英文法の参考書
2021/02/25
◆ COVID-19 ( 新型コロナウイルス感染症 ※ ) による自粛期間
に、集中して英文法を学習する機会に恵まれた。
※ “Coronavirus Disease 2019” 【発音】 ˌkoʊ.vɪd.naɪnˈtiːn
勤務が不規則になり、可処分時間がふんだんに生じたためである。
そこで、新規投稿を一旦休止し、英文法に専念することにした。
- 一心に打ち込める、千載一遇のチャンス
- こりゃ、ブログを書いてる場合じゃない
- 猛烈に忙しくして、憂さを吹き飛ばそう
普段、フルタイムで拘束されているせいか、こう思い立ってしまった。
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◆ ご参考までに、今回用いた21冊をご紹介してみたい。
2020年3月から8月にかけて、通読した英文法書のうち、
中級学習者に推奨できると私が考える21冊である。
どれも市販されており、全部自費で買った。
通信教育や英語学校の独自教材は、本稿の対象外。
また、問題集・単語集・熟語集・表現集も除外した。
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◆ 2020年3~4月時点において、日本国内で評判が高い
英文法書をくまなく調べ、新本で買い求めた。
唯一の例外は、品薄で入手不可能だった『キク英文法』。
当時の売れ筋らしく、「ほぼ新品」に定価の3倍を注ぎ込んだ。
増補版・補訂版・改訂版が出ていれば、すべて買い直した。
せっかくなので、旬の「最新版」をそろえてみたかったのだ。
もっとも、従前より所有する本も含むが、片手で数えられるほど。
最近の有名どころは、大方網羅したつもりであるが、どうだろう。
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◆ 企てはすんなり進行した。
「プロだし」と胸を張りたいところだが、そんな殊勝なものではない。
実は、所属組織より外出禁止( shelter in place )を命じられ、
いきなり手持ち無沙汰になり、とことん参っていた具合だった。
通訳と司会の仕事は、軒並み延期。
否、中止か。
テレワーク扱いになった翻訳のリクエストは、来るのか来ないのか。
急な決定続きで、正職員のくせに、手掛かりが皆目つかめない。
次第に、得体の知れぬ先行き不安がこみ上げてきた。
まずい。
それならばと、仕事が少ない時は「 英文法の自習 」。
これを「課題」と位置づけることで、心と生活リズムの安定を図った。
「課題」とはいえ、自己完結するので、納期限に気を揉まなくて済む。
そもそも、常日頃から英語を使って仕事しているのだから、
さほど困難なく実行できるに違いない。
宙ぶらりんな業務上の懸念と暗い世相を打ち消すかのように、
ひたすら没頭した気がする。
英文法のほどよい刺激が、心身バランスの乱れを防いでくれた。
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◆ 完璧な理解は求めず、ざっくり「8割主義」の心積もりで、
どんどん進めていった。
「 とりあえず、8割でOK ! 」と割り切り、勢いよく読み込んだ。
再学習の必要性を自覚した箇所には、後日戻るべく目印を
つけておき、時間をかけすぎないよう心がけた。
結果的に、自分の英語力の「弱点探し」になった。
つまり、力量が「8割」に満たない分野を特定できた。
各冊、概ね1〜3割があやふやな感触。
これから、きちんと勉強して、知識を整理していこう。
新たな学びは、弊サイトの投稿記事に反映させていく。
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◆ 長年実務に従事してきた効果は、殊の外、著しかった。
学生時代に比べ、理解度がぐっと増していたのである。
なにより、若かりし頃の焦燥感と強迫観念が消え、格段に身を入れやすい。
「 もしかしたら、自分の歩んできた道は、そう間違っていなかった … 」
ふと、こんな安らぎが浮かんだ。
一説によると、読み言葉と話し言葉の語彙力は、60歳代、70歳代まで伸び続ける。
New Study Shows That Your Brain’s Powers Change
As You Age — Some Peaking In Your 70s
[O]ur vocabulary skills, written and verbal,
require many more years before they
peak in our 60s and 70s.2015年3月23日付
【 当該記事が根拠とする学術論文 】
Hartshorne, J. K., & Germine, L. T. (2015).
When Does Cognitive Functioning Peak?
The Asynchronous Rise and Fall of Different
Cognitive Abilities Across the Life Span.
Psychological science, 26(4), 433–443.・ https://doi.org/10.1177/0956797614567339
・ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25770099/
とすれば、まんざら見当外れの妄想でもないらしい。
幾星霜を経て、なんとか学習を継続してきた「ご褒美」なのかもしれない。
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◆ 英文法は、英語の実力がそこそこ身についてから復習するとよい。
暗記中心だった受験生の時分とは、かけ離れた印象を受けるはず。
中級学習者 には、ご自分の英語力を確認する力試しとして、
英文法のおさらいをおすすめしたいと思う。
英語への興味が深まり、きっと幸せな気分が味わえる。
これまで積み重ねてきた知識の再確認だから、楽しくないわけない。
初学者・初級者 の場合、英文法の「全体像」を大まかに把握するため、
定評のある本の中から、
相性のよさそうなものを選び、
何度も繰り返す。
ご自分自身が 取り組みやすいと感じる、薄めの文法書。 ← 【ポイント】
学校の教材が分かりやすいのなら、まずはそれに焦点を合わせる。
闇雲に着手すると、混乱を招き、虻蜂取らずに終わる可能性が高い。
初期に、読みにくい本を選んでしまうと、「英語嫌い」になりがち。
本選びの一助になればと願い、僭越ながら、1冊ずつレビューしていく。
※ 各レビューは、別項目に投稿しております。
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◆ 写真は、実物の表表紙と裏表紙を合成したもの。
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『 キク英文法 』 ↑
■ レビュー https://mickeyweb.info/archives/57470
一杉 武史 (編著)
アルク、 2007年刊
18.2×13.1cm、 396頁、【 CD2枚つき(57分、54分)】
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『 一億人の英文法 』 ↑
■ レビュー https://mickeyweb.info/archives/58771
大西 泰斗、 ポール・マクベイ (著)
東進ブックス、 2011年刊
A5判、 688頁、【「アプリ」及び「CDブック」は別売り 】
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『 総合英語 エバーグリーン 』 ↑
■ レビュー Coming soon
川崎 芳人、 久保田 廣美、 他 (著) 鈴木 希明 (編)
いいずな書店、 2017年刊
A5判、 672頁、【音声ダウンロード無料(下記HP参照)】
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” English Grammar in Use, 5th Edition ↑
– with answers and ebook “
■ レビュー Coming soon
Raymond Murphy (著)
Cambridge University Press、 2019年刊
26.29×19.51×1.5cm、 392頁、 「第5版」。 –日本語表記なし。
◇ ” CEFR levels : B1, B2 ” と明記されており、中級学習者が対象
◇ 外観が瓜二つの2冊「answers なし」「ebook なし」も存在する
◇ 「ebook」とは、別添冊子の形式ではなく、表紙裏面に印刷された、
—–個別のアクセスコードを指す ” This is your access code: ”
—–↑ 古本購入には要注意
※ 別冊の学習手帳(A5、本文64頁)がついた「日本限定版」
(Japan Special Edition)を購入
→ 手帳は「ジャポニカ学習帳」風で地味、シールつき
<出版社HP> <アマゾン> <楽天ブックス>
→ 別冊の学習手帳なし (洋書テキストの中身は同一)
<出版社HP> <アマゾン> <楽天ブックス>
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『 徹底例解 ロイヤル英文法 改訂新版 』 ↑
■ レビュー Coming soon
綿貫 陽 (改訂・著) マーク・ピーターセン (英文校閲)
旺文社、 2000年刊
B6判、 896頁
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『 表現のための 実践ロイヤル英文法 』 ↑
■ レビュー Coming soon
綿貫 陽、 マーク・ピーターセン (共著)
旺文社、 2011年刊、【「暗記用例文」音声CD2枚つき 】
本冊 A5判、 728頁 + 「暗記用例文」別冊 A5判、 48頁
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『 英文法解説 改訂三版 』 ↑
■ レビュー Coming soon
江川 泰一郎 (著)
金子書房、 1991年刊
A5判、 568頁
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『 英文法の核 』 ↑
■ レビュー Coming soon
西 きょうじ (著)
東進ブックス、 2016年刊、【「例文」音声CD1枚つき】
本冊 B6判、 420頁 + 別冊 B6判、 60頁
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『 カラー改訂版 世界一わかりやすい英文法の授業 』 ↑
■ レビュー Coming soon
関 正生 (著)
KADOKAWA、 2018年刊
A5判、 272頁
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『 英文法 TRY AGAIN! 改訂版 』 (※) ↑
■ レビュー Coming soon
山口 俊治 (著)
語学春秋社、 2014年刊
A5判、 572頁
(※) 写真は、2002年刊の「旧版」(A5判、557頁)。
上記は「改訂版」の情報。– 末尾に「索引」が追加され、
用紙がなめらかになった。 頁番号まで完全一致ゆえ、
手持ちの旧版に「改訂版」の「索引」を貼り付けて使用。
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『 英語ライティングルールブック 第3版 』 ↑
■ レビュー Coming soon
デイビッド・セイン (著)
DHC、 2019年刊
A5判、 400頁
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『 英文法用語の底力 』 ↑
■ レビュー Coming soon
田上 芳彦 (著)
プレイス、 2015年刊
四六判、 228頁
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『 法助動詞の底力 』 ↑
■ レビュー Coming soon
安武内 ひろし (著)
プレイス、 2017年刊
四六判、 214頁
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『 英語の冠詞がわかる本 改訂版 』 (※) ↑
■ レビュー Coming soon
正保 富三 (著)
研究社、 2016年刊
四六判、 180頁
(※) 写真は、1996年刊の「旧版」。
2016年に「改訂版」が出ていたが、気づかなかった。
上記は「改訂版」の情報。
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『 aとtheの底力 』 ↑
■ レビュー Coming soon
津守 光太 (著)
プレイス、 2008年刊
四六判、 208頁
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『 英語の複数と冠詞 』 ↑
■ レビュー Coming soon
小泉 賢吉郎 (著)
ジャパンタイムズ出版、 2020年刊
四六判、 240頁
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『 これならわかる! 英語冠詞トレーニング 』 ↑
■ レビュー Coming soon
石田 秀雄 (著)
DHC、 2012年刊
四六判、 197頁
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『 科学論文の英語用法百科 第2編 : 冠詞用法 』 ↑
■ レビュー Coming soon
グレン・パケット (著)
京都大学学術出版会、 2016年刊
菊判、 326頁
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『 英文法「例外」の底力 』 ↑
■ レビュー Coming soon
田上 芳彦 (著)
プレイス、 2018年刊
四六判、 214頁
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『 英語の歴史から考える英文法の「なぜ」 』 ↑
■ レビュー Coming soon
朝尾 幸次郎 (著)
大修館書店、 2019年刊
四六判、 268頁
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『 英語教師が知っておきたい日本語のしくみ 』 ↑
■ レビュー Coming soon
高嶋 幸太 (著)
大修館書店、 2019年刊
四六判、 208頁
<出版社HP> <アマゾン> <楽天ブックス>
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<レビュー> Coming soon
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◆ 以上、21冊。
今後も、追加予定です。
めぼしい英文法書を読破しまくる、飽くなき野望、
もとい「 ライフワーク 」に目覚めてしまいました。
◇ 「英文法の参考書」 連載