Double-check
2022/06/21
再確認する
公私不問で「再確認」と言いたい時、便利な自他動詞。
- Would you double-check it ?
(もう一度、ご確認いただけますか。)
– - I double-checked it.
(私は再確認しました。)
「ダボーチェッ」などと聞こえる。
【発音】 dʌb.əlˈtʃek
形容詞 “double” と 動詞 “check” が結合した
「複合動詞」(compound verb)。
–
ハイフンなしの2語 “double check” と表記
することもある。
<和製英語>と考えている日本人が少なくない
と最近知ったため、本稿で取り上げてみたい。
–
◆ 「ダブルチェック」は、オフィスなどで定着している。
ダブルチェック【double check】
一度点検したことを、もう一度またはもう一人
が確かめること。 再確認。
(広辞苑 第七版)
※ 下線は引用者
下線のように、主体の自他は問わない。
–
LDOCEの語釈はこうだ。
“double-check”
[I, T]
to check something again so that you are
completely sure it is correct , safe etc.
(ロングマン、LDOCE6)
※ [I, T] = 自動詞(intransitive)、 他動詞(transitive)
【発音】 dʌb.əlˈtʃek
【参考】 ※ 外部サイト
・ 自動詞と他動詞の違いをイラストで説明
・ 動詞の直後に前置詞や副詞が続くのは自動詞
–
◆ 「ダブルチェック」と同じ意味合い。
–
日本語の「再確認する」と重なる場面であらかた使える
と考えてよい。
再度確認することを広範に表す。 主体不問。
事務方の業務に限らず、戸締りなどの「再確認」にも使える。
自動詞・他動詞・可算名詞がある。
意味は上記の通りで、シンプルこの上ない。
–
◆ 例外は、チェスの用途。
チェスの “double check” は、「 両王手 」を指す。
”Check ! “ は「 王手! 」で、間投詞。
◇ “check” の語源 → アラビア語「王手=shāh」(後述)
「間投詞」(interjection)とは、
感動や応答を表す語で、単独で文となりうる呼掛け言葉。
【例】
“Oh ! “、”Alas ! “、”Oops ! “、”Whoa ! “、”Gross ! “、
“Welcome back ! “、”Well done ! “、”Barf ! “、”Snap ! ”
チェスはさておき、上記の説明から “double-check”
の使い勝手のよさは、割かし理解できるだろう。
すなわち、単純な意味合いと広範な用途。
–
◆ 次いで、成り立ちを述べる。
“double-check” の初出は1958年。
アメリカ英語として誕生した。
現在は、英語圏全般で活用されている。
“double” には、形容詞・副詞・名詞・他動詞・自動詞
がある。
【発音】 dʌ́bl
【音節】 dou-ble (2音節)
語源は、ラテン語「重ねる」(duplus)。
“double-check” では、最も代表的な意味の 形容詞「二重の」。
カタカナ「ダブル」のイメージそのもの。
ダブる
(ダブルを動詞化した語)
1. 二重になる。重複する。
2. 落第する。
3. ダブルプレーをする。
4. ダブルフォールトする。
(広辞苑 第七版)
※ ハイライトは引用者
◆ “check” には、他動詞・自動詞・名詞・間投詞がある。
【発音】 tʃék (1音節)
全品詞とも多義である。
先述の通り、アラビア語「王手」(shāh)が語源。
“double-check” の “check” は、自動詞と他動詞の
どちらでも使え、意味は「確認する」。
だから、”double-check” も自他動詞で使える。
自他動詞 “double-click“(ダブルクリックする)
と共通する構造である。
活用形は、
double-checks、 double-checking、 double-checked
ハイフンがなくても、同様。
double checks、 double checking、 double checked
【参考】 “check” の語釈 は、英和辞典の欠点例
◆ 日常使用の “check” で頻出なのは、
自他動詞の「調査する」または「確認する」。
ところが、主要な英和辞典は「止める」を最初に置く。
–
【例】
・『 ジーニアス英和大辞典 』
・『 リーダーズ英和辞典 第3版 』
・『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』
これはよくない。
この用法は、普段出てこないのである。
カタカナでも定着した「調査する」「確認する」
の意味の方が、英語でもずっと目立つ。
◇ これぞ、典型的な<英和辞典の難点>(※)である。
優先順位が不適切。
頻度順ではなく、発生順に語義を並べるとこうなる。
※ 「難点」の例は、下記参照
“lambaste“、 ”impressive“、 ”deprivation“、
“clarify“、 ”reunite“、 ”wacky / wacko”
語義の配列は、各辞書の編集方針に従う。
–
発生順は「歴史主義」と言われ、語義を系統的にたどるには最適。
しかし、一般的な英語学習者には、頻度順の方が実用的と考える。
–
この点、学習英英辞典が役立つ。
3大学習英英辞典(EFL辞典 = LDOCE6 / OALD9 / CALD4)
のすべてが、以下のいずれかを第1、第2に置く。
- find out
- ask somebody
- examine
- make sure
いずれもカタカナ「チェック」と重なる意味である。
–
以下、” initial ” から再掲。
手元の 著名英和を調べると、概ね以下の模様。
- 『 リーダーズ英和辞典 第3版 』 → 発生順
- 『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』 → 発生順
- 『 ジーニアス英和大辞典 』 → 発生順
- 『 研究社 新英和大辞典 第6版 』 → 頻度順
学習者対象の学習英英辞典(EFL辞典)は、大方「頻度順」。
英語ネイティブ向けの英英辞典は「発生順」が目立つ印象。
–
弊サイトが日本人にお勧めするネイティブ用辞書は、
世界最大の英語辞典の ” OED ” = 『 オックスフォード英語辞典 』
も、発生順(歴史主義)。
成り立ち重視の表れである。
【公式サイト】 http://www.oed.com/
国語辞典では、『 広辞苑 』は発生順、『 大辞林 』は頻度順。
以上、” Just checking in “ より再掲。
再確認
“Make sure to double-check the total cost.”
(総費用を必ず再確認してください。)
“Double-check the lock when leaving the house.”
(家を出る時、錠を再確認すること。)
“I did a quick double-check of the document.”
(文書をさっと見直した。) ※ 可算名詞
“Be sure to double-check your address.”
(ご住所を再確認するようにしてください。)
“Did you do a double-check of the test ? ”
(テストの見直しはやりましたか?) ※ 可算名詞
“I double-checked my answers before
turning in my test.”
(テストを提出する前に、自分の答えを見直した。)
“Let me double-check my answers.”
(もう一度、答えを確認させて。)