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Caliber

      2019/06/03

能力のある

個人の優秀さを示し、
a man of caliber” と表現する。

【発音】 kǽləbər

a man of integrity(清廉潔白な人物)
と並び、人品骨柄への最大級の賛辞に活用される。

頻出レベルには至らないものの、
月並みな言い回しではなく、好印象。

おまけに使い勝手もよいので、ご紹介してみたい。


◆ “caliber” の語源は、中期フランス語「靴型」(calibre)。

ここから、円筒状のものを示すようになった。
品詞は名詞のみで、大きく分けて意味は2つ。

(1)語源通りの<円筒状のもの>:可算名詞

  • 銃砲の口径
  • 円筒の内径

(2)そこから派生した<能力>:不可算名詞

  • 能力
  • 力量
  • 品質

成り立ちは(1)→(2)。

銃砲の口径」が大きいほど、殺傷能力が高まる。
その「力量」を示すから「能力」に。

◆ “caliber” の初出は16世紀。

15世紀のオスマン帝国は、銃を主兵器としていた。
この歴史に沿った語源である。

a 22 caliber handgun

22口径の拳銃

→(1)は可算名詞なので、不定冠詞 “a” つき

Displaying image.png

<銃砲の口径>
・ 米国:ヤード・ポンド法(インチ)
・ ヨーロッパ(英: calibre):メートル法


◆ 
カタカナ「キャリバー」を見聞き方も多いだろう。

銃口径以外にも、腕時計のメーカー型番にも使われている。
いずれも “cal” と略記する。

一般人の日常から銃が消えた現代では、主用途は(2)となる。

◆ 実用の “caliber” は、単に「力量」を示すよりも、

<優秀さ>を表す趣旨 

で用いられる場合が多い。

少々しゃれた褒め言葉に起用される。

冒頭で「使い勝手がよい」と記した理由は、
表現パターンが明確だから。

多用されるフレーズは、性質を表す前置詞 “of” を伴いて、

  • of high caliber
  • of top caliber
  • of his caliber 

いずれも「優秀さ」を示し、副詞的に使われる。

  • “He’s a teacher of the highest caliber.”(彼は最優秀レベルの先生である。)
  • “He is a man of top caliber.”
    (彼は最高に優秀な人物である。)
  • “We need more people of your caliber.”
    (弊社はあなたのような優秀な人が必要だ。)
  • “The biggest victims of the scam are
    the higher-caliber students.”
    (今回の詐欺の最大の被害者は、もっと優秀な学生たちだ。)
  • “An actor of his caliber won’t be in B movies.”
    (彼ほど優秀な俳優は、B級映画に出ない。)
  • “Every company wants high caliber employees.”
    どんな会社も優秀な従業員を求めている。)
  • “I’m impressed by the caliber of our employees.”
    (我が社の従業員の優秀さに感銘を受けている。)
  • “His music is not anywhere near her caliber.”
    (彼の音楽は、彼女のすごさから程遠い。)

◆ 優劣判断の伴わない、中立的な「品質」の意もある。

  • “The caliber of work matters for
    unsolicited manuscripts.”
    (持ち込み原稿は品質が重要です。)
  • “I’d like to stay at a hotel of this caliber.”
    (このレベルのホテルに泊まりたいです。)
  • “Your research skills impact the caliber of your work.”
    (調査能力は仕事の品質に影響します。)
  • “The caliber of your thinking delivers
    the quality of your performance.”
    (あなたの思考レベルが仕事の質を決める。)


◆ 現実には、男性を褒める際に用いられる感が強い。

女性への適用例には、なかなか出会わない。

無論、優秀な女性が少ないからでない。
「銃」由来のイメージが影響していると、私は推察する。

実は、銃 “gun” の語源は、女性名 “Gunilda”。
“Gunnhild” や “Gunnhildr” など諸説あるが、
とにかく女性由来。

そのため、銃砲には女性名がつけられるのが長年の慣習。
なのに、女性の称賛に出番が少ないのは残念な話である。

【類似表現】
“smoking gun”
https://mickeyweb.info/archives/10380
(決定的証拠)

ーー

 

 

 

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