サイトアイコン プロ翻訳者の単語帳

Vulnerable to -

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 14 minutes

〜 にやられやすい、   〜 に傷つきやすい

” vulnerable ”  は、 形容詞 adjective のみの単語。

ビジネス・プライベート、 口頭・文面を問わず多用される。

ぴたりと 該当する 日常語は 見当たらない


実に和訳しにくい。

おまけに、 私たち日本人の苦手な 「 L 」 と 「 R 」 込み。

【発音】  vʌ́lnərəbl
【音節】  vul-ner-a-ble  (4音節)

発音しづらいこともあり、 相当とっつきにくい。

◆  定訳のひとつが 「  脆弱な( ぜいじゃくな ) 」。

日本工業規格( JIS ) の一規格から引用すると、
赤字部分が  ” vulnerable ”  の要点。


3.16  危害を受けやすい状態にある 消費者( vulnerable consumer )

年齢, 理解力, 身体的・精神的な状況又は限界, 製品の安全(3.14)
情報にアクセスできないなどの理由によって, 製品又はシステムから
の危害(3.1)のより大きな リスク(3.9)にさらされている 消費者。

JIS Z 8051:2015
安全側面―規格への導入指針
https://kikakurui.com/z8/Z8051-2015-01.html

※  赤字は引用者


JIS・ISOの工業規格やIT ( 情報技術 ) の分野では当たり前
でも、 世間一般では今ひとつ馴染みのない日本語であろう。

次いで、 『 広辞苑 』 のお出まし。

  ぜいじゃく脆弱

身体・器物・組織などが、 もろよわい   こと。


  ぜいじゃくせい脆弱性

もろくてよわい性質。コンピューターやネットワーク
などの情報システムでは、障害・事故・災害・不正使用・
攻撃・ 情報漏洩 などに対する  もろさ
ヴァルネラビリティー


『 広辞苑 第七版 』
新村 出(編) 岩波書店、  2018年刊
( ロゴヴィスタ  アプリ版 )


※  ヴァルネラビリティー  =  vulnerability ( 後述 )


いずれも全文なのだが、 やや物足りない。

日本最大の国語辞典  と名高い 『 日国 』 を援用してみる。

全14巻( 全13巻+別巻 )。


日本国語大辞典 第二版 』 第7巻
小学館( 2001年刊 )


ともに全文である。

詳細な 「 用例 」 「 語源 」 「 発音 」 は、

さすがに立派なものの、

もろくて弱い


こちらの 「 語釈 」 自体は簡素すぎ。

先の 『 広辞苑  第七版 』( 2018年刊 ) に軍配が上がる。


◆  とにかく、

たやすく壊れがちで、
ダメージを受けやすい


こんな 「 状態 」 が、 形容詞  ” vulnerable “。

形容詞ゆえ、「 be動詞 」(※)に続くのが基本パターンになる。

(※)  be、am、was、been、will be、is、were、are

なぜ「 be動詞 」に続くのかは、 ” aware ”  に詳述した。

英文法の基本であるので、ぴんとくる ことがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。


◆  英語の  ” vulnerable ” は、 実は難しくない。

多義でなく、 意味合いは一貫しているからである。

  vulnerable

1. someone who is vulnerable
can be easily harmed or hurt.

2. a place, thing, or idea that is vulnerable 
is easy to attack or criticize.
( LDOCE6、ロングマン )

  vulnerable (to somebody / something) 

weak and easily hurt physically or emotionally.
( OALD9、オックスフォード )

  vulnerable

able to be easily physically, emotionally, or mentally 
hurt, influenced, or attacked.
( CALD4、ケンブリッジ )

※  下線は引用者

【発音】  vʌ́lnərəbl
【音節】  vul-ner-a-ble  (4音節)


このように、 3大学習英英辞典 ( EFL辞典 ) の語釈は比較的シンプル。

にもかかわらず、

日本語の語彙にないタイプなので、
すんなり 理解しにくく、難しいと感じてしまう


形容詞  ” unsolicited “、 名詞  ” threshold ”  に共通する思い違い。

もったいない。

  ” vulnerable ” は、多岐に渡る分野に出てくる。

日本語に馴染みのない言葉のため、


和訳がまちまち
で、 混乱を引き起こす。

※  例文参照


単語そのものの難しさではない

 


「 脆弱 」 なデバイスをチェック



◆  語源は、 ラテン語 「 傷つける 」 ( vulnerabilis )。

この意味は一貫している。

和訳は一筋縄にはいかない。

押さえるべきは、  下記の通り。

  精神・肉体不問 で、

 

傷つきやすい

やられやすい


→  vulnerable

 

※  状態だから、 形容詞adjective


【発音】  vʌ́lnərəbl
【音節】  vul-ner-a-ble  (4音節)


  反意語は、 否定の接頭辞  ” in “( 無、不、非 ) を加えた、

invulnerable “( 傷つくことのない )。

【発音】  invʌ́lnərəbl
【音節】  in-vul-ner-a-ble  (5音節)


  名詞は、不可算名詞の ” vulnerability “( 脆弱性 )( 脆弱さ )。

【発音】  vʌ̀lnərəbíliti
【音節】  vul-ner-a-bil-i-ty  (6音節)

可算名詞扱いされる場合もあり、 複数形は、” vulnerabilities “。

割と身近な例を挙げると、 インターネットのサイト運営者は、
使用中のプラグインの 脆弱性 情報を仕入れて対応している。

さもないと、 脆弱性 を突くサイバー攻撃の標的になりやすい。

プラグインの提供者側が 脆弱性 を修正するまで、 さしあたり
プラグインを停止または削除しておき、 自分のサイトを守る。

 

Wi-Fi の 「 脆弱性 」 をチェック

 

 

更新 しないと

◆  再び、 日本工業規格( JIS ) から引用。


3.77  ぜい弱性( vulnerability )
一つ以上の脅威(3.74)によって
付け込まれる
可能性のある,資産又は管理策(3.14)の 弱点

JIS Q 27000:2019
情報技術−セキュリティ技術−情報セキュリティ マネジメントシステム−用語
https://www.kikakurui.com/q/Q27000-2019-01.html

※  赤字は引用者

【発音】  vʌ̀lnərəbíliti
【音節】  vul-ner-a-bil-i-ty  (6音節)

情報セキュリティ上の弱み・欠陥を指す。

◆  一般向けの「 カタカナ語辞典 」では、



『 コンサイス  カタカナ語辞典  第5版 』
三省堂編修所(編集)三省堂、  2020年刊
<三省堂HP>


語釈全文である。

この「 第5版 」は、 2020年9月10日に発行された。

それから、 ちょうど26年前の1994年9月10日に発行
された「 初版 」の全文はこちら。



『 コンサイス  カタカナ語辞典  初版 』
三省堂編修所(編集)三省堂、  1994年刊


「 ヴァ 」でなく、 「 バ 」を引き継いできたのは、 割かし新鮮。

前出 『 広辞苑  第七版 』( 2018年刊 )では、 「 ヴァ 」。

「 急務 」( ★ )は、 1994年当時から現在に至るまで、
世界各国の課題であり続けている。


  主な同義語は、 ” fragile ” ( 壊れやすい )。

【発音】  frǽdʒəl
【音節】  frag-ile  (2音節)

  主な反義語は、 ” resilient “( 立ち直りが早い )。

【発音】  rizíliənt
【音節】  re-sil-ient  (3音節).

これまた和訳しにくいためか、 両方ともカタカナで
日本のメディアに登場する機会が増えている。

すなわち、 「 フラジャイル 」 と 「 ジリエント 」。

  さらに、その名詞形の  ” resilience ” 「 レジリエンス 」。

立ち直る力 」 または 「 回復力 」と和訳されることが多い。

再起力のある 」 とも訳される。

不可算名詞である。

【発音】  rizíliəns
【音節】  re-sil-ience  (3音節)

 

◆  字面を見ても、 まったく手掛かりがなく、 困ったカタカナ語。

” vulnerable ” と同様の理由で、 どうにも和訳しがたいのである。

翻訳者として、 もう情けなく、 心苦しい。

けれども、

「  言語が違うから、やむを得ないケース  

と考えるより致し方ない。

integrity ” に等しく、 翻訳者泣かせの厄介な英単語たち。

【参照】  日本語と英語の違い  ( 図入り )


繰り返すと、

ぴたりと 該当する 日常語は 見当たらない


実に和訳しにくいわ。

 


日英は雪と墨で、 万事に天地の開きが見られる。

言語のみならず、 歴史・文化など、 ありとあらゆる方面が
完全異質。

根源的に相異なる実在であり、 永遠に交わらざる平行線をたどる。

大まかに総括すると、 日本語と英語には互換性・親和性がない。

The Japanese and English languages are highly incompatible.

本源を一にする 印欧語族 とは別格の、 第一義的な不調和である。

あちらの根っこはつながっている。

したがって、 言語上の機械的な置き換えだけは通用せずに、
だいぶ手を加えないと、 しかと伝わらない事柄が多々ある。


Vocal about – ”  より


◆  とりわけ日本語と英語ほど大差のある言語間であれば、
最高級に熟達した通訳者・翻訳者が担当したとしても、
常に一定のリスクが伴う ことは念頭に置いておきたい。

翻訳版を作成する際は、 考慮しなければならない要素である。

文書の改訂管理 ( revision control ) の煩雑さを加味すると、
翻訳しない方がよい資料も少なくないのが実務の現場である。

言語・文化的な共通点を、 母国・母語から豊富に得られる、
英独仏を含む大規模な印欧語族 ( インド・ヨーロッパ語族 )
に属する言語間の通訳・翻訳とは明らかに違う点と考える。

版がずれないように、 翻訳版を作るコストも毎回ついて回る。

【参考】  インドヨーロッパ語族系統    ※  外部サイト


おおよそ同じ言語から派生した同源の 「 インド・ヨーロッパ語族 」 同士は、

文法・構文・語彙に共通点が多く、 機械的に置き換えしやすい  のに対し、

日英は言語・文化の基盤が異次元であるから、 「 精度9割 」  は無謀に近い。


vocal about –  より


▼  thief  が自ら通報してくれるお店 🤣


  主語抜きの邦文を機械英訳した失敗例

( 2023年 ビックカメラ なんば店 )


勝手に 「 幻覚 」 を生み出す怖さ

人間が翻訳していれば絶対に起こり得ない誤訳を、
生成型AIは確率論の名において平気で冒すことが出来る


「 AIが間違えるハズがない 」 は危険。
平気で嘘をつく生成型人工知能の限界
https://www.mag2.com/p/news/583243/3
2023年8月31日付


AIを過信する危うさは、 ” Vocal about – ”  で追究した。


人間同士のコミュニケーションは、 あいまいさ・仕草・連想の連続。

意向を汲み取り、 文脈  の  ギャップ  を埋めないと時に誤解を招く。

人間ではなく、 AI相手に英会話の練習をし続ける弱点がここにある。

Translation and interpretation skills have deceptive simplicity.

翻訳・通訳の技能は、 上辺はシンプルだが、 内実はそうでもない。


Perceive  より


異文化理解 ・ 人間理解 ・ 人心掌握 のスキルが物を言う職である。

そのためか、 語彙力のピーク  と共同歩調を取るかのように、

通訳者・翻訳者は晩成型で、 長持ちする職業と目されている。



通訳翻訳ジャーナル 2024冬 』  p.23.

イカロス出版 (編)
イカロス出版、 2023年刊
AB判、 120頁

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天>


【参照】  語彙力のピークは70歳代、 バイリンガルはぼけにくい

 

【参照】

 

 

◆  的確な和訳が困難すぎて、 「 誤解を招くより、まだまし

という流れから、 カタカナで取り入れられる語も数多いのが現実。

日本語にはない表現なので、 どうやって訳しても、 無理が生じる。

強引に和訳しても、 英語本来の一部しか表せないため、 高リスク

せっかくの和訳が、 様々な勘違いと不幸の火種を落としてしまう

語彙運用の間違いは  危険 で、 そんな語は普及しない方がよい

決して、 この世に出してはいけない。

だから、 表音文字の 「 カタカナ 」 で日本語の仲間入りする。

この理屈を知らずに、 カタカナ語の氾濫を一方的に批判するのは、
筋違いに感じる。

外語に親しみ、 中級 以上の実力者になれば、 自然に納得できる
論理に違いない。

専門家でなくても、 なぜカタカナなのか、 背景が推察可能になる。

全体像をつかめば、 「 これの1語和訳は無理だろう … 」 と感づく。

真剣に学び続ければ、 たいていの英語学習者はこの域まで到達可能


上述の形容詞  ” unsolicited ”  が好例で、 ぴったりの日本語はない。

動詞  ” delineate ”  や  ” condescend “、 名詞  ” empowerment “、
well-being “、 形容詞   ” challenging ”  も、和訳は容易ではない。

-driven ” は、 過去分詞の形容詞化からの連結形  ( combining form )。
→  本稿末尾に補説あり

「 エンパワーメント 」 「 ウェルビーイング 」 「 チャレンジング 」
「 ドリブン 」 。

これらは、 日本のメディアでめっきり見かけるカタカナ語になった。

一見して分かりにくく好ましくないが、 もとより外来の概念である。

どう訳せば満足するのか、 逆に教えてもらいたいわ、 と頻繁に思う。

 

【参考】    ※  外部サイト

概念を整理し規定するシステムは言語・文化で異なり、 定義された
概念の中身と範囲も相違する。

見えている世界とその解釈は依拠する言語・文化で食い違うのだが、
各自が血肉化した世界認識は、 概ね無意識・無自覚に作用する。

外語習得と 異文化理解 が生易しくないのは、 必然の成り行きである。

 

◆  語感に敏感になればなるほど、 慎重に語彙運用する傾向が見られる。

言葉遣いによって、 周囲の反応がだいぶ違うことを体感するからだ。

言葉遣いが、 人間関係  の親疎を決定づけることを、 自ずと学べる。

私自身、 50年以上怒られまくって、 どうにか日英を学んでこられた。

【参照】  語彙採集、  ” Puke / Barf “、  ” hopefully

外国語学習のおかげで、 これまで意識したことなかった母語の
持ち味と偉大さに気づき、 母語を見直し、 母語の知識が深まる。

英語を学ばなければ、 類いまれな日本語の美点は感じ取れなかった。


日々使う言い回しに、 英語由来の多い事実に気づけば、 母語を意識する。

    •  異常に多い擬音語 ( オノマトペ、 onomatopoeia
    •  極端に少ない音が生む、 数多の 「 同音異義語 」
      一説によると( 諸説ある )、
      –  日本語の母音は 5 個、 英語の母音は 26
      –  日本語の子音は 13 個、英語の子音は 24 
      –  濁音半濁音・短音など込みで、
      –  日本語音 114 個、英語音 2,100
    •  多彩多様な助詞により、 自由自在に近い語順
    •  3割超は外来語
    •  複雑な敬語
    •  表音文字・表意文字の併用 ( 英語は表音文字のみ )
    •  世界に誇れる3重表記 ( ひらがな、かたかな、漢字 )
    •  芸術的に繊細を極める我が言語

これほどユニークで、 高難度の言葉を操れるのは、 なかなかすごくない

どこか邪険に取り扱っていた母語の偉大さに感づき、 見直す瞬間が訪れる。

見えていなかった日本語の裏面の姿が、 急に浮かび上がってくる不思議。


英文法の参考書  より


本能で学んだ母語こそ、  思考の根幹の「 土台 」  に他ならない。

conclusive ”  では、 伝統を保持しつつ近代化を達成した日本が、
なんとも奇跡的な国家であるとの歴史話を詳しく取り上げた。
( 地図入り )

【参照】

 

◆  ” vulnerable ” と同じく、 ” fragile ”  も  ” resilient ” も、
ラテン語由来。

語源に忠実であり、 この点も  ” vulnerable ” と一緒。

イメージは分かりやすい
イメージから会得するとよい


” vulnerable ”  に重なるイメージ

vulnerable ( 傷つきやすい ) +  parts ( 部位 )

急所

private parts ” ( 陰部 ) に限らず、 頭部や顔も含む。

 

◆  表題の  ” vulnerable to ” は、 対象の前置詞 ” to “( ~ に )を伴い、

  • ~ に 傷つきやすい
  • ~ に やられやすい
  • ~ に 弱い


◆  繰り返すと、” vulnerable ” は、

日本語にずばり該当する言葉がないゆえに、
混乱を招く単語の典型。

このような場合、

和訳をざっと学び、

その後は多くの英文に触れて、
イメージを強化する方が早かったりする。

なにせ日本語に存在しないのだから、 その方が現実的

【参照】

 

◆  日常的によく使われる印象があるが、
こちらが形容詞  ” vulnerable ”  の立ち位置。

英単語全体における位置づけなので、
そこそこ重要であると言える。

現に、 ウェブサイトを 英文検索 すれば、
多彩な用法に出会える。

対となる日本語がないなら、まずは
イメージで把握してしまおう。

受験勉強や通訳翻訳者でないならば、
必ずしも和訳する必要はない。

これが 「 英語のまま理解する 」 ということかもしれない。

 

【参照】

◆  ” vulnerable ” は、 文脈次第で和訳がかなり違ってくる。

以下の例文が理解できれば、 基本はOK


どれも頻出かつ代表的な使われ方。

和訳は一例。

 


やられやすい

 

◆  最もしっくり合うのは 「 やられやすい 」 だと私は考えている。

本稿のすべての例文で 「 やられやすい 」 と訳しても、 ほぼほぼ通じる。

言い回しとして、 時に微妙だとしても、 理解には十分役立つ。

とりあえず、「 やられやすい状態 」 とだけ覚えておけば、 気が楽。

” vulnerable ”  は、「 やられやすい 」 状態だから、形容詞adjective )。

【発音】  vʌ́lnərəbl
【音節】  vul-ner-a-ble  (4音節)

 


 

◆  以下、 ” vocal about – ”  より再掲。


回りくどいと、 単文 ( simple sentence )ですら訳し損ねる。


Translators have to take a lot of liberties

with a language as different as Japanese.

( 日本語くらい異なる言語の場合、 翻訳者は大幅に手を加える必要がある。)
( 日本語くらい異なる言語の場合、 翻訳者の裁量に多分に任せる必要がある。)

※  極度にかけ離れた言語ゆえ、 大胆な意訳が欠かせないとの旨

2024年2月5日実施。

   1つ   「 Google

△  1つ  DeepL Pro 」   ※  助詞が不適切

×   3つ  「 Mirai 」 「 Bing 」「 Weblio

〇  【 和訳OK 】 Google

  〇  「 Google 」  ↑  画像の拡大


====================================

△  【 和訳微妙 】 DeepL 」 


「 翻訳者 」 ではなく、 「 翻訳者には 」 が的確な助詞。
→  係助詞 「 に 」 +  係助詞 「 は 」 = 「 には 」 

厳密には × だが、 かすかに解釈の余地を認めて

   DeepL 」  ↑  画像の拡大


====================================

×  【 誤訳 】 Mirai 」 「 Bing 」 「 Weblio 」


×
 
Mirai
 」  ↑  画像の拡大

 


×
 
Bing 」  ↑  画像の拡大

 


×
 
Weblio 」  ↑  画像の拡大


「 Mirai 」 「 Bing 」 「 Weblio 」 は、

押し並べて有用な翻訳サイトとみなされているのに、

2024年2月時点でも、 一目瞭然の誤訳を犯している。

総崩れと評してよさげな上記3つの訳文をご覧ください。

 

◆  以下、 ” integrity ”  より再掲。

 

  ◇  英独仏を含む、 大規模な印欧語族 ( インド・ヨーロッパ語族 ) を
母語とする学習者と異なり、  母語が日本語の私たちは、

  手掛かり・足掛かり が全然つかめない

文字表記発音・音節・アクセント・語順  はほとんど重ならない。

舌・唇・歯・呼吸間の相互作用  が大違いで、 発音時の口周りも異次元。

言語面にとどまらず、 物事の見方を左右する、 文化的な違いも天地。

だから、 「 異文化理解力 」  も身につけなければならない。

 

  母語 = 日本語の宿命を担うと、

  英語習得はやたらと難しくなる。


  母語が 「 踏み台 」 になってくれないから

 

やること多すぎ



母語に比べて、 「 言語系統が別次元 」 とは、 こういうこと。

母語に存在せず、 イメージしづらいことだらけだから、
どうあがいても理解できない。

 

  日本語と英語の違い 」  にきめ細かく記した ( 図入り )



印欧語族同士は 「 りんご – ぶどう 」 、

日英間は 「 りんご – くるま 」 みたいな差。

この雲壌の相違が、 英語習得の難易度の隔たり。


英語に近い言語とは、 立ち位置が違う。

例えば、 「 オランダ人は英語がペラペラ 」。

語順も文法も、 英語に類似する印欧語の代表格が、 オランダ語。

出自が同じだから、 学習上の手掛かり・足掛かりはかなり多い。

初歩から洗いざらい手ほどきを受けなくても、 普段使っている母語との
共通点を見出し、 規則性を汲み取ることで、 ある程度は独力で体得可能。

Both languages share the same root.

 「 オランダ人から学ぶ英語学習法 」

これに類した情報商材が堂々と売られている。

日本語母語話者の悩みを解決するには的外れ。

言語・文化が完全異質ゆえ、 逐一ねじり鉢巻きで勉強して学ぶ日本人。


日本語と英語の違い 」  より


◆  一方、 中国人には英語堪能な方が多いとの反論がある。

確かに、 中国語は日本語と同じく、 印欧語族に属さない。

しかし、 日英に比べれば、 文法と語順が似通っていることは検証済み。

中国語( Mandarin )を大学の第二外国語で学んだ際、 自ら実感した。


 「 動詞 」 が出る前に詰まるから通じない

日本語は語順が違うから、 機械的に置き換えにくい

→  語順を入れ替えないと、 動詞までたどり着けない


ITエンジニアが覚えておきたい英語動詞30 』  pp. 8-11.

板垣 政樹 (著)
秀和システム、 2016年刊
A5判、 248頁

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天>

音声ダウンロード 無料


日本語の動詞は後半に来るから、 語順を全面的に再構成しないと通じない。

むごい試練で、 頭がしっちゃかめっちゃか、 その場で思考がフリーズする。

母語と英語の語順が似ていれば、 ぱかぱか代入するだけで伝わったりする。

 

◆  英語と中国語・日本語・フィンランド語の語順を見比べた図の一例。

英語の動詞 ( to 不定詞 ” want to try ” )  がどこに該当するか目を向ける。

中国語は英語と同じく前半、 ぱかぱかいけそう。

日本語は末尾部に飛ばされ、 頭がこんがらがる。



https://awed-frog.tumblr.com/post/617561392469393408/whoa

※  2024年3月22日 アクセス


最終の  ” Finnish ”  とは 「 フィンランド語 」。

日中同様、 印欧語 ( インド・ヨーロッパ語族 )  ではない。


そのため単語も文法も全く異なります。


https://twitter.com/FinEmbTokyo/status/225793076612972544

※  2024年3月22日 アクセス


ちなみに、 朝鮮語と日本語の語順は酷似するが、 語族は別。

※  言語学では 「 Korean = 朝鮮語 」 が正しく、 「 韓国語 」 は便宜上の名称



https://blog-imgs-101.fc2.com/t/e/s/tesuto93/oXzhjas.jpg

※  2024年3月22日 アクセス

 

◆  英語は 「 印欧語族 」 ( the Indo‐European languages )。

インド・ヨーロッパ語族系統図


画像の拡大

【出典】  小学館 日本大百科全書 ( ニッポニカ ) より



conclusive ”  では、 歴史を振り返りつつ、 世上流布しない
正負の側面を事細かに考察した ( 地図入り )。

 


 

◆  以下、 ” Newsworthy ”  より再掲。

 

普段はそう意識しなくてもよいとはいえ、 英文法上、

「 連結形 」 と 「 接尾辞 」 ( suffix ) は区別すべきものである。

一例を挙げる。



NHK やさしいビジネス英語実用フレーズ辞典 』  p.276.

杉田 敏 (編集)、 NHK出版、 2003年刊
 四六判 1,216頁  →  自炊後  311MB ( OCR済み )
<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天>

※  下線は引用者


-driven ” は、 過去分詞の形容詞化からの連結形  ( combining form )。

【発音】  drívn
【音節】  driv-en  (2音節)

上図の下線部 「 接尾語 」 は、 通常 「 接尾辞 」 ( suffix ) と同義だが、

ここは 「 接尾語 」 よりは、 「 連結形 」 の方が的確であると考える。

同じく 「 連結形 」 と 「 接頭辞 」 ( prefix ) も混同されがち。

本書では、 「 連結形 」 と 「 接頭・ 接尾語 」 をごっちゃにしている。

「 混同して説明 」 しているが、 学者ではない実務家の著書にはよくある。

もっとも、 ” -driven ” を 「 接尾辞 」 ( suffix ) 扱いする有力辞書もある。

かの有名なケンブリッジもその一つ。



https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/driven

※  下線は引用者

※  2024年6月20日 アクセス

 

 

 

 

モバイルバージョンを終了