Take action
2024/11/21
行動を取る、 行動を起こす
颯爽と行動する姿はかっこいい。
–
あれこれ理由をつけて、 実行しない輩が大勢いる中、
果敢に動ける気っ風は痛快で、 見ていて気持ちよかったりする。
腰が重く、 屁理屈をこねてばかりの人々に比べれば、
行動する者の方が、 概ね得るものが大きいと考えられる。
これを裏付ける言葉の一例。
–
–
There are risks and costs to action.
But they are far less than the long range
risks of comfortable inaction.( 行動にはリスクとコストが伴う。
しかし長期的に見れば、 なにもしない安逸より、
リスクもコストもはるかに低くなる。)John F. Kennedy ( 1917-1963 )
ジョン・ケネディ 第35代米国大統領
–
◆ 先日、偶発的な作業を終えてみて、改めてそう感じた。
訳あって、早朝に出勤したところ、通路口の廊下に、
なにやら黒い物体が転がっている。
なんだろう?
近づいてみると、犬のフンのよう。
どこかのワンコの置き土産らしい。
一般向けの行政用語として、よく ” dog waste ” と称される。
ペット全般のフンであれば、” pet waste “。
–
◆ ” waste ” は可算名詞でもあるが、 この用法では 不可算名詞。
それに対し、可算名詞 の代表例は、 ” a waste of – ” ( ~ の無駄 )。
- a waste of time 「 時間の無駄 」
- a waste of money 「 お金の無駄 」
- a waste of energy 「 エネルギーの無駄 」
- a waste of resources 「 資源の無駄 」
- a waste of effort 「 努力の無駄 」
- a waste of talent 「 才能の無駄 」
語源は、 中期英語「 荒廃した 」( wast )。
成り立ちにふさわしく、 どれも暗くネガティブな語調。
【発音】 wéist
【音節】 waste (1音節)
不可算名詞 の代表例は、
- fuel waste 「 廃燃料 」「 燃料廃棄物 」
- hazardous waste 「 有害廃棄物 」
- industrial waste 「 産業廃棄物 」
- solid waste 「 固形廃棄物 」
- waste water 「 排水 」 「 汚水 」
- toxic waste 「 有毒廃棄物 」
–
◆ 機械などを拭くボロ布 「 ウェス 」 も、” waste ” 由来。
犬・ペットの出す「 廃棄物 」みたいな「 排泄物 」なので、
” dog waste ” と ” pet waste “。
「 汚物 」 と総称されるもの。
より身近な名称は、 ” dog poop ” ( 犬のうんち )と
” pet poop ” ( ペットのうんち )。
【発音】 púːp
【音節】 poop (1音節)
–
” poop ” は、 ” poo ” ともいう。
【発音】 puː
【音節】 poo (1音節)
–
犬のうんち処理袋は、 ” dog poop bags “。
” dog waste bags ” の方が上品ではある。
犬の愛称を用いて、 ” pooch bag ” ともいう。
” pooch ” は 「 ワンコ 」 「 ワン公 」 に似た態。
【発音】 púːtʃ
【音節】 pooch (1音節)
–
↑ おすすめの ” poop bags “
( 人畜共通 で使える逸品 )
–
–
育児・介護に、 きっと役立つ心強い味方。
本当に臭わなくて、 助かります。
–
◆ 「 うんち 」 用途の ” poop ” も、 不可算名詞。
語源は中期英語の ” powpen “( 音を出す )とされる。
‐
- ” Natto makes my poop slide out effortlessly each morning.”
( 納豆のおかげで、毎朝、お通じが良好です。)
( 納豆のおかげで、毎朝、うんちが無理なく滑り出る。)
–
◆ ” dump ” も、 俗語で 「 うんち 」 「 うんこ 」 を意味する。
語源は諸説あり、 古ノルド語 「 崩れ落ちる 」( dumpa )
もそのひとつ。
ドバっと 排便するイメージか。
幼児語の ” poop ” は、 大人にとっては 婉曲 的な立ち位置。
” poo ” も同様。
–
一方、 ” dump ” は下品で、「 卑語 」表記する辞書もある。
例えば、『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』。
【発音】 dʌ́mp
【音節】 dump (1音節)
–
もし 「 卑語 」 なら、 「 くそ 」となる。
こちらは 可算名詞 となり、 ” take a dump ” で 「 くそをする 」。
表題 ” take action ” と同じく、 他動詞 ” take ” ( 実施する、講じる )。
- ” I took a very big, smelly dump at work.”
( 職場で、めっちゃでかくて臭いくそしたんだ。)
- ” My baby took a dump during a diaper change.”
( おむつを替えてあげると、 あの子ったら、 くそしたのよ。)
※ おむつ交換 → ” change nappies “、” change a baby” とも
これほど乱暴な物言いをする保護者はまずいない。
他動詞 ” take ” を使いたいなら、 次の 婉曲表現 がよい。
職場で私も使ってる。
- take a big one
( 大をする ) ← 大便
–
◆ ” LDOCE6 “( ロングマン ) の名詞 ” waste ” は、 以下全文。
「 うんち 」が明示されていないのが意外だが、 語釈 「 4 」に該当する。
–
–
–
LDOCE6 ( 書籍版 ) p. 2055.
(Pearson Education 2014).
–
【 英英辞典 の 基本凡例 】
・ n = noun = 名詞
・ U = uncountable = 不可算名詞
・ singular = síŋgjulə = 単数名詞
—-→ 通常、単数形で使われる名詞
・ plural = plúərəl = 複数名詞 ※ 後述
—-→ 通常、複数形で使われる名詞
————————————
・ C = countable = 可算名詞
・ v = verb = 動詞
・ T = transitive = 他動詞
・ I = intransitive = 自動詞
◆ コスパ 最高の健康のバロメーターで、 ありがたい自然の恵みなのに、
” UNWANTED MATERIALS ” ( 不要な物質・物体 ) なんて、ひどい。
と思ったら、 語釈 「 4 」専用の Collocations ( コロケーション = 連語 )
が設けられており、下欄には ” human waste ” としっかり書いてある。
先述に倣う と、 人間の出す「 廃棄物 」 みたいな 「 排泄物 」「 汚物 」
なので、 ” human waste “。
「 うんち 」 のみならず 「 尿 」も含むのが、 不可算名詞 ” waste “。
–
◆ ” dump waste ” も目を引くが、 「 くそうんち 」 ではない。
こっちの ” dump ” は 他動詞 「 捨てる 」 ゆえに、「 廃棄物を捨てる 」。
「 捨てる 」 用途ならば、 卑語ではない。
ダンプカー( a dump truck ) につながる ” dump ” の語意である。
「 ダンプカー 」 は和製語。
無造作に 「 ドバっと投げ捨てる 」 感じで、 前掲の語源、
古ノルド語 「 崩れ落ちる 」( dumpa ) に忠実な意味合い。
仕事を ドバっと丸投げ し、 押し付けるのは、 ” dump the job on – “。
異性をふる行為は、 ” dump him “、 ” dump her ” で、 一方的に
ドバっと 「 捨てる 」「 拒む 」「 退ける 」。
データを出力するダンプ( dump ) や ダンプリスト ( a dump list )
についても、 ドバっと出力 して 「 吐き出す 」 「 放出する 」 流れから、
どうにか連想できよう。
【発音】 dʌ́mp
【音節】 dump (1音節)
【活用形】 dumps – dumped – dumped – dumping
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–
『 小学うんこ英単語1500 』
古屋雄作 (著)
文響社、 2020年刊
–
<出版社HP> <アマゾン> <楽天>◇ 文響社 「 うんこ学園 」 「 うんこドリルシリーズ 」
–
–※ 実際の英語では, うんこは poop などと言いますが
–
この通り、 的確な脚注を添えている。
–
–
P.3.
–
ちょっと違う気がするが …
▲ 他動詞 ” do ” を用いて 「 うんこする 」 は、 やや不自然。
あえて言えば、 日本語的な発想で、 強引に英訳した印象。
どうしても ” do ” を使いたいなら、 次の 婉曲表現 がよい。
職場で私も使ってる。
- do number two
( 大をする ) ← 大便
– - do number one
( 小をする ) ← 小便
無論、 れっきとした英語で、 辞書 にも載っている。
- ” I did number two, and there was no toilet paper. “
( 用を足したら、 トイレットペーパーがありませんでした。)
( うんこしたら、 トイレットペーパーがなかったのよ。)
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–
うんこペン
↑ #2 = number two = うんこ
= poop = poo
–
Your #2 Pen ! = あなたの うんこ ペン !
◆ 先に触れたように、 他動詞 を用いた 「 うんこする 」 も
確かに存在する。
- take a dump
- take a crap
- take a shit
–
▲ すべて乱暴で、 卑語 に近い 「 くそをする 」
けれども、 こと 「 うんこする 」 については、
自動詞 1語 を用いる方が、 より一般的な気がする。
- defecate ( 排便する )
※ 堅めで知的、 子ども( ~ 12歳程度 )は使わない
–
【発音】 défikèit
【音節】 def‑e‑cate (3音節)
– - poop ( 動詞用法、 幼児語 ) ※ 大人も使う
- poo ( 動詞用法、 幼児語 ) ※ 大人も使う
- shit ( 動詞用法、 卑語 ) ※ 子どもも使う
- “My boyfriend pooped his pants ! “
- “My boyfriend pooed his pants ! ”
( 彼氏が、 うんこ漏らしたの! )
– - “My boyfriend shit his pants ! ”
( 彼氏が、 くそ漏らしやがった! )
–
◆ もっとも、 明け透けに 「 うんこする 」「 排便する 」 ではなく、
英語においても 「 トイレに行く 」 辺りが、 無難な社会常識。
- use a bathroom
- use the bathroom
- go to the restroom
「 うんこする 」 なんて、 直接耳にする機会はめったにない。
「 うんこする 」 と他者に対して発言する場面も想定しにくい。
まあ、 当然だろう。
◆ 庭の poop を片してもらう ” poop scooper ” は、主に学生バイト。
” poop ” をすくう( scoop ) 人だから、 接尾辞 “er” 付きの ” scooper “。
” scoop ” は、 他動詞 「 すくう 」 に加えて、 可算名詞 「 スコップ 」。
小型シャベル 「 スコップ 」 はオランダ語( schop )で、 英語は ” scoop “。
” scoop ” の語源もオランダ語で、 同源の 「 ひしゃく 」( schōpe )。
「 ひとすくい 」 の単位も報道機関の特ダネの 「 スクープ 」も、 ” scoop “。
【発音】 skúːp
【音節】 scoop (1音節)
1音節( one syllable ) なので、 一気に ゲロする 凄みが出る。
「 音節 」( syllable、シラブル ) とは、 発音の最小単位。
この 「 発音の最小単位 」 に切れ目がないのが 「 1音節 」。
日本語は、 原則として 「 仮名一字が1音節 」。
そのため、 音節を意識する機会は乏しい。
音節の日英比較は、” integrity ” で事細かに取り上げている。
( 図入り、 動画入り )
◆ 後始末を強いる規則、 通称 ” Pooper Scooper Laws ” も実在する。
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Commonly termed as the Pooper-Scooper Laws, the regulation cites
that all pet owners must remove or clean up all fecal waste deposited
by their dogs on the public and private property.
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https://www.dogpoopsigns.com/pooper-scooper-laws-signs
–
” fecal ” は、 形容詞 「 糞便の 」。
【発音】 fíːkəl
【音節】 fe-cal (2音節)
医学用語 ” feces ” ( 複数名詞 plural、 前述 ) と同源。
「 排泄物 」 「 大便 」 の意。
【発音】 fíːsiːz
【音節】 fe-ces (2音節)
イギリス英語では、 ” faeces “。
【発音】 fíːsiːz
【音節】 fae-ces (2音節)
” feces ” の同義語の筆頭は、 ” excrement “。
【発音】 ékskrəmənt
【音節】 ex-cre-ment (3音節)
” feces ” も ” excrement ” も堅苦しく、 あまり出てこない。
経験上はそんな印象だが、 元来そうそう飛び交うわけない語義。
現に上掲 ” LDOCE6 ” の指標でも、 両語とも全項目ノーマーク。
–
INSEINE Olympic is ‘stupid’ for
pushing athletes into poop-filled River Seine
–
–
–
poop-filled river
–
Olympics is ‘stupid’ for pushing athletes into poop-filled River Seine
https://www.thesun.co.uk/sport/29356084/2024-france-olympics-seine-river-athletes-ceremony-health/
2024年7月20日付
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※ 2024年8月12日 アクセス
–
うんこまみれ のセーヌ川 ( Seine ) でオリンピック選手を泳がす
パリ五輪の愚かさ ( insane ) を揶揄して、 ” INSEINE ” だと。
正気 ” sane ” とセーヌ川の発音は同じ。
【発音】 séin
【音節】 sane (1音節)
【音節】 Seine (1音節)
造語 ” INSEINE ” と ” insane ” の発音も同じと推断でき、 お見事。
◆ 飼い主に後始末を促す標識は、住宅街の至る所に散見される。
–
–
通称 ” dog poop “
–
公共うんこ箱
–
まさか … なんで、こんな場所に?
人影なく閑散としている始業時刻前の我が職場。
うららかな初夏の空気が心地よいはずのオフィス。
誰かが踏んづけたら大変。
ぷうんと悪臭が立ち込めたら最悪。
生ものだから、放っておくと腐るかも。
ああ、 どうしよう。
これぞまさに、 今そこにある危機。
私は、 第一発見者なのだ。
知らぬ存ぜぬでは済まされない。
–
私たちの 職場環境 を守らなければ !
–
Get action. Seize the moment.( 行動を起こせ。 きっかけをつかめ。)
Theadore Roosevelt ( 1858-1919 )
セオドア・ルーズベルト 第26代米国大統領
–
天啓のごとく舞い降りた名言。
そうだ、 自分できれいにしよう。
いつやるか? 今でしょ。
- ” The time for action is now. “
- ” Now is the time to act. “
- ” I must act now. “
頭に渦巻く焦りを抑えつつ、 トイレのモップを勝手に拝借してくる。
- ” I took action quickly to clean the dirty floor. ”
( 汚れた床を掃除するため、私はすばやく行動を起こした。)
–
Take action to clean up dog poop
–
–
モップを洗い、 デスクに戻り、 素知らぬ顔して終日従事した。
なんだか不思議なくらい、 気分爽快。–
その日は、 驚くほど仕事がはかどった。
–
–
Action is eloquence.( 行動は雄弁である。)
William Shakespeare ( 1564-1616 )
ウィリアム・シェイクスピア 劇作家
–
こうは言っても、 変に知れ渡ると今回は困る。
とりわけ、 早番出勤の 朝イチ の仕事として、
- ” I got rid of dog waste. ”
( 犬の糞を一掃しました。)
と業務報告するのは、 ちょいとはばかられる。
–
結局、 皆に黙っていたものの、 勇を鼓してやってよかった。
【参照】 “「Gmail」で作る単語帳 ”
I did good job !
–
–
◆ 行動を起こすには、 目的や動機を要する。
–
活動の源となる、体力・気力などのエネルギーも欠かせない。
意欲があっても、 ある程度の条件が整わない限り、
身動きできない難関が降って湧くのが人生。
制約要因は、 資力と時間ばかりでない。
それゆえか、 万難を排して 前進する 人は評価される。
行動には、ありとあらゆる要因が作用し、 もたらす影響は様々。
本人の資質に左右されるケースも少なくない。
とにかく行動を起こせば、 座視 では得がたい、 なにかを吸収できる。
たとえ、 失敗したとしても、 気長に構えれば、 人生の糧となる。
–
–
◆ 行動を推奨する言い回しは、 数多く存在する。
- Any action is often better than no action.
- Thinking will not overcome fear but action will.
- Action is a great restorer and builder of confidence.
- Action will delineate and define you.
- Vision without action is merely a dream.
- High achievers move into action immediately.
- Action without a name is meaningless.
- Action breeds confidence and courage.
- We have total control over how we take action.
- Infuse your life with action.
ふつふつたぎるエネルギーがほとばしる、 威勢のよい英文。
リズム感にあふれ、 和訳するのは差し出がましい気がする。
中級学習者であれば、 ひと目でさっと読み取れるだろう。
表題の “ take action ” は、 これらの要約に近い。
行動力が放つ前向きな気概を、 2語で一挙に示す印象。
定訳は 「 行動を取る 」 または 「 行動を起こす 」。
–
” take action “
to do something;
to act in order to get a particular result.
( メリアム ウェブスター )
https://www.merriam-webster.com/dictionary/take%20action
–
◆ ” take ” には、他動詞・自動詞・名詞がある。
【発音】 téik
【音節】 take (1音節)
語源は、古ノルド語「 つかむ 」「 取る 」( taka )。
「 なにかをつかみ取る 」という意味合いの 他動詞 こそ、
” take ” の最も基本となる語義。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
( ロングマン ” LDOCE6 ” 指標より )
他動詞 ” take ” は、数ある英単語全体から見ても、
最頻出かつ最重要。
【活用形】 takes – took – taken – taking
” take ” は、どの品詞も極めて多義であり、語源にとどまらず、
幅広い分野に存分に派生した語。
–
◆ 表題の ” take ” も他動詞。
ただし、語源そのままの「 なにかをつかみ取る 」
よりは、「 手段を 講じる 」がここでは適切。
–
こうじる【講じる】
「 講ずる 」に同じ。
( 広辞苑 第七版 )
〈 考え / くふうし 〉ておこなう。 はかる。
( 三省堂国語辞典 第七版 )
こうずる【講ずる】
考えをめぐらせて行う。
方法・手段を考える。
( 広辞苑 第七版 )
問題を解決するための手段・方法を考えて
実施する。
( 大辞林 第三版 )
※ 語釈の該当項のみ引用
◆ 下記の他動詞 ” take ” と同じ用法。
- take measures ( 措置を講じる )
- take a precautionary measure ( 予防措置を講じる )
- take every possible means ( できる限りの手段を講じる )
- take a precaution ( 予防策を講じる )
- take emergency steps ( 緊急措置を講じる )
下線部「 講じる 」は、すべて「 取る 」に置き換えることができる。
語源通りの「 なにかを つかみ取る 」ではなく、実施する「 講じる 」
とはいえ、” take ” で「 取る 」だと、日本語と重なるため覚えやすい。
【参照】 ” take a stand ”
–
–
◆ ” action ” は、名詞及び他動詞。
【発音】 ǽkʃən
【音節】 ac-tion (2音節)
語源は、ラテン語「 行われた 」( āctus )。
” act ” はもとより、 ” actual “、” exactly “、” react “、” agent “、
” agitate ” も同源 ( 『 ジーニアス英和大辞典 』より )。
他動詞「 実行する 」は、「 主に商業関係者用語 」
( 『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』より )。
–
つまり、普段使いでは名詞用法がほとんど。
ここでもそう。
名詞 ” action ” もまた、最頻出かつ最重要レベルの英単語。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
( ” LDOCE6 ” 指標より )
これまた多義だが、他動詞 ” take ” と異なり、
広がりは限定されている。
すなわち、語源の「 行われた 」から想像できる語義中心。
- 行動
- 手段
- 活動
- 動き
- 行い
加えて、専門性を帯びる意味は、
- 法的手段・訴訟
- 戦闘
- 競技
- 作用
- 影響
感覚的に分かるものが多い。
カタカナ「 アクション 」が根付いているおかげでもある。
「 行動 」「 動作 」「 演技 」を意味するので、矛盾はない。
- アクション映画
- アクションフィギュア
- アクションゲーム
- アクションスター
- アクションヒーロー
共通点は活発な動きが顕著な様子。
前出の「 行動力が放つ前向きな気概 」に満ちている。
これらのイメージと相まって、” action ” が
動的な「 行動 」である点の理解は難しくない。
–
演技始め!
–
–
◆ 表題の ” take action ” には冠詞がない。
とすれば、” action ” は不可算名詞なのだろうか。
実は、不可算名詞と可算名詞を兼ねる。
そのため、” action ” の内容に応じて冠詞の有無が決まる。
ところが、この区別が厄介。
判然としないケースが多く、一筋縄ではいかない。
可算・不可算が明記してある辞書に従い、
先ほどのリストを振り分けてみる。
使用辞書は 『 ジーニアス英和大辞典 』 及び 3大学習英英辞典
( EFL辞典 )の ” LDOCE6 “、” OALD9 “、” CALD4 ” の合計4点。
有力な『 リーダーズ英和辞典 第3版 』、『 研究社 新英和大辞典 第6版 』
『 新編 英和活用大辞典 』には、可算・不可算は明記されていない。
- 行動 → 不可算
- 手段 → 不可算
- 活動 → 不可算
- 動き → 不可算
- 行い → 可算
- 法的手段・訴訟 → 可算及び不可算
- 戦闘 → 可算及び不可算
- 競技 → 不可算
- 作用 → 不可算
- 影響 → 不可算
◆ 論が分かれた名詞がいくつかあった。
例えば、「 法的手段・訴訟 」は『 リーダーズ英和辞典 第3版 』
では、可算名詞。
片や、 ” LDOCE6 ” と ” OALD9 ” と ” CALD4 ” では、
可算及び不可算( countable, uncountable )。
実例を調べると、確かに両方見られる。
「 法的手段を取る 」として、可算名詞の ” take an action “、
” bring an action “、” raise an action ” と表現されている。
誤解を防ぐため、形容詞 ” legal “( 法律上の )を追加して、
” take a legal action”、” bring a legal action “、” raise a legal action “。
しかし、 不可算名詞の ” take legal action “、 ” bring legal action “、
” raise legal action ” も普通に出てくる。
特に、 ” take legal action ” は、 無冠詞・単数 が目立つパターン。
違いを調べたが、 通常の使用では同義扱いされている模様。
となると、 3大学習英英辞典 の両様説に軍配が上がる。
こうして、 錚々たる辞書間でも争いがある場合の珍しくないのが、
可算名詞と不可算名詞の区別。
私たち日本人学習者が不得意とする 「 冠詞 」 に直結するため、
本来であれば表記は欠かせないはず。
–
単純に割り切れない以上の性質を思えば、 先の有名どころの
英和辞書が、 この記載を避ける一因となっていると推察できる。
–
–
◆ 上記の調査結果によると、 多用されがちの “action” は、
「 不可算名詞 」が主流と考えられる。
同時に、
■ ” action ” 次第で、 ” take an action ” もある
■ ” take actions ” も、 日常的に見聞きする
- “We are taking actions to protect students.”
(学生を守るために、さまざまな対策を行っています。)
– - “Set goals and take actions to accomplish your dream.”
(夢を実現するには、目標を立て、対策を講じることだ。)
◆ それでも、ごく抽象的な「 行動を取る 」は不可算名詞が原則。
同様に、漠然として、つかみどころのない 「 手段を取る 」 も、
無冠詞・単数の ” take action “。
–
【参考】 ※ 外部サイト
- ‘Geisha paparazzi’ are back in Kyoto
– and the Japanese city is ready to take action
https://amp.cnn.com/cnn/travel/geisha-paparazzi-overtourism-kyoto-intl-hnk
2024年2月29日付
–
◇ 日頃、取り立てて考えることなく用いる
「 行動を取る 」 「 行動を起こす 」 なら、
take action
–
冠詞なしの2語が自然
–
この場合の ” action ” は、不可算名詞
–
–
LDOCE6 ( 書籍版 ) p. 17.
(Pearson Education 2014).
【参照】 ” in place “、 “ paperwork “、 ” acting “
・ 可算と不可算を見分ける簡単なコツ
・ 可算と不可算を兼ねる名詞について
・ 可算と不可算についてよくある質問
・ 不可算名詞は「物質」「抽象」「固有」の3つ
※ 外部サイト
–
◆ 何度も述べるように、 ” take action ” は 能動的な 行動を表す2語。
その力強さを、 さらに感じ取っていただければと思う。
次の回覧は、 典型的な行政用途。
台風への備えに必要な用品を紹介し、 事前準備を促している。
–
- “We must take action to stop bullying.”
(いじめをやめさせるため、行動を起こさねばならない。)
– - “My teacher took action to stop bullying.”
(私の先生はいじめをやめさせるため行動を起こした。)
–
- “The government has taken drastic action.”
(政府は思い切った行動を取っている。)
–
- “The school has taken action against bullying.”
(その学校はいじめに対処している。)
–
- “Take action on your account before May 1.”
(5月1日より前に、アカウントに対処してください。)
–
- “There are a lot people out there taking action
against this president.”
(今の大統領への反対行動を取っている人が大勢いる。)
– - “Students are taking action for change.”
(学生たちは変化に向けて行動を起こしている。)
– - “There is no need to take action.”
- “There is no action for you to take.”
(行動を起こす必要はない。) (対応は不要。)
–
- “To follow through is to take action that has been planned.”
(遂行するとは、計画された行動を起こすことです。)
–
- “Their team took action based on feedback.”
(彼らのチームはフィードバックに基づき行動した。)
–
- “Don’t just wait. We need to take action.”
(待つばかりでなく、我々も行動しないと。)
–
- “Users should take action as soon as possible.”
(使用者はできるだけ早く行動に移ること。)
–
- “I want to take action today.”
(本日、実行したい。)
–
- “If you want to voice opposition, take action here.
(異議申し立てをするには、こちら をクリックしてください。)
–
- “Please take action by Friday this week.”
(今週の金曜日までに、ご対応をお願いします。)
–
- “Please take action to review your apps.”
(使用アプリのレビューをお願いいたします。)
–
- “We are prepared to take action to protect the safety
of our employees.”
(従業員の安全を守るために行動する用意はできている。)
–
- “President takes action on international embarrassment.”
(大統領は、国際的な恥に対して行動する。)
–
- “The government has decided to take action to stem
the outbreak of Coronavirus.”
(政府は、コロナウイルス流行を阻止する行動を取る
ことを決めた。)
– - “G7 ready to take action to stem coronavirus risks”
(G7、コロナウイルスの危険を阻止する態勢)
※ ニュース見出し
–
◆ 情報セキュリティ関連の警告にも使われる。
Take action to secure your
compromised passwords.
–
◆ これまでは、行動することの大切さをご案内してきた。
けれども、 時には、世間一般に対して、「 無行動 」「 不作為 」
を要請する場面も生じ得る。
例えば、 凶悪犯の指名手配。––
「 公衆 」に対する 「 警報 」 で、 ” public alert “。
【発音】 pʌ́blik
【音節】 pub-lic (2音節)
【発音】 ələ́ːrt
【音節】 a-lert (2音節)
–
今月2019年7月公表の実物がこちら。
–
否定の形容詞 ” no ” を加えると、” take action ” の逆に
※ 顔写真はモザイク加工
–
- ” If seen, take no action.
Do not approach.
Call 911 immediately. ”
–
「 見かけたら、なにもしない こと。
近寄るな。
直ちに110番。」
–
◆ 次いで、外付けHDD( ハードディスク )の ” take no action “。
HDDをパソコンに接続した直後に出てくる、操作の選択画面である。
–
操作しない
【関連表現】
” Action Required ”
https://mickeyweb.info/archives/3719
( 要行動、 対応必須 )–
- Action Required: Take action on your account
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