可能な限り、 できる限り
堅めのビジネス文書でよく見る 「 4語ワンセット 」。
文頭・文中・文末を問わない。
主な定訳は、
- 可能な限り
- できる限り
- できるだけ
- できる範囲で
- 可能な範囲で
” to the extent possible ” をご紹介する理由は、
使いやすく、 応用範囲が広いから。
後述の表現と異なり、 個別具体的な形容詞や副詞、
活用形、 時制などを考える必要はない。
「 4語ワンセット 」 で済んでしまうのである。
–
◆ こうした強みは、次の2つに共通する。
-
as follows
( 以下の通り ) -
to what extent
( どの程度まで )
–
主に文書で使うが、 いずれも < ビジネス慣用句 >
で、筆舌不問が原則。
カジュアルトークには、 やや場違いだが、
ビジネストークでは、 違和感はない感じ。
日常用途であれば、 次の類似表現の方が一般的。
–
< 「 可能な限り 」 「 できるだけ 」 の主な英訳 >
- as far as possible
- as much as possible
( できる限り )
–
– - as ______ as possible
–
下線 = 形容詞・副詞・形容詞を伴う名詞
–
【例】
・ fast ( できるだけ速い )
・ large ( できるだけ大きい )
・ long ( できるだけ長い )
・ many ( できるだけ多い )
・ often ( しょっちゅう ) ※ 副詞
・ soon ( できるだけ速やかに ) ※ 副詞
・ thoroughly ( 徹底的に ) ※ 副詞
–
– - as ______ as practical
–
※ 下線 = 形容詞・副詞・形容詞を伴う名詞
※ 【例】 と同じ
※ 「 現在の条件で、実行可能な限り 」の意
–
– - the most ______ possible
–
※ 下線には形容詞
–
・ accurate ( できるだけ正確に )
・ thorough ( 徹底的に )–
–
ー
- as ______ as X can
- as ______ as X could
–
※ X = 主格、下線には形容詞
–
【例】 とほぼ同じだが、次の例外もある
–
best ( できるだけベストで )
△ as best as possible
○ as best as you can imagine
○ as best as I could run
–
– - as ______ as X possibly can
- as ______ as X possibly could
–
※ X = 主格、下線には形容詞
–
・ “I will study as hard as I possibly can.”
( できる限り頑張って勉強します。)
–
・ “Call me as soon as you possibly could.”
( できるだけ早めに私に電話して。)
–
– - as best X can
- as best X could
–
※ X = 主格
–
・ “He prepares as best he can.”
( 彼はできる限り準備する。)
–
・ “She answered their questions as best she could.”
( 彼らの質問に彼女はできるだけ答えた。)
–
– - to the best of Y ability
–
※ Y = 所有格
–
・ “I will cooperate to the best of my ability.”
( 自分に可能な限り協力します。)
–
–
- maximize / minimize
( 最大限にする ・ 最小限にする )
–
・ “I need to maximize the chances of
receiving a scholarship.”
( 奨学金受給の可能性を最大限にする必要がある。)
–
・ “We want to minimize the likelihood
of food poisoning.”
( 食中毒の可能性を最小限に抑えたい。)
ー
◆ 日本語は「 できるだけ 」で済むが、英語の場合、
ざっと挙げても数多い。
ほとんどが基本で、中級学習者 であれば、
一度は目にされたことがあるはず。
「 できるだけ 」の意味が漠として、厳密さを欠くため、
言い回しが多彩に広がったとも考えられる。
ー
ー
◆ < 程度 > 表現は、 一般実務でも多様性に富む。
ー
国家行政の場でも、混迷している模様。
一例を挙げると、
ー
「 できるだけ速やかに 」
カナダ政府の規定する連邦法( Federal legislation )
で採用されている表現の代表格 がこちら。
- as soon as possible
- as soon as practicable
- as soon as reasonably practicable
- as soon as practical
- forthwith ※ 直ちに( 副詞 )
- immediately ※ 至急に( 副詞 )
- without delay
- within __ days
現在、標準化と統一を目指している様子だが、
推奨または努力義務の段階にとどまっている。
–
【 出典 】 カナダ司法省
“ Describing Time Periods ”
https://canada.justice.gc.ca/eng/rp-pr/csj-sjc/legis-redact/legistics/p1p33.html
Date modified : 2024-02-27
–
◆ 表現の標準化は、 産業分野を問わず課題となる。
長年、 産学官軍を 渡り歩いて きたが、 どの組織も
「 用字用語の統一 」 に手を焼いていた。
–
【参考】 ※ 外部サイト
統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール ( 総務省 )
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukatsu01_02000186.html
2020年12月18日
【PDF】
https://www.soumu.go.jp/main_content/000723626.pdf
※ PDF 全22頁、 875KB
–
弊サイトで何度も触れているように、
人間の 感覚 には、 驚くほど差がある。
言語や文化が異なると、 なおさらだ。
ある程度の 見解の一致 が望めなければ、
円滑に実行できず、 運用に支障が出る。
ー
とりわけ、 時間感覚 に違いがあるのは確実。
ー
この意識の差異の厄介さは、 繰り返し取り上げてきた。
私自身が、 もう散々な目に遭ってきているからである。
例えば、 以下でご説明している。
仕事で「 できるだけ速やかに 」と命じられれば、
「 当日中 」と構える人も、「 今週中 」と考える人もいる。
「 今月中 」もありうるだろう。
個人差が目立つとはいえ、 おいそれと修正しようがない。
したがって、 事前に明確な日時を取り決めておかないと、
泣きを見る。
「 異文化理解力 」 をもろに試されるのが、 時間の認識である。
ー
ー
◆ 表題の 「 できる限り 」 も似たようなもの。
ー
努力の度合いの物差しは、人それぞれ。
ー
ことによると、「 できる限り 」の含むあいまいさに乗じて、
自分に都合よく解釈し、 サボることもできる。
そのため法律では、 定義を明文化したり、 判例を適用したりして、
基準に一定の拘束力をもたせて、 あいまいさを排除
–
こうした機能が期待されている。
厳格な法的効力を発揮する条文や契約書では、 用語の定義を明確化・
統一化することで、 「 前提 」 を固める。
そのための 「 定義条項 」 ( definitions ) は、 英文契約書の場合、
たいてい冒頭に置く。
前提の約束事は、 文書の最初に載せる方が構成上便利だからである。
各人各様の解釈の余裕を排し、 食い違いを予防する効果がある。
–
–
◆ しかし、 実際の英文契約書において、
” to the extent possible ” を使うことはままある。
狙いは、この文言を挿入することにより、
■ あえて不明瞭にしておき、 履行責任を回避する。
–
■ たとえ履行できなくとも、契約上の不履行
としての 賠償責任を負わない ようにする。
ー
■ 「 できる限り 」のことさえ実行すれば、
基本的に 契約違反を問えなくなるようにする。
–
◆ 再度掲げると、” to the extent possible ” の
一般ビジネス用法は、
- 可能な限り
- できる限り
- できるだけ
- できる範囲で
- 可能な範囲で
◇ “ to ” は、 範囲の前置詞 「 ~ まで 」。
◇ “ extent ” は、 不可算名詞 のみの単語。
【発音】 ikstént
【音節】 ex-tent (2音節)
–
ラテン語 「 広げる 」( extenta ) が語源。
–
■ ” extent ” の基本的意味は、
「 広さ 」 「 大きさ 」 「 長さ 」 「 量 」
さらに、
「 範囲 」 「 限度 」
「 程度 」 を 概ね網羅
–
◆ 冠詞は、 程度が規定されていれば、 定冠詞 ” the “。
「 ある 」 程度 なら、 不定冠詞。 → 後述
表題は「 可能な限り 」なので、 限度いっぱい。
すなわち、 これ以上はありえない、 ぎりぎり限界の べスト
だから、「 唯一 」。
最高 ゆえに、「 唯一 」。
「 ある 」 程度みたいな、 選択の余地なし。
事実上規定された 「 唯一 」 のため、 定冠詞の ” the “。
–
【類似表現】
■ to the extent allowed by laws
—( 法律が許す範囲内で )–
■ to the extent feasible
—( 実行可能な範囲内で )
–
–
◇ ” possible “ には、形容詞と名詞がある。
【発音】 pɑ́səbəl
【音節】 pos-si-ble (3音節)
–
語源は、 ラテン語 「 なされ得る 」( possibilis )。
ここでは、 形容詞 「 可能な 」「 実行できる 」。
目安として、 ” possible ” は、 公算が 50% 以下 。
50% 超であれば、 ” probable ” または ” likely “。
–
probable = likely > possible
50%超 50%以下
–
この根拠は、米国の『 ブラックス法律辞典 』。
判例などに最も引用される辞典である。
1891年刊で、130年以上の歴史を誇る。
英米法を学ぶ学生で、知らない者は皆無レベルの 存在感。
1990年刊の「 第6版 」には、こうある。
-
” probable “
Having the appearance of truth.
( p. 1201. ) -
” likely “
probable.
( p. 925. )
-
” possible ”
free to happen or not; the word denotes improbability,
without excluding the idea of feasibility. It is also
sometimes equivalent to ” practicable ” or ” reasonable “.
( p. 1166. )“ Black’s Law Dictionary, 6th Edition ”
(West Publishing Co. 1990). より抜粋
–
◆ その後、 およそ四半世紀を経た 「 第10版 」及び「 第11版 」
に至ると、 形容詞 ” possible ” は、 大見出しから消えている。
第10版は、 2014年刊。
–
–
” possible ” の代わりに、 最も近いと考えられる
名詞 ” possibility ” をご案内。
–
-
” probable “
having more evidence for than against.
( p. 1395. ) -
” likely “
probable.
( p. 1069. ) -
” possibility “
the word often ( but not always ) conveys
a sense of uncertainty or improbability.
( p. 1353. )“ Black’s Law Dictionary, 10th Edition ”
(Thomson Reuters 2014). より抜粋
第11版は、 2019年刊。
–
( Amazon Japan / Amazon US )
–
-
” probable “
Likely to exist, be true, or happen.
( p. 1454. )
-
” likely “
Apparently true or real; probable.
( p. 1113. )
-
” possibility “
the word often ( but not always ) conveys a sense
of uncertainty or improbability.
( p. 1410. )“ Black’s Law Dictionary, 11th Edition ”
(Thomson Reuters 2019). より抜粋
” likely ” は、ここでは副詞でなく、どれも形容詞。
–
◆ もっとも、 ” possible ” が 「 50% 」 を含むか否かは、
解釈が割れる。
『 ジーニアス英和大辞典 』 は、
「 起る公算が 50%より小さい と話し手が考えている場合 」
と記す。
–
–
–
『 ジーニアス英和大辞典 』
大修館書店、 2001年刊 ( ロゴヴィスタ アプリ版 )
… “ possible ” の語釈より
<大修館書店HP>
–
つまり、 ” possible ” は、 公算が 50% 未満 とする説を採用。
–
◆ ” to the extent possible ” の和訳は、 大して難しくない。
定訳があるため、 その通り当てはめればよい。
それより英文が問題。
本当に使いやすく、 応用範囲が広いのか、 これから見ていこう。
–
- “I hope you will take advantage of this website
to the extent possible.”
(このサイトをできる限り活用していただければ幸いです。)
–
- “I will accept your suggestions to the extent possible.”
(皆様のご提案をできるだけ取り入れます。)
– - “I’ll get back to you quickly to the extent possible.”
(できるだけ迅速にご返信いたします。)–
– - “To the extent possible, I will take good care of
your personal information.”
(可能な限り、皆様の個人情報を確実に管理いたします。)
–
—–どうぞ よしなに
–
- “She took care of the dog to the extent possible.”
(彼女はその犬の面倒をできる限り見た。)
– - “Make sure your requests meet their requirements
to the extent possible.”
(ご要望はできるだけ彼らの条件を満たすようお願いします。)–
—
- “He is advised to refrain from visiting the country
to the extent possible.”
(できるだけその国に行くなと彼は言われている。)
—
- “Face masks shall, to the extent possible, be worn
at all times.”
(マスクを可能な限り常時着用すること。)
–
◆ このような英文を見ると、文体の堅さ を感じる。
–
上掲リストの ” as much as possible ” などに比べて堅苦しい。
「 可及的速やかに 」 に似通うくらい堅い。
–
ビジネス場面では堅めの文体の方が適切 だったりする。
【参照】
先述の通り、カジュアルトークには不似合いでも、
ビジネス用途ならば普通。
その観点から、やはり応用力と利便性は認められる。
–
たった4語。 ぜひ押さえておきたい。
ー
◆ なお、表題の発展編 がこちら。
–
日常使用では、意味することは大同小異。
–「 目一杯 」 の趣旨は同然。
■ to the fullest extent possible
■ to the greatest extent possible ※ 後述
■ to the maximum extent possible
■ to the maximum extent practical ※ 後述
→ 「 可能な限り 最大限 に 」
「 最高限度 」 までという具合。
より意欲的・積極的な勢いが加わる感。
「 極力 」の極み。
これらを上回る激越な調子は、 公文書にそう見当たらない。
ビジネス英語のうち「 最も深刻な表現 」の部類に属する。
和訳に手こずる。
翻訳会社や法律事務所などが担当する、 専門性の高い内容であれば、
社内規定の定訳がある場合が多い。
そうでないとすれば、素直に置き換えると、「 激甚 」「 激切 」「 凄烈 」
「 酷烈 」「 厳烈 」のごとく、 見慣れない日本語になってしまいがち。
不自然さを避けるべく、 ” to the extent possible ” と 一緒の和訳にすることも。
「 趣旨は同然 」なので、 通常の使い方であれば、 それで大丈夫だろう。
もしも、同一文書内に併用されていれば、区別して訳さなければ
ならないものの、 併用されているケースはあまり見たことない。
- “X ordered to shelter in place.
Residents should remain in their homes
to the maximum extent possible.”
(X地区に外出禁止令。 住民は、可能な限り自宅にいること。)
–
- “We will promote the use of telework
to the maximum extent possible.”
(弊社では、テレワークの利用を、可能な限り最大限に
促進していきます。)
– - “To the maximum extent practical,
employees should minimize the use of perfumes.”
(従業員は、香水の使用をできるだけ最小限に抑えること。)
–
【参考】 ※ 外部サイト
- 日本の弁護士による英文契約書用語の解説
” To the maximum extent permitted by law ”
( 法律によって許される最大の限度で )
–
◆ ” practical ” では、「 現在の条件で、実行可能な限り 」
の意味合いが強調される点は、既に述べた。
「 手近な手段によってなし得る 」 ということ。
普段使う際は、” possible ” や ” feasible ”
とさほど違わない印象である。
【発音】 prǽktikəl
【音節】 prac-ti-cal (3音節)
語源は、 ギリシア語 「 実行に適した 」( prāktikos )。
–
–
–
『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』
小学館、1993年刊 ( 物書堂 アプリ版 )
… ” possible ” の語釈より
–
■ to a reasonable extent
→ 「 常識の 」 範囲内で
表題のような 「 唯一の限界状態 」ではなく、
常識内の 「 ある 」 程度で、 選択の余地あり。
「 常識 」には、 多面的・相対的な見方があり、「 唯一 」 にあらず。
「 ベスト 」 の常識や 「 最高 」 の常識なんて、 なんともそぐわない。
唯一絶対の常識は、 そこそこ健全で平穏な人間社会には想定しにくい。
とりあえず、 まあまあ ゆとりがあって、 ぎりぎりではない。
だから、 不定冠詞の ” a “。
【発音】 ríːznəbl
【音節】 rea-son-a-ble (4音節)
語源は、 古フランス語 「 道理に適した 」( raisonnable )。
“ reason “( 道理 ) + ” able ” ( ~ に適した )の意味合い。
- reasonable → 実際的な場面における合理性・妥当性を強調
- rational → 高度に論理的な精神の働きで、感情的でない
■ to a great extent
→ 「 かなりの 」 範囲内で
「 常識 」 同様に、 「 かなり 」 は様々な解釈ができ、
「 唯一 」 にあらず。
「 かなり 」 が漠然としていることは、 日頃の使い道で分かる。
大まかで、 便利に大雑把なのが、「 かなり 」。
実は、 がばがばで、 ぎりぎりではない。
程度が 「 がばがば 」 で、 選択の余地あり。
だから、 不定冠詞の ” a “。
【発音】 gréit
【音節】 great (1音節)
語源は、 古英語 「 ( 価値・規模・数量・程度が )大きい 」( grēat )。
ドイツ語 ” gross “( 大きい ) と同語源。
量的大きさのみの “ large ” と異なり、 質的大きさも表現できる
点が ” big ” に重なるが、 ” great ” は、 もっと形式張っている。
–
■ to the greatest extent possible
がばがば ” great ” の末尾に、 最上級 を作る接尾辞 ” est ” を追加。
【発音】 gréitist
【音節】 great-est (2音節)
「 がばがば 」だったのに、 「 最上級 est 」で極めて厳しくなった。
限度いっぱい で、 これ以上はありえない、 ぎりぎり限界の
グレーテスト だから、 ベストで最高 ゆえに、「 唯一 」。
「 かなり 」 と異なり、 選択の余地なし。
よって、 定冠詞の ” the “。
- great
不定冠詞 → to a great extent
– - greatest
定冠詞 → to the greatest extent
例えば、 1名の「 野球史上最高の投手 」は、 並びないオンリーワン
なので、 名詞は単数形となる。
- ” the greatest pitcher in the history of baseball “
一方、 「 野球 史上最高の投手 のうちのひとり 」 ならば、
- ” one of the greatest pitchers in the history of baseball “
グレーテスト だから、 ベストで最高 ゆえに、 ” the “。
接尾辞 ( suffix ) の ” est ” が追加されているので、 ” the “。
–
ここまでは 【 基本の知識 】 である。
” est ” が、 必ず ” the ” とは限らない【 応用の知識 】は後出。
–
◆ 最初にご注意いただきたいポイントがこちら ↓
「 グレーテスト 」 や 「 ベストで最高 」は、 1名とは限らない。
「 同列1位 」 「 同点1位 」 「 同率1位 」 「 1位タイ 」 に似る。
「 グレーテスト 」 や 「 ベストで最高 」が、 うじゃうじゃいても、
全員を グレーテスト と評価して、 ” the “。
–
最上級の形容詞 ” greatest ” に随伴する ” the ” で、 数は無関係。
–
◆ ” one of – ” ( ~ のひとつ ) は、 単複が混乱しやすい。
中級前後の日本人学習者が、 とても苦手とする箇所である。
× ” one of the greatest pitcher in the history of baseball ”
このように間違える人が数限りないのだが、 ミスに気づけない。
上級者は即座に見抜く。
「 史上最高の投手 」 が複数名いるので、 複数形 ” pitchers “。
「 最高 」 「 グレーテスト 」 が何人もいるのは、 なんだか妙。
感覚的にはおかしい気がするが、 押し並べて横並びとみなせばOK。
「 同列1位 」 「 同点1位 」 「 同率1位 」 「 1位タイ 」
結果的に、 トップ級の 全員 を表す。
–
–
◆ 下記4文も同様で、 文法上は正しい。
- ” I have best friends.“
- ” They are my best friends.”
- ” He is one of my best friends.”
- ” I have a best friend.”
感覚的にはおかしい気がするが、
もし 「 最高の友人 」 「 親友 」 がたくさんいるならば、
全部ありうる。
–
–
–
画像の拡大
–
『 これならわかる! 英語冠詞トレーニング 』 pp. 170-173.石田 秀雄 (著)
DHC、 2012年刊
–
◆ 大学などの成績評価制度 ” GPA ” ( grade point average、
成績平均点 ) の最高点は通常「 4.0 」。
- 「 3.75 」 = graduate with highest honors( 最優秀で卒業 )
この 「 最優秀( highest ) 」 の優等賞は何人もの卒業生が獲得する。
各学校の方針によって若干異なるが、 全体の成績評価点の平均値次第
であり、 その多くは相対的なもの。
–
◆ 「 最後の手段 」 = ” the last resort ” と学ぶのが基本だが、
” a last resort ” もありうる。
「 最後の手段 」 と表現したい本人が、-tp
‐
–
ぎりぎり限界の ラスト とまでは思っておらず、「 今のところは 」 おそらく ラスト かも …
–
こんな風に考えている場合、 ” a last resort ” が出てくることがある。
「 ラスト 」 と言いつつ、 ” to a reasonable extent ” と同じく、
とりあえず、 まあまあ ゆとりがあって、 ぎりぎりではない。
だから、 不定冠詞の ” a “。
「 後がない、 本気で最後!」 と切羽詰まったなら、 定冠詞の ” the “。
◆ 要は、
冠詞は使い手の意図する気持ちで変わる時も珍しくない。
これぞ、 英語の冠詞の 【 応用の知識 】。
絶対的でないことは、 常日頃より英語を使っていれば、 自ずと察知する。
英語ネイティブに日々接し、 奇妙に思える冠詞を山ほど見聞きするから。
「 なんでここが ” a ” なんだ ? 」 こうして考察することで向上していく。
初学者・初級者が見過ごす論点を捉え、 疑問が浮かび上がるのが中級者。
不明点が増えて嫌気がさし、 おびただしい挫折者が氾濫するのも中級者。
◆ 2024年10月、 日本の法廷で ” a ” と ” the ” が取り沙汰された。
豪州国籍の被告人が犯行に用いた表現を問う東京地裁の 「 空耳 」 裁判。
–
–
ただ、弁護側の主張には疑念も残る。通常、 「 ドアに向かえ 」 と英語で言う場合、
「 一般的なドア 」ではなく、 「 特定のドア 」に向かうことを指す。文法的に言えば、 ドアに付く冠詞は「 a 」 ではなく「 the 」だ。
弁護側は、その点も踏まえて被告に質問。 被告は
「 ドアの場所を把握しておらず、一般論としてドアの方へ行って、
という意味だった 」 と説明した。口にしたのは、 あくまで 「 強盗だ 」 に聞こえる可能性があった
「 Go to 『a』 door 」だった、 との主張だ。
–
–
–
「 強盗だ!」は「 Go to a door!」? 前代未聞、豪州男「 空耳 」裁判の行方
https://www.sankei.com/article/20241016-K3KQC66G7BPGJDZOU5Y3TN7MEA/
2024年10月17日付※ ハイライト・太字・色字は引用者
–
ハイライトで示したように、 「 特定のドア 」 の場合、
文法的に言えば、 ドアに付く冠詞は「 a 」 ではなく「 the 」
これが基本。
しかしながら、 前記の通り、
–
冠詞は使い手の意図する気持ちで変わる時も珍しくない。
絶対的でないことは、 常日頃より英語を使っていれば、 自ずと察知する。
英語ネイティブに日々接し、 奇妙に思える冠詞を山ほど見聞きするから。
–
強盗の言い逃れとしてはどうかと思うが、 ” a door ” も割と耳にする。
地裁の公判で争点に上がること自体が、 「 絶対的でない 」 と物語る。
明らかな間違いの英語ならば、 検察・弁護・メディアはこう取り上げない。
英語中級者であれば、 冠詞の 【 応用の知識 】 として知っておきたい。
◆ 初学者・初級者は、 冠詞に時間をかけすぎてはならない。
中級学習者 は知る必要があるが、 初学者はざっくり押さえておけば事足りる。
この段階で、必要以上に深入りすると、「 英語嫌い 」になりがち。
やたらと目につく 「 例外 」 の数々に戸惑い、 頭が混乱してしまうから。
そのため、 中級 以上の実力に達してから、 舞い戻ってくるとよい。
–
そもそも 「 冠詞 」「 時制 」「 前置詞 」 などは、
初級レベルで 真に理解するには 無理がある。
–
英語の 「 全体像 」 がうっすら見え始めた中級学習者が、
ようやく把握できるようになってくる性質のもの。
–
–
上述の通り、 「 be動詞 」 は 「 極めて基礎に位置する 」 英語の必須知識。議論の余地はないが、 実は「 be動詞 」 を抜いても、 おおよそ趣旨は伝わる。
その証拠のひとつとして、 記事見出し ( headlines )・ 看板 ・ 掲示板 ・
格言 ・ 慣用句 ・ 常套句では、 「 be動詞 」 と 「 冠詞 」 を略すのが一般的。視認性を重視する指示・注意喚起と等しく、 簡潔明快を旨とするため、 英文法
の基本から逸脱する表記が少なくなく、 「 be動詞 」 と 「 冠詞 」 なしが普通。プロの手による文言とはいえ、 「 be動詞 」 と 「 冠詞 」 を省略 して世間一般
に公開され、 必要十分な情報伝達ができている。
–◇ 「 見出し 」 英語の解説は、 こちらが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方 ( 見出し編 ) RNN時事英語
–「 be動詞 」 がないと絶対通じない、 と神経質になりすぎないことだ。
大意は伝わるから、 学習者は英語の間違いをそんなに恐れないでよい。
日本人はむしろ、 英語を使わずじまいになる損失に、 神経質になるべき。
これこそ深刻な事態、 人生を費やし骨折り損のくたびれもうけに終わる。
–
–
” Please be aware that – “ より
–
–
◆ 上記では複数人を指すものの、
” the old “、 ” the poor “、 ” the weak “、” the sick “、 ” the vulnerable ”
” the rich “、 ” the needy ”
など、 形容詞を集団の複数扱いする、 「 ~ な人たち 」 とは別の用法。
「 ~ な人たち 」 の ” the ” の基本は、 次の通り。
–
–
–
『 ジーニアス英和大辞典 』
大修館書店、 2001年刊 ( ロゴヴィスタ アプリ版 )
… “ the ” の語法より
<大修館書店HP>
–
–
–
『 研究社 新英和大辞典 第6版 』
研究社、 2002年刊 ( ロゴヴィスタ アプリ版 )
… ” the ” の語釈より
–
◆ うじゃうじゃひしめく、” greatest ” な投手たち 全員 を指すため、
複数形になるのだが、 ” one ” に引きずられると、 単数形と間違える。
- ” the greatest pitchers ” = トップ水準のすごい投手たち
日本語でも、 「 史上最高の ◯◯ のうちのひとり 」 と表現することはある。
「 No.1 」 の断定には危険が伴うから、 この方が無難。
日本語の単複表現は、 それほど明解ではないため、 複数人のうちの1人は、
「 最高の投手たち のひとり 」 の代わりに 「 最高の投手 のひとり 」も可。
しかし、 英語は複数形 ” pitchers ” でないと間違い。
逆に、 下記の動詞( be動詞 ” is ” )が 単数用 になるわけは、
中級学習者 なら理解できるはず。
- ” One of the greatest pitchers in the history of baseball
is Mr. X. ”
–
(X氏は、 野球史上 最高の 投手たち のひとりである。)
(X氏は、 野球史上 最高の 投手 のひとりである。)
今度は、 ” one ” そのものを指すので、 呼応する動詞は ” are ” でなく、
単数 ” is ” 。
この用法の ” one ” は、 代名詞( a pronoun )。
具体的には、 漠然とした不特定 の人・物・数 を表す、
不定代名詞 ( an indefinite pronoun ) の ” one “。
この例文の不定代名詞 ” one ” は、 漠然とした不特定の 「 人 」。
” one ” の正体は「 Mr. X 」 → 1名だから、単数 ” is “。
- One of { the greatest pitchers in the history of baseball }
is Mr. X.
–
X氏は、 { 野球史上 最高の投手たち } のひとり である。
X氏は、 { 野球史上 最高の投手 } のひとり である。
–
X氏 ひとり だから、 is。
言い換えると、
- ” Mr. X is one of the greatest pitchers in the history of baseball.”
–
互角の Y氏 も加えると、
- Two of { the greatest pitchers in the history of baseball }
are Mr. X and Mr. Y.
– - ” Mr. X and Mr. Y are two of the greatest pitchers
in the history of baseball.”
複数形の代名詞 ” ones ” に比べて、 ここは ” two ” の方が自然。
◆ 英語に慣れてくると、 上記レベルの単複は使い分けられるようになる。
「 なんで、 こんなことに悩んでいたんだ … ! 」 と不思議に思うくらい、
すんなり使いこなせるようになる。
この種の知識は、 理屈が通っているため、 きちんと会得すれば忘れない。
言語によくある、 恣意的・気分的要素も排除されているから、 難しくない。
言語の世界は、 理論と運用の一致しない場面が少なくない が、これも非該当。
理論を学んだ後は実践。
「 生の英語 」 に接する機会を、 漸次増やしていく姿勢が大切。
教材ばかりやっていると、 「 使える英語 」 から遠ざかる
–
通じる英語から、 知らず知らずかけ離れていく、 几帳面で必死な勤勉さ。
まともに英語を使うこともなく、 教材やるだけで人生が終わってしまう。
教材大国ゆえか、 教本に依存したまま寿命が尽きる、 背筋の凍る未来像。
日本の教育業界の巧妙なあおりを真に受けて、 終始一貫、 教材尽くし。
英語教育産業の思う壺。
こういう日本人が大勢おり、 実にもったいなく、 もう悔しくてたまらない。
悲しく切なすぎる反面、 自ら回避できる非運なので、 酷に言えば意気地なし。
危機を察し、 いつまでも報われない 「 万年受験生 」 から素早く脱出すべし。
私たちが大好きで、 皆が目指す資格取得にも、 同様の弊害が見受けられる。
◆ 以下、 ” no need ” より再掲。
–
–
英語を盛んに使って仕事する実務家は、 TOEIC に構わない方が大半。天下に威勢を示す TOEIC の弊害を、 苦々しく受け止める人も目立つ。
高得点なのに即戦力から程遠い、 多数の社会人にお会いするとこうなる。
洋画どころか、 定例会議で聞き取れないのだから、 発言には至らない。
まるで冗談だが、 よくある実話。
ナレーターやキャスターら、 プロのしゃべりに慣れてはまる、落とし穴。
プロ音声と違い、 速度も口調も間合いも容赦のないのが、リアルな社会。
もごもごしてる間に、びゅんびゅん意見が飛び交い、スルーされてお終い。
敢えないものである。
一体、なにを試験してるのか、 との疑念と警戒心が沸き起こってくる。
「 TOEIC満点 」 と自惚れを口走れば、 笑い者にならぬとも限らない。
話題の糸口になりえないくらい、 皆一様に歯牙にも掛けない印象。
「 すごいけど、 よくそんなヒマあるな … 」 本音はこんな感じか。
「 録音相手に、 なにやってんのやら … 」 空しくならないのかねぇ。
生身の人間相手に勤しんでくれば、 人為的な匂いを敏感に嗅ぎ取る。
「 ごっこ遊び 」。
人間相手に英語を使う機会が増えてくると、 こう感じるようになる。
録音音声は模造品にすぎないと、 まざまざと実感できるようになる。
実際にやり取りして得る体験は、 試験とは別物であることが分かる。
容易に感づく。
試験と違い、 理解できなければ、 確認させていただくこともできる。
双方向のコミュニケーションが生じる瞬間であり、 生の英語の出番。
羨望の的となる 「 TOEIC満点 」 を誇負する振る舞いが、 大概の
実務家の目にどのように映っているか、 ご想像いただければと思う。
––
【参考】 ※ 外部サイト
- 「 TOEIC は実にくだらないですね 」
国立大の “ ギャル准教授 ” が日本の受験制度を破壊したい理由
天文物理学者 BossB 氏 インタビュー #2
https://bunshun.jp/articles/-/68931
2024年2月24日付–
◆ こういった内実はなかなか明るみに出ず、 世上には流布しない裏事情である。
教材や資格には「 中毒性 」があり、「 向学心 」を刺激するから気づけない。
教科書・問題集・試験 に親しんでいる日本人にとって、 これらは安堵を誘う。
知らぬ間に逸脱し、 あらぬ方向に突き進みがちな日本人学習者の痛ましき姿、
そして予防策は、 ” no need “ に事細かく記した。
→ 主として、 中級学習者 対象の長文 ( 動画入り )
英語教育業界と教材学習がもたらすリスクについても、 大胆に暴き出した。
–
日本は、 「 使えない英語 」マニア ・ 詐欺教材 ・ 詐欺師 だらけ。
–
「 ごっこ遊び 」 の延長かも。
もったいない …
◆ 以下、 ” hiatus ” より再掲。
–
–
正確な文法解説には、日英の文法に精通する高い学力 を要するため、
ネイティブ音声を吹き込んだ素材を売る方が、 手間いらずなのです。「 文法不要 」の背景には、 両言語の学識が浅すぎる実情がからむ。
日本語と英語の文法を、 ろくすっぽ知らないために、「 文法不要 」。
–
( 中略 )
–◆ 日本語に置き換えて眺めると、 べらぼうに
常識外れで、 噴飯物のおかしさが浮き彫りになる。
–「 聞き流すだけで、 日本語ペラペラ 」
「 文法不要で、 日本語マスター 」
「 ○○日間で、 日本語習得 」
「 動画を毎日○分見れば、 日本語堪能 」
「 ○語以内の文を覚えれば、 聞き取れる 」
「 聞くと、 突然日本語が口から飛び出す 」
「 たった○○のみで、 日本語は話せる 」
「 使えば、 ネイティブ発音が身につく 」
「 動画を見るだけで、 日本語脳になれる 」
「 ○○で、 日本語ネイティブになれる 」–
こんなこと信じられますか ?
このような教材に投資しますか ?
日本語学習者にお勧めしますか ?第一、 「 ペラペラ 」 や 「 マスター 」 の水準とは ?
販促のキーワードに起用する際、 用語の定義は不可欠と考える。
「 ネイティブになれる 」 に至っては、 頭がおかしい。
軽々しい戯言に、 だまされる側もどうかしてるわ。
–
「 あなたも ネイティブになれる 」( 2024年3月14日 筆者撮影 )
–
耳で聞くだけの
「 発音 」修行は、
もとより無謀
–
口から排便するようなもの。
× お口で うんこ
たぶん 無理です。
日英の音は、 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が
まったく違います
–
英 語 「 息の音 」
日本語 「 声の音 」
–
ご自分のお口
を 動かしましょう
–
日本語母語話者にとって、
英語の発音は動物の鳴き声に近い。
日本語で表記しがたいのは言うもおろか。
犬猫の声と一緒で、 そもそも日本語では書き起こし
きれないのに、 英語音を無理くり邦文で表現しようとする。
等しく不条理だからアプローチを変える。
口周りをまじまじと見据えて、 模倣する。
–
※ やり方は、 ” integrity ” へ ( 図入り、 動画入り )
–
【参考】 ※ 外部サイト
- 多言語の習得は 「 音 」 から 脳領域特定、 文法理解早く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF251YP0V20C24A2000000/
2024年2月26日付–
「 音声 」 の日英比較も、 ” integrity ” で詳細にご案内した。
–
◆ 仕上げに、 英文読解。
先ほど抄出した 『 ブラックス法律辞典 』。
各項を全文読んでみよう。
–
■ “ Black’s Law Dictionary, 6th Edition ”
(West Publishing Co. 1990).
( p. 1201. )
( p. 925. )
( p. 1166. )
–
–
▼ 「 第10版 」 「 第11版 」 との比較に、” possibilty “ 追加 ▼
–
( p. 1165. )
■ “ Black’s Law Dictionary, 10th Edition ”
(Thomson Reuters 2014).( p. 1395. ) ( p. 1069. ) ( p. 1353. )
■ “ Black’s Law Dictionary, 11th Edition ”
(Thomson Reuters 2019).( p. 1454. )
( p. 1113. )
( p. 1410. )
–
いかがだろう。
これが、 世界一有名な英米法辞典。
法律家とその卵たちが用いる専門辞典であっても、案外、読めたのでは。
中級学習者 の場合、 単語集・表現集などの市販の教材よりも、
リアルな英文を読む方が、 きっと 確かな 「 自信 」 がつく。
–
力量相応の英文を がんがん読もう
-ー
–
勇気を奮って、 教材以外の英文を読みまくれば、
ご自分の英語力を把握しやすくなるということ。
–
「 単語力 」 以上に 「 多読 」 を優先することを、 強く
お勧めする理由は、 ” no need “ にて詳らかにしている。
→ 主として、 中級学習者 対象の長文 ( 動画入り )
–
–
◆ しんどい蛍雪の勤めの延長で、 いつまでも
「 点取り勉強 」 を続ける 「 万年受験生 」 の
日本人学習者が多すぎる。
–
「 点取り 」 「 丸暗記 」 中心の英語は、
受験勉強が終わったら、 けりを付けたい。
–
–
来る日も来る日も教材学習の果てに、 いつの間に 「 万年受験生 」。あたかも 「 勉強のための勉強 」 に堕し、 懐疑にとらわれ、 立ち往生。
「 こんなこと、 いつまでやってればいいのか … 」
学ぶ楽しみは、 とうに失われ、 どうしたいか定かでなく、 惰性に流れる。
心ならずも、 教材にまみれて溺れてしまった学習者は少なくない様相。
TOEIC などにこだわりすぎると、 この運命が待ち構えている。
点数が下がるのが怖くて、 強迫的に受け続けるしかない無間獄。
これはつらい。
みじめだわ。
こうなりたい ?
私の感覚では 「 目を覚ませ!」 とぶん殴りたいくらいの異常事態。
意気地なしなのか、 怠け者なのか、 バカなのか、 わけ分からない。
Life is way too short for such stupidity.
–
” no need “ より
–▲ 記事 内では、 有名翻訳サイト5つにおける、
上記英文の機械和訳を検証した ( 図入り、 実名入り )。【 結果 】 〇 2サイト × 3サイト
–
それほどまでに時間をかけてきたのに、
ミスして恥かくのが怖くて、
英語を使うことなく終わる。
せっかく学んできた英語。
もったいないので、 しまい込まずに、 使ってあげましょう。
–
◆ おすすめ YouTuber ( 下記 ) と学習上の着眼点も、 ” no need ” に詳述した。
( 図入り )
👄 唇をよく見て 🫦
—
–
さしあたり、
発音記号や音節を考えずに、 興味本位でじっと眺めてみる。
画面を戻して、 とことん観察 ( rewind and rewatch )。
必要に応じて、 コマ送りにする。
–
▼ TH
▼ F
–
▼ L
–
▲ 焼肉しゃぶっているよう–
日本語を話す時、 このようになりますか。
一瞬たりともないと思います。
なぜなら、 日本語の発音には不用な動きだからです。
日英の音は、 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が
まったく違います英 語 「 息の音 」
日本語 「 声の音 」
–
–
実際に声を出してみないと、 英語の発音はできるようにならないです。
日本語とは完全異質だから、 耳で聞くだけでは、 口から出てこない。
どんなにリスニングをしても、 自ら発声しない限り、
いつまでも話せない。
ごく自然に習得できるよう
「 人間の本能 」 に組み込まれた
第一言語 ( 母語 ) と違う点
根底からして異質な言語がお安く口から出るって、 結構なホラー話。
映画 「 エクソシスト 」 ( 1973年公開 ) の世界です。
適切な訓練なくして、 現実的にはあり得ないことに気づきましょう。
ご自分のお口
–
を 動かしましょう
–
” Joce’s YouTube “ より
–
–
Joce Bedard—カナダ人女性 ↑ 先述の推しの YouTuber
–
相性のよさそうな
発信者や番組を見つけて、
がっつり食らいつく。
★ 日本人学習者を主たる顧客と想定した素材は、
長期的にはあまり望ましくないと私は考える。
中級学習者 が潜在能力を引き出し上達するには、
日本人相手ではない番組を中核に据える方が名手。
–
【 主な理由3つ 】
日本語母語話者向けに、 ほどよく加減され、
念入りに作り込まれた印象を受ける番組が多い。
登録者を増やすためか、 販売促進のためか、
どうしても視聴者におもねる調整が欠かせない。
–
理由は3つのデメリット。
(1) 漫然と視聴しただけで、 会得したと勘違いし、 英語学習した自己満足に陥りがち
(2) 自分の頭や口を動かさずに時間を使い切り、 成長しそびれているのに気づけない
(3) 手入れ後の日本人受けする英語なので、 そう自然ではない状態の英語が目立つ
–
一般向けの素材に慣れ親しんできた学習者であれば、
割合すぐ見透かせると思う。