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Sit down with -

      2024/11/15

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 4 minutes

~  と話し合う

  •  I want to sit down with you.
    ( あなたと話し合いたい。)
  •  I need to sit down with you.
    ( あなたと話し合う必要がある。)
  •  I have to sit down with you.
    ( あなたと話し合わなければ。)
  •  We need to sit down.
    ( 私たちは話し合わなければ。)


いずれも職場でよく聞く口語。

単語も文法も基本そのもの。

なんら難しくない。

英語ネイティブにとっても同様。

幼児でも理解できる内容である。

しかし、それが落とし穴になりかねない。


極めてシンプルで、 使い勝手が素晴らしいために、

本来の意味に加え、 別の意味へ展開する場合がある。

とりわけ、 句動詞 ( phrasal verb ) に目立つ。

こういうケースこそ、 英語学習者の誤解を生みやすい。

額面通りに受け取ったら、 まるで見当違いだった …

よくある話である。


一見簡単なフレーズなので、 次のような推測や状況判断が

働きにくく、 警戒・自衛しがたい傾向がある。

  •  話の流れがおかしい
  •  なにかあるかも
  •  うまく聞き出そう


◆  私自身、 数限りなく恥ずかしい思いをしてきた。

I want to sit down with you.  と声を掛けられ、

てっきりコーヒーブレークにでも誘われたのかと思い、

心弾ませて上司についていった。

ところがどっこい、 純粋に仕事の話。

おまけに、 お目玉まで食らって、 意気消沈。

ショックの余り、 即座に銘記してしまった。

見事撃沈されると、 その表現は頭にこびりつく。

いきなり長期記憶 ( long-term memory、 LTM ) 入り。

かくして学習が進む。

【参照】  語彙採集




誰かに話したくなる人生で役立つ雑学まとめ
https://www.youtube.com/watch?v=vcAoowDs6_k&t=603s
2024年10月6日付    ※  動画全長 12分58秒


want ”  やら  “ need ”  やら、 強めの動詞が出てきた

時点で観念すべきであった。

【参照】  ” want ”  や  ” need ”  は 「 差し迫った要求 」

 

◆  “ sit ” には、 自動詞・他動詞・名詞がある。

圧倒的に使われるのは自動詞で、 非常に多義である。

語源は、 古英語 「 座る 」( sitten )。

【発音】   sít (1音節)

簡単なはずの ” sit ” だが、一般的な日本人が発音すると、

卑語 ” shit “(糞)に聞こえがち。

2語とも、 1音節( one syllable )。

「 音節 」( syllable、シラブル ) とは、 発音の最小単位

「 音節 」 の詳細と日英比較は、 ” integrity ” で詳述している。
( 図入り、 動画入り )

 

  •  ” Please sit here. ”  ( こちらにお掛けください。)
    sit  / sít / 1音節
  •  ” Please shit here. ( こちらにクソしてください。)
    shit  / ʃít  / 1音節

日本人の英語に聞き慣れている外国人ばかりでない。


「  脱糞して 」 とだしぬけに言われれば、誰しも驚く。

ビジネス場面では、 冗談では済まされない

” sit ” の発音に自信がなければ、 言い回しを変える方が無難。

Have a seat. ” でも、この問題に触れた。

ご参考にしていただければ幸い。

◆  ” sit ” は、英単語として<最重要レベル> に位置する。

【発音】   sít  (1音節)

口語・文面とも、頻出は<トップ1000語以内>。

  •  重要度: <トップ3000語以内>。
  •  書き言葉の頻出度: <トップ1000語以内>
  •  話し言葉の頻出度: <トップ1000語以内>
    ( ロングマン、 LDOCE6 の表記より )

” sit ”  の基本的意味は、
–  自動詞 「 座る 」「 置かれる 」「 役職に就く 」
–  他動詞 「 座らせる 」「 ベビーシッターをする 」
–  名詞 「 座ること 」「 待ち時間 」   ※ まれ

表題 “ sit ” は、 自動詞( intransitive  verb ) 中心の動詞。

副詞  ” down”  を伴い、「 座る 」「 着席する 」。

同伴の前置詞  ” with “( ~ と一緒に ) を加えた

sit down with – ”  は、「 ~ と一緒に座る 」。

同席するということ。


◆  基本はこれでよい。

日常的には 「 ~ と一緒に座る 」 が普通である。

ところが、 ビジネス用途ではやや違ってくる。

■  勤務時間中なら、

  仕事関連で 「~と話し合う」  が基本となる。


sit down and do something 

to try to solve a problem or deal with something
that needs to be done, by giving it all your attention.

( ロングマン、 LDOCE6 )


そもそも、 仕事中に 「 一緒に座りたい 」 は不自然。

  • ” I want to sit down with you  in / with regard to
    your job performance. ”
    ( あなたの仕事ぶりについて、話し合いたい。)

事前に学んでいれば、 判別は難しくない。

◆  ” sit down with – ”  の趣旨は、

  •  膝を交える 
  •  膝を突き合わせる 

 

顔を合わせる  感じ。

その目的は不特定で、 内容の深刻さも問わない。

  •  打ち合わせ
  •  進捗報告
  •  状況説明
  •  悩み相談


膝を交える

  • 同席して親しく話し合う。 うちとけて語り合う。
    ( 精選版 日本国語大辞典 )
  •  互いにうちとけて同席する。
    ( 広辞苑 第七版 )


仕事で 「 一緒に座る」 のあれば、

通常、 お互い無言で見つめ合わない。

だから、 「 話し合う 」 を指すに至った。

「 話し合う 」 といえど、 大抵は

事前に目的を共有する  “ discuss ”  や  ” talk ”  と異なる。

プライベートで使う時は、 リラックスして、

  •  食事する
  •  談笑する 
  •  だべる

本来の 「 一緒に座る 」 である。

 

◆  ” sit down with – ”  のマイナー用法に、

~ に黙って耐える の意味もある。

最大の違いは、 前置詞  ” with ”  の用法。

こちらは、 同伴 「 ~ と一緒に 」 ではなく、

対象の 「 ~ に対して 」で、 我慢の相手を示す。

じっと座って ~ に我慢する 」 イメージ。

  •  ” I had to sit down with her racial slurs. ”
    ( 彼女の人種差別的な発言に耐えねばならなかった。)
  •  ” I won’t sit down with your offensive remark.”
    ( あなたの攻撃的な言葉に我慢する気はない。)

既述の通り、 表題の ” with ” は同伴の 「 ~ と一緒に 」。

話し合いする人に添える。

ビジネス会話での頻出度はぐっと下がるため、 最後に触れた。


【類似表現】

 

 

 

 

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