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No need. (1)

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 37 minutes

不要です。



[ NOTE ]

No need. ” は、 もともと約10万字の長文ですが、 規定容量を超えたため、
(1) = 本稿 」 と 「 後半 (2) 」 の2つに分割しました。( http 413

分割実施日: 2025年7月29日(火)




” need ”  には、 名詞・他動詞・自動詞・助動詞  がある。

語源は、 古英語 「 必要 」 ( nēd )。

【発音】  níːd  (1音節)

” need ” は、「 1音節 ( one syllable ) 」 だから、

腹の底から  ゲロする  迫力で、 一気に吐き出し発音。

 

日英の音は、 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が
まったく違います

日本語音と同じ感覚で英語音を発音するから伝わらない。


👄 唇をよく見て 🫦

リスニングばかりで口は置いてきぼりの日本人が多すぎ。

  英   語 「 息の音 」
  日本語 「 声の音 」

 

 

に ~

 

「 音節 」( syllable、シラブル ) とは、 発音の最小単位

「 発音の最小単位 」 に切れ目がない 「 1音節 」 のため、

ゲロの凄みが出る。

「 音節 」 の日英比較は、 ” integrity ”  で詳らかにしている

( 図入り、 動画入り )。


単語学習も発音訓練も、 「 音節 」 を意識することで、 随分と楽になる。

見知らぬ単語を前にして、 「 どの部分で切ればよいか 」 見えるからだ。

音節は英単語の奥義であり、 小手先の収拾策ではないため、 常に有効。

ネイティブ児童の発音ルール 「 フォニックス( phonics )」 を取り入れる
英語学習法は、 母語と外語の習得過程を区別しておらず、 日本人学習者には
必ずしも実効がないが、 「 音節( syllable )」 は必ず有益で即効性がある。

今、 この瞬間から役立つ。

( 中略 )

音節を知らずして、 新しい英単語を記憶したり発音したりすることは、

私にとっては 「 100% 」 あり得ないし、 自分には不可能と言い切る。

未知の英単語に接した時は、 まず音節を調べてから、 発音を練習する。

どの部分で切ればよいか 」 分かれば、 暗記も発音もしやすくなる。


integrity  より


でかでか大書して 脳に刻む

【発音】 fənétiks    【音節】 pho-net-ics (3音節)
【発音】 fənɑ́lədʒi   【音節】 pho-nol-o-gy (4音節)

※  音声学 ・ 音韻論  →  ” integrity ” ( 図入り )


ホワイトボードにも 書きまくる

線を入れ、 番号を振り、 アクセントにマークし、 発音する

【発音】 kɑ̀ːnvəlésənt    【音節】 con-va-les-cent (4音節)

  別稿 「 単語の覚え方 」 より

【音節カウンター】 https://www.howmanysyllables.com/

 

「 フォニックス( phonics )」 を導入する難点は後出する。

 

◆  ” need ” の用途は多岐に及ぶが、「  必要  」 という

基本的意味は一貫する。

need ” は、 日本語の「 必要 」に比べ、


「 感情 」に強く訴えかける単語


切羽詰まった「 神経質 」な響き


それゆえの < 注意点 > は、 本稿中盤にて詳述する。

【参照】   動詞  ” hope ” と  ” wish “” want ”  の比較

 

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お手伝いしましょうか

 

もっと がんばりましょう

 


動詞  ” need ”  の典型例を挙げてみた。

(※) 名詞 ” need ”  と  形容詞 ” needed ” も含む

直接耳にすれば、 どれも神経に響く 「 きつい 」 感触。

いかがだろうか。

◆  名詞  ” need ” は、 可算名詞と不可算名詞を兼ねる。

–  不可算 「 必要 」「 必要性 」「 要求 」「 欲求 」「 窮地 」
–  可算 「 必要なもの 」「 必需品 」



英文法解説  改訂三版 』  p.7.

江川 泰一郎 ( 著 )
金子書房、 1991年刊

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天>

※  下線は引用者


◆  カタカナ「 ニーズ 」は、 可算名詞  ” need ”  の複数形  ” needs “。

【発音】  nidz  (1音節)


ニーズ 【needs】

必要。  要求。  需要。
広辞苑 第七版

  ニーズ 【needs】

必要。  要求。  需要。
デジタル大辞泉 )

  ニーズ 【needs】

必要。  要求。
大辞林 第四版

  ニーズ 【needs】

必要。  要求。
明鏡国語辞典 第三版

  ニーズ  

求め。  要求。  需要。  必要。
▽  needs
岩波 国語辞典 第八版

  ニーズ (名)
〔 needs = ニード(need)の複数形 〕

要求。  求め。
三省堂国語辞典 第八版


それぞれ語釈全文である。

” needs ”  本来の、

ぴりぴり 神経をとがらせた、 待ったなしの 緊張感

を表す上で、 「 必要 」 「 要求 」 「 需要 」 「 求め 」
では、 やや物足りない感がある。

カタカナで日本社会に根づいたのは、 穏当な流れと考えられる。


Prioritise YOUR needs


組織への過信を封ぜよ

https://www.linkedin.com/posts/1johncastro_truth-bomb-incoming-work-is-not-family-activity-7259542511617036288-0re0

※  2024年11月12日 アクセス

※  prioritize  =  prioritise ( 主にイギリス英語 )

 

◆  定訳に至った ” needs ” もある。


needs = 欲求



Maslow’s Hierarchy of Needs マズローの欲求段階説
https://www.simplypsychology.org/maslow.html
2024年1月24日付

※  2025年2月23日 アクセス

◆  日頃、 英語の時事ニュースでよく見かける 「 ニーズ 」 は、
次の通り。

和訳は代表例。

主体が個人か組織かによって、 訳し方が違ってくることもある。



◆  例えば、 ” financial ” は、「 金銭 」的意味を幅広くカバー。

※  「 ~ 」 「 ~ 」「 ~ 」などの接尾辞的な語
を加えた形も含む

【発音】  fənǽnʃəl 
【音節】  fi-nan-cial  (3音節)


financial backers ”  ならば、 文脈に応じて、


◆  援助交際 の相手を、 この ” financial backers

と英訳している記事を読んだことがある。

婉曲的  な呼称だが、 役回りに忠実な呼び名かも。

【発音】  bǽkər 
【音節】  back-er  (2音節)

「 援交パパ 」 は、 ” sugar daddy ”  が英語の通称。

【発音】  ʃúgər  dǽdi 
【強勢】  súgar  dàddy 

「 援交ママ 」 は、 ” sugar mommy ”  または  ” sugar mama “。

【発音】  ʃúgər  mɑ́mi 
【発音】  ʃúgəmɑ́mə


シュガー  ” sugar ” ( 砂糖 ) みたいに、 甘ったるい雰囲気。

実際のところ、 甘く言い寄るのはどっちか

当のご本人は、  ” sugar baby “。

【発音】  ʃúgər  béibi


【参考】    ※  外部サイト

パパ活 」 「 ママ活 」  は、

他動詞を用いて、

パパ活詐欺は、 ” sugar daddy scam “。


【参考】    ※  外部サイト

【参考】    ※  YouTube ( 全長 14分10秒 )​

2022年7月8日付
Joce Bedard

  後掲の おすすめ カナダ人 YouTuber ( ユーチューバー )

◆  あえて大胆な言い方をすれば、

限界状態に身をよじり、 もう 我慢できず、
ギャー ギャー 騒ぎ立てる有様 が  ” need “


ヒステリックな気配で、 押しが強い。

日本語の 「 必要 」 「 要求 」 「 需要 」 「 求め 」
が備える、 品よく、 しっとりした落ち着きには乏しい。

どこまでも自分側の意思通りに、 無理無体に事を運ぼうとする
強引さ。

とにかく、 余裕がない。


切羽詰まると( ” under the gun ” )、 こうなる。

◆  ” no need ” は、 シンプルだが、 応用の効く表現。

口頭で  ” No need. ”  と2語完結した場合、 通常、
これを略したもの。

 ” There is no need. “
( その必要はない。)


” no need ”  の後にまだ続く場合、
” No need to. ”  と3語完結になることも。

代不定詞 ( PRO-infinitive )である。

文脈から不定詞の内容が明らかな場合、 ” to ” だけ残し、
以下を省略することがある。



 徹底例解  ロイヤル英文法  改訂新版 』  pp.467-468.

綿貫 陽 ( 改訂・著 )   マーク・ピーターセン ( 英文校閲 )
旺文社、 2000年刊

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天>

 

◆  一見、「 There is 構文 」 に見えるが、 そうではない。

「 There is 構文 」は、 主語( Subject )と 動詞( Verb  ※ )
の語順が逆となる基本構文。

日本の学校教育でも初期に学ぶ構文で、 基本中の基本の位置づけ。

存在を表す構文 ( ~ がある、  ~ がいる ) の筆頭である。

※  具体的には、 述語動詞 ( Predicative Verb )で、
主語と同じく、「 基本5文型 」 に必須の動詞。

必須でないのは準動詞 ( verbal )。

【参考】    ※  外部サイト

–  述語動詞と準動詞の違い


すなわち、 「 S  →  V 」  ではなく  「 V  ←  S 」。

そういう 「 倒置 」( inversion ) の修辞を用いており、
実は高度な基本構文なのが、「 There is 構文 」 である。

「 There is 構文 」 は、 日本人学習者が乱用しがち。

 ■  私の本はテーブルの上にあります。

 △   There is(V)my book(S)on the table.
 〇   My book(S) is (V)on the table.

動詞( Verb ) は be動詞 ” is “、 主語( Subject ) は ” book “。

前者は、 間違いとまでは言えないものの、 若干不自然な英語。

ところが、 日本人の英作文においては、 珍しくもなんともない。

 

◆  時たま目にする不自然な 「 There is 構文 」 の実例は、 お店の看板。



( 2024年7月12日  筆者撮影 )


文法的に問題なく意味は通じるが
、 公道沿いの案内板としては奇妙。
「 英語のメニューがここに一部存在します 」 と客観的な報告書みたい。
  •  There is an English menu.
不可算名詞  ” an”  も相まって、 どこか他人事な響きを放つのが惜しい。
通りすがりの一般客にアピールする飲食店の掲示文言であれば、 例えば、
  •  English menu is available.
    ( 英語で書かれたメニューをご用意しております。 )
    【直訳】 英語のメニューが利用可能です。

◆  ” There is no need. ”  は、 英語ネイティブも普通に使う。

「 There is 構文 」 の特徴である 「 倒置 」は見られず
” No need. ” は単なる 「 省略構文 」( 狭義 ) である。

語句を省略しても、 文脈上意味が伝わるため、 語句が略されている
だけで、 修辞上のひねりはないのが、 狭義の「 省略構文 」。

簡潔明快を旨とする、格言・ことわざ・慣用句・常套句に目立つ。

こちらも「 省略構文 」パターンで、 両者とも自然な英語。

 〇   There is no smoke without fire. 
 〇   No smoke without fire. 
 〇 火のない所に煙は立たない。)

◆  なお、 文脈上省いても理解に支障なければ、 英語でも筆舌問わず、

かったるい 「 主語 」 は日常的に省略されている。

完全な文として 「 英文法上は 」 必要でも、 実務ではしきりに略される 。

文頭が動詞の原形でも、 「 命令形 」 (  imperative  form ) ではなく、

主語が略されている用法は、  プログラミング英語  においては割と普通。

” Could you update me on – ”  の末尾で具体的に述べている ( 図入り )。

Hope this helps.”  でも図示した。


Hope this website meets your needs.

( 弊サイトが皆様のニーズを満たせることを願っております。)

◆  下記3つには、 述語動詞( Predicative Verb )が入っておらず、
英文の 「 基本5文型 」 からは外れる。

「 基本5文型 」 とは、 英文の分類を指すのではなく、 「 動詞 」
の種類を区別するための用語であるから、  動詞がなければ論外

無骨でぶっきらぼうだが、

この上なく明瞭

 

  ぴしゃり「 不要です

There is no need.


◆  表題  ” no need ”  では、 名詞。

既に触れたように、 可算・不可算兼用。

” need ”  = 「 必要( 必要性 )」を
形容詞  ” no ” で否定し、 「 不要 」。

この場合の  ” need ” は、
不可算名詞  の  単数名詞 が通例。

「 単数名詞 」 ( singular noun ) とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞

英英辞書では  “ S ”  または  “ sing ”  と略記されたりする。

【発音】  síŋgjulə 
【音節】  sin-gu-lar  (3音節)

◆  上述の通り、 もともとは  There is no need.   の略。

2語単独で使え、 応用が効くのがポイント。

口頭の2語完結以外の頻出表現は、

意味は「 ~ する必要はない 」 または 「 ~ は不要 」。

「 不要 」  =  ” no need ” 


こう覚えておけば、 意思は伝わる。


◆  ” It is not necessary ”  や  ” not necessary ”

とほぼ同義だが、 次の 3つの持ち味 を押さえておきたい。

  ” no need ” の方が、

1 ) 簡明直截
2 ) 強い否定
3 ) 感情的


” It is not necessary ” は、副詞 ” not “  で
be動詞 ” is ” を否定( = isn’t )するのに対し、

” no need ” は、 形容詞 ” no ”  で、 名詞 ” need ” を否定。

この場合、 形容詞 ” no ” の方が、 副詞 ” not ” よりも、
否定の度合いが強い。

取りつく島もなく、 拒絶する勢いの ” no need “。

 

「 神経質 」で「 感情的 」な ” need ” の語感  
と相俟って、 すげない印象を与えがち


もっとも、 個人的感情を排する事務的な冷たさ
であり、 必ずしも悪気があるわけではない。

片や、

◇  ” not necessary ”  と  ” unnecessary
は、 単に
不必要 」であることを表し、 ずっと中立的


【発音】  nésəsèri          【音節】  nec-es-sar-y  (4音節)
【発音】  ʌnnésəsèri      【音節】  un-nec-es-sar-y  (5音節)


感情抜きで、 淡々と「 必要ありません 」「 要りません 」。

現状では不要であることを、 客観的に示すにすぎない。

◆  否定の接頭辞 ” un “、” in “、” non ” が 同じ語につく場合、

強い否定の順に、 in  >  un  >  non

◇  これらの「 接頭辞 」以上に 強い否定 が、 副詞  ” not ”

副詞 ” not ”  >  接頭辞  ” in ”  >  ” un ”  >  ” non “


既述のように、 形容詞 ” no ” の方が、 副詞 ” not ” よりも、
さらに否定の度合いが強いため、 大づかみの順序は次の通り。


 no need   >   not necessary
   >   unnecessary 

 形容詞  ” no ”    >   副詞  ” not   >   接頭辞  ” un ” 


「 大づかみ 」 なのは、” need ”  と  ” necessary ”  が異なる単語だから。

同一単語みたいに、 単純比較はできない。

「 ほぼ同義 」 とはいえ、 主な品詞すら異なる。

■  need  →  動詞・名詞中心  (※)
■  necessary  →  形容詞中心

” need ” に、 名詞・他動詞・自動詞・助動詞がある点は、
冒頭に記した。

” necessary ” には、 形容詞 と 名詞がある。

語源は、 ラテン語 「 必要な 」( necessārius )。

ne – ” ( 否定 not )+  ” cess ” ( 譲る )  +  ” – ary “( ~ の )

” need ”  に形容詞はなく、 ” necessary ”  に動詞はない。

にもかかわらず、 両方とも 「 必要 」 を表し、 同義扱いされている。

これは、 大方の日本人学習者が混乱する、 品詞と和訳の問題である。

この辺りは、” aware ”  と  ” vocal ”  で、 細やかに探究しているので、
ご覧いただければ幸い。

 

(※)  LDOCE6( ロングマン )の指標によれば、

  動詞  “ need ”
–  重要度 : 最上位 <トップ3000語以内>
–  書き言葉の頻出度 : 最上位 <トップ1000語以内>
–  話し言葉の頻出度 : 最上位 <トップ1000語以内>

  名詞  “ need ”
–  重要度 : 最上位 <トップ3000語以内>
–  書き言葉の頻出度 最上位 <トップ1000語以内>
–  話し言葉の頻出度 : 最上位 <トップ1000語以内>

【発音】  níːd  (1音節)


  動詞用法も名詞用法も、
全項目において、 最重要かつ最頻出
  英単語全体における立ち位置が、 最高水準の   ” need

こんな英単語は、 そうそうない。

重要単語であっても、 品詞によって、 頻出度に違いのある方が普通。

例えば、 動詞 ” want ” ( 後述 ) も最高水準で、 最重要かつ最頻出。
なのに、 名詞 ” want ”   の頻出度は、 書き・話しとも、 3000語圏外。

” want ” の名詞用法は、 動詞用法に比べて、 はるかに格下ということ。

抜きん出る英単語だからこそ、 本稿では  “ need ”  と  ” want

の要注意な 「  強烈さ  」 を強調したい。

私たち日本人は、 使い方を誤りやすい。

【参照】

 ” No need ”  も 『 断る力


【 ご注意 】
need ” と ” want ” は、 差し迫った要求。
きつく聞こえがち なので、 対人では 注意 !

日本語の 「 必要 」 に比べて、 かなり感情的


<対面>
で使う際は要注意。

特に相手が <目上> の場合

  やたら ” I need 〇〇 ” と 要求 してはならない。

前記の ギャー ギャー 騒ぎ立てる有様 」 そのもの。




◆  名詞 ” need ”   と   名詞 ” want ”   の複数形を組み合わせた、

wants and needs ” は、 「 欲求とニーズ 」。

既記の通り、 要注意な 「  強烈さ  」 が特質の2語。

決まり文句に近いペアで、 文脈次第で、

欲望と要求 」 「 要求と必要性 」  などとも訳される。

単数形でも使う。

デリケートな内容で、 和訳に手こずる。

 

◆  相手との関係・状況・言い振りにも左右されるが、
ここでは日常的なビジネスの場を想定する。

例えば、

■  上司に面と向かって、

I need it. “

私はそれが必要なのです
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

とっとと渡せよ

早くやれ

こんな風に受け取られる可能性がある。


ギャー ギャー

 

すぐやれ!

 


命令の勢いを帯び、 上司ならカチンと来ても不思議でない。

部下にいきなり 「 大至急やれ 」 と居丈高に厳命された心境。

よって、 平時には  ” I need – ”  の出番は少なめ。

文面でも、 同じ傾向が見られる。


店頭で 「 これください 」 「 これにします 」 と注文する際、

” I want this.”  や  ” I need this.”   では、 がさつでぞんざいに響く。

同僚や友人ならいざ知らず、 初顔合わせであるなら感じ悪いので、

これらの方が無難。

トラブル予防には不可欠な知識なのだが、 日本の学校教育では
教わる機会が少ない。

至極残念である。

学校の教え通りに、 ” I need 〇〇 “、 ” I want 〇〇 ” と無邪気に
口にする日本の中高生を思うと、 なんともやりきれない。

 

◆  日本のコンビニ店などでは、 有料レジ袋の要否を確認するため、
外国人客に対し、 端的に  ” Need a bag ? ”  と聞き出していたりする。

「 対人用途 」 であるものの、 相手の希望 ( 必要性 )を尋ねており、
なにかを要求しているわけではない  ので、 上記の危険は該当しない。

Need a help ? “、” Need help ? ” ( 手伝おうか ) も同じ論理。

Need support ? ” ( サポート・助けが必要ですか ) も同趣旨。

Need a ride ? ” ( 乗りますか )( 送っていこうか ) もそう。

嫌味っぽかったり、 語気 ( tone )鋭くなければ、 基本非礼はない。

簡約すぎる向きは否定できないとはいえ、 なれなれしくなければ可。


【参照】  「 英語は3語で伝わりません 」 は、 本当か
【参照】  「 品格 」 よりは、 有用な援助が物を言う

 

 

実務によく出る完全文であれば、

” need ” なのは相手側なので、 やはり なにかを要求しているわけではない

上の助動詞に比べれば、 相手の心情の表現として ” need ” の方が押しが強め。

ただ、 事務連絡の用途では直截な表現が好まれて、 ” need ” の起用は無問題。



◆  よろしくない例は、 こちらのシーン。

動画開始後  21:08  で飛び出した、 堀江貴文氏の  I want ”  発言である。


I want you to –

レバノンで カルロス・ゴーンと 対談しました ( 2020/3/6 )


堀江貴文 ホリエモン ( 公式チャンネル
2020年3月10日 公開



◇  ゴーン元会長に対する物言いとしては、不適切と考える。

「 ぜひとも  ~  をやっていただきたい 」 とおっしゃりたいのだろう。

ところが、 前後の文脈を勘案しても、 「  おまえ、 ~  をやってくれ  」。

おまけに、 人差し指で指差しつつ述べているから、 厳かに命じる感。

ひどい。

暴挙に近い無礼さに、 見ていて恥ずかしくなってしまう。

 ■  日本語字幕 ( 公式版 ):
「  私はあなたに 日本の司法制度が良くない事を
世界に広めて欲しいと思っています  」

 ■  実際の口調 ( 拙訳 ):
「  日本の司法制度が良くないって、
おまえが世界中に広めてくれ  」


思うに、

  失礼な一幕で、 手振りも 口振りも、
  ゴーン氏に対する 「 命令 」


かのようだ。

先述のまずい会話を、 見事なまでに具現している。

無性に活発な両手の動きが人目を引く。

とりわけ、 人差し指は上図と紛うばかりの存在感。

ジェスチャーは、 大勢の認識以上に注目されやすい。

なにより、 対談中、 何度も頬杖をつくのが目立ちすぎ。

” want ” の弱点  はともかく、 指差し頬杖  は基本マナーに背く。

堀江氏は気づいていない模様。 

癖かもしれない。

しかし、「 キャラ 」 「 個性 」 で済まされる所作とは言えないだろう。

社会人として、 もったいない。

◇  一方、 ゴーン氏の聞き手としての態度は、 誠実で立派と感じる。

世界を舞台に長年活躍してきた、 トップマネジメント特有の物腰。

射る眼光が放つ荘厳さに加え、 底知れぬ静穏な佇まいが醸すオーラ。

多様性に日々揉まれ、 職務上 「 異文化理解力 」 を要求されてきた
ビジネスパーソンに共通する雰囲気。

経験上、 そんな気がする。

数々の無作法な言い回しにも、 気分を害する素振りを見せることなく、
集中力を維持したまま、 熱心に討議する姿が動画を通じて見て取れる。

英語力は言わずもがな、 体の構え( 姿勢 )の差異も際立っている。


※  ホリエモン風にやったら、 私なんかは  即刻クビ  になる


◆  「 英単語の丸暗記こそ、最強の英語勉強法 」

と公言する方々は、 応分の高い英語力を有する割には、
なぜか「 場違いな 」基礎表現を乱発するきらいがある。

40年以上に渡り、 幾多の学習法と学習者を見聞きしてきた感想。

なぜかしらん。   基礎なのに。   難しい単語もご存じなのに。

高度な語彙力の持ち主として推断すると、 異様なギャップに驚く
こともしばしば。

並外れて優秀な頭脳を加味すれば、 完全に不相応で怪奇なほど。

真剣に商談していた有用な人材が、 突然、 赤ちゃん言葉で
ばぶばぶ話し始める、 衝撃的な場面に立ち会うかのごとし。

「 英単語の丸暗記 」 に重点を置きすぎた方の陥りがちな陥穽
なのか、 堀江氏の英語を拝聴し、 ふと典型を見い出してしまう。

数ある著作で「 英単語の丸暗記 」の有効性を主張し続けるホリエモン。

確かに 「 英単語の丸暗記 」 は、 受験対策には効率がよく、 効果的。

◆  けれども、 実力が  中級 に達した後は、 めったに出会わない単語
を羅列する教本に執着せず、 リアルな英文に接することの方が大事。

市販の単語集で一生懸命勉強し、 どんなに語彙数を増やしても、

英文を読まねば、 無意味に近く、 紙上に兵を談ず。

仮に、 記憶術などを駆使して、 3万語を覚えることができたとする。

見上げた努力だが、 これだけで英語力が上がったと言えるだろうか。

とんだ勘違いであろうが、 こういう日本人学習者は相当数にのぼる。


文章を機械翻訳を使って外国語に置き換えていけば
意思疎通が可能だと思っている人が多いのですが、
これは間違いです。

機械翻訳は、言葉の置換はできても、
それがその文章に適切な表現なのかを判断することはできません。


「 間違いだらけの多言語サイトで危ぶまれる翻訳の未来 」
https://diamond.jp/articles/-/287089
2021年11月11日付

※  太字は引用者


こうした指摘同然の懸念が浮かぶ。

AI( 人工知能 )翻訳の品質評価で、 頻発している問題点。

世間一般には、 流布していない実態である。

【参照】   AI vs 通訳AI vs 翻訳

 


▼  thief  が自ら通報してくれるお店 🤣


  主語抜きの邦文を機械英訳した失敗例

( 2023年 ビックカメラ なんば店 )


勝手に 「 幻覚 」 を生み出す怖さ

人間が翻訳していれば絶対に起こり得ない誤訳を、
生成型AIは確率論の名において平気で冒すことが出来る


「 AIが間違えるハズがない 」 は危険。
平気で嘘をつく生成型人工知能の限界
https://www.mag2.com/p/news/583243/3
2023年8月31日付


AIを過信する危うさは、 ” Vocal about – ”  で追究した。


◆  さらに、 具体例を挙げる。

以下、 ” vocal about – ”  より再掲。

2017年のサービス開始以来、 「 世界一高精度な翻訳ツール 」 と
自称する、 多言語翻訳サイトの 「 DeepL 」 ( ディープエル )。

本拠地はドイツ。

世に名声をとどろかせる AI翻訳 が仕出かした 「 重大な誤訳 」 をご紹介。

和訳の自己レビュー中の出来事。

英文を自分で和訳して作った日本語文書を、 DeepL で機械英訳して、
英語に戻す作業により、 自ら和訳の品質( 精度 )を点検していた。

原文は英語  →  和訳 ( 私 ) →  英訳 ( DeepL、下記の通り )

懲戒処分( disciplinary  action )の一環としての始末書関連の翻訳。

2022年7月21日実施。



画像の拡大

※  赤字の 「 ← 誤訳 」 は追加


赤い矢印は、 完全な誤訳で、 これはまずい。

意味があべこべ。

否定の形容詞  ” no ”  は余計。

No need  for a ” no ” here !

拡大してみる。



直下の 「 別の訳語一覧 」 は誤訳になっていないから、
なおさら妙な気がした。

どうしてこうなったのかは不詳。   不気味で怖い。

熟練の翻訳者は、 この手のミスはしない。

全体を見据えながら翻訳を進め、 完成前に異常値を阻止する。

同日すかさず、 DeepL で 類義の 「 自己の責めに帰する
を機械英訳。

次の英訳が現れ、 明らかな問題は見られなかった。

「 DeepL Pro 」 の文言が示すように、 有料版である。

▲▲  再掲終わり  ▲▲

この  ” vocal about – ”  には、 その他の誤訳例もたっぷり掲載している。

( 実名入り、 図入り )

◇  語義が分かることと、的確に使いこなせることは、まったく別の話

語彙の認識 ( recognize ) と運用 ( command ) は、 練度の高低に差がある。

英単語の意味がぼんやり分かるだけで実用に供するなら、 そりゃ世話がないわ。


言葉を取り扱うプロたちは、 多彩で複雑な内奥の広がりを知覚する。

幾重にも重なる言葉の多層性は、 上澄みをすくったくらいで見えない。

いくつもの意味 ( 語義 )を包含する単語が数限りなくあるということ。

外語相手の翻訳者に限らず、 母語中心の作家や漫才師らも知り抜く話。

置き換えで事足りない点は、 本稿で引用する複数の翻訳者が証言する。


Vocal about – ”  より


プロではない一般人が常用する日本語だって、 そうではないか。

私たちが普段おおよそ使わない、 日本語の難しい語彙をたくさん
知っている日本語学習者が、 実質的に使える日本語ができるとは限らない。

「 ちょいと眉唾物かも … 」 どことなく勘ぐりたくもなってくる。

外語ゆえんなのか、 こと英語に関しては、 さして思考し整理することなく、
ごっちゃにした末に、 単語一辺倒の風潮に色濃く染まっているのが悔しい。

長期に渡って、教材に取り組み続けると、「 勉強している 」 自己満足に
酔った挙句、 上辺だけの見せかけ英語に流れてしまう危険が待ち受ける。

やばくない ?

かるたみたいに、単語を並べるのみなら、それでよいかもしれない。

ニュアンスで使い分ける視点も理解力もなく、ほとんど暗記ゲーム。

真面目な日本人学習者にありがちなのは、 単語数を増やすほどに、
英語ができるようになると妄信し、 上級語の暗記に精を出す盲進。

お馴染みの勉強法だが、 思い通りに結実する中長期の展望は暗め。

それより、 「 使えない 」 自己満英語に向かって、 まっしぐら。

◇  語感の持つ重要性を知れば、闇雲に単語数を増やそうと思わない

 

なぜなら、 まともに使いきれない上級語を増やして悦に入るよりは、 皆
が使う基礎単語と 句動詞 phrasal verb ) を習得する方が、 実用に
即しており、 確実に通じるようだ、 と感知するから。

動詞なら、 putgivegettakemakehavego,  want  が代表格。

英語を使える人間であれば、 例外なく全員が習得している基礎単語である。

今覚えようとしている難しい単語、 ご自分で使う機会はありそうですか

上等すぎる英単語の丸暗記は、 電話帳の暗記に似寄るので用心する ( 後述 )。

中級者であれば、 もっと優先して学ぶべき重要な単語やフレーズは山とある。

先に挙げた動詞は汎用性も応用力も強大で、 みっちり仕込めば飛躍を遂げる。

総合的な英語力の底上げとして得られる絶大な効力は、 上級語の比ではない。

基礎単語をじっくり学び直すべきなのに、 手が回らないから英語ができない。

日常語すら心許ないのに、 高難度の語に飛びついたところで、 まず使えない。

マニアックなものに手を出す前に、 誰もが使う単語と表現をきっちり固める。

日常会話さえできないのに、 ハイレベルの知識を詰め込んでいるのが日本人。

自ら使うに至らぬまま、 しゃかりきに習い理論武装を重ねる方が極めて多い。

高難度な単語を覚えることに精一杯で、 簡単な単語を使いこなす余裕がない。

会話なくして口を動かさない 「 英語の勉強 」 に満悦し、 時間を使い果たす。

口で発声してみなければ、 絶対しゃべれるようにならないのは争えない事実。

勉学に専念し、 user になることなく、 English learner だけで一生を終える。

おかしな話だ。

認識止まりが learner、 自分で語彙運用 ( command ) を試みるのが user。

 

読めればよいのなら、 必然の帰結として、 スピーキング実現から縁遠くなる。

もし、 自ら話せるようになりたければ、 考え方を改めなくてはならないかも。

もっとも、 受験・資格対策であれば、 割り切って覚えるしかないと考える。

◆  漠然と単語の意味が分かるぐらいでは、4技能( 聞く ・ 読む ・ 書く ・ 話す )
を万遍なく、 一定水準まで高める目的には程遠く、 的外れな注力となる。

はっきり申し上げると、 使い物になりそうもない、 偽の英語で終わる。

通じる英語から、 知らず知らずかけ離れていく、 几帳面で必死な勤勉さ。

痛ましい結果が、「 使える英語 」とは別物の、 自己満英語の出来上がり。

ご本人は 「 英語ができる 」と思い込んでいるから、 とてつもなく厄介。

言葉の使用場面を誤るとどうなるかは、 先ほどの映像が示唆してくれる。

誰しも使うような、 最重要かつ最頻出の基礎単語の誤用は避けたい。

限られた時間で学習する以上、 実際に使える英語を目指そう

勉強時間の使い方を間違えてはならない。

やるべきことの優先順位を間違えてはならない。

もったいない。

【参考】    ※  外部サイト

–  英検1級に必要な語彙数は、 英語ネイティブなら中学生未満

◆  いつ使うか予期できぬ字面をひたすら暗記するより、現に目の前
で取り上げている具体例から学ぶ方が、 殊の外、 気楽で飽きにくい。

英会話や英作文を通して、 自ら語彙を運用できれば、 なおよい。

「 語彙力 」は教養の土台を形作るが、 相手あってのコミュニケーション。

受け手の理解度及び反応に寄り添って、 語彙運用する心遣いが望ましい。

「 頭がいい人 」 「 できる人 」 と思われたいなんて、 もってのほか。

そもそも、場にそぐわない難解な言葉を用いても、本能的に反発されて、
心理的に 距離を置かれて しまうどころか、 そっぽを向かれるのがおち。

【参照】   ” perceive

衒学的な尊大さが、 鼻につくのだろう。

ましてや、 私たちはノンネイティブ ( 非英語母語話者 )。

ネイティブを英語力で打ち負かそうなどと、 思い上がらないことだ。

【参照】   ” Please advise. ”

◆  こう考えた私は、 「 生の英語 」に触れるよう、 多読・多聴に努めた。

ここで言う「 生の英語 」とは、 一般人の生活で多用される英語。

インターネットが普及した現在では、メルマガ  及び  インターネットラジオ
も存分に活用している。

便利な時代だ。

今の若者がうらやましい。

 

散歩 や 筋トレ では、 骨伝導ヘッドホン
耳が疲れにくく、おすすめ

( Shokz  OpenMove

 

古いスマホを再利用して、 浴室でも リスニング

 

のんびりごろごろ、 長続き

 

室内で揺らめき、 ひらめくぶらんこ

  別稿 「 単語の覚え方 」 より

◆  「 単語力か、多読か 」は、 英語学習の不朽不滅の論点。

1980~90年代、 本気の英語学習者の一部に知られていたのが、
渡部昇一 ( 1930-2017 ) と  松本道弘( 1940-2022 ) の論争。

英語学者として 「 単語力 」 を強調する渡部教授に対し、 一貫
して 「 多読 」「 速読 」 を力説する、 通訳者の松本氏に私淑
していた若かりし頃の私は、 氏の説く手法をやんわり踏襲した。

松本氏の初期の著作、 ことさら  『 私はこうして英語を学んだ 』、
速読の英語 』、  『 「タイム」を読む 』、  『 「FEN」を聴く 』、
速聴の英語 』 は、 むさぼるように何度も読んだ。

そして、 毎日、 愚直に実行した。

※  いずれも旧版、  80年代頃の松本作品は良質だった

1975年刊の 『 GiveとGet 』 は、 何べんも反復して読み返し、
サイデンステッカー( 1921-2007 )との共編 『 日米口語辞典 』
の 「 増補改訂版 」 は頭に叩き込んだ。( 「 決定版 」は 2021年刊 )

◆  「 単語力 」 以上に 「 多読 」 を優先してきて、 大正解。

分からない単語に   いちいち気を揉む代わりに、
力量に見合った  英文を  大量に  読み込む心構え。


単語の暗記・単語帳の作成 よりは、 英文を読む時間 を重んじた。

不明部分に拘泥しなくても、 決定的な支障が出ない読み方を会得した

試験には通用しがたいかもしれないが、 これぞ自然な「 読書 」に似通う。

常日頃、多くの人は母語で活字を楽しむ時、 無意識にこうしているだろう。

外語は勝手が違うとはいえ、 力がついてくると、 母語の読書に近づく。

文脈・用例から意味を推理し、 かれこれ読み取っていく読解力の発露

一部抜粋されると誤読・誤訳してしまう晦渋な英文であっても、 文脈
に沿ってだいたい読めていれば、 すらすら読み解けていたりするもの。

試験並みの厳しく丁寧な吟味がなくとも、 一応 「 読書 」できている。

読めるようになってくると、 英文法のあれこれに気を取られなくなる

文法は大事であるが、 英語が使えるようになると、 意識から遠のく感。

母語を気兼ねなく行使する際、 文法を念頭に置かない状況に似てくる。

以前みたいに、 文法のために中断を強いられ、 頭を抱える時間が減る。

文法の煩雑さが低減していく手応えは、 英語力増進の物差しとなりうる。

目にした瞬間、 脳天に一撃を食らわす、 あの猛烈な英語アレルギー。

英文に見慣れれば、 そんな心理的障壁も薄れ、 心地よくなってくる。

辞書を通読する気力があるなら、 多読に充てる方がベターと感じる。

◆  しんどい一因は、 他人が集めた 片言隻語 ばかりに向き合っているから。

多読・多聴で学んだためか、「 よく我慢できるな …  」 と生真面目さに心底感心。

身近にあふれる面白い英文を無下にして、単語集に没頭する理由がどうにも不可解。

無気根者の私は、 ” No need  for  much  secondhand  info ! ”  と激しく思う。

暗記中心で、 英語の実力が本当に伸び続けるなら、 無論こうは言わない。

実は「 受け身 」的な、つらい苦行。    無味乾燥で、つまらなくて当然。

いつまでも既存の単語集・表現集に依存せずに、 早々切り上げて、

得意分野の英文を がんがん読もう


そっちの方が、 変化に富み、 きっと無理なく続く。

少なくとも、市販の教材にしがみつくより、「 自信 」がつくぞ !!  

「 案外、読めるぞ。  なんか、いけるかも …  」  芽生えが始まる。

これまでの積み重ねの成果を目の当たりにして、 バイリンガルの

仲間入りする自覚が高まり、 苦労が報われた実感で胸がときめく。

能力と相性に沿う英文を選ぶことが、 なによりも大切で、 成否を決す。

なんとなく、 心身の調子が上向く程度の難易度がちょうどよい。

もし、 ストレスがたまるなら、 まだまだ難しすぎるため、 選び直す。

辞書を引かなくても、充分読めるレベル 」 からスタートしてみる。

ご自身と相談しながら、 難易度  及び  ペース  を上げ下げしつつ調整。

こうすれば、中級者は、能動的に働きかける学習態度を養うことができる。



◆  インターネットが普及した現代は、 自分に適した英語を自由自在に選べる。

それ以前の日本社会では、 英語に接するまでに、 手間暇・コストを要した。

英語のケーブル放送を目当てに、 都内のホテルにて自主合宿したもんだ。

自宅では、 高価な 短波ラジオ で、 ノイズにめげずに国際放送を受信していた。

2か国語放送は1980年代、 BS・CSは90年代より徐々に家庭に浸透していった。

英字新聞・雑誌を 定期購読 し、 海外発送分は「 国際郵便為替 」で毎年送金。

やっとこさ手にした大抵の雑誌は  ” cover-to-cover ”  で舐めるように読んだ。

なにかにつけ、 あれやこれやと費用がかさんだ。

選択肢が手薄い当時は、 しくじると浪費に直結したので慎重だった。

一般個人は、 こうもしないと、 生の英語までたどり着けなかった。

◆  勇気を奮って、「 補助輪 」 を取り外し、 思い切りペダルを漕ぐべし !

教材づくめの学習法には、 それほど期待できない濃厚な目覚め。

この喜びは、原文を読みこなして、 味わっていただくしかない。

英文の場数を踏むと「 弾みがつく 」現象は、やってみれば分かる。

素材さえ合っていれば、 中級者は着実に進歩し、 自信がぐっと高まる。

あらぬ方向に突き進んで、 自滅してしまう可能性は低い。

この安定感こそ、 初学者とは 一線を画す、 実力者の本領なのだ。

与えられた素材ではなく、 自分の頭を使って学習計画を立案する。

教材相手では到達困難な領域を自ら開発し、 独自に展開していく興奮よ。

自発的・内発的な動機の底力と、 自主的な行動力の効き目はすさまじい。

早めに 原文に 着手しましょう

 


◆  一般的な日本人の生活環境を考慮すると、 インターネットなどで英文を読む
ことこそ、「 英語を使う 」 ことに接近するための手軽で手近な手段と考える。

市販教材は、 部分的に抜き出した抄出素材ゆえに、 真の読解力を体得できず。

著作権の問題があり、 欲しい題材を安易に取り込むことはできないのである。

そこまで関心のない過去の話題中心なので、 好奇心も湧かず、 退屈な勉強に。

紙幅に制限がある中、 学習者の役に立ちそうな内容に焦点を絞り、 出版側の
都合及び執筆者の能力範囲という制約内で説明を加えるのが、 学習教材の主流。

編集者・監修者・出版社など、 大勢のフィルターを通した学習となっている。

それが教材学習の本質であり、 知るや知らずや、 他人に多分に依存する仕様。

かっちり骨組みを決められ、 がっちり主導権を握られていることに気づくべし。

良心的な教材であるほど、 学習者の引っかかりやすい箇所をあぶり出してくれる。

その反面、 弱みを補完する意図の本ばかり読んでいると、 全体から文意を主体的
につかみとる読解力は育ちそびれ、 解説なしでは気が臆し、 もろくもくじける。

理屈が通りにくい、恣意的・気分的要素を踏まえ、 解き明かすことはややこしい。

その解説が妥当であればまだしも、 言語の世界は一筋縄ではいかないことが多い。

あらゆる角度から分析した達意平明の教材よりは、 粗製濫造じみた傾向がある。

高い素養を積んだ外国人学者の説ですら、 異議を挟みたくなる記述が散見される。

Could you update  – ?  ”  の後半にて、 ネイティブ学者の説に反証してみた。

vocal about – ”  では、 「 日本の第一人者 」 の 杜撰な論考に反駁してみた。

※  後述

その辺の教材に付き合うくらいなら、 心より読みたい素材の方が幸せをもたらす。

 

加えて、 自力でいけるかどうか、ざっと相対的に判別していく貴重な経験を放棄。

資源と所要時間を見積る能力が、 段取りと産物をいかに決するかは身に染みる話。

それどころか、 依存的体質が染みついてしまい、 いつまでたっても自立できない。

ずるずる他人に頼ると、 こうなる。

下手すると、 心は 「 万年受験生 」 ( 後述 )。

正否の 線引き を厳格に定める本に執心すると、 通じる英語の枠組みを設けづらい。

理論と運用が秩序立たない用途も数多く、 時に白黒つけがたく泥臭いのが、 実用。

初級なら指導者の手引きに従うべきだが、 中級以降はもっと能動的になってよい

お膳立てを整えてもらうのでなく、 切望するスキルを突き止め、狩りに行く心意気。

これから記すが、 リスニング教材も単語帳も、 自分で作ってしまえばいいのでは。

いろいろ手を打って、 うきうきする教材を自前で用意すれば、 退屈とは無縁になる。

私はそうした。

 

自分で作れば 自信 喜び が湧く

【参考】    ※  外部サイト

–  コミュニケーションと違い、 リーディングは自学自習できる

 

中級者なら、 主導権を奪われるな

 


初級者だった昔と違って、 なんとなく気乗りしなくなってきている …

教材選びに失敗するとこうなる。  

慢性的に 「 退屈している 」 危ない状況を自覚できていない人たち。

一途に市販教材に取り組む 「 勤勉さ 」 が及ぼす危険の典型である。


「 自分の世界 」 が広がる英語  より

◆  YouTubeの コメント や商品 レビュー( アマゾンなど )も、
一般ユーザーが気軽に発した生の英語に触れるチャンス。

お手元に英語素材がなければ、 手始めに コメントとレビューから
取り掛かるとよい。

魅了された動画や商品の英文コメントを、 ついでに読む 「 習慣 」。

「 今日からできる 」 英語学習であり、 人生を変える効果がある。

翻訳機能を使えば、 その場で答え合わせでき、 気苦労は少なめ。

すこぶる奨励する学習法のひとつであり、 私も毎日実行している。

玉石混交といえど、 とにかく楽しい教材となる。

旧来の新聞・雑誌の読者欄は言うまでもない。

なにしろ、 投稿者の感情がほとばしり、 エネルギーが充満する。

コメント回り 」と称し、 めぼしい日英表現を 語彙採集 し、

営々と単語帳 に登録するのが、 永年の私の日課である。


◆  世界中の英語学習者に対して発信される、 本場発の講義動画も絶賛推奨する。

一例として、 ” Oxford Online English ”  を  ” integrity ”  でご案内している。

お気に入りの作家・映画の作品をリピートする習慣 も、 ぜひ取り入れておこう。

しっくりくる素材を元手にして、 丈夫な柱を埋め込む 大人の勉強法は後述する。

オーディオブック は名実ともに充実しており、 作家自らが朗読する作品も豊富。

誰もが知っている大物俳優が、 長々と何時間もかけて朗読しているから驚く。

メリル・ストリープシャロン・ストーンジェーン・バーキン も複数販売中。

※  舞台出身の メリル・ストリープ ( 1949- ) は朗読歴も長く、 格別な出来。
1990年代後半、 カセットテープ版を5作ほど買ったが、 彼女の発音はさすが。
オーディオブック も天下の絶品で、 オペラ歌手仕込みの柔らかい発声が聞ける。

ナレーターとは違う個性が丸出しで、 出演映画以上に気合が入っていたりする。

気になる人物の自伝朗読は、 うれしさにわくわくして、眠れないほど心が躍る。

見知る有名人が自分だけに語りかけているという幻想で、 胸がどきどき高鳴る。

憧れの人に個人教授されているつもりで、 一言一句を吸収し、 真似てしまおう。

< 検索リンク >

https://www.audible.co.jp/search?searchNarrator

高難度の単語・表現は、 どこから得たか私は大方覚えている。

この表現は、 Xさんがあの時使ってた 🤩

心密かに甘酸っぱいファンタジーの快楽に身を任せている。

Xさんが私に直々に教えてくれたんだ 😍

外語学習の知的興奮は、 えも言われぬエクスタシーの極み。

◆  著作権切れの  ” pubic domain ”  にある創作物の朗読は、 基本的に無料。

https://tunein.com/audiobooks/

【参照】  「 TuneIn Radio 」 で英語リスニング、  ” public domain

YouTube でも、 英語作品の朗読を提供するチャンネルはごろごろしている。

https://www.youtube.com/results?search_query=read+story+in+english

気に入った作品を録音し、 自習用のリスニング教材を 「 自作 」 してしまえ。

【参照】  自習教材を自作するために使っている道具 ( 写真入り )

◆  セレブらの追っかけ ( 記事・動画・書籍 ) は、 私には非常に効果があった。

大昔の情報も映像も、 インターネットで探せば、 独力で仕入れられる幸せよ。

40年以上前、 紙面に見入り、 想像をたくましくして、 そっと思い浮かべた
光景の動画を、 今や検索するだけで難なく探し出せ、 自宅でゆっくり楽しめる。

果てしなく続いた夢が、  幾星霜を経て一飛びに叶い、  感謝感激を噛み締める。

あぁ、 生きててよかったな …

情景を味わい尽くそうと、 じろじろ見つめ、 躍起になって反すうし胸に刻む。

唾液飛ばして舌を動かし、 幼児みたいに声を出し、 きゃっきゃっと真似っこ。

画面越しに食らいつく。

気に入った作品は執拗に反復し、 暗唱するまで仕上げると、 堅固な支柱が立つ。

得意な分野に集中して、  英語の柱を立て並べながら、  基盤を踏み固めていく。

中級の大人は、 大好きな方面の英語をとっかかりにする方が、 楽に成長できる

子どもと違い、 自分の素質に合う分野はどの辺か、 ある程度は目星がつくはず。

いかにも教科書的な進捗よりは、 得意分野から足場を固める方がスムーズに捗る。

外堀を埋めるのではなく、 造詣が深い専門の牙城に直に切り込む方が実は楽ちん。

英語力は不十分でも、 動機が盤石、 なぜだか話の流れは分かり、 継続しやすい。

英語から遠ざかる隠れた原因は、 砂をかむ教材で、 げんなりと意気阻喪するから。

何十年も生きてきた大人が、 学生向けの素材で勉強し続けるのは大儀でならんわ。

基礎力を備えた中高年の中級学習者は、 興味津々な素材中心に進めていくのが吉。

刺激的で飽きず、 持続できて自己肯定感が高まり、 とんとん進展し心が折れない。


個人的関心と職業を上手に組み合わせていくと、 非常に強力な威力が加わる。

自信と自尊心が強化され、 人生が好転する相互作用・相乗効果を実感できる。

自己肯定の循環が発生し、 人生の運びが好調となり、 生きる力が湧いてくる。

地位・名誉・年収などの外的報酬動機から内的動機にシフトすればなおよろし。

高齢になっても、 支障なく続けられるのは、 自分志向の内的動機付けゆえん。



「Gmail」で作る単語帳  より


意志力以上に、 よい習慣と仕組みを味方にする。

意志力にいつも頼るのは、 不安定で病みやすい。

自分に合う習慣と仕組みを設ける方が楽に続く。


( 中略 )

「 仕組み → 習慣化 → 無意識 」 で気が楽になる。

なにも考えずに、 反射的・自動的に動けるように。

楽々( effortlessly )できるようになってすごい。

※ 気まぐれな意志力を私はあんまり信用しない


【時間管理】視覚化して脳を安心させる  より


😵 意志力に頼ると、 辞める・病める人になりがち 😵‍💫

∵  しんどい


崖っぷちに自ら追い詰めるやり方を、 私はおすすめしない。

一夜漬けの短期決戦はいざ知らず、 長くは続かないからである。

その反動で燃え尽きたり、 得体の知れない疲れが残ることもある。

50年以上生きて振り返ると、 その潜在的な危険性が透けて見える。

なによりも、 心の状態に左右されない仕組み作りが大事 と考える。


「 単語の覚え方 」  より

【参考】    ※  外部サイト

 


中級 の力量の持ち主は、 興味が湧く対象を中心に取り組むと結果良好。
気になる素材をやり終えることで、 見違えるほどたくましくなります。

すべての疑問がすっきり解消するまで、 最初から最後までお供します


分からなかった部分を洗いざらい解き明かしますので、 挫折しにくい。

大好きな作品を支柱として埋め込み
、 それを足掛かりにする自習習慣。

語学の基本は真似なので、 暗唱するまで仕上げれば一生の財産になる


支援サービス ( Support Services )  より

◆  よほど惚れ込んだ対象となれば、 専用の 単語帳 を作り、 着々とひそみに倣う。


これ1本で、 YouTubeなどの動画と音声をダウンロードし、 保存できる。

動画のURLを入力( コピペ )して、 提示された複数のファイル形式から
希望を選べば、
あとは内蔵の動画ダウンローダが保存先にダウンロード。

動画の音声のみのダウンロード・保存も楽々できる。

私的利用目的の範囲内で、 「 自習教材 」 を好き放題に作れて楽しい。

自ら取捨選択し編成した素材なので、 市販教材よりも引きつけられる。

MP3で保存した動画音声を、 移動時間などに年がら年中聞いている。

殊に、 リスニング ・ 書き取り ・ 語彙採集 ・ 発音訓練  に有益。

直感的に操作でき、 数百のファイル形式に、 ワンタッチで高速変換。

( 中略 )

音声を聞く iOS アプリは、 2009年から上掲  GoodReader  を使う。


辞書の 「 自炊 」 と辞書アプリ  より

  自習教材を自作するために使っている道具を記述 ( 写真入り )


1990年代までは、 ラジオは主にラジカセで録音していた。

1980年代、 チューナー内蔵のラジカセ登場後は、 テレビも音録り。

映画は、 ビデオデッキから、 オーディオケーブル1本で音声出力。

VHSからカセットテープに音声入力し、 ウォークマンで音声再生。

インターネット普及後に振り返ると、 なんだか冗談めいた話だが、

私にとっては、 なんの変哲もない学習習慣で、 久しく定着していた。



◆  あまり大きな声で言えないが、 40年以上、 物真似して生きてきたためか、

ひいきのネイティブ多数に、 お口の中に住んでもらっている感覚。

「 暗唱するまで仕上げる 」 と、 肌身離さずどころか、  24/7、 同居状態。

語学目的なので性別不問、 日毎夜毎、 うじゃうじゃ外国人と痛快に過ごす。

うっとりとした夢現の境を漂いつつ、 英語に揉まれて、 夢見心地の暮らし。

こうなると、 否定感情がまとわりつく隙はなく、 すがすがしくて常時快適。

これこそ外国語学習の醍醐味で、 頭の中に 「 別世界 」 を心任せに作れる。

英語好きな人に幸せそうな人が多いのは、 多重の場をこさえているからかも。

” What’s the use of – ? ” 、  「 Gmail 」で作る単語帳 、 ” integrity ”  で
詳らかにした。

 

( 以下、 後半の ” No need. (2) ”   に続きます。 )

 

 

 

 

 

 

 

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