えが大事。
組織の規模や面接官の国籍にかかわらず、
この戦略で通じた。
無論、コアとなるスキルと必要な資格を取得
しておかなければ、書類選考すら通過しない。
中途採用である以上、当然だろう。
しかし、最終面接に至れば、
スキルや経歴のダメ押しアピールよりも、
「ぜひとも、あなたと働きたい!」
親近感 ・ 共有感 を自ずと抱いてもらうことの方が大切と考える。
共感 が生まれると、弾みが出る。
–
◆ 希望業種や職種によって状況は若干異なるものの、
どんなに優秀であっても、
一緒に働きにくそうな人は敬遠される。
この< 組織の常識 >も併せて押えておきたい。
採用側に立てば、もっともな論理。
–
◆ 面接が1回完結の企業でも、以上の戦略は有効だった。
やはり、書類選考と筆記試験で検証されたはずの内容
はくどくど述べず、
「 私を採用したら、お得ですよ 」
というメッセージを面接でアピールした。
◆ 上記の長方形枠の中身は、<転職の基礎知識>だと考える。
特別なことは、何一つ書いていない。
ご自身の気質に照らして、すべて腑に落ちないのであれば、
おそらく「組織」向きではないだろう。–
–
◇ 素質的に「人に雇われるタイプ」ではない
自分の資質に合わない生き方は、行き詰まりやすい。
↓ ↓ ↓
若い時分はよくても、 中年期以降に大きく挫折しがち。
その結果、心身を病み、不幸を招く。
違ったキャリアを選ぶ方が、きっと幸せになれる
【参考】 ※ 外部サイト
- 【年齢別】 おすすめ転職サイト 「キャリアタウン」
https://career-town.net/lp/stae/
– - 50代・60代中心のお仕事情報サイト 「シニア求人ナビ」
https://www.seniorjob-navi.com/
—————————————––
- 今の仕事やりきった? 転職前に3ポイントを最終確認
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO65453020W0A021C2000000
2020年10月30日付
– - 転職エージェント使うなら 大手・中小を上手に併用
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO64323540Y0A920C2000000
2020年10月2日付
- 50代からの再就職「失敗する人・しない人」の差
https://toyokeizai.net/articles/-/367689
2020年9月22日付
– - 働きがい重視の新天地選び 後悔しない転職活動
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO62160720R30C20A7000000
2020年8月7日付
– - 40歳過ぎて仕事でモヤモヤ 不安除き前向きになるには
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO61657870X10C20A7000000
2020年7月24日付
– - コロナ下でも欲しい人材 引く手あまたの職種・経歴
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO61441080T10C20A7000000
2020年7月18日付
– - 40歳からの転職、市場価値を上げる6つの分かれ目
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO55176160T00C20A2000000
2020年2月7日付
– - 50代が「転職・再就職」で超苦戦する根本原因
https://toyokeizai.net/articles/-/321066
2020年1月29日付
– - 45歳リストラ時代に 成功体験捨て未経験の職に挑め
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO54281270Q0A110C2000000
2020年1月17日付
– - 経歴は「STAR」を盛り込んでショートストーリーをつづる
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO50595630U9A001C1000000
2019年10月11日付
– - 定年後「再就職」に大苦戦する50代に欠けた視点
https://toyokeizai.net/articles/-/273900
2019年5月6日付
– - 60歳以上の「再就職」が困難を極める根本原因
https://toyokeizai.net/articles/-/273899
2019年4月13日付
– - 転職に失敗した40代 みんなが口にする3つの「失言」
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO30867440T20C18A5000000?ora
2018年6月8日付
– - 40歳を過ぎても「企業が欲しがる人材」3つの共通点
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO14830210T00C17A4000000?ora
2017年4月7日付
–
【参照】 “disgruntled“、 “walk out”
–
しんどい …–
–
◆ 人事のプロに試験(書類選考・面接)していただける機会は、
中長期的な視座より眺めると、貴重なチャンスに他ならない。
なぜなら、「適性」と「世間」を知る好機となるから。
今まで見えていなかった内面や社会の一隅をかすめたりする。
光と影が織りなすような、不可測の事態に遭遇するかもしれない。
世渡り能力は、特定の組織に「しがみつく」能力とは、別物 と感じる。
両方有するに越したことはないが、実際のところ、どちらが心強いか。
渡世を送る上で、揺るがぬ自信になるのは、応用の効く前者であろう。
見知らぬ人々と接触していく過程で、得られる気づきはすさまじい。
全力を尽くして、就職活動・転職活動をしてみれば分かる。
視野が開け、新たな能力が身につき、世を見る目が確実に変わる。
–
◆ 幾度も転職を繰り返し、ようやく私が学んだ教訓のひとつは、
◇ 準備するプロセス自体 が、
またとない人生転機になっている
との自覚である。
あれほど、必死なもがきは、安穏な日常に生じにくい。
離職したり、無職になったりして、生活の光景が一変したからこそ。
当たり前だった消費が、急に贅沢品になり、我慢を強いられる情けなさ。
なんとかしなければと、しゃかりきに知恵を絞り、頭をフル回転させる。
家計と職歴に直結する以上、採用されることが肝要なのはもちろんだが、
採否がどうであれ、まさしく「 無駄にならない努力 」の好例だと思う。
たとえ、今回はご縁がなかったとしても、
不採用分を「たたき台」にすることで、
次回の履歴書・経歴書を、
もっと洗練された文書に仕立てられる。
決して「没」で終わらせない。
★ 蓄積した自作資料は、今後も末永く活用できる「宝物」★
—一生、応用できる「商売道具」
そのため、人生メンテナンスの一環に、組み込んでおくとよいのが、
職務経歴書を手入れしておく 作業。
目下、転職予定がなくても、折に触れて、アップデートしておく。
年に1度、気が向いた時に、箇条書きするだけでも大助かり。
いざという際に、有力な「武器」になってくれる強みは、前記の通り。
ちょっとした「自己PR」や 高齢期の再就職時にも、楽々使い回せる。
–
◆ 自分のキャリアや生き方を、否応なしに見つめ直さざるを得なかった、
ひどく孤独で、きつかった時期が、成長をもたらした。
何年も過ぎてから、やっと気づいた。
「 死ぬほどつらかったあの頃、次のステージに進んでいたんだ … 」
転職前後は、なにかと不安定で、
みじめな思いをする場面が多い。
私もそうだった。
–
◆ それでも、どうにか、こうにか、
自分自身を見捨てることなく、正しく、真剣に取り組めば、
必ず、 救いがやってくる。
天は見ている。
Go where the water is warm.–
(心地よいと感じる方向へ進め。)
(歓迎してくれるところへ行け。)