プロ翻訳者の単語帳

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When it comes down to –

      2019/04/26

~ということになれば、~となると

具体例を紹介する時に出てくる常套句。
端的にはこんな意味。

  • ~となると
  • ~と言えば
  • ~については

“down” を抜いて、”when it comes to
とも言う。

2つのいずれかで項目立てしている英英辞典は
少なく、見つかったのは次の2つ。

when it comes to something”
“when it comes to doing something

when it is a question of something.
(オックスフォード、
OALD9)

When it comes (down) to
You can use the expression when it comes
to or
when it comes down to in order to
introduce a
new topic or a new aspect of a
topic that you
are talking about.
Collins/COBUILD)※ 下線は引用者

表題も語釈も長ったらしくて、分かりにくい。
似たような “for example” や “in case of”
などに比べると、すっきりしない。

常套句とは言え、もったいぶった言い回し
であることは確か。

このニュアンスによく合う和訳は、

  • ~ということになれば
  • ~ということになると

この2つの和文も、どこか持って回した言い振り。
月並みではなく、毛色の変わった変化を伴う話を
持ち出す時の言い回しである。

イメージしやすいように和訳を少し脚色すると、

  • いざ~ということになれば
  • いざ~ということになると

表題も、こんな流れで使う。
接続詞 “when” が、非日常(いざ)の色合いを加える。

上掲コリンズの下線部 “introduce a new topic
or a new aspect” がまさにそれで、これまでの
文脈とは大きく異なる側面を紹介する際に用いる。

実際の使用例を確認しても、単に話頭を転じるばかり
でなく、その場の安定性を乱すインパクトを伴う出番
が多い。

受け手に多少のショックを与える役目があるため、
若干もったいぶるのも自然であろう。
そんな表現である。

“When it comes (down) to – ”
が出てきた時は、何らかの気取りがあると考えて、
当たらずといえども遠からずである。

使用単語は、頻出かつ最重要レベルの英単語のみ。
ロングマン(LDOCE6) の表記によれば、5語とも、

– 重要:最上位 <トップ3000語以内>
– 書き言葉頻出:最上位 <トップ1000語以内>
– 話し言葉頻出最上位 <トップ1000語以内>

  • 接続詞 “when“(~の時には)
  • 人称代名詞 “it” ※ 後方照応的、訳出しない
  • 他動詞 “comes“(至る) ※ “it” を受け、単数
  • 副詞 “down“(落ち着く)
  • 前置詞 “to“(~に、~へ)※ 結果

よって、”when it comes down to” を
直訳すると「~に至り着く時には」。
“down” 抜きの場合、「~に至る時には」。
転じて、「~ということになれば」、
「~となると」。

このうち、”come down to” 単独では、
「結局~になる」「つまるところ~になる」
を意味する熟語。

したがって、文脈によっては、
仮定的な「いざ~ということになれば」よりも
要約的な「結局~ということになれば」の意味合い
が強くなることもある。

また、”to” の直後に、人称代名詞 “it” を入れた
when it comes (down) to it” も同じく
常套句。

先ほど<脚色>として、「いざ」を入れたが、
こちらの表現では、もともと含まれる感じ。

  • いざという時には
  • ここぞとなれば
  • ここ一番の際は

“when you come down to it”
“when it comes down to it”
You can use the expression when it comes
down 
to it or when you come down to it for
emphasis,
when you are giving a general
statement or conclusion.
Collins/COBUILD)※ 下線は引用者

“come down to” の役割がさらに強調され、
一気にまとめる勢いが出て、”emphasis”
(強調)となる。

末尾の “it” は総称的で、訳出しない。

<総称的な “it” 例> ※ 普通は訳出しない

以上、解説を試みたが、こうした決まり表現は、
言葉を尽くしても、なかなか伝わりにくい。
実際の文脈から理解するのが一番である。

常套句・慣用句については、文法解釈に時間をかける
意義は薄いのが一般的。

英語学習者として、文法面を理解することは大切
なのだが、基礎文法習得の目的には<特殊すぎる>
ケースが多いためである。

文法解釈に多くの時間を注ぐよりも、実例(以下リンク)
を見て回った方が効果的である。


“Money is no object when it comes down to health.”
(健康のこととなれば、金に糸目は付けない。)

“When it comes down to making a deal, she was
a great negotiator.”
(取引するとなると、彼女は素晴らしい交渉人だった。)

“He has no idea when it comes down to cyber security.”
(サイバーセキュリティとなると、彼にはお手上げだ。)

“When it comes down to comfort, staying at home to
relax is the best.”
(快適さという意味では、自宅でくつろぐのがベスト。)

“My son procrastinates when it comes down to studying.”
(勉強となると、息子はぐずぐずする。)

“There are so many misconceptions about what is
and isn’t true when it comes down to beauty myths.”
(美についての話となれば、数多くの誤解が
まかり通っている。)

“When it comes down to it, what are universities
really for? ”
(結局、大学って本当は何のためなの?)

【類似表現】
“The thing is”
https://mickeyweb.info/archives/17132
(要するに、実際には)

“at the end of the day”
https://mickeyweb.info/archives/2498
(最終的には)

“as it turned out”
https://mickeyweb.info/archives/474
(蓋を開けてみれば)

 

 

 

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