Comfortable in one's own skin
2024/12/03
ありのままの 〇〇 自身 で心地よい
インタビュー記事などで、 比較的よく見かける。
自己啓発トピックでは、 安定した人気を誇る一大テーマ。
検索するとわんさと現れる。
今月発表の記事も、 即座にヒット。
例えば、
- ” Feeling Comfortable in Your Own Skin ”
2018年10月1日付
– ” Tips for Being Comfortable in Your Own Skin “
2018年10月1日付 ※ リンク切れ
–” Get Comfortable in Your Own Skin “
2018年10月11日付 ※ リンク切れ
ー
◆ 人生訓 として引用されることも珍しくない。
名うてのセレブを男女1名ずつ挙げると、
- I think that finding joy is probably tantamount to
finding yourself and being comfortable in your own skin.
モーガン・フリーマン ( 米俳優 1937- )
http://www.indielondon.co.uk/Film-Review/the-bucket-list-morgan-freeman-interview( リンク切れ )
2008年頃
※ ” tantamount to ” = ~ も同然である
–
–
- Beauty, to me, is about being comfortable in your own skin.
グウィネス・パルトロウ ( 米女優 1972- )
http://www.stylebarista.com/beauty-comfortable-skin-kick-ass-red-lipstick-gwyneth-paltrow/
2017年頃
–
月並みの言い回しなのに、2018年10月現在、
主要な英英辞典に掲載なし。
奇怪である。
英和辞典も同様。
ー
有名どころでは、 『 英辞郎 on the WEB 』
に載っている。
–
–
■ ” comfortable in one’s skin ”
–
《be ~》ありのままの姿でいて心地良い[いる余裕がある]
–
〔表現パターン〕” comfortable in one’s (own) skin ”
–
https://eow.alc.co.jp/search?q=%22+comfortable+in+one%27s+skin+%22
–
–■ ” comfortable enough in one’s own skin “
–
《 be ~ 》あるがままの自分でいることに
満ち足りた気持ちを持っている[ 十分満足を感じている ]
–
https://eow.alc.co.jp/search?q=comfortable+enough+in+one%27s+own+skin
–
※ 2024年3月1日 アクセス
–
3大学習英英辞典( EFL辞典 )を含む、いつもの英英紹介は不可能である。
代わりに、オンラインの ” Wiktionary ” より語釈をご案内したい。
EFL辞書に比べて信用性は検証されていないものの、 少なくとも
本件については、 一定水準に達していると考える。
–
–
■ ” comfortable in one’s own skin “Adjective
( idiomatic ) Relaxed and confident in one’s manner of presenting oneself
and interacting with others; conveying the impression that one has a clear,
satisfying understanding of one’s own abilities and situation.
Alternative forms:
comfortable in one’s skinSynonyms:
natural,
self-assuredhttps://en.wiktionary.org/wiki/comfortable_in_one%27s_own_skin
◇ ハイライトは引用者
–
※ 2024年3月1日 アクセス ( 発音入り )ー
※ 「 ウィクショナリー 」
wiki を使った参加型プロジェクト。 多言語の多機能辞典を目指す。
–
先の 『 英辞郎 on the WEB 』 と等しく、
形容詞 ” own ” 抜きの代替表現も明記している。
–
◆ ” own skin ” は「 自身の皮膚 」なので、
直訳は「 〇〇自身 の皮膚の中で心地よい 」。
所有格 〇〇 は、複数よりは単数が一般的( 後述 )。
何気に エロい が、 そうでない。
–
当人が、 今の自分に満足している 状態 を表す。
その人らしい、ありのままの様子
傍から見ても < 自然体 >であることがポイント
そのため、原則は ポジティブな表現 とされる。
–
上掲 ” Wiktionary ” の同義語( synonyms )にも、
” natural ” ( 自然体 ) と記載されている。
「 状態 」 を示すから、形容詞 句である。
同じく、” adjective ” ( 形容詞 ) とある。
【発音】 ǽdʒiktiv
【音節】 ad-jec-tive (3音節)
–
見苦しい程度の過度な自己愛( narcissism ) や 自己満足
( self-complacent ) は対象外。
作為的な要素も、 趣旨にそぐわない。
総じて好意的に使われる言葉。
–
■ ” one’s ” とは、「 誰々の 」。
【発音】 wˈʌnz
【音節】 one’s (1音節)
–
” one’s ” には、 通常は人称代名詞 ( personal pronoun )の
所有格 ( possessive )を入れる。
すなわち、 次のいずれか。
- my 私の
- your あなたの
- his 彼の
- her 彼女の
- their 彼らの
- our 我々の
- its それの
” one’s ” は、所有格の代表形 として、
辞書などで起用される。
具体的には、 不定代名詞( an indefinite pronoun )
” one ” の所有格が ” one’s “。
上記の所有格を代表する。
–
いわば、所有格のワイルドカードとして使われる。
–
◆ 表題 ” comfortable in one’s own skin ” では、
単数の所有格 を入れるのが 一般的。
人称代名詞であれば、” my “、” his “、” her ” を基調とする。
複数 ” they ” の所有格 ” their ” でも問題はないが、
単数 ” my “、” his “、” her ” の方がずっと目立つ。
複数 ” their ” の場合も、” skin ” は単数が通例。
–
◆ 所有格 ( possessive )により、 中身は二分される。
- 自分 ” my ” の心情
–
→ 自分を受容 ( self-acceptance ) し、
心安らかな ( peace of mind ) 現在を吐露
– - 身近な他者 ” his “、” her “、” their ” の様相
–
→ 伸びらかで幸せそうな知人の有様を描写
–
他者の場合、 本当に心地よいか分からない。
あくまでも、 表現者が推察した内容となる。
複数人であれば、 なおさらである。
複数 ” they ” よりは、 単数の方が普通と先述した理由である。
それでも、日常的に接していれば、普段の言動と雰囲気から
概ね感じ取ることができたりもする。
そもそも、 よく知らない人には適用しない表現である。
–
ー
◆ 引き続き、単語と文法を見ていく。
■ ” comfortable “
ー
形容詞のみの単語。
語源は、 アングロフランス語 「 慰めとなる 」
( confortable ) ← ” m ” ではなく ” n ”
【発音】 kʌ́mftəbl
【音節】 com-fort-a-ble (4音節)
4音節で、 初っ端の第1音節に強勢 ( 強さアクセント )。
基本的意味は、
- 心地よい
- 気持ちよい
- 気楽である
- 心休まる
” comfortable ” は、 形容詞なので 「 状態 」 を表す。
–
◆ 軽妙な省略形が、 形容詞 ” comfy “.
【発音】 kʌ́mfi
【音節】 com-fy (2音節)
▼ 名詞と記す大辞典もあるが、 ” comfy ” も通常は形容詞。
接尾辞 ( suffix ) ” y ” をつけて 「 現代俗語調 」 ( 下記の新英和6版 )。
–
–
–
『 研究社 新英和大辞典 第6版 』
研究社、 2002年刊 ( ロゴヴィスタ アプリ版 )
… ” -y2 ” の語釈より※ 下線は引用者
–
以下、 全文。
–
–
https://www.etymonline.com/search?q=comfy
–
※ 2024年3月1日 アクセス
–
形容詞 ” colloquial ” は、 「 口語の 」 「 話し言葉の」。
–
【発音】 kəlóukwiəl
【音節】 col-lo-qui-al (4音節)
- a comfy sweater
( 着心地のよいセーター )
– - a comfy room
( 居心地のよい部屋 )
【参照】 ” I don’t feel comfortable. ” ( 適切だと思いません。)
–
–
■ ” own ”
ー
形容詞・他動詞・自動詞( まれ )がある。
語源は、 古英語 「 所有された 」( āgen )。
【発音】 óun
【音節】 own (1音節)
日常的に頻出なのは、 形容詞 「 自身の 」「 自身で 」及び
他動詞 「 所有する 」。
ここでは形容詞で、 所有格( one’s )の直後に置き、「 〇〇自身の 」。
主に 単数の所有格( ” my “、” his “、” her ” ) が該当する点は既に述べた。
ー
さらに、 ” own ” 抜きの表記も上記辞書で確認してきた。
このフレーズの ” own ” は、
所有格の直後に置き、 所有・関係 を
強調する < 強意 > の形容詞 ” own “
–
< 強意 > の機能なので、 AI校正を施すと、 冗長として削除されかねない。
別稿 ” on one’s terms ” の 形容詞 ” own ” も、 < 強意 > ゆえ省ける。
対して、 ” To each one’s own. ” や ” You are on your own. ” の形容詞
” own ” は省略できない。
–
■ ” skin “
ー
名詞・他動詞・自動詞がある。
語源は、 古ノルド語 「 皮 」( skinn )。
【発音】 skín
【音節】 skin (1音節)
基本的意味は、 どれも語源に忠実。
すなわち 「 皮 」 から連想できるもの中心。
表題では、 名詞 「 皮膚 」。
最も基本的な語義だが、 可算と不可算を兼ねるのが特色。
ちなみに 「 スキンシップ 」 は和製語。
–
–
この意味合いの英語は、
” personal contact ” や ” physical contact “。
” skinship ” は、 医学用語の「 皮膚感覚 」を指す。
ついでに触れると、 避妊具 「 スキン 」 も和製語に準じる
感がある。
英和大辞典で ” skin ” を引くと、こんな扱い。
–
- 新英和大辞典 第6版
→ 《 卑 》 スキン(condom)
– - ランダムハウス英和大辞典 第2版
→ 《 卑× 》 コンドーム、 スキン
– - ジーニアス英和大辞典
→ 《 俗 》 コンドーム
–
” skin ” と言えば 「 皮膚 」。 これが英語の一般認識。
ところが、 手元の 国語辞典5点 の 「 スキン 」も、
「 コンドーム 」 を語義にすべて含むから混乱する。
1969年に、 オカモト( 当時「 岡本理研ゴム 」 )が発売した
コンドーム 「 スキンレススキン 」。
今なお健在の、 人気 シリーズ 商品である。
この商品名が、 避妊具 「 スキン 」 の全国普及に拍車をかけた。
” Skyn ” とつづるメーカーもある。
–
「 コンドーム 」 「 ルーデサック 」 「 衛生サック 」と比較すると、
なるほど 「 スキン 」 の語感が最も親しみやすい気がする。
–
なにせ 「 コンドーム 」 の語源は、 18世紀英王室の 医師の名前。
子音の強い 固有名詞で、 日本人には手ごわい発音。
子音についての日英比較は、 ” integrity ” で事細かに取り上げた( 図入り )。
【発音】 kɑ́ndəm
【音節】 con-dom (2音節)
とにかく、
日常英語での ” skin ” は、 避妊具の別称にならない
と覚えておく方が無難。
普段遣いには、” condom ” または ” rubber “( ゴム ) が適切。
【発音】 rʌ́bər
【音節】 rub-ber (2音節)
ともに、可算名詞の用法。
–
【参考】
・ ” get under (somebody’s) skin ”
—https://mickeyweb.info/archives/32972
—( ~ をいらいらさせる、 ~ を怒らせる )
・ 世界の「ゴム」の呼び方 ※ 外部サイト
—2021年8月21日付
◆ 以上、” comfortable “、” own “、” skin ” を見てきたが、
これらの3語に ” in ” と所有格を加えると、どうなるか。
- 形容詞 ” comfortable “( 心地よい )
- 位置の前置詞 ” in “( ~ の中で )
- 所有格 ( ○○ ) ” my “、” his “、” her “、” their “
- 形容詞 ” own ” ( 自身の )
- 名詞 ” skin “( 肌 )
まとめると 「 〇〇自身 の皮膚の中で心地よい 」。
転じて 「 ありのままの ○○自身 で心地よい 」。
所有格次第で和訳は変わるが、 意図は安定している。
定訳はないので、全体的なバランスを勘案して訳す。
なお、エロスと直接関係ない件は力説してきた通り。
にもかかわらず、 本来の意味をもじって、
性的な方面に流用する ケースは珍しくない。
もっとも、雑誌名など使用メディアからほぼ判別できるため、
心配無用 である。
◆ 前掲 『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』 で、
” skin ” の イディオムを調べると、
–
–
–
『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』
小学館、1993年刊 ( 物書堂 アプリ版 )
… ” skin ” の語釈より
–
イディオムとは、 「 慣用句 」「 成句 」「 熟語 」 。
【発音】 ídiəm
【音節】 id-i-om (3音節)
先ほどの所有格のワイルドカード ” one’s ” と
位置の前置詞 ” in “( ~ の中で )を用いて、
「 あるがままに 」 と記されている。
形容詞 ” comfortable “( 心地よい )を添えて、
やはり 「 ありのままの ○○自身 で心地よい 」
につながると考えられる。
‐
‐
◆ 大多数の人間にとって、 人生で最も難しい課題の一つは、
「 自分を受け入れること 」 ( self-acceptance ) であろう。
特に、 < 10歳代から30歳代 > は、 競争と試練の連続。
–
人によっては、つらいだけ の時代
–
私もそうだった。
敗北が続けば、「 ありのままの自分 」 など許せるわけない。
こんな自分なんか、 早くこの世から消し去ってしまいたい。
–
–
◆ 今、 激しい劣等感 ( inferiority ) と自己嫌悪 ( self-hatred )
それゆえの希死念慮 ( suicidal feelings ) などに
苦しんでいる、 お若い方たちに申し上げたいことが、 こちら。
–
◇ 納得の行く生き方を、 無我夢中で模索し、
–
自暴自棄を避け
–
正しい方法で、努力を積み重ねれば
–
なんとか 等身大の自分 を受容 ( accept )
できるように なってくる。
–
–
おまけに、「 短所 」込み で ( → ” accept imperfections ” )。
–
だから、 大丈夫。
そんなに焦らなくてよい。
–
悩みは、年齢に従い、変容していく
–
◆ 分かりやすい例としては、 中年期を迎えると、 男女不問
で外見上の悩みよりも、 健康管理に悩む割合がぐっと増える。
主な関心事は健康に移り、 ルックスの優先順位は下がる。
加齢によって、 はっきり言ってどうでもよくなってくる。
もう衰える一方だから、 執着を手離さなければならない。
一際目に立つ美男・美女ならば、 人一倍苦労する悲哀。
美醜はともかくも、 どうにか元気で生きてこられた幸運
を自覚し、 感謝と感激を噛み締める人も多いに違いない。
昔なら当たり前すぎて、 まったく見向きもしなかった恵み。
- 自己コントロールの効く、 健やかな体を今まで維持できた …
- 外観はもちろん大切だけど、 実は思ったほどでもなかった …
- 見てくれは、 同世代なら全員、多かれ少なかれ衰えてるし …
- そんなことより、 丈夫な心身の方がはるかに大事だったな …
周囲を見渡しても実感でき、 「 美人薄命 」 の真実が見えてきて、
ルックスに恵まれた人生は、 いいことばかりではないと感じ入る。
- ” Beauty is both a blessing and a curse.”
( 美貌は、恵みであると同時に呪いでもある。)
だいたいは次の流れ。
–
–
–
人生長く生きて実感した! 「 年を取ったんだな… 」 と思うこと!
https://www.youtube.com/watch?v=zMk0TX4ISN0
2023年10月31日付 ※ 動画全長 1時間36分33秒
–
よく聞くけど … ” おばさんになったら楽になるよ ” って本当ですか ?
https://www.youtube.com/watch?v=Aa_Xga6-dS0
2024年3月23日付 ※ 動画全長 14分24秒
–
還暦が語る人生の教訓 ! 人生で絶対知るべきこと10選
https://www.youtube.com/watch?v=HrAzBrkOKJE
2024年10月9日付 ※ 動画全長 32分52秒
–
ババアは気楽でマジ最高 ! おばちゃんライフ楽しんでる人あつまれー !
https://www.youtube.com/watch?v=4pGH9s8aTls
2024年10月29日付 ※ 動画全長 15分39秒
–※ 「 ガルちゃん 」 とは、 「 ガールズちゃんねる 」 の通称で、
インターネット上の 「 女子のためのおしゃべりコミュニティ 」
https://girlschannel.net/
–
–
ほとんどこうなる。
心配しないでよい。
若いと分からない。
–
【参考】 ※ 外部サイト
- the tragic objectification of a boy: björn andrésen
( 食い物にされた悲劇の少年 : ビョルン・アンドレセン )
https://www.youtube.com/watch?v=LIJLlgZKrOA
2023年11月01日付 ※ 動画全長 15分40秒
– - 大人たちに性的に食い物にされた “ 世界一美しい少年 ”
~ 『 ベニスに死す 』 ビョルン・アンドレセン
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/g35475943/born-into-a-whutering-family-bjorn-andresen-210216/
2021年2月16日付
– - Brooke Shields – The Price of Pretty
( ブルック・シールズ – 美貌の代償 )
https://www.youtube.com/watch?v=49CWffNu9bw
2023年1月19日付 ※ 動画全長 10分18秒 ( リンク切れ )
–
→ 別稿 ” no need ” で詳しくつづった ( 写真入り )
◆ 知名や財力ですらも、 時に考えものであったりする。
–
All fame is dangerous:
Good, bringeth Envy; Bad, Shame.( 名声はどれも危険。
良いことでは妬まれ、悪いことでは汚名を被る。) Thomas Fuller ( 1608-1661 )
トーマス・フラー
英国の牧師・歴史家
–
※ ” bringeth ”
–
→ ” bring ” の古語 「 三人称単数現在形直説法 」
( archaic third-person singular simple present
indicative form of ” bring ” )
–
【参照】 ” Household name ”
–
人間って、 面倒くさいわ。
–
◆ この辺りの心境の変化は、 自ら体感しない限り意味不明。
把握するにはとにかく生き続けて、 年輪を重ねる必要がある。
ありきたりに、 人生を旅に例えるとすれば、 月日をかけて、
生きてみなければ、 旅人の感情は分からないということ。
人生行路を出発して間もない若者が、 性急に決めつけるのは、
やや 時期尚早。
もはや自分を受け入れるしかない、 という加齢に伴う諦念
も影響するだろう。
しかしそれにも増して、自我むき出しで、がむしゃら戦った
若かりし頃の体験が、 後々豊かな落ち着きをもたらす。
ー
経験上、 こう思う。
自分をかすかに受け入れることができるようになってきた頃、
私は40歳代後半に達していた。
–
「 生きるって、 それほど悪くないかも … 」
Life is not that bad after all.
–
ふと、 こう感じ始めたのは、 生を受けて 半世紀を過ぎてから。
人生の残( ざん )を意識するにつれ、 ” life’s blessings ”
を慈しむ視点が、 おぼろげながら浮かび上がってきたのだ。
どう考えても、 折り返し点は過ぎ、 残りの人生 の方が短い。
くだらないことに、 うじうじ悩んでいる時間はもうない。
「 くだらないこと 」 どころでなかったために、 随分苦悩したはず
なのだが、 人生のカウントダウンが始まると、 いっぺんにぶっ飛ぶ。
陰気な悪感情にいちいちとらわれて、 悶々と過ごす余裕はなくなる。
「 全財産と若さを交換したい 」 と述べる富豪の切望が腑に落ちた。
自分の心境がどう変わっていくか、 じっくりと観察できるのは、
生きとし生ける者 ( all living things / all beings ) の特権。
–
それまで、 毎日、 死ぬことばかり考えていた。
「 生きることは、 きついことだらけ … 」–
「 生きることに、 私は向いてない … 」
最初の50年間は、 本気でこう信じていた。
–
The moment will arrive when you
are comfortable with who you are.
–
ありのままの自分を、 心地よく感じる時が、 きっとやってくる。
◆ 長年のしんどい戦いの果てに、
ようやく自分自身と折り合いをつけ、
現状に合点が行くようになっていく不思議。
–
–
Time works wonders.( 時のもたらす奇跡 )
( 時がすべてを癒す )
( 時間がすべてを解決する )
( 時間が薬 )
↓
時は偉大なり「 時の力 」
–
現実として、–
–
必ず 「 時の力 」 が働き、
物事は移り変わっていく
–
ずっと現状のままなんて、
ありえない。
–
万物逃れられないのが 「 時の力 」
–
思うに、
–
長期的に見れば、
人生はそこそこ帳尻が合っていたりする。
中高年の知人を見渡しても、
日頃の姿勢 が相応に反映された具合に、
ほどよく収まっている印象が強い。
–
【参照】 ” test of time ” ( 時の試練 )
–
これまで ” comfortable in one’s own skin ” の出てくる記事
を多数読み重ねてきたが、 確かにこの傾向を看取できる。
無論、 春秋に富む若い男女が理解するには無理がある。
生きてきた歳月が足りないから。
–
人智が及ばぬ 「 時間 」 の絶大な影響力–
なにもかも吹き飛ばす、強烈なパワーを秘める
–
若さゆえに、 想像できない。
「 長期的 」 の感覚がつかめない。
みじめな自分が、 永遠に続くと思い込んでしまう。
私もそうだった。
けれども、 実際には、 そんなことなかった。
若さが過ぎ去ってくれたおかげで、 私の心には安らぎが生まれた。
努力もしてきたが、 容赦ない加齢の方が格段にインパクトがあった。
年月の流れ・寄る年波は抗しがたく、 私の奮闘など木端微塵になる獰猛さ。
要するに、 年を重ねるだけで、 自然と変わっていくことが多いのが人生。
全員が一律に年食うから、 実は放っておいても、 形勢は変化していく。
–
–
それでも、 居場所を間違えず、 自分を大切に して踏ん張れば、環境はもちろん、 目上も自分も、 嫌でも変わっていく。
誰しも年を取るから。
時代は変わっていくから。
Everyone ages.
Time changes.
Every tide turns.
万物は流転する
… ヘラクレイトス Heraclitus ( 紀元前540頃 – 480頃 )
人の心も、 自分の心も変わっていくから、
人間関係は必然的に変わる。
今の見様は当てにならない。
否応なしに強引に変化する。
–No one is immune to the passage of time.
( 時の流れを免れる者はいない。)
–したがって、 そんなに焦らなくて大丈夫。
10〜30歳代の自分に語りかけたいことがあるとすれば、
「 状況は変わっていくから、焦るな。 」
どうせ変わるのだから、 頭ごなしに決めつけなくてもOK。
–
年齢を重ねると過去は違って見えて、 過去の印象は変わる。
単なる記憶の薄れ ・ 妄想補完 ・ 「 思い出補正 」 ではないと感じる。
思うに、 人体の衰えが主要因で、 甘酸っぱい感傷の入り込む余地は微小。
移り変わりの仕組みが、 若い肉体を持つ人間に分からないのは当たり前。
–
–
” toxic relationship “ より
–
大雑把に言えば、 ところてん式に、 どんどん年配者は去っていく。
職場からはもちろん、 地球上から跡形もなく永久に消えてしまう。
” Out of sight, out of mind. ” で見えないものは忘れ去られる。
冷たいのではなく、 おそらく人間の摂理 ( human nature )。
–
「 まあ、 そういうもんだ … 」 とすとんと受容に至るのが中高年。
顔見知りの長老がばたばた死んでいき、 訃音が日常に加わる ためか、
心ならず見慣れ、 皆こんな風に変わっていくから、 焦らなくてOK。
「 悩みは、 年齢に従い、 変容していく 」 とは、 こういう感触。
平時を生きる若者であれば、 遠い未来の話で、 ちんぷんかんぷん。
若くて元気なので、 様変わりする世相の転変を思い描くのは困難。
だからこそ、 みじめな自分が、 永遠に続くと思い込んでしまう。
私もそうだった。
–
–
中年を迎えると、 なんとなく落ち着いてきて、 楽になってくる。–努力が報われたというより、 老いて達観、 死生を超越する模様。–無尽蔵な体力・気力を誇負した、 無我夢中の若い時分は遠い昔。
–
年若いことは、 残酷でもある。
この意味で、 中高年にこそ似つかわしい 「 人間の円熟 」 を示す
表現であると考えられる。
- 若い時分の厳しい苦闘が、 静かな自信として報われた結果
- 生きてきた勇気へのご褒美
- 勝ち負けを超越した平らかな境地
それが ” comfortable in one’s own skin ” なのかもしれない。
–
ここでもう一つ考えねばならないこと、それは、子どもの絵と、
すぐれた芸術家の作品 との根本的なちがい についてです。
子どもの絵は、たしかにのびのびしているし、いきいきした自由感があります。
それは大きな魅力だし、
無邪気さにすごみさえ感じることがあります。 しかし、
よく考えてみてください。 その魅力は、 われわれの全生活、
全存在をゆさぶり動かさない。 ー なぜだろうか。
子どもの自由は、 このように戦いをへて、 苦しみ、
傷つき、その結果、獲得した自由ではないからです。当然 無自覚であり、
さらにそれは 許された自由、 許されている間だけの自由です。
–だから、力はない。 ほほえましく、楽しくても、無内容です。
–
『 今日の芸術 』 岡本太郎 ( 1911-1996 )
第5章 芸術はすべての人の創るもの「 子どもと絵 」
◇ 1954年に光文社より刊行されたベストセラー
( Wikipedia )
※ 引用者により、 改行・色・太字・ハイライトは調整済み
ー
【参照】
- just a phase
- estranged
- toxic relationship
→ 毒親 ( toxic parents ) からの解放 ( emancipation ) を詳述
–
–
長く生きると感知するが、 完全オリジナルな難儀はめったにないのが人間界。煩悶自体は個人的だが、 似た悩みは過去に先人が解き明かしてくれている。
なんらかの共通要素があり、 解決の道筋を学び取れること請け合いである。
根強い動機を元手に、 生の英語を身近に引き寄せ、 ついでに習得しておけ。
–
–
” Toxic relationship “ より
【類似表現】
【参考】 ※ 外部サイト、 英文
・”Two Simple Tricks to Be More Comfortable in Your Own Skin”
ーー2009年12月3日付
・”Being Comfortable in One’s Own Skin: Ugh”
ーー2010年12月6日付
・”Top 10 Ways to Be Comfortable in Your Own Skin”
ーー2012年1月11日付
・”How to Become a Woman Comfortable in Her Own Skin”
ーー2014年5月12日付
・”The Best Kept Secret to Feeling Comfortable In Your Own Skin”
ーー2015年4月25日付
・”How to be comfortable in your own skin… be brave, be vulnerable.”
ーー2015年5月11日付
・”15 Ways To Feel More Comfortable In Your Own Skin Every Day”
ーー2016年7月9日付
・”HOW TO FEEL COMFORTABLE IN YOUR OWN SKIN”
ーー2017年4月10日付
・”6 Ways to Feel Comfortable in Your Own Skin”
ーー2017年5月18日付
・”How I learned to be comfortable in my own skin”
ーー2017年8月28日付
・”I’m Finally Learning How To Be Comfortable In My Own Skin”
ーー2018年1月3日付
・”How to Be Comfortable in Your Own Skin (with Pictures) ”
ーー2018年2月3日付
・”15 People Who Are *Too* Comfortable In Their Own Skin”
ーー2018年2月6日付
・”How to be Comfortable in Your Own Skin – The Good Men Project”
ーー2018年5月1日付
・”How To Be Comfortable In Your Own Skin”
ーー2018年5月20日付
・”Top Tips for Feeling Comfortable in Your Own Skin”
ーー2018年9月28日付
時は移ろう。
そう焦るな。
–
–
–
『 道をひらく 』 松下幸之助 (著)
PHP研究所、 1968年刊
<出版社HP> <アマゾン> <楽天>
–
※ 松下電器産業( 現 パナソニック )
の創設者( 1894-1989 )
日本が無理なら、 海外を目指せ
–
そのためにも、 英語を身につけておくとよい。
–
–
【参考】 ※ 外部サイト
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https://www.henleyglobal.com/passport-index
2023年4月
海外でダメなら、 戻ってこい。
その頃には、 いくらか潮目が変わっている
Time changes. Every tide turns. Everyone ages.
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一度、 海外に滞在してみるとよい。
わずか数日間であっても、 心境を含め、 以前と変わるものはある。
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行く価値は十分ある。
世界は でかい
万物逃れられないのが 「 時の力 」
No one is immune to the passage of time.
世界屈指の自由を誇る 「 日本人 」。
相対的な信用度も高い。
享受できる権利 を活用すべし。
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https://www.youtube.com/watch?v=9beMtUKgf0Y
2023年11月29日付
( 動画全長 11分49秒 )–
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https://www.asahi.com/articles/ASS6X2T4XS6XULLI00HM.html
2024年7月1日付
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