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No offense, but -

      2020/01/04

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悪気はないのですが、~

相手の意に沿わないと思われる内容を
述べる前の前置き。

この後に、自分の本音が続く(ダッシュ部)。

逆接の接続詞 “but” を用いて、
「私としては悪気はないけれども
こう言っておきたいの」という感じ。

< “No” + 名詞+”but” >なので、
そっけなくて生意気に聞こえる場合もあるだろう。
だが、慣用句として日常に定着済みのため、
反発は生じにくい。

◆ 次の2語表現にも、同じ傾向がみられる。

  • No need.“(不要です。)
  • No joke.“(冗談ではない。)
  • No worries.“(心配無用です。)
  • No rush.“(急ぎません。)
  • No kidding.”(本当ですか! ウソでしょ!)
  • No way ! “(お断りだ!)
  • No buts ! “(「でも」じゃない! 口答えするな!)

◆ “offense” は、名詞のみの単語。
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
語源は、ラテン語「傷つける」(”offendere”)
の過去分詞の名詞化。

名詞 “offense” の基本的意味は、
「侮辱」「無礼」「気を悪くさせるもの」「違反」。

形容詞・名詞 “offensive” と同源である。
意味もほぼ重なり、人の神経に障るような
ネガティブ
な内容を表すのは、語源通りである。

◆ 形容詞 “no” で、名詞 “offense” を否定し、
さらに逆接の接続詞 “but” なので、直訳は、

  • 「無礼でない、しかし~」
  • 「侮辱でない、しかし~」
  • 「気を悪くさせない、しかし~」
  • 「違反でない、しかし~」※ 不適切

慣用句としての “No offense, but – ” には、
「違反でない」は入らない。

また「無礼でない」「気を悪くさせない」とは、
「無礼になる気はない」「お気を悪くするつもりはない」。

ネガティブな意図はないと言いつつ、
逆説 “but” を置き相手の意に沿わないことを述べる。

◆ よって、まさに「悪気はないけれども
これに続く内容こそ、発言者の趣旨、
つまり本音である。

その後の発言次第では、
相手は “No offense, but”
言い訳がましい前置きと解釈しかねない。

そうなると、かえって不快に感じるだろう。

【参照】”Correct me if I’m wrong.

  • “No offense, but I don’t like your behavior.”
    (無礼になりたくないけど、君の態度が不快なんだ。)
  • “No offense, but I think you are wrong.”
    (お気を悪くするつもりはないのですが、
    あなたは間違っていると思います。)
  • “No offense, but you are annoying.”
    (悪気はないけど、あんたはうざい。)

◆ 現に、毎年恒例のMPO調査では、
日常会話中、最も煩わしい言葉の<第3位>
にランク入りしている。

2017年12月実施の調査結果がこれ。

33% of Americans consider “whatever
to be the most annoying word or phrase.
The recent addition of “fake news” takes
second place with 23% followed closely
by “no offense, but” with 20%.

Dec. 18, 2017
http://maristpoll.marist.edu

【類似表現】
”Nothing personal.”
https://mickeyweb.info/archives/1402
(個人的な意味はない。悪気はない。)

“Just so you know, -”
https://mickeyweb.info/archives/2160
(念のため、あなたに言っておきますけど)

“In case you haven’t noticed, – ”
https://mickeyweb.info/archives/2948
(一応言っておくけれど)

“With all due respect”
https://mickeyweb.info/archives/3944
(お言葉を返すようですが、失礼ながら)

 

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